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第1章 小さな星。
Round6 ラリー・ド・ポルトガル
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第5戦の舞台は、ポルトガル。ここは、かつて「グループB」というWRC史上最も「イカれていた」カテゴリーが「終焉」を告げる「トリガー」にもなったラリーである。もし、この一件が無かったとしても、このカテゴリー自体は「終焉」を告げる運命を辿っていた事だと思う。そして、このラリーは、年間13戦ある中でも「シーズンのマシンパフォーマンスを見極めるのに最適」と言われている。開催場所は、ポルトガル中心部の都市「ポルト」近郊の「マトジニョス」という所をメインに開催させる。このラリーの魅力は何と言っても「観客の多さ」である。本当に熱狂的なファン達がコース脇を埋め尽くすイベントとしても知られている。が、前述した事はこれがきっかけである。こちら側としては、「飛び出して来るなよ!頼むから!!」と祈りながら、ラリーをしていかないといけない。実はこのラリー、2015年から北部開催になっていたりもしている。そして、年間スケジュールでは、欧州グラベルラリー鬼畜4連戦の頭に来ているが、今回も最初に来ている。コースはアルゼンティーナ、メキシコに比べれば比較的走りやすい標準的なコースになっている。実はこの話、ツール・ド・コルスの後の話になっちゃうけど、美海ちゃんが「あの後、輝くんにキスしたの分かった?」と聞いてきて俺は、「えっ!?キスしてたの?俺に?俺、ゾーン入った副作用で爆睡してて、何も気づかなかったよ!?」と答えると美海ちゃんは、「だと思ったよ。でも、初めてのキス、奪っちゃったから。もう後戻り出来ないよ。」と、俺に言うと俺は、顔を赤くしたりもしていた。なんて言うのがあったりもした。そして、このラリーでもう1つのアップデートを敢行した。それは、ニュースペックの「Ver2.0」を投入するという事。ちなみにこれは、余談なんだけど、トヨタのエンジンは他の2メーカーと違ってショートストローク型のエンジンで、「高回転高出力型」と言われているんだ。ちなみにこれ作ったのはヤマハのF1エンジン「OXシリーズ」と、トヨタのF1エンジン「RVXシリーズ」の設計を担当した矢嶋洋さんと、同じくこれらのエンジンの開発に関わっていた、青木徳生さんが作っている。そして、今回から投入する「Ver2.0」は、加速性や中低速域のトルクを向上させたとの事だ。そして、ここだけの話だけど、俺は、「次世代機」の開発もやったりしている。あと、早い話だけど、どうやらマキネンさんやモリゾー社長が俺らのパフォーマンスを気に入ってくれたらしく、早くも契約を更新する事が出来た。そして、このラリーは、3日間という短期決戦でも一番自分の記憶に残るラリーのひとつとなった。初日から新エンジンが真価を発揮してくれたおかげで、首位発進。2日目は、安定したペースで、その座を明け渡す事はなく迎えた最終日。この日の為に俺は、わざとソフトタイヤを温存していた。何故なら、「全開」で走りたかったからだ。ちなみに美海ちゃんにも、作戦を伝えると「私にもあるよ。作戦。ソフトタイヤでしょ。使うのは。だったら、答えは簡単だよ。」と自信満々で話してくれた。そして最終日。俺のマシンは、何とここに来てトラブルに見舞われていた。それは、前回のラリーで付けていたラジエータとのマッチングが上手くいっておらず、ディスプレイ上に「Caution!!Engine Over Cool!!」と表示されたが、もうゴール間近で、今更言われてもどうに様も出来なかったので、そのままフルスロットルでフィニッシュした。結果は、俺の首位独走フィニッシュ。美海ちゃんも「ヒヤヒヤしたよ。いきなりディスプレイ上にオーバークールしてるよ。なんて出てきたから。でも勝てて良かった。」と一安心していた。俺も「いきなりディスプレイにオーバークールしてるよと出て来たりした時は心臓止まりかけたね。でも勝てたから結果オーライ!」と言うくらいだった。次回は、ラリー・ド・イタリア・サルディーニャ。
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