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転生の章 幼児篇
第1話 なんじゃこりゃ!
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「いで!」
苦痛で頭を抱えた。ボクが見上げると目の前に三人の少年が立っていた。ニヤニヤしながら手に棒切れを持っている。
おそらくその棒切れで殴られたのであろう。いてーーー。
な、なんだ? どうした?
気付いたら変なことになってる。
それにここはどこだ?
この目の前の少年たちの着ている服も全然見たことがない。
周りを見渡してみると、草原に木の塀で囲まれた集落がある。
全然、現代の建物じゃない。
え? ちょっと待って。うそ!?
て、転生した? ボク死んじゃったってこと?
でも、突然こんなところにいて、の、能力は?
なんか、神様のサービス的なものはないの?
しかも、背がめちゃくちゃ低い。
この目の前の連中だって小学校高学年くらいだろ?
それの腰くらいって。
目の前の少年の一人が
「おい。もっと殴って遊ぼうぜ。飽きたら殺しちゃおう」
え? えーーー!!?
なんで? そんな暴虐な世界に来ちゃったの?
こんなのなら前のほうがまだ良かったよ?
その時だった。道の脇から大人の声が聞こえてきたんだ。
「これこれ。キミたち止めなさい」
少年を含めたボクたちは声の方を見た。
そこには装飾のされた見事な鎧に赤いマントをつけた優しい笑顔をした美青年が立っていた。その後ろには仲間であろう人が三人。
ホッ。こりゃ勇者か何かかな?
それで、この人たちの仲間になって魔王を倒しにいくとか、そういう筋書き?
勇者らしき人は少年にお金を渡しているようだった。
「これでこのコボルドの子供を解放してもらえるかな? いくら魔物と言っても子供じゃないか」
ん?
こ、コボルド……?
ボクは自分の手を見つめた。
毛だらけの手に五指はあるものの、肉球もある。
顔をなぜてみると、とがった鼻に固い短いひげが数本手に当たった。
え? マジ??
うそだろ。転生って魔物? 魔物に転生したの??
子供たちはお金を受け取ってうれしそうに集落に帰って行った。
勇者らしき人は腰をかがめて、ボクに笑顔を送った。
「群れから離れたの? 君たちの集落はどこにあるのかな?」
ボクは黙って後ろの山を指さした。
「そーか。平地に遊びにでも来たのかな?」
そう言ってまた優しそうな笑顔をくれる。
ボクはまた黙って足元を指さすとそこには赤、黄色、オレンジの花の束があった。
「ふふ。花を摘みにここに来たのか。気を付けて帰りなよ」
ボクはコクンとうなずいて、花束を抱えて山を指して走り出した。
途中に小さい小川があった。小川に飛び込んでチャプチャプと歩み進んで、川面を覗いてみた。
自分の顔を見てみる。
コボルドだ。犬の鬼。
顔が小犬そのものだ。二足歩行はしているものの、白い体毛にところどころ茶色いブチがある。左目と右耳が茶色いブチ。耳がたれて頭頂部に小さい角が三本ほどある犬の鬼だ。
楽しそうにハッハッハッハと舌を出して笑ってる。
オイ待て。これ犬じゃん。のび犬じゃんかよ。
こんなのないよ。せめて魔物でも魔王だろ。
コボルドなんて脇役中の超脇役何ですけど?
苦痛で頭を抱えた。ボクが見上げると目の前に三人の少年が立っていた。ニヤニヤしながら手に棒切れを持っている。
おそらくその棒切れで殴られたのであろう。いてーーー。
な、なんだ? どうした?
気付いたら変なことになってる。
それにここはどこだ?
この目の前の少年たちの着ている服も全然見たことがない。
周りを見渡してみると、草原に木の塀で囲まれた集落がある。
全然、現代の建物じゃない。
え? ちょっと待って。うそ!?
て、転生した? ボク死んじゃったってこと?
でも、突然こんなところにいて、の、能力は?
なんか、神様のサービス的なものはないの?
しかも、背がめちゃくちゃ低い。
この目の前の連中だって小学校高学年くらいだろ?
それの腰くらいって。
目の前の少年の一人が
「おい。もっと殴って遊ぼうぜ。飽きたら殺しちゃおう」
え? えーーー!!?
なんで? そんな暴虐な世界に来ちゃったの?
こんなのなら前のほうがまだ良かったよ?
その時だった。道の脇から大人の声が聞こえてきたんだ。
「これこれ。キミたち止めなさい」
少年を含めたボクたちは声の方を見た。
そこには装飾のされた見事な鎧に赤いマントをつけた優しい笑顔をした美青年が立っていた。その後ろには仲間であろう人が三人。
ホッ。こりゃ勇者か何かかな?
それで、この人たちの仲間になって魔王を倒しにいくとか、そういう筋書き?
勇者らしき人は少年にお金を渡しているようだった。
「これでこのコボルドの子供を解放してもらえるかな? いくら魔物と言っても子供じゃないか」
ん?
こ、コボルド……?
ボクは自分の手を見つめた。
毛だらけの手に五指はあるものの、肉球もある。
顔をなぜてみると、とがった鼻に固い短いひげが数本手に当たった。
え? マジ??
うそだろ。転生って魔物? 魔物に転生したの??
子供たちはお金を受け取ってうれしそうに集落に帰って行った。
勇者らしき人は腰をかがめて、ボクに笑顔を送った。
「群れから離れたの? 君たちの集落はどこにあるのかな?」
ボクは黙って後ろの山を指さした。
「そーか。平地に遊びにでも来たのかな?」
そう言ってまた優しそうな笑顔をくれる。
ボクはまた黙って足元を指さすとそこには赤、黄色、オレンジの花の束があった。
「ふふ。花を摘みにここに来たのか。気を付けて帰りなよ」
ボクはコクンとうなずいて、花束を抱えて山を指して走り出した。
途中に小さい小川があった。小川に飛び込んでチャプチャプと歩み進んで、川面を覗いてみた。
自分の顔を見てみる。
コボルドだ。犬の鬼。
顔が小犬そのものだ。二足歩行はしているものの、白い体毛にところどころ茶色いブチがある。左目と右耳が茶色いブチ。耳がたれて頭頂部に小さい角が三本ほどある犬の鬼だ。
楽しそうにハッハッハッハと舌を出して笑ってる。
オイ待て。これ犬じゃん。のび犬じゃんかよ。
こんなのないよ。せめて魔物でも魔王だろ。
コボルドなんて脇役中の超脇役何ですけど?
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