ドラゴン=八角=アーム~無限修羅~

AKISIRO

文字の大きさ
6 / 17
第1部 ロイ編

第6話 ワールドダンジョン出現

しおりを挟む
==カーゼル村==
 光輝く柱が出現したのは、異世界から来訪してきた化け物の侵攻が止まった辺りだった。
 それは、カーゼル村の近くの森の山の中に突如として出現した。
 光輝く柱には、巨大な門が出現していたのだが、ロイは不思議と懐かしさのようなものを感じていた。

「ご主人よ、これはワールドダンジョンと言う奴じゃのう」

 デルがちっさい体を威張り散らしながら呟いた。
 
「一度行ってみるか」

 ロイはデルを肩の上に乗せると、ドラゴンアームにかかっている包帯を取り除いた。
 緑色の鱗の両手が出現した。
 
 最近ではカーゼル村でモンスター討伐ばかりをしていた。
 別の村からやってきた冒険者の話によると、異世界のモンスターがいなくなると、次は化け物のような人間が、いたる村や街や国を攻撃し虐殺の限りを尽くし始めたのだという。

 この世界では昔から異世界とのつながりが多かった。
 それはロイ自身も知っていた。
 だが、これは異常としか言えない現象だった。

 光り輝く門を通ると、体がスパークするような衝撃に包まれた。
 頭の中に至る映像が浮かび上がる。
 そこは見たこともない廃墟の街であった。
 だが、普通と違うとしたら。

 見たこともない建物だという事だ。
 巨大な立方体の建物、四角い乗り物のような物体やら、だが、不思議と懐かしさを感じさせてくれる場所であった。

 突如として声が響き渡った。

【ようこそ、ワールドダンジョンの世界の終わりへ】

「なんだ?」

「どうやらダンジョンの声のようだね」

「ダンジョンは喋る物なのか?」

「それは時と場合によると思います。ダンジョンとは世界であり、ダンジョンとは生き物であると母上はよく申しておったのじゃ」

 デルが肩の上でそう教えてくれた。

【ステージ① 白虎】
 
 後ろの光輝く門が閉ざされた。
 光は霧散して霧のような薄ぼんやりとしてくる。
 大地が揺れた。
 建物が崩れてくる。
 忽然と現れたのは、人間の20倍はあるであろう巨大な白い虎であった。
 そいつはこちらを睨むと、ぺろりと舌で唇を舐めまわして、一瞬にして距離を縮めた。

 体が吹き飛んだ。
 ロイは地面を転がりながら建物と言う建物を破壊してうずくまった。
 デルは一目さんに建物の隅に隠れていた。

「白虎ですじゃ、伝説上の生き物じゃのう」

「それってつえーのか」

「うん、神には及ばぬがな」

「殺していいんだろうな」

「もちろんじゃ」

 ロイの呼吸が浅く重たくなっていく。
 今から殺すと言うイメージを白虎に叩きつけた瞬間。
 ドラゴンアームを地面に繰り出し、地面を破壊する。
 地割れのようになり白虎に襲いかかるが、そいつはジグザグに距離を縮めては、あちこち移動している。

「あれはなんだ?」

「縮地という能力ですじゃ」

「それ、つえーのか」

「つえーであります」

 ロイは地面を蹴り上げる。
 土埃が舞い上がり、目の前に跳躍する。
 建物という建物を足場にしながら、高速移動で白虎の至近距離に到着する。

 だが、白虎は縮地を使用して、ロイの背後に回ると。
 ロイはドラゴンアームを即座に自分自身に殴りかける。
 後ろに吹き飛ぶ体を利用して、白虎の体に激突する。

 白虎は建物の中に吹き飛びながら、ロイは体を落下させながら、落下中の建物を足場にしながら、白虎の至近距離に到着すると。

「終わりだ」

 ドラゴンアームの右手に力をこめる。
 白虎は縮地を発動出来ない。

 激突音が相応しいだろうか、爆発音が相応しいだろうか、一瞬にして白虎の体が霧散していた。

【おめでとう、ステージ①クリア、褒美をくれてやろう、縮地だ】

 光り輝く何かが頭の中に入ってくる。
 体が思うように動く。
 それは縮地という力なのかもしれない。

 イメージしただけで、遠い距離の間を縮める事が出来る。

「凄いな」
「この世界の終わりというダンジョンはもしかしたら、能力を与えてくれるダンジョンかもしれないなぁ」

「それは物凄い場所だな」

【ステージ②に挑戦しますか?】

「いや、やめとくよ、少し疲れた」

【では今後の挑戦をお待ちしております】

 気づいたら光輝く門の外に出されていた。
 光輝く門はずっとそこにあったのだが、普通の冒険者がここにチャレンジしたら死ぬので、冒険者ギルドマスターにSランク級だという説明をしないといけないと思った。

 カーゼル村とこのワールドダンジョン:世界の終わりの距離はとても近い。
 子供が紛れて入ってしまっても大変だろうから、早急に向かう事にした。

「ブラッドリーさん」
「おう、あの光の門はなんなんだ?」

「あれはワールドダンジョンと呼ばれてる所で、ステージ事に敵が強くなってくみたいです。最初のステージで白虎と出会いました」

「びゃ、白虎だって、あの伝説上のだろ?」

「そうだな」

「た、倒せたのか?」

「倒したが、問題があって、Sランク級だから、人を近づけないほうが良い、普通の冒険者が行くと死ぬと思う」

「だろうな、今すぐにバリケードと門番を設置しよう」

「その方が良いと思います」

 その日、普通に宿屋でデルと昼めしを食べていた。
 冒険者ギルドの扉が開かれたのはその時だった。
 振り返ると、銀色の鎧に包まれた、まるで狼のような鎧だと思った。
 そいつはこちらを大きな瞳で眺めると、突然笑う。

「よう、ロイ、久しぶりだな」

「どちらさんで?」

「俺だよ俺、ドーマスだよ」

「ドーマスなのか?」

「おめぇーでっかくなったなー」

「お前はとても強そうになったな」

 その時、また扉が開かれた。
 そこには軽装のローブのような衣服を着用していた青年がいた。
 彼はこちらとドーマスを交互に見ると、ぱあっと目を輝かせて笑った。

「やぁ、ロイにドーマス? それにしても今日はとても暑いですね」

「おめぇ、ドリームか」
「ドリームなのか?」

 ドーマスが最初に声をかけると、次にロイが声をかけていた。

 3人は再開を懐かしむように、デシカとラシカが作った食事を食べていた。
 
「それにしても、おめーがドラゴンに選ばれるとはな―」
「ドーマスだって、銀神の鎧? その話が本当なら、もう異世界のモンスターの来訪はこないんだろうけど」
「僕はウェイバリアンとして生きて行こうと決めていたけど、やっぱり君達の友達であるドリームとして生きていくのって楽しいね」
 
 ロイは夢の世界がどのような物なのかはよく分からないが、ドリームが指先1つでコップを浮遊させてしまっている事から、物凄い力なのだと理解する事にした。

「でだ」

 ドーマスが声を低くして話し始めた。

「銀神の話によると、この世界が危ないらしい」

「もう既に危ないですよ、他の世界の化物のような人間が侵攻してきていますから、彼等の目的は不明で、ただただ虐殺を繰り返しているだけなのですよ」

「こっちには謎のワールドダンジョンなるものが現れた」

 ドーマスの次にドリームが今の他の場所の現状について報告し、最後はロイが締めくくった。

「私として何か物申してもよいかのう」

「ああ、頼むよ」

 ロイがそう言うと。

「このカーゼル村は伝説上に存在するメロムとメロカの聖地なのじゃぞ」

「それって、遥か空に旅に出たって奴の話だろ」

「それは宇宙とも言うはずですよ」

 ドーマスとドリームが呟くと。

「街の真ん中にあるメロムとメロカの銅像、あれは本物なのじゃ」

「そんなもんあったな」

 ロイもそう思った。
 最近ではコケと埃にまみれて誰も拝む事も無くなってしまった。

「だから、ここに100人以上のそう簡単には死なない仲間が集まるのじゃ、もう2人も来たではないか!」

「ドーマスとドリームがそれなら、とても頼もしいよ」

「さてと、ドーマスは物に魂を付与出来る六角の文様の持ち主で、ドリームは知恵を無限に貯蔵できる七角の文様の持ち主じゃ」

「なぜそこまで分かる?」

 ロイが尋ねると。

「私は何でも知っているが、残念な事に全てではない」

「それは何となく分かるが」

「ドーマスよ、そなたは城壁を作るのじゃ、ドリームよそなたは武器と防具を作るのじゃ、夢の世界にいるザイドロンというサイクロプスを目覚めさせるのじゃ、さすれば夢の中で武具を造れるはずじゃて」

 ドーマスは訳の分からない表情を浮かべながら、次にドリームはザイドロン? という小さな声を上げていた。

「さて、本題に入ろうか、ロイよ、そなたは武勇を上げよ、その為に明日、ワールドダンジョンで強化じゃ」

「それは良いけど、人は集まって来るのか?」

「まず強くならねばならぬ、それからじゃて」

 デルはいつにもまして饒舌だったが、不思議とそれが本来のデルなのだと思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

処理中です...