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第零章 『精霊たちの憂鬱』
2 VRMMO『精霊たちの憂鬱』
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視界が暗転し、意識が一瞬遠のく。
と、すぐに頭に装着しているヘッドセットのモーター駆動音が、耳に飛び込んでくる。VR――仮想現実――から、現実の世界へと戻ってきた証だ。
オレは手元のリモコンを使いヘッドセットの電源をオフにし、着脱ボタンを押した。傍の棚から伸びたアームがヘッドセットに接続されると、カチッという接続音が鳴り、しっかりと固定される。そのまま、頭からヘッドセットが外され、アームの動きでベッドサイドの棚へと収納されていった。
「とうとう明日か……」
最終目標だった精霊王の塔の攻略が、どうにかタイムリミットに間に合ったようで、オレは安堵する。
(半年遅かったら、危なかったかもしれない)
ほとんど力の入らない震える手のひらを、苦々しく見つめた。
いつ頃からだったか。オレは自分の体が自分の意志でうまく動かせないことに気が付いた。幼い頃、歩き方がおかしいとよく言われたが、オレ自身は別段気にはしていなかった。外で遊ぶのが好きな、普通の子供だった。
だが、小学校に上がるころから、徐々に体を動かすことが辛くなっていき、十歳のころには車いす生活を余儀なくされた。十八歳をまもなく迎えようかという今、オレはベッドの住人となっている。
筋ジストロフィー、その中でもオレは予後の悪いタイプらしく、二十歳前後で亡くなる場合が多いと聞いている。医療技術の進歩で余命が五年少々伸びる可能性はあるものの、オレに残された時間はそれほど多くはない。
そんななか出会ったのが、このVRMMOだった。
『精霊たちの憂鬱』――。
オレこと横見悠太《よこみゆうた》が、いま熱中しているVRMMOのタイトルだ。もともとはPC用のMMOとして十年前にサービスが開始されたのだが、三年前に世界初のVRMMOとして、MMO時代のデータを移行し、実装された。
一日中病室にいるしかなかったオレは、時間が有り余っていた。現実世界ではもはやまともに動かすことのできない身体へのうっ憤も、たまりにたまっていた。結果、自由に動き回れる仮想現実の世界に没入していったのは、ごく自然な流れだと思う。
病気のために運動神経の発達を望めなかったオレは、高い身体能力や反射神経が要求される前衛職では上を目指せないと考えた。迷った末に選んだのが、精霊使いだった。精霊の具現化を行い、適切な指示をすれば、本体のオレは基本的には動く必要がない。運動神経に弱点があるオレには、まさに天職といえた。もちろん、敵に接近された時のために、護身用の短剣術も学んだが。
サービス開始から約三年、気が付いたらオレは、サーバー内最強の精霊使いと呼ばれるまでになっていた。口さがない連中はオレのことを廃人だなどと揶揄するが、別に気にはしていない。実際に廃人と言われるだけの時間入り浸っている自覚はあるし、健康な奴らと違って、オレにはもうこの世界しかないのだから、何を言われようとログインをやめるつもりはない。
このゲームでの精霊術は、あらかじめ飼いならした動物――『使い魔』とオレたちは言っている――に術者の霊素を注入し、纏わせることで実現する。この現象を『精霊の具現化』と呼んでいる。
精霊とは、この世のあらゆるものの根源をなしている実態のないエネルギーのようなもので、霊素として、オレたち人間を含めたあらゆる生物に内在している。しかし、霊素のままではそのエネルギーを有効に取り出せない。体外へ放出し、何らかの依り代に作用させて初めて、霊素は精霊術としてその力を行使できる。
放出される霊素には術者の指定した属性が含まれ、使い魔はその指定した属性にあった能力を発揮する。例えば、火であれば炎を吹き、風であればかまいたちを発生させる、など。
術者と使い魔はその精神を密接にリンクさせており、精霊具現化中は、術者の思考に合わせて使い魔も行動をする。この時の精神リンクをいかに強固にするかが、精霊使いの一つの強さの指標になっており、深くつながればつながるほど、様々な能力を行使したり、使い魔の身体能力の強化を行ったりできる。一応、無生物――武器や防具など――にも霊素を付与できるが、精神リンクがないために、精霊の力を効率よく発揮するのは難しい。
経験の浅いうちは、従えられる使い魔は一匹のみなので、同時に行使できる属性は一つに限られる。だが、経験を積めば積むほど、使い魔との精神リンクを効率よく行えるようになり、その結果、複数の使い魔を使役できるようになる。
オレは同時に四体を使役できるので、多様な状況に適切な対処ができると自負している。有体に言えば、パーティーの便利屋、一家に一台ぜひどうぞ、といった痒い所に手が届く存在とでもいえばいいかな。四体同時とはいっても、すべてをオレの意志通りに動かせるわけではない。術者であるオレ自身は一人しかいないのだから、実際に思考を通じて指示を与えられる対象は、一匹のみだ。他の使い魔たちは、オレの普段の行動や思考を判断基準とし、自らの意志で適切な行動をとる。
精神リンクが深ければ深いほど、使い魔たちが術者の思考を読み判断する精度が上がる。ただやみくもに複数の使い魔を使役するだけでは、その高い能力を生かしきれない。普段から使い魔たちと触れ合い、精神リンクを高める努力こそが、一流へと至るための必須条件だ。
オレの四体の使い魔は、最初期からの付き合いの子猫のミア。ほかに子犬のペス、鳩のルゥ、仔馬のラースがいる。使い魔の条件は、生物でかつ相手の同意が得られるのであればなんでもオッケーと、かなり自由だ。それこそ、魔獣や人間でさえも使い魔にできる。まぁ、使い魔になろうという人間はいないと思うけれども……。
魔獣を使い魔にしたほうが、前衛的な役割を持たせたときに活躍させやすく、好んでそういったものを選ぶ精霊使いもいる。だが、オレは精神リンクをより高めるために、街中でも問題なく従えられる動物たちを選択した。これなら四六時中ずっと使い魔と触れ合える。いくら飼いならしたとはいえ、魔獣を街中には連れ込めないしね。
四体ともあらゆる状況に対処できる能力は持っているが、やはり得手不得手はある。なので、非常時以外は、ミアは探索、隠密行動を、ペスは直接戦闘を、ルゥは高高度からの偵察や攻撃、遠所との連絡を、ラースは騎乗による移動を担わせている。
「ふぅ……」
オレは大きく息を吐きだすと、周囲を見回した。
ほぼ白一色の病室には、オレ以外誰もいない。日が沈んでからずいぶんと経ったのか、窓の外は真っ暗闇だ。時刻を確認すると、夜九時になろうとしていた。消灯の十時はもうすぐだ。
「今夜は寝付けないかもな」
明日の精霊王との大一番を思い、ほとんど動くことのない腕に力を込める。
「遠足の前夜に興奮して寝られないって話をよく聞くけれど、きっとこんな気持ちなのかな」
学校にほとんど通えなかったオレは、遠足や修学旅行のような学校行事とは無縁だった。体験したくともできなかった現実世界のイベントに、思いを馳せる。病気さえなければ、思いっきり楽しんだのに、と。
幼いころは身体を使った遊びが大好きだった。両親ともにスポーツが好きで、特に父は陸上競技でインターハイに出たこともあるらしい。そう考えると、病気がなければオレも、何らかのスポーツに熱中していたかもしれない。病気のない別な世界線のオレは、果たしてどんな人間になっていたのだろうか。こんなことを考えたところで現状がどうにかなるわけではないけれども、つい考えてしまう。人生のタイムリミットを前に、心まで弱ってきているのだろうか。
いや、弱気になってる場合じゃない。まだまだやりたいことが残っている。残された時間は少ないけれど、できることをやる。最期まであがいてやる。
生き続ける理由を与えてくれた『精霊たちの憂鬱』を思い、ヘッドギアの入っている棚へ目をやる。
精いっぱい楽しんでやるんだ、と心の中で叫んだ。
オレは、オレの生きてきたという証を残したかった。それがたとえ、ゲームの中であろうと。
精霊王のクエストを達成すれば、『精霊王の憂鬱』内最高の栄誉を得られる。数十万人いるといわれるこのゲームのプレイヤーたちの記憶に、確実に、このオレのキャラクター『カレル・プリンツ』の名が刻み込まれるはずだ。そう思うと、オレはいてもたってもいられなかった。
さあ、早く明日になれ……!
【カレル・プリンツ】
18歳 男 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 755/1000 B
霊素 1000/1000 A
筋力 55/ 90 C
体力 65/ 80 B
知力 90/ 100 A
精神 100/ 100 A
器用 55/ 55 C
敏捷 55/ 55 C
幸運 65
クラス:精霊使い 95/100(最大4体の使い魔使役可能)
クラス特殊技能:
精霊言語(使い魔と言葉のやり取りが可能となる)
精霊感応(使い魔との精神リンクが強固になる)
使い魔:
ミア(猫)
ペス(犬)
ルゥ(鳩)
ラース(馬)
【ゲイル】
24歳 男 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 1000/1000 A
霊素 50/ 100 C
筋力 100/ 100 A
体力 100/ 100 A
知力 45/ 50 C
精神 30/ 50 C
器用 75/ 85 B
敏捷 75/ 90 B
幸運 50
クラス:戦士 92/100(最大4つの武具にボーナス)
クラス特殊技能:
根性(致死級のダメージを受けた時、ぎりぎりで生き残る)
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
戦士ボーナス:
斧技術向上
剣技術向上
短剣技術向上
盾技術向上
【ユリナ・カタクラ】
16歳 女 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 850/1000 B
霊素 150/ 200 C
筋力 90/ 90 A
体力 85/ 85 A
知力 65/ 70 B
精神 60/ 70 B
器用 75/ 85 B
敏捷 95/ 100 A
幸運 80
クラス:槍士 90/100(下記参照)
クラス特殊技能:
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
殲滅(槍を振り回し広範囲にダメージ 威力は通常攻撃より劣る)
槍士ボーナス:
槍重量軽減
槍攻撃力上昇初級
槍攻撃力上昇中級
槍攻撃力上昇上級
【ミリア・パーラヴァ】
22歳 女 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 600/ 800 C
霊素 50/ 100 C
筋力 70/ 75 C
体力 75/ 75 B
知力 70/ 75 B
精神 75/ 85 A
器用 100/ 100 A
敏捷 95/ 95 A
幸運 55
クラス:弓使い 95/100(下記参照)
クラス特殊技能:
隠密(物陰に隠れ、敵から発見されにくくする)
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
弓使いボーナス:
命中率向上
連射
弓攻撃力上昇初級
弓攻撃力上昇中級
※現在値:現時点での各ステータスの実際の値
※限界値:成長し続けた場合の最大値 この値まで成長の余地がある
※成長度:現在値の成長速度 C→B→Aとあり、Aが最も成長が早い
と、すぐに頭に装着しているヘッドセットのモーター駆動音が、耳に飛び込んでくる。VR――仮想現実――から、現実の世界へと戻ってきた証だ。
オレは手元のリモコンを使いヘッドセットの電源をオフにし、着脱ボタンを押した。傍の棚から伸びたアームがヘッドセットに接続されると、カチッという接続音が鳴り、しっかりと固定される。そのまま、頭からヘッドセットが外され、アームの動きでベッドサイドの棚へと収納されていった。
「とうとう明日か……」
最終目標だった精霊王の塔の攻略が、どうにかタイムリミットに間に合ったようで、オレは安堵する。
(半年遅かったら、危なかったかもしれない)
ほとんど力の入らない震える手のひらを、苦々しく見つめた。
いつ頃からだったか。オレは自分の体が自分の意志でうまく動かせないことに気が付いた。幼い頃、歩き方がおかしいとよく言われたが、オレ自身は別段気にはしていなかった。外で遊ぶのが好きな、普通の子供だった。
だが、小学校に上がるころから、徐々に体を動かすことが辛くなっていき、十歳のころには車いす生活を余儀なくされた。十八歳をまもなく迎えようかという今、オレはベッドの住人となっている。
筋ジストロフィー、その中でもオレは予後の悪いタイプらしく、二十歳前後で亡くなる場合が多いと聞いている。医療技術の進歩で余命が五年少々伸びる可能性はあるものの、オレに残された時間はそれほど多くはない。
そんななか出会ったのが、このVRMMOだった。
『精霊たちの憂鬱』――。
オレこと横見悠太《よこみゆうた》が、いま熱中しているVRMMOのタイトルだ。もともとはPC用のMMOとして十年前にサービスが開始されたのだが、三年前に世界初のVRMMOとして、MMO時代のデータを移行し、実装された。
一日中病室にいるしかなかったオレは、時間が有り余っていた。現実世界ではもはやまともに動かすことのできない身体へのうっ憤も、たまりにたまっていた。結果、自由に動き回れる仮想現実の世界に没入していったのは、ごく自然な流れだと思う。
病気のために運動神経の発達を望めなかったオレは、高い身体能力や反射神経が要求される前衛職では上を目指せないと考えた。迷った末に選んだのが、精霊使いだった。精霊の具現化を行い、適切な指示をすれば、本体のオレは基本的には動く必要がない。運動神経に弱点があるオレには、まさに天職といえた。もちろん、敵に接近された時のために、護身用の短剣術も学んだが。
サービス開始から約三年、気が付いたらオレは、サーバー内最強の精霊使いと呼ばれるまでになっていた。口さがない連中はオレのことを廃人だなどと揶揄するが、別に気にはしていない。実際に廃人と言われるだけの時間入り浸っている自覚はあるし、健康な奴らと違って、オレにはもうこの世界しかないのだから、何を言われようとログインをやめるつもりはない。
このゲームでの精霊術は、あらかじめ飼いならした動物――『使い魔』とオレたちは言っている――に術者の霊素を注入し、纏わせることで実現する。この現象を『精霊の具現化』と呼んでいる。
精霊とは、この世のあらゆるものの根源をなしている実態のないエネルギーのようなもので、霊素として、オレたち人間を含めたあらゆる生物に内在している。しかし、霊素のままではそのエネルギーを有効に取り出せない。体外へ放出し、何らかの依り代に作用させて初めて、霊素は精霊術としてその力を行使できる。
放出される霊素には術者の指定した属性が含まれ、使い魔はその指定した属性にあった能力を発揮する。例えば、火であれば炎を吹き、風であればかまいたちを発生させる、など。
術者と使い魔はその精神を密接にリンクさせており、精霊具現化中は、術者の思考に合わせて使い魔も行動をする。この時の精神リンクをいかに強固にするかが、精霊使いの一つの強さの指標になっており、深くつながればつながるほど、様々な能力を行使したり、使い魔の身体能力の強化を行ったりできる。一応、無生物――武器や防具など――にも霊素を付与できるが、精神リンクがないために、精霊の力を効率よく発揮するのは難しい。
経験の浅いうちは、従えられる使い魔は一匹のみなので、同時に行使できる属性は一つに限られる。だが、経験を積めば積むほど、使い魔との精神リンクを効率よく行えるようになり、その結果、複数の使い魔を使役できるようになる。
オレは同時に四体を使役できるので、多様な状況に適切な対処ができると自負している。有体に言えば、パーティーの便利屋、一家に一台ぜひどうぞ、といった痒い所に手が届く存在とでもいえばいいかな。四体同時とはいっても、すべてをオレの意志通りに動かせるわけではない。術者であるオレ自身は一人しかいないのだから、実際に思考を通じて指示を与えられる対象は、一匹のみだ。他の使い魔たちは、オレの普段の行動や思考を判断基準とし、自らの意志で適切な行動をとる。
精神リンクが深ければ深いほど、使い魔たちが術者の思考を読み判断する精度が上がる。ただやみくもに複数の使い魔を使役するだけでは、その高い能力を生かしきれない。普段から使い魔たちと触れ合い、精神リンクを高める努力こそが、一流へと至るための必須条件だ。
オレの四体の使い魔は、最初期からの付き合いの子猫のミア。ほかに子犬のペス、鳩のルゥ、仔馬のラースがいる。使い魔の条件は、生物でかつ相手の同意が得られるのであればなんでもオッケーと、かなり自由だ。それこそ、魔獣や人間でさえも使い魔にできる。まぁ、使い魔になろうという人間はいないと思うけれども……。
魔獣を使い魔にしたほうが、前衛的な役割を持たせたときに活躍させやすく、好んでそういったものを選ぶ精霊使いもいる。だが、オレは精神リンクをより高めるために、街中でも問題なく従えられる動物たちを選択した。これなら四六時中ずっと使い魔と触れ合える。いくら飼いならしたとはいえ、魔獣を街中には連れ込めないしね。
四体ともあらゆる状況に対処できる能力は持っているが、やはり得手不得手はある。なので、非常時以外は、ミアは探索、隠密行動を、ペスは直接戦闘を、ルゥは高高度からの偵察や攻撃、遠所との連絡を、ラースは騎乗による移動を担わせている。
「ふぅ……」
オレは大きく息を吐きだすと、周囲を見回した。
ほぼ白一色の病室には、オレ以外誰もいない。日が沈んでからずいぶんと経ったのか、窓の外は真っ暗闇だ。時刻を確認すると、夜九時になろうとしていた。消灯の十時はもうすぐだ。
「今夜は寝付けないかもな」
明日の精霊王との大一番を思い、ほとんど動くことのない腕に力を込める。
「遠足の前夜に興奮して寝られないって話をよく聞くけれど、きっとこんな気持ちなのかな」
学校にほとんど通えなかったオレは、遠足や修学旅行のような学校行事とは無縁だった。体験したくともできなかった現実世界のイベントに、思いを馳せる。病気さえなければ、思いっきり楽しんだのに、と。
幼いころは身体を使った遊びが大好きだった。両親ともにスポーツが好きで、特に父は陸上競技でインターハイに出たこともあるらしい。そう考えると、病気がなければオレも、何らかのスポーツに熱中していたかもしれない。病気のない別な世界線のオレは、果たしてどんな人間になっていたのだろうか。こんなことを考えたところで現状がどうにかなるわけではないけれども、つい考えてしまう。人生のタイムリミットを前に、心まで弱ってきているのだろうか。
いや、弱気になってる場合じゃない。まだまだやりたいことが残っている。残された時間は少ないけれど、できることをやる。最期まであがいてやる。
生き続ける理由を与えてくれた『精霊たちの憂鬱』を思い、ヘッドギアの入っている棚へ目をやる。
精いっぱい楽しんでやるんだ、と心の中で叫んだ。
オレは、オレの生きてきたという証を残したかった。それがたとえ、ゲームの中であろうと。
精霊王のクエストを達成すれば、『精霊王の憂鬱』内最高の栄誉を得られる。数十万人いるといわれるこのゲームのプレイヤーたちの記憶に、確実に、このオレのキャラクター『カレル・プリンツ』の名が刻み込まれるはずだ。そう思うと、オレはいてもたってもいられなかった。
さあ、早く明日になれ……!
【カレル・プリンツ】
18歳 男 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 755/1000 B
霊素 1000/1000 A
筋力 55/ 90 C
体力 65/ 80 B
知力 90/ 100 A
精神 100/ 100 A
器用 55/ 55 C
敏捷 55/ 55 C
幸運 65
クラス:精霊使い 95/100(最大4体の使い魔使役可能)
クラス特殊技能:
精霊言語(使い魔と言葉のやり取りが可能となる)
精霊感応(使い魔との精神リンクが強固になる)
使い魔:
ミア(猫)
ペス(犬)
ルゥ(鳩)
ラース(馬)
【ゲイル】
24歳 男 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 1000/1000 A
霊素 50/ 100 C
筋力 100/ 100 A
体力 100/ 100 A
知力 45/ 50 C
精神 30/ 50 C
器用 75/ 85 B
敏捷 75/ 90 B
幸運 50
クラス:戦士 92/100(最大4つの武具にボーナス)
クラス特殊技能:
根性(致死級のダメージを受けた時、ぎりぎりで生き残る)
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
戦士ボーナス:
斧技術向上
剣技術向上
短剣技術向上
盾技術向上
【ユリナ・カタクラ】
16歳 女 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 850/1000 B
霊素 150/ 200 C
筋力 90/ 90 A
体力 85/ 85 A
知力 65/ 70 B
精神 60/ 70 B
器用 75/ 85 B
敏捷 95/ 100 A
幸運 80
クラス:槍士 90/100(下記参照)
クラス特殊技能:
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
殲滅(槍を振り回し広範囲にダメージ 威力は通常攻撃より劣る)
槍士ボーナス:
槍重量軽減
槍攻撃力上昇初級
槍攻撃力上昇中級
槍攻撃力上昇上級
【ミリア・パーラヴァ】
22歳 女 人間
ステ 現在値/限界値 成長度
HP 600/ 800 C
霊素 50/ 100 C
筋力 70/ 75 C
体力 75/ 75 B
知力 70/ 75 B
精神 75/ 85 A
器用 100/ 100 A
敏捷 95/ 95 A
幸運 55
クラス:弓使い 95/100(下記参照)
クラス特殊技能:
隠密(物陰に隠れ、敵から発見されにくくする)
貫通(確率で防御力無視のダメージをたたき出す)
弓使いボーナス:
命中率向上
連射
弓攻撃力上昇初級
弓攻撃力上昇中級
※現在値:現時点での各ステータスの実際の値
※限界値:成長し続けた場合の最大値 この値まで成長の余地がある
※成長度:現在値の成長速度 C→B→Aとあり、Aが最も成長が早い
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