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第4章 STAR WE CHACE(2021年)
Round6 第105回ゲインブリッジ・インディアナポリス500マイルカーブデー&決勝
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白熱した予選から一夜明けて迎えたカーブデー。改めてカーブデーについておさらいすると、元々はキャブ調整をしたりする事が出来る日だから「カーブデー」なんて言われてる。今日はマシンをフルパワー化して走る最後のフリー走行だ。俺は今年に関しては、星奈を勝たせる事を「最優先事項」として動いてる為、「セッティングを予選から一切合切変えるつもりは無いよ。」と前もってメカさん達に伝えてあるので、ただひたすら走るのみの日になった。そして迎えた105回目の「世界一決定戦」当日。朝のミーティングで「今日に関してはチームオーダーを一切発動しない。だから皆、思いっきり走ってこい。」とボビーが。「今年もブリックヤードで君が代響かせるぞ!!」と郷さんが言ってミーティングを終えて、俺ら3人で「最終確認」を終えた後に「今年は星奈が勝てる様に後ろシバキ回しとくし、蹴散らしておくから安心して前走れ。」と俺が言って「ありがとう。」と星奈が握手をしながら言った。そしてドライバー紹介の時間がやってきて「The1st Low Kirana Miyafuji,Miu Sato,Hikaru Kushima!!」と紹介されて登壇すると大歓声が起きた。一通りの「儀式」を終えてマシンに乗り込むと、3年前の光景が蘇ってきた。あの時もこんな感じだったと。ペースカーランが始まると、各車両勢い良くタイヤスモークを巻き上げて走り始めた。今年は珍しく余裕が生まれた為、観客に手を振って1周走った。てペースカーが離れて、星奈がスタートラインを通過して200周に及ぶ「死闘」が始まった。俺は、ひとまずターン1を堪えて様子を見る事に。ただターン1に入った際に、フェルッチが抜きにかかろうとしたが、これに気付いた俺が即ブロックして順位をキープ。序盤から白熱したバトルを展開していた。俺は、フェルッチなんて相手にしてる暇は無かった。とにかく星奈の後ろについて「バックアップ兼護衛役」として動きたかったのだ。俺は無線で「美海に順位を譲れと伝えてくれ。」とだけ伝えると「分かった。」という郷さんの声が聞こえた。そして美海に「順位を輝くんに譲ってくれ。」と指示が出て俺を前に出した。これで星奈を優勝させるシナリオが全て揃った。俺は無線で「今から行くぞ!!オペレーション・ブルートフォース!!スタート!!」と叫ぶと、皆してコントロール・ラインで隊列を乱して相手を錯乱させる作戦を開始。実はカーブデーでも、この練習に丸1日溶かしていた様なものだった。各ターンを3ワイドで当たるか当たらないかギリギリの隙間を保ちつつ「壁」を作ったり、相手を牽制する走りをしていた。最初のピットインになり、3台揃ってピットストップ。燃料もフルに入れたり、タイヤも星奈のみハードで、俺と美海はミディアムというチョイスをしてコースに復帰。数周の所でフルコースイエローからのペースカーランになり、各車一斉にピットストップを敢行。その間に俺らはステイアウトしてリードを拡大させる事に。ペースカーランが終わりグリーンフラッグ。星奈が牽制しつつレース再開。俺は星奈に譲ってもらいラップリーダーに。そこから超スプリントレースが始まった。とにかくチーム総出で星奈を勝たせるべく、ありとあらゆる手段を講じていた。迎えたファイナルラップで「奇跡」は起きた。俺と星奈がサイド・バイ・サイドでコントロール・ラインを通過した直後にターン1で俺を豪快にパスすると皆からは大歓声のみならず「皆頑張れ~!!!」という声も聞こえた。旗がいつもより強く靡いていた。これが後に「インディカー&インディ500名勝負」として語り継がれる事になった。もうこの一周しか無いと思った俺は、3位にドロップダウンしようがお構い無しの「バーサーカーモード」に入った。2位の美海を最後のターンまで追い詰めた。そしてチェッカーが振られて、結果は星奈が自身初のインディ500制覇。2位争いは俺と美海はサイド・バイ・サイドで決まった。結果は美海が1000分の1秒差で振り切って2位。俺がその後の3位に入った。ケリーはルーキーながら5位完走。日本勢も全員トップ10に入賞という快挙まで遂げた。今回のレースはケリー自体エントリーを「大久保彩音」にしてのエントリーの為、日本人としてのエントリーだ。最後はRLLRのマシン皆で1周走ってコントロール・ラインを通過して、3人でガッツポーズをして皆が「今年の覇者」というのをアピールした。そして星奈がブリックヤードに到着してマシンから降りると俺と美海が真っ先にすっ飛んで「やったね!!インディ500初制覇おめでとう!!」と抱き合ったりした。その後に牛乳を飲んだりして盛り上がった。実はこのレースでは「歴史」が生まれたレースでもあった。「女性ドライバーによるインディ500ワンツーフィニッシュ。」という快挙も成し遂げている。全て終わった後に「良く頑張ったな。これで2人揃ってアイツに良い顔見せれるな。」と俺が星奈に言うと「うん。約束したもんね。あの時に。輝と私がインディカーを制する瞬間を見ててって。今日は…ありがとう…」と星奈の目には大粒の涙が溢れていた。
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