こんな僕を、

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「咲、由梨ー、帰るわよ」

おばさんが双子に声をかける。

「はぁーーい!」

咲はすぐに返事をしたが、由梨は隼人の膝から動こうとしない。

「帰るよ?由梨」

「ん」

「いや由梨も帰るのよ」

「ゃ…」

「明日学校でしょう?」

『……由梨、ボクも寂しいけど帰らないと、また今度休みの日にゆっくり会えばいい』

「ほんと…?」

『うん』

「れんらくさきこうかんして」

その由梨の言葉におばさんと蓮がぎょっとした顔で由梨を見る。

『悪い、ボクスマホ持ってないんだ』

「っ、じゃぁかえらなぃぃー」

「由梨、お姉さんと連絡とってるんだから、大丈夫よぉ…それにそろそろ同じ小学校行くんだから!ね?」

『由梨、またな』

「…………


ぅん、またね、絶対ね」

長過ぎる沈黙からのやっと帰宅の承諾を貰い、おばさんはホッとした顔で帰っていった。
おばさんの肩にはよだれを垂らした咲が爆睡していた。

玄関まで見送って玄関に帰ると、静かではあったが何かを言いたそうな目で隼人をずっと見続けている人がいた。
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