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第3章 ユメヲカケル(2020年)
Round0.5 IMSA 開幕戦ロレックス・デイトナ24時間耐久レースに、緊急参戦
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これは、昨年のインディが、終わって、日本で、悠々自適なシーズンオフを過ごしてる時だった。アメリカから、電話がかかってきた。俺は、電話に出ると、「君がこの電話に出たということは、間違い電話では無かった様だな。」と何やら、聞き慣れた声が…俺は、「この声は、テイラー!?」と驚いてしまった。俺は、この瞬間に全てを察した。「あの、テイラー?これってもしかして、俺にデイトナに出ろという電話で間違いないか?」と聞くと、「話が早くて助かるよ。もう一度デイトナで頂点に立つ気は無いか?」と聞かれて俺は、「あるよ。けど、俺はホンダに許可取らんといけないし、時間くれ。もう一度かけ直すよ。」と言って、ひとまず、電話を切った。そして、ホンダにも連絡をして、許可が降りた為、改めて電話をし直して、「テイラー、ホンダからも、許可降りたから、改めて、デイトナで頂点に立ちたい!3年前みたいにな!」と言って、3年越しのデイトナ参戦が実現した。俺は過去に、このチームから、GP3と掛け持ちでIMSAにフル参戦して、年間王者になった事もある。そして、チーム拠点に向かい、改めて、顔合わせ等を行ったりした。そして、ヘルメットは、3年前に使っていた物をと考えたけど規格が「FIA8860-2019ABP」という新規格の為、それを持ち込んでいた。ちなみにスーツは、3年前のやつは使えない為、新たに作り直した。ちなみに、3年前乗った時は、排気量6.2Lとかいう、バカみたいな排気量だったが、燃費面考慮したのか、5.5Lにダウンサイジングされたり、タイヤがミシュランに変更されたりしてるが、あとは、3年前と全く変わってなかった。ちなみにヘルメットは、渡米直前に、Araiに出向いて、クリーニング等を依頼して、ピカピカの状態で持ち込んでいた。それを見た、ウェイン(テイラー)は、「あの時と変わらねぇお前をもう一度見れるとはな。神様に感謝しねぇとな。」と大喜び。ちなみにチームも3年前の時と、殆ど変わっておらず、すぐに馴染む事が出来たし、ジョーダンが、「ヒカル!久しぶりだな!」と大はしゃぎ。こうして、初日を終えて、遂に3年ぶりの、デイトナ入り。現地メディアも「Samurai is Back!」と、俺のカムバックを熱烈歓迎してくれた。そして、デイトナ名物「ロア24」が始まった。俺は、とにかく3年ぶりのデイトナに慣れるべく、走り込んだ。タイムも、復帰組とは思えないタイムを叩き出して話題をかっさらった。そして、予選ではDPIクラス「最小排気量」のマツダVS「最大排気量」のキャデラックの「エースチーム対決」になった。結果は、マツダの55号車がコースレコードを更新してポールを獲得した。俺らWTRは、予選総合5位からのスタートとなった。だけど、このままマツダ初優勝だ!と騒ぐ輩が多そうなので、前持って言っておくが、デイトナ程BOP(性能調整)が露骨なレースは無い。そして決勝当日。何とポールのマツダに、とんでもない性能調整が発動された。なんと「ハイダウンフォースエアロ」という、普段のサーキットのエアロで走らされる事になった。そして、久しぶりに、ファンとの触れ合いを楽しんだ俺は、スタートドライバーを担当する為、集中力を高めていた。そして、デイトナのコースへと向かい、「儀式」を終えて、マシンに乗り込んだ。そして、ペースカーランが、始まった。マツダの55号車が、コントロールラインを通過してレーススタート。俺は、3年前の時と同じ様な走りを披露した。あの時は、わざと一段高いギアで走行しないと、燃料が持たなかった為、致し方なくやってたが、ダウンサイジングされようと、全く持って変わらなかった。理由は、ダウンサイジングした事によって、上まで回す必要があって、返って燃費が悪くなったからだ。最初のピットインで、ひとまず俺の仕事は終わった。あとは、「夜戦」に備えるのみとなった。迎えた夜。デイトナとル・マンの夜ほど、過酷な物は無いと思ってる。俺の出番が回ってきて、再び乗り込んでピットアウト。ここから長い戦いが始まった。夜明けを迎え、朝に。ここまでトップをキープしたまま、快走していると言えど、油断は禁物。そして、俺の仕事は、ゴールまでお預けとなった。今年は、昨年と違って雨が降ったりしなかったので、大変助かった。遂に最後のピットイン。フィニッシュドライバーは、3年前同様、俺が担当する事になった。俺は、拍手で送り出されてマシンに乗り込んだ。そして、ピットアウト。最後に、ウェインから「思いっきり走ってこい。俺は、もうこれだけしか言わねぇからな。」と言われた為、全開で走る事にした。そして、最後の31度バンクをフルスロットルで駆け抜けて、フィニッシュ。俺自身2度目のデイトナ24時間総合優勝を達成出来た。俺は、車内で、泣いていた。マシンをビクトリーレーンへと向かわせようとした所で、ガス欠。何とか惰性で、どうにかなってくれと祈りつつ走っていたが、直前で力尽きてしまった。だけど、チームの皆が手押しで、ビクトリーレーンまで運んでくれた。俺は、マシンから降りると皆が祝福してくれた。ポディウムには、日の丸が堂々とかかげられた。掲げられた。ウェインから「来年は、アキュラ使うから、お前は、ホンダに許可を得ずとも走れるぞ。」と言われて、その場で来季のエントリーも即決。2個目のロレックスもゲット出来て感無量だった。実はこれ、世界に「4つ」しかない、「希少品」。しかも、当日誰が身に付けられるのかも分からないやつだ。皆でトロフィーを天高く掲げたりもした。こうして、デイトナ24時間耐久レースは、幕を閉じて、俺はまた日本へと帰国した。
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