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第1章 小さな星。
Round0 The New Challenger
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遂に幕を開けた、2017年FIA世界ラリー選手権。俺は、日本車メーカーとしては18年ぶりに、世界ラリー選手権に復帰となるトヨタからのエントリーが実現した。チームも「トヨタ・ガズーレーシング・WRT」というトヨタのワークスチームからのエントリーだ。コ・ドライバーも、俺と同じ日本人ドライバーで、同い年の佐藤美海選手が担当する事になった。2人足しても約30歳という、WRC史上最年少コンビとなった。そして、使用するマシンと、カーナンバーも発表された。マシンは「トヨタ・ヤリスWRC」で、使用するカーナンバーは「10」俺らのマシンには「日本」の国旗がデザインされている。これには、深い訳があって、俺と美海ちゃんは日本のライセンスを持っている関係もそうだけど、 だったら「日の丸」を堂々と掲げようとデザインの時から俺は関与していたからである。使用するレーシングスーツはOMPというイタリアのメーカーのスーツとシューズを着用する。チーム側からは「シンプソンのFHRデバイスか、HANSデバイスどっちか好きな方使っていいよ」と言われてる為、今まで通りHANSデバイスを着用する。HANSパッドも「EXGEL株式会社」のパッドをずっと愛用している。ヘルメットは、皆は「スティロ」というメーカーを使ってるが、俺らは「Arai GP5-WP」と言うフルフェイスタイプのヘルメットを使う事にしているというか、Arai信者の為、裏切るに裏切れないのだ。そして、このチームは「多国籍チーム」でもある。まずチーム国籍は「日本」で本拠地は「フィンランド」。ロジスティクス拠点は「エストニア」と3ヶ国だ。実は、このチームに加入した理由は、昨年までいたシトロエンワークスがそもそもの話、先行きがあまりにも不透明過ぎたことが大きい。俺はそれを危惧していて、当初からトヨタ加入前提で昨シーズンを走っていた。昨年までペアだったコ・ドライバーのルイスが、昨シーズンを持って辞めるという事だったから最後くらいは、ルイスに良いもん見せて花を添えてやろうという俺もいた。だからシトロエンワークスを1年しか契約してなかったのはそこにある。そんなルイスは、今となってはチームのアドバイザーを担当してくれている。それにしても、俺と美海ちゃんとの出会いは、かなり意外だった。実はルイスがコ・ドライバーを引退する間際に「そうだ!なぁヒカル!確か日本にすげぇコ・ドライバーが居るって話は本当か?!本当だったら1度組んでみたらどうだ?もしかしたら俺くらいのすげぇやつかもしれねぇぞ!!」とすごいルンルンで彼女を紹介してくれた。彼女との相性がどんなもんか確かめる為に「日本一過酷でクレイジーなモータースポーツ」といわれる「全日本ラリー選手権」に3ラウンドだけ、トヨタ(TMG)が作ってるラリーカー「トヨタ86CSR3」と自分の愛車でもある、スバル・インプレッサWRX STI(GC8)を使ってエントリーしてみた所、思った以上に相性が良くてこれは世界ラリー選手権でも通用すると思った俺が「君さ、世界ラリー選手権に興味ある?」と聞くと美海ちゃんは「興味あります!!」とすごい気迫で返事をしてくれた。そこから、ドライバー・コ・ドライバーとしての関係がスタートした。活動拠点は、フィンランドのユバスキュラという所に決定した。フィンランドと言えばムーミンの聖地!因みに俺はスナフキンが大好き。一応日本からも持てるだけの物を持ち込んだりはしているが、あとは現地調達という形になる。因みに、フィンランドはヤリ・マティ・ラトバラ選手の生まれ故郷でもある。そして、開幕戦の地「モンテカルロ」に俺ら御一行は向かうのだった。
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