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第2章 王者防衛戦。親友の死を乗り越えて。
Round13最終戦「2018FIA世界ラリー選手権第13戦ラブライブサンシャイン・ラリージャパン・in・伊豆」
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前回の「悪夢」から、少し経って迎えた最終戦ラリージャパン。今年も、昨年と変わらないルートを走る事になった。ワークスからは、伝説のペア「鹿角、黒澤ペア」がワイルドカードで復帰。そして、前回の事故で命を落とした誠真の追悼コーナーには、ファンや観客による数多くの献花やメッセージが添えられていた。俺は現地に、誠真が遺してくれた「形見」を持ち込んでいた。実は誠真もAraiユーザーだったから、何も言われなかったのだ。あいつのヘルメットには、何故か「梅の花」がデザインされてる。でも、被るのは今じゃない。最終決戦の舞台である「狩野ドーム」だ。俺は、有紗さんから「精神的にもまだ完全に落ち着いて整ってない中、エントリーしようと決断した事、最後の最後まで走り切ろうと決めていた事は、本当に敬意を表したいですわ。ですが、エントリーしようと決断するのには、相当な時間がかかったはずだと思ってました。」と言われると「エントリーは即決でした。何としても、彼が見れなかった、見る事が叶わなかった景色を見せてあげたい。それだけでしたから。」と答えた。そして、この2人のエントリーで、なんとWRC史上初となる「姉妹対決」が実現した。シェイクダウンでは「復帰勢」とは思えないタイムで、周囲を圧倒した。狩野ドームで行われたセレモニアルスタートでは「前回のラリーGBでの悲劇的な事故により、命を落としてしまった三鷹誠真選手を偲んで、1分間の黙祷を捧げたいと思います。皆さん、ご脱帽の上、ご起立お願いします。尚、車椅子の方、足が不自由な方や足腰が不安だよという方は、その場で座ったままで構いませんので、ご脱帽の上、黙祷をお願いします。黙祷。」と、ピエールさんが言うと皆して、天国に居る誠真に黙祷を捧げた。そして、「お直り下さい。皆さんどうか大きな拍手で、三鷹選手をお送りしてあげてください。」と言うと会場からは、大きな拍手が鳴り響いた。そこから選手紹介が始まると、今までの重っ苦しい空気からガラッと一変。昨年と変わらない空気になった。ピエールさんが「さぁ皆さん!大変長らくお待たせした事でしょう!かつて、オールラウンダークイーンズと言われ、強豪を軒並み倒してきた、鹿角アサミ、黒澤有紗ペアの2人が帰ってきたぞ~!!」と言うと、会場は大盛り上がり。2人は「せーのっ!」と言って、太鼓を叩いてマシンに乗り込み、ゲートを通過した。「さぁ今年は、ランキング2位で、この伊豆に帰ってきた昨年の世界王者!磯谷 輝、佐藤美海!おかえりなさい!」と紹介されると、恒例の「コーレス行くよ!!」と言って、昨年大好評だった、「コーレスボタン」を押して、コーレスをした後に、「ブオン!ブオン!ブオン!」というけたたましい音を響かせて、マシンから降りて、「せーのっ!」という合図で太鼓を叩いてゲートを通過した。この時に、俺はどうしても星奈に伝えたい事があった。俺は星奈に、「今回は、自分がやれる最大限で良い。とにかく走って完走を目指してお互い頑張ろう。」と言うと星奈は、「何言ってんのさ。水くさいね。頼む、輝。今回は、どうしても輝に勝って欲しい!敵である私から言うのもアレだけど、私が最後までアシストする!だからトップのまま…狩野ドームに帰って来なさいよ!」と言うと「当たり前だ!見せてやろうぜ!あいつに。いや、皆に!」と言って、俺は初日を迎えた。今回は、昨年のセットアップを用いて迎える事になった。どうやら姉さんズも、セッティングを走らずして見つけ出すとか言う「狂人的」かつ「変態」な事をし始めた。実は、前持ってゲームを用いて練習してたとかないとか。俺は、皆が見守ってる中トップで初日を終えた。実は今シーズン、マシンを一度も壊してないのが、意外な事にトヨタ勢だけなのだ。その理由は「痛車は、壊した時のショックが計り知れたもんじゃない。」という「古の時代からの教え」があるからだ。そして姉さんズも、僅差で2位に着けた。いやぁ速かったね。多分、ルイスも顔面蒼白だった事に違いないよ。星奈も上手いことアシストしてくれたおかげで、後が楽になりそうだ。続く2日目。ここから、星奈が俺に2連覇をさせるべく、今まで以上の本気を出して来た。これには、姉さんズも「また、速い子が来たね。」と言っていた。だけど星奈は知らない。この2人の「本当の恐ろしさ」を。そんな中俺は、トップをキープしたまま2日目の「Sunshine!!Uchiura」を終えた。サービスパークでは、三津の海岸を眺めながらオンボードを見返して、何処が良くて、何処がダメだったのかを研究していた。迎えた最終日。俺らチームは、円陣を組んで「1!2!3!4!5!6!7!8!9!ゼロから1へ!1からその先へ!Aqours!サンシャイン!」と掛け声をして、自分達マシンへと向かった。俺は、誠真が遺してくれた「形見」を被ってマシンに乗り込むと星奈が、「これ渡しとく。私と正々堂々戦って勝ちなさいよ!」とラリー中に着けていた「御守り」を渡してくれた。気になる対戦相手は、なんと星奈。これには、ファンも皆も大盛り上がり。スタート前に美海が「輝君、珍しく手、震えてないね。」と言うと「不思議だよ。本来なら、すごく震えてるはずなのにね。多分天国からあいつが力を分けてくれたからだと思うよ。絶対勝てよ!最後まで諦めんなよ!ってね。」と言って、ギアを1速に入れて、シグナルが赤から緑に変わった瞬間に、勢い良くスタート。リアクションタイムは、ほぼ互角。お互いに寸分狂わぬ走りをしていた。そして最後のセクション。美海とエレナさんが「ファイナルセクション!行くよ!」とほぼ同時に言って、同時にゴール。これには、ファンも皆も静まり返った。カメラ判定でも分からないほどだった。結果は同タイム。だけど、これまでのステージ勝利数が、俺の方が一つ上回っていたので、俺の大逆転勝利となった。この瞬間、俺の2年連続世界王者を獲得する事が決定した。後輩ズは、姉さんズとの「死闘」もとい「究極で世界最速の姉妹喧嘩」を制して僅差で3位を掴み取った。星奈は2位だったが、彼女の顔には、涙一つ浮かぶ事はなかった。むしろ、やり切ったと言う表情だったが、ゴール後に糸がプツンと切れたかのように、大粒の涙が零れていた。俺はゴール後に星奈の所へと向かい、「良く頑張ったよ!今シーズン、お疲れ様!あの瞬間見えたよ。ゴールラインを突っ切る、あのカッコイイ姿が。」と励ましたりもした。そして俺は、姉さんズから「成長しましたね。あの時よりも、更に研ぎ澄まされてましたよ。本当に最後まで楽しめたし、久しぶりのWRCも楽しめたよ。ありがとう。」とご満悦だった。その後俺と美海は、来季と言うよりも2年間契約を改めて結んだ事を発表した。
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