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第1章
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ロイはわたしを金色の猫目でまっすぐ見つめ、
『俺は、レインのそばにいたい。どうか俺に仕えさせてもらえないか?必ず…命に変えても、お前を守る。』
そう言ってきた。
「ロイ、わたしは最初に言ったように、侍従じゃなくて友達として仲良しになって欲しいとお願いしたはずよ。」
『わかっている。だがレインは…俺たちにとってそんな生ぬるい関係ではダメなんだ。レインは俺たちにとって愛しい者にあたいする。服従せざる負えないんだ。頼む。そばにいたいんだ。それには契約が必要なんだ。』
愛しい者…わたしは魔獣達に必ず愛されるようになっていて、服従対象に必ずなってしまうんだそう…それはわたしにはなぜだかわからない。魔獣達にしかわからないのだ。
契約…それはわたしが死ぬまで破ることのできないもの。それを結びたいと…お願いされている。それは彼を縛ることになるからダメだとずっと言っているけど。今日はわたしが折れるまで言い続けるつもりのようだ。
むー…手強い…契約なんて結びたくはない。彼を制限なんてしたくないんだ。でも…そこまで望むのなら。ロイ…それはわたしがつけた名前…
「ロイ、でも、いいの?森のことは、わたしと来るということは、森にはいられなくなるということよ?」
『ここのことは気にするな手は打ってある。それにレインに会った日から気持ちはもう決まっている。我らが愛しい者よ…どうかこの俺に…ロイに…守らせてくれ。一緒いさせてくれ。』
そう言って、低姿勢をとり、わたしに服従の姿勢をとる。
覚悟の上…か…彼は風の魔法を得意とする魔獣…わたしを乗せて空を飛ぶことだって出来る。
契約すればもう彼はわたしから離れられなくなり、自由に空を飛び回ることさえもできないんだ。
わたしは切ない気持ちになった。
「いいの?本当に…わたしでいいの?」
わたしは無力だ。体力もない。体も弱い。いつ死んでもおかしくない。魔法だって上手く使えない。
自分で自分を守ることさえもできないんだ。
『レインだから、いいんだ。』
「でも…わたし何も返せないよ。」
『いや、レインにはもう十分に貰ってる。それに契約をするんだ。俺に少しでも魔力を流せば少しは楽になるんじゃないか?』
「でも、それじゃあなたが辛いじゃない。ダメよ。」
『俺はここの主だ、ここに流すことで消化だってできる。心配するな。』
「わかったわ。」
『よし、じゃぁ、森の中心地に行こう。その方が契約しやすい。』
そしてわたしを彼の背中へと導く。いつものように足をかけて乗る。
彼はわたしを乗せてゆっくりと歩き出した。
『俺は、レインのそばにいたい。どうか俺に仕えさせてもらえないか?必ず…命に変えても、お前を守る。』
そう言ってきた。
「ロイ、わたしは最初に言ったように、侍従じゃなくて友達として仲良しになって欲しいとお願いしたはずよ。」
『わかっている。だがレインは…俺たちにとってそんな生ぬるい関係ではダメなんだ。レインは俺たちにとって愛しい者にあたいする。服従せざる負えないんだ。頼む。そばにいたいんだ。それには契約が必要なんだ。』
愛しい者…わたしは魔獣達に必ず愛されるようになっていて、服従対象に必ずなってしまうんだそう…それはわたしにはなぜだかわからない。魔獣達にしかわからないのだ。
契約…それはわたしが死ぬまで破ることのできないもの。それを結びたいと…お願いされている。それは彼を縛ることになるからダメだとずっと言っているけど。今日はわたしが折れるまで言い続けるつもりのようだ。
むー…手強い…契約なんて結びたくはない。彼を制限なんてしたくないんだ。でも…そこまで望むのなら。ロイ…それはわたしがつけた名前…
「ロイ、でも、いいの?森のことは、わたしと来るということは、森にはいられなくなるということよ?」
『ここのことは気にするな手は打ってある。それにレインに会った日から気持ちはもう決まっている。我らが愛しい者よ…どうかこの俺に…ロイに…守らせてくれ。一緒いさせてくれ。』
そう言って、低姿勢をとり、わたしに服従の姿勢をとる。
覚悟の上…か…彼は風の魔法を得意とする魔獣…わたしを乗せて空を飛ぶことだって出来る。
契約すればもう彼はわたしから離れられなくなり、自由に空を飛び回ることさえもできないんだ。
わたしは切ない気持ちになった。
「いいの?本当に…わたしでいいの?」
わたしは無力だ。体力もない。体も弱い。いつ死んでもおかしくない。魔法だって上手く使えない。
自分で自分を守ることさえもできないんだ。
『レインだから、いいんだ。』
「でも…わたし何も返せないよ。」
『いや、レインにはもう十分に貰ってる。それに契約をするんだ。俺に少しでも魔力を流せば少しは楽になるんじゃないか?』
「でも、それじゃあなたが辛いじゃない。ダメよ。」
『俺はここの主だ、ここに流すことで消化だってできる。心配するな。』
「わかったわ。」
『よし、じゃぁ、森の中心地に行こう。その方が契約しやすい。』
そしてわたしを彼の背中へと導く。いつものように足をかけて乗る。
彼はわたしを乗せてゆっくりと歩き出した。
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