わたくし悪役令嬢になりますわ! ですので、お兄様は皇帝になってくださいませ!

ふみきり

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第二十二章 マリエと名乗る少女とともに

5-2 微妙な三角関係ですって?~後編~

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 バイアー帝国、帝都ミュニホフ――。

 アリツェたちはラディムに会うため、街の中心にそびえ立つ皇宮へとやって来た。

 皇宮の壁には、大戦による細かい傷がところどころ残されている。だが、大きな破損の修復は、おおむね済んでいるようだった。

 宮殿内に入り、案内された応接室には、ラディムとエリシュカ、マリエの姿があった。

 アリツェはエリシュカと軽く抱擁をし、再会を喜んだ。その横では、ドミニクとラディムが相対し、挨拶をしている。

「よく来てくれた。ドミニクとは久しぶりだな」

 ラディムはドミニクに手を差し出す。

「直接見えるのは、アレシュとクリスティーナの結婚式以来かな? 遠隔通信で、声だけはちょくちょく聴いていたけれどね」

 ドミニクも手を伸ばし、がっしりと握手を交わした。

「君がアリツェの旦那さんかぁ。……どこかで、見たことがある顔だね」

 ラディムの脇で、マリエが興味深そうにドミニクの顔を覗き込んでいる。

「あぁ、君が……。アリツェから聞いていたとおり、本当に瓜二つだ。あのマリエが、そのまま幼くなったかのようだよ」

 ドミニクは握手を解くと、見上げてくるマリエの顔をまじまじと凝視した。

「そっか、僕がアリツェちゃんに殺された時に、君も一緒にいたっけね。どうりで見覚えがあるはずだ」

 マリエはぽんっと手を叩き、数回うなずいた。

「……恨んでいるかい?」

 ドミニクはさっと表情を曇らせ、小声で尋ねる。

「別に、恨みはないよ。マリエの人格は……ちょっとご機嫌斜めっぽいけれど、ヴァーツラフの人格は、君とは何の因縁もないから。記憶喪失だったし」

 マリエは苦笑交じりに頭を振った。

「ボクも、君に謝るつもりはないさ。マリエからボクらに襲い掛かってきたっていうのが、そもそもの事の発端だったんだからね」

 ドミニクも苦笑を浮かべる。

「お互いまっさらな気持ちで、今日から良い交流をしていこうじゃないか」

 マリエはそう口にすると、ぷっくりとした真っ白い小さな手を差し出した。

「まったくだ」

 ドミニクはマリエの手を取り、しっかりと握手を交わす。

 アリツェは胸をなでおろした。これからの大司教捕縛作戦で、ドミニクとマリエが反目し合ったらどうしようかと、アリツェは一抹の不安を抱いていたからだ。

 だが、どうやら杞憂に終わったようだ。

「今後の細かな打ち合わせは、明日からやろう。宮殿内に部屋を用意させたから、今日はゆっくり休んでくれ」

 ラディムは告げると、傍に控えていた侍女たちにアリツェたちを部屋に案内するよう、指示を送った。






 部屋に案内されたアリツェとドミニクは、荷物を置き、ソファーに腰を下ろした。

 柱時計に目を遣ると、今は午後の三時。予定されたラディム主催の晩餐会までは、まだまだ時間がある。

 アリツェはドミニクを誘い、散歩に出ることにした。

「あれは、お兄様と……エリシュカ様?」

 宮殿内の廊下を正門に向かって歩いていると、アリツェは前方にラディムとエリシュカの姿を見つけた。

「で、柱の裏に隠れているのは、マリエだね」

 壁に沿って等間隔に規則正しく並べられている柱のうちの一つを、ドミニクは指さした。

 示された先に目を向けると、黒のローブを纏った小柄な幼女の姿が目に留まる。どこからどう見ても、マリエだ。

 マリエはどうやら、柱の陰からこっそりラディムとエリシュカの様子を窺っているようだ。

「あの悔しそうなマリエの顔。見ていて痛々しいね」

 マリエは服の袖をぎゅっと握りしめながら、歯軋りをしているように見える。

 ラディムと仲良さげに寄り添って歩いているエリシュカの様子に、たいそうお冠のようだ。

「エリシュカ様を泥棒ネコだなんだと罵っておりましたが……。やはりマリエさん、お兄様があきらめきれないんでしょうね」

 アリツェはぎゅっと唇を噛んだ。眼前の光景を見ていると、キリキリと胃が痛くなってくる。

「六歳の幼女がどれだけアプローチをしたところで、相手にされないだろうに」

「さすがに、マリエさんも承知しているでしょう。ただ、頭では理解をしていても、気持ちが追い付いてきていない。そんなところではないでしょうか。同じような事例は、古今東西、枚挙にいとまがありませんわ」

 マリエは今も、ちらちらと柱の陰からラディムたちを覗いては、顔をしかめている。

 アリツェは改めて、先だって感じていた懸念を思い出した。

 このまま口を出さずに黙って見ているだけでは、将来のラディムとマリエとの関係に、何らかの大きな問題が発生しそうに思えてならない。

「で、どうするんだい?」

 ドミニクは突然振り返ると、アリツェの顔を覗き込んできた。

「え?」

 アリツェは一瞬戸惑い、ぽかんと口を開ける。

「あの三人の関係さ。三角関係……って言ってもよいのかわからないけれど、あのままじゃ、これからの作戦、マリエははたして平常心で戦えるかな?」

 ドミニクは再び柱のほうへと身体を向け、ラディムたちとマリエとを交互に見遣った。

 確かに、眼前の様子を見る限りにおいては、マリエの精神面に対して大きな不安が残る。放置していては、大司教一派の捕縛作戦に影響が出るかもしれない。

 将来的なラディムとマリエとの関係をあれこれと考える前に、まずは当座のマリエの精神安定を図る必要がありそうだ。

「そうですわね……。でしたら、先ほどクリスティーナとも話していた方向へ、マリエさんの気持ちを誘導したほうがよろしいかしら」

 今すぐにでも、何らかの干渉をしたほうがいい。アリツェは心に決め、ドミニクにうなずいた。

「将来的な、ラディムの側室へって話かい?」

「えぇ。そのために、今はどうにか感情を抑え、目の前のことに集中しましょうとお伝えいたしますわ。ここで無理にお兄様にアプローチをかけて、かえって嫌われてしまっては元も子もないでしょう?」

「確かに。じゃ、その方針で、マリエを説得しようか」

 アリツェはドミニクとうなずきあうと、いまだに柱の裏に隠れているマリエの傍へと、静かに歩み寄った。






「……マリエさん」

 アリツェはマリエの肩を軽く叩きながら、小声で呼び掛けた。

「ちょっと、邪魔しないでほしいな! って、なんだ、アリツェちゃんか。ドミニクも?」

 マリエは振り向き、アリツェをきつくにらみつけた。が、すぐに表情を崩す。

「ストーカーだなんて、あまり褒められた振る舞いではありませんわ」

 アリツェは頭を振りながら、やめるようにマリエを諭した。

「そんなこと、言われなくたってわかっている。わかっているよ……」

 マリエは声を潜めつつも、顔を真っ赤にし、鼻息を荒くしている。

「あちらで、少しお話をいたしませんか?」

 興奮した様子のマリエを見て、アリツェはどこか別の場所に移動すべきだと判断した。ラディムに聞かれる可能性のあるこの場所では、マリエも素直に話は聞いてくれないだろう。

「……わかったよぉ」

 マリエは渋々ながら、アリツェに同意した。

 アリツェはマリエの手を取ると、荷物を置いた自分たちの部屋へと戻った。






 部屋に戻ると、マリエをソファーに座らせた。そのまま、アリツェはマリエに相対するように立つ。

「マリエさんも、わかっていらっしゃるのですよね?」

 アリツェは腰をかがめ、渋面を浮かべるマリエの顔を覗き込んだ。

「むぅー」

 マリエはプイッと横を向き、口をとがらせる。

「エリシュカ様も御子をご出産なさったばかり。お兄様とエリシュカ様は、なんといいますか、その……」

 アリツェはいったん言葉を区切ると、少し身をよじらせた。大きく息を吸い込み、一息に「ら、らぶらぶですわっ!」と、口にした。

 隣でドミニクが忍び笑いをしている。なぜだかちょっと悔しいので、アリツェは片肘でドミニクの脇腹を突いた。

 ドミニクは突かれた脇腹を抑えつつ、「ごめんごめん」と謝る。アリツェはマリエから視線を外し、じろりとドミニクを睨んだ。

 だが、ドミニクが一転して真剣な表情を浮かべたので、あれこれというのはやめる。

「君だって、エリシュカから正妻の座を奪えるだなんて、まったく思っていないだろう?」

 ドミニクも中腰になると、明後日を向いているマリエの頭に手を置いた。

「まぁ、そりゃねぇ……」

 マリエは相変わらず横を向いたまま、唇をぎゅっと結ぶ。

「マリエさんもこの前、冗談めかしてお兄様へおっしゃっていましたが、現実的には側室を狙うのがよろしいのでは?」

「それも、理解はしている」

 アリツェの提案に、マリエは手で首の後ろを掻きながらうなずいた。

「でしたら、今は少々、その気持ちを抑えてください。然るべき年齢に達してからお兄様にアプローチをなさるのが、うまくいく唯一の道だと、わたくし愚考いたしますわ」

 アリツェはにこりと微笑みながら、マリエの膝の上に手を置いた。

「アリツェちゃんに言われなくったって、僕にもわかっているさ」

 そっぽを向いていたマリエは、ブツブツと文句を言いながらも、アリツェとドミニクに顔を向けなおす。

「ならなぜ、しつこくラディムに絡もうとするんだい? 今は年齢相応の、子供らしい態度で接しておけばいいじゃないか」

 ドミニクはマリエの頭に置いていた手を下ろすと、首をかしげながら、向き直ってきたマリエの目をじいっと見つめた。

「ヴァーツラフはわかっている。わかっているんだ! ……わからずやなのは、マリエさ」

「あぁ、なるほど……」

 マリエは急に大声を出したかと思うと、一転して小声でしおらしくつぶやいた。

 マリエの叫びで、アリツェにも何となく見えてくる。ここまでのマリエの行動は、かつてのマリエの人格側の暴走が原因だと。

「死の直前まで、殿下のため、殿下のためって、かなり思い詰めていた。そのために、危険を顧みずに、敵国フェイシア王国の辺境くんだりまでわざわざ出張っていったからね。……まぁその結果、君に殺される羽目になったんだけど」

 マリエはうつむきながら、大きくため息をついた。

「死のその瞬間まで、だいぶ殿下――陛下に対する未練が残っていたんだよねー。だから、こうして再びでん……陛下に見える機会を得られて、感情が追い付いていない」

 マリエは再び顔を上げると、微笑を浮かべた。だが、どう見ても無理やり笑っているようにしか見えない。目尻にはわずかに、涙らしきものも光っていた。

「それでも今は、どうにか自重願えませんか? せめて、大司教たちをどうにかするまでは」

 心が痛む。だが、ここでマリエの暴走を抑えておかなければ、マリエ自身にも良い結果は産まないだろう。

「うーん……」

 マリエは前髪をクシャっとつかみながら、唸り声を上げた。

「今のラディムは、大司教一派の件で頭がいっぱいだ。そんな中、君が変に周りをウロチョロするのは、本当に愚策だと思う。好意を向けられるどころか、逆に避けられ、疎まれる危険もあるよ」

 涙ぐむマリエを見て、ドミニクも思うところがあるのか、優し気に語り掛ける。

「助言ってわけでもないけれど……。女性側からこう、あまりにもぐいぐいと押しすぎると、男はかえって逃げだしたりするものだよ? 男は本能的に狩人だ。自分から狩りに出るのはいいけれど、狩られる側に回るのは、慣れていない」

 ドミニクの言葉に、マリエはハッと驚いたかのように目を丸くする。

「マリエさん、あなた自身の為でもあるんです。お辛いかもしれませんが、ヴァーツラフさんの人格側で、どうにか気持ちを抑え込んでください」

 アリツェはマリエの小さな手を取り、ぎゅっと握りしめた。

 幼児特有の温かな掌も、動揺のせいだろうか、今は冷たくなっている。

「頑張ってみる。ただ、忘れないでほしい。ヴァーツラフ自身も、ラディムに好意を抱いているんだよ? 自分で言うのもあれだけれど、あんな性格でも、結構乙女なんだから。なので、あまり期待しないでほしいな」

 マリエは空いている手で目尻をぬぐい、微笑を浮かべた。

「その時はまた、こうしておせっかいを焼きに来ますわ」

 アリツェも微笑を返し、マリエの冷え切った手を温めようと、優しくさすった。

「ここは、素直にありがとうと言わせてもらうよ。どうかお手柔らかに」

 マリエの笑顔からは、どこか吹っ切ったようなすがすがしさを感じた。






 翌日、アリツェたちは再び皇宮の応接室に集まると、これからの作戦について話し合いを始めた。

 アリツェは横目で、ちらりとマリエの様子をうかがう。どうやら、本当に吹っ切れたようだ。ラディムの隣に座っているが、浮ついたような雰囲気は微塵も感じなかった。

 ラディムもどうやら、マリエの変化に気づいたらしい。マリエの顔を見て一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに嬉しそうにうなずいた。

「さて、いよいよこれから、大司教捕縛のための作戦会議を開こうと思うのだが……」

 ラディムはそう口にすると、ぐるりとアリツェたちの顔を見回した。

 アリツェはつばを飲み込んだ。

 さすがにこれ以上、大司教一派を野放しにしておくわけにはいかない。失敗するわけにはいかなかった。

 皆、緊張からか、部屋は一気にしんと静まり返った。

「……僕からみんなに、提案したいことがあるんだ」

 とそこで、マリエが口火を切った。
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