8 / 137
第1章――「サントドミンゴ篇 砂糖と疫病と未亡人」
第8話――「メキシコを呼ぶ手紙」
しおりを挟む
サントドミンゴの港に、キューバからの小さな帆船が入ってきたのは、朝のミサが終わるころであった。
フアン・デ・モリーナは執務室で書類に目を通していた。扉が叩かれ、家令が封蝋付きの書簡を捧げ持って入ってくる。
「キューバ総督、ディエゴ・ベラスケス殿からでございます」
フアンは眉を上げた。封蝋には、見慣れた紋章が刻まれている。
「こっちへ」
手紙を受け取り、目を走らせる。アルバロは窓辺に立ち、港の帆柱を眺めていたが、兄の表情の変化に気づいて振り向いた。
「何か、面白い話ですか」
「面白いというか、厄介というかだな」
フアンは手紙を机に置き、アルバロを手招きした。
「メキシコの話だ」
「メキシコ」
アルバロは、その言葉を口の中で転がした。
新大陸のさらに向こう、海岸線の先に都市と黄金があるという噂は、すでにサントドミンゴでも囁かれていた。だが、それはまだ遠い霧の向こうの話でしかなかった。
「キューバで2度の遠征が行われたのは知っているな」
「噂くらいは。大河と石の都市を見つけたとか」
「ベラスケス殿は、第3次の遠征を出すつもりらしい。その隊長に、エルナン・コルテスという男を選んだ。だが、どうにも信用しきれぬところがある、と」
フアンは、書簡の1節を指で叩いた。
「『モリーナ殿の弟君の働きぶりは、サントドミンゴでも耳にしている。インディオの扱いにおける才覚、勘定の確かさ、その両方を頼りたい』……そう書いてある」
「つまり、わたしをキューバへ呼びたいと」
「そういうことだ。お前の目でコルテスを見て、遠征を任せてよい男かどうか確かめてくれ、ともある」
アルバロは、窓の外に視線を戻した。港に停まる船の帆が、朝日を受けて白く光っている。
「黄金と都市の話は、耳障りの良いものだからな」
「耳障りが良すぎるところが、ベラスケス殿の不安の種なのであろう」
フアンはため息をついた。
「お前はどうする」
「決まっています」
アルバロは、口元に笑みを浮かべた。
「新しい盤を見たい。兄上とベラスケス殿が、その盤にわたしを置きたがっているのなら、ありがたく乗るだけです」
そのとき、扉の外から軽いノックの音がした。
「入ってもよろしいかしら」
イサベルが顔をのぞかせた。朝の光を受けて、白いヴェールが柔らかく揺れている。
「キューバの話をしている」とフアンが言うと、彼女は静かに室内に入ってきた。
「また、あの島へ行くのね」
「どうして分かるのです、お義姉さま」
アルバロが笑ってみせると、イサベルは少しだけ目を細めた。
「顔に書いてあるから。港の船を見るときのあなたの顔は、いつも同じだもの」
「困りましたね。わたしは、もっと冷静な男だと思っていたのですが」
冗談めかして言いながらも、アルバロは真面目な声に戻した。
「キューバ総督に呼ばれました。メキシコ遠征のことで、意見を聞きたいそうです」
「危ない話ではないの」
「危なくない海など、この世にありますか」
アルバロは肩をすくめた。
「でも、兄上も一緒です。わたし1人で好き勝手にやるよりは安全ですよ」
フアンが、苦笑いを漏らした。
「そう言われると、安心していいのか不安になるな」
「わたくしもお供してよろしいでしょうか」
イサベルの言葉に、2人は同時に彼女を見た。
「キューバの方が、今の季節は熱病が少ないと聞きました。この子どもたちの具合も変わりやすいでしょう。兄上を支えるなら、わたくしもそばにいた方がよいと思います」
フアンは少し考え、それからうなずいた。
「短い旅にはなるはずだ。屋敷と子どもたちのことは、従者を増やして守らせよう。それでよいな、アルバロ」
「もちろんです。頼りにしています、お義姉さま」
イサベルは、わずかに視線を伏せた。
「あなたが無茶をしないなら、安心して支えられます」
アルバロは、その言葉をごく自然に受け止めたふりをしながら、胸の奥でひっそりと笑った。
◇ ◇ ◇
数日後、キューバのサンティアゴの港には、いくつもの船が並んでいた。船腹には大砲と兵士の影が見える。波止場には槍と盾を抱えた男たちが集まり、先住民の荷役が樽と袋を運び、奴隷商人が値踏みするような目で行き交う者たちを見ていた。
「ずいぶんと賑やかだな」
アルバロが港を見下ろして言うと、案内役の役人が誇らしげに胸を張った。
「第3次遠征隊の準備中でして、殿。エルナン・コルテス殿の号令で、兵も物資も集まっております」
「コルテス殿はどこに」
「あの白い屋敷の向こう側の訓練場におられるはずです。まずは総督邸へ、と依頼されておりますが」
「順番を守りましょう。総督殿を待たせるのは得策ではありません」
石畳の坂道を上りながら、アルバロは目だけで港と船を数えた。帆柱の数、積まれている樽の量、馬の嘶き。金と血の匂いが、まだ海風の中に混じりきらずに漂っている。
総督邸の広間に通されると、ディエゴ・ベラスケスが太い体を椅子から起こした。頬に刻まれた皺は深く、目だけが鋭く光っている。
「モリーナ殿、よく来てくださった」
「お招きに預かり光栄です、ベラスケス殿」
フアンが先に頭を下げ、アルバロもそれにならった。
「弟君の働きは、ラス・カサス殿の報告でも聞き及んでおりますぞ」
総督はアルバロの方に視線を向けた。
「インディオの死を減らし、病舎を作ったと」
「自分のために働いているだけです。死んだ労働力は、砂糖より高くつきますから」
アルバロは、忠実な家臣を装って答えた。
「ですが、司祭殿は公平なお方です。悪いところも、改めたところも、そのまま書いてくださいました」
「そこが気に入った」
ベラスケスは笑った。
「わしは、黄金だけ数えている男を信用せぬ。数えるなら、死んだ者と生きている者、両方を数えるべきだ」
総督は机の上の別の書類を指で叩いた。
「エルナン・コルテスは、有能だ。兵をまとめ、航海もこなす。だが、あやつは黄金と栄誉に目が行きすぎる。王室への5分の1より、自分の取り分を先に考えておるようなところがある」
「それで、わたしを呼ばれたのですね」
「そうだ。わしは、第3次の遠征を失敗させたくない。あやつがメキシコで勝ちすぎて、わしや王のことを忘れてしまうのも困る」
総督は身を乗り出した。
「モリーナ殿。弟君の目で、コルテスを見てほしい。隊長としてふさわしいかどうか。もし危険すぎると判断するなら……」
「代わりに遠征をまとめる者が必要になる」
フアンが静かに言葉を継いだ。
「そのときは、わたしの家の者は、喜んでその役を引き受ける」
アルバロは一歩前に出た。
「ただ、コルテス殿の名誉を踏みにじるやり方は得策ではありません。兵たちの心が乱れますから」
「どうするつもりだ」
「簡単です。メキシコへ向かう剣と盾を、誰が1番うまく扱えるのか。神と人の前で確かめればよい」
アルバロは、さらりと言った。
「コルテス殿と、誰か1人。総督殿と兄上が立会人になってくだされば、誰も文句は言えません」
ベラスケスは目を細めた。
「誰か1人、とは」
「王室への5分の1を忘れずに数える者がよいでしょう」
アルバロは、淡々と自分の胸を指先で叩いた。
「わたしは善人ではありませんが、数字と帳簿については誤魔化しが嫌いでして」
フアンが小さく笑い、総督もつられて笑みを浮かべた。
「面白い。では、そうしよう」
ベラスケスは机を拳で叩いた。
「コルテスを呼べ。明日の朝、城壁の訓練場で、模擬の決闘をさせる。わしとモリーナ殿が見届けると伝えろ」
役人たちが慌ただしく走り出ていった。
アルバロは、その光景を眺めながら、胸の奥でゆっくりと息を吐いた。
盤は、思ったより早く動き始めていた。
フアン・デ・モリーナは執務室で書類に目を通していた。扉が叩かれ、家令が封蝋付きの書簡を捧げ持って入ってくる。
「キューバ総督、ディエゴ・ベラスケス殿からでございます」
フアンは眉を上げた。封蝋には、見慣れた紋章が刻まれている。
「こっちへ」
手紙を受け取り、目を走らせる。アルバロは窓辺に立ち、港の帆柱を眺めていたが、兄の表情の変化に気づいて振り向いた。
「何か、面白い話ですか」
「面白いというか、厄介というかだな」
フアンは手紙を机に置き、アルバロを手招きした。
「メキシコの話だ」
「メキシコ」
アルバロは、その言葉を口の中で転がした。
新大陸のさらに向こう、海岸線の先に都市と黄金があるという噂は、すでにサントドミンゴでも囁かれていた。だが、それはまだ遠い霧の向こうの話でしかなかった。
「キューバで2度の遠征が行われたのは知っているな」
「噂くらいは。大河と石の都市を見つけたとか」
「ベラスケス殿は、第3次の遠征を出すつもりらしい。その隊長に、エルナン・コルテスという男を選んだ。だが、どうにも信用しきれぬところがある、と」
フアンは、書簡の1節を指で叩いた。
「『モリーナ殿の弟君の働きぶりは、サントドミンゴでも耳にしている。インディオの扱いにおける才覚、勘定の確かさ、その両方を頼りたい』……そう書いてある」
「つまり、わたしをキューバへ呼びたいと」
「そういうことだ。お前の目でコルテスを見て、遠征を任せてよい男かどうか確かめてくれ、ともある」
アルバロは、窓の外に視線を戻した。港に停まる船の帆が、朝日を受けて白く光っている。
「黄金と都市の話は、耳障りの良いものだからな」
「耳障りが良すぎるところが、ベラスケス殿の不安の種なのであろう」
フアンはため息をついた。
「お前はどうする」
「決まっています」
アルバロは、口元に笑みを浮かべた。
「新しい盤を見たい。兄上とベラスケス殿が、その盤にわたしを置きたがっているのなら、ありがたく乗るだけです」
そのとき、扉の外から軽いノックの音がした。
「入ってもよろしいかしら」
イサベルが顔をのぞかせた。朝の光を受けて、白いヴェールが柔らかく揺れている。
「キューバの話をしている」とフアンが言うと、彼女は静かに室内に入ってきた。
「また、あの島へ行くのね」
「どうして分かるのです、お義姉さま」
アルバロが笑ってみせると、イサベルは少しだけ目を細めた。
「顔に書いてあるから。港の船を見るときのあなたの顔は、いつも同じだもの」
「困りましたね。わたしは、もっと冷静な男だと思っていたのですが」
冗談めかして言いながらも、アルバロは真面目な声に戻した。
「キューバ総督に呼ばれました。メキシコ遠征のことで、意見を聞きたいそうです」
「危ない話ではないの」
「危なくない海など、この世にありますか」
アルバロは肩をすくめた。
「でも、兄上も一緒です。わたし1人で好き勝手にやるよりは安全ですよ」
フアンが、苦笑いを漏らした。
「そう言われると、安心していいのか不安になるな」
「わたくしもお供してよろしいでしょうか」
イサベルの言葉に、2人は同時に彼女を見た。
「キューバの方が、今の季節は熱病が少ないと聞きました。この子どもたちの具合も変わりやすいでしょう。兄上を支えるなら、わたくしもそばにいた方がよいと思います」
フアンは少し考え、それからうなずいた。
「短い旅にはなるはずだ。屋敷と子どもたちのことは、従者を増やして守らせよう。それでよいな、アルバロ」
「もちろんです。頼りにしています、お義姉さま」
イサベルは、わずかに視線を伏せた。
「あなたが無茶をしないなら、安心して支えられます」
アルバロは、その言葉をごく自然に受け止めたふりをしながら、胸の奥でひっそりと笑った。
◇ ◇ ◇
数日後、キューバのサンティアゴの港には、いくつもの船が並んでいた。船腹には大砲と兵士の影が見える。波止場には槍と盾を抱えた男たちが集まり、先住民の荷役が樽と袋を運び、奴隷商人が値踏みするような目で行き交う者たちを見ていた。
「ずいぶんと賑やかだな」
アルバロが港を見下ろして言うと、案内役の役人が誇らしげに胸を張った。
「第3次遠征隊の準備中でして、殿。エルナン・コルテス殿の号令で、兵も物資も集まっております」
「コルテス殿はどこに」
「あの白い屋敷の向こう側の訓練場におられるはずです。まずは総督邸へ、と依頼されておりますが」
「順番を守りましょう。総督殿を待たせるのは得策ではありません」
石畳の坂道を上りながら、アルバロは目だけで港と船を数えた。帆柱の数、積まれている樽の量、馬の嘶き。金と血の匂いが、まだ海風の中に混じりきらずに漂っている。
総督邸の広間に通されると、ディエゴ・ベラスケスが太い体を椅子から起こした。頬に刻まれた皺は深く、目だけが鋭く光っている。
「モリーナ殿、よく来てくださった」
「お招きに預かり光栄です、ベラスケス殿」
フアンが先に頭を下げ、アルバロもそれにならった。
「弟君の働きは、ラス・カサス殿の報告でも聞き及んでおりますぞ」
総督はアルバロの方に視線を向けた。
「インディオの死を減らし、病舎を作ったと」
「自分のために働いているだけです。死んだ労働力は、砂糖より高くつきますから」
アルバロは、忠実な家臣を装って答えた。
「ですが、司祭殿は公平なお方です。悪いところも、改めたところも、そのまま書いてくださいました」
「そこが気に入った」
ベラスケスは笑った。
「わしは、黄金だけ数えている男を信用せぬ。数えるなら、死んだ者と生きている者、両方を数えるべきだ」
総督は机の上の別の書類を指で叩いた。
「エルナン・コルテスは、有能だ。兵をまとめ、航海もこなす。だが、あやつは黄金と栄誉に目が行きすぎる。王室への5分の1より、自分の取り分を先に考えておるようなところがある」
「それで、わたしを呼ばれたのですね」
「そうだ。わしは、第3次の遠征を失敗させたくない。あやつがメキシコで勝ちすぎて、わしや王のことを忘れてしまうのも困る」
総督は身を乗り出した。
「モリーナ殿。弟君の目で、コルテスを見てほしい。隊長としてふさわしいかどうか。もし危険すぎると判断するなら……」
「代わりに遠征をまとめる者が必要になる」
フアンが静かに言葉を継いだ。
「そのときは、わたしの家の者は、喜んでその役を引き受ける」
アルバロは一歩前に出た。
「ただ、コルテス殿の名誉を踏みにじるやり方は得策ではありません。兵たちの心が乱れますから」
「どうするつもりだ」
「簡単です。メキシコへ向かう剣と盾を、誰が1番うまく扱えるのか。神と人の前で確かめればよい」
アルバロは、さらりと言った。
「コルテス殿と、誰か1人。総督殿と兄上が立会人になってくだされば、誰も文句は言えません」
ベラスケスは目を細めた。
「誰か1人、とは」
「王室への5分の1を忘れずに数える者がよいでしょう」
アルバロは、淡々と自分の胸を指先で叩いた。
「わたしは善人ではありませんが、数字と帳簿については誤魔化しが嫌いでして」
フアンが小さく笑い、総督もつられて笑みを浮かべた。
「面白い。では、そうしよう」
ベラスケスは机を拳で叩いた。
「コルテスを呼べ。明日の朝、城壁の訓練場で、模擬の決闘をさせる。わしとモリーナ殿が見届けると伝えろ」
役人たちが慌ただしく走り出ていった。
アルバロは、その光景を眺めながら、胸の奥でゆっくりと息を吐いた。
盤は、思ったより早く動き始めていた。
5
あなたにおすすめの小説
【アラウコの叫び 】第4巻/16世紀の南米史
ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日21:40投稿】
4巻は、序盤は「推理もの」、中盤から後半は「ロマンスもの」が展開されます。
・サンティアゴで起こる「事件」と「裁き」
・「アンデスの悪魔」として悪名を轟かせた狂気の老人カルバハルの存在感
・ニドス家の兄妹の「行く末」
・イネスとバルディビアとの「出逢い」と「結末」
大きく分けてこの様な展開になってます。
-------------------
1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。
マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、
スペイン勢力内部での覇権争い、
そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。
※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、
フィクションも混在しています。
動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。
HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。
公式HP:アラウコの叫び
youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス
insta:herohero_agency
tiktok:herohero_agency
江戸の夕映え
大麦 ふみ
歴史・時代
江戸時代にはたくさんの随筆が書かれました。
「のどやかな気分が漲っていて、読んでいると、己れもその時代に生きているような気持ちになる」(森 銑三)
そういったものを選んで、小説としてお届けしたく思います。
同じ江戸時代を生きていても、その暮らしぶり、境遇、ライフコース、そして考え方には、たいへんな幅、違いがあったことでしょう。
しかし、夕焼けがみなにひとしく差し込んでくるような、そんな目線であの時代の人々を描ければと存じます。
楽将伝
九情承太郎
歴史・時代
三人の天下人と、最も遊んだ楽将・金森長近(ながちか)のスチャラカ戦国物語
織田信長の親衛隊は
気楽な稼業と
きたもんだ(嘘)
戦国史上、最もブラックな職場
「織田信長の親衛隊」
そこで働きながらも、マイペースを貫く、趣味の人がいた
金森可近(ありちか)、後の長近(ながちか)
天下人さえ遊びに来る、趣味の達人の物語を、ご賞味ください!!
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
偽夫婦お家騒動始末記
紫紺
歴史・時代
【第10回歴史時代大賞、奨励賞受賞しました!】
故郷を捨て、江戸で寺子屋の先生を生業として暮らす篠宮隼(しのみやはやて)は、ある夜、茶屋から足抜けしてきた陰間と出会う。
紫音(しおん)という若い男との奇妙な共同生活が始まるのだが。
隼には胸に秘めた決意があり、紫音との生活はそれを遂げるための策の一つだ。だが、紫音の方にも実は裏があって……。
江戸を舞台に様々な陰謀が駆け巡る。敢えて裏街道を走る隼に、念願を叶える日はくるのだろうか。
そして、拾った陰間、紫音の正体は。
活劇と謎解き、そして恋心の長編エンタメ時代小説です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
輿乗(よじょう)の敵 ~ 新史 桶狭間 ~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
美濃の戦国大名、斎藤道三の娘・帰蝶(きちょう)は、隣国尾張の織田信長に嫁ぐことになった。信長の父・信秀、信長の傅役(もりやく)・平手政秀など、さまざまな人々と出会い、別れ……やがて信長と帰蝶は尾張の国盗りに成功する。しかし、道三は嫡男の義龍に殺され、義龍は「一色」と称して、織田の敵に回る。一方、三河の方からは、駿河の国主・今川義元が、大軍を率いて尾張へと向かって来ていた……。
【登場人物】
帰蝶(きちょう):美濃の戦国大名、斎藤道三の娘。通称、濃姫(のうひめ)。
織田信長:尾張の戦国大名。父・信秀の跡を継いで、尾張を制した。通称、三郎(さぶろう)。
斎藤道三:下剋上(げこくじょう)により美濃の国主にのし上がった男。俗名、利政。
一色義龍:道三の息子。帰蝶の兄。道三を倒して、美濃の国主になる。幕府から、名門「一色家」を名乗る許しを得る。
今川義元:駿河の戦国大名。名門「今川家」の当主であるが、国盗りによって駿河の国主となり、「海道一の弓取り」の異名を持つ。
斯波義銀(しばよしかね):尾張の国主の家系、名門「斯波家」の当主。ただし、実力はなく、形だけの国主として、信長が「臣従」している。
【参考資料】
「国盗り物語」 司馬遼太郎 新潮社
「地図と読む 現代語訳 信長公記」 太田 牛一 (著) 中川太古 (翻訳) KADOKAWA
東浦町観光協会ホームページ
Wikipedia
【表紙画像】
歌川豊宣, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる