41 / 51
【2・made in 高天原―天津人たちがいる日常―】
6・emergency「緊急祓除」(3)
しおりを挟む
【富谷市・県道五十六号線】
両側に丘陵地を覗む片道一車線。片側は開発された住宅地。もう片側は手付かずのまま青々とした緑樹に覆われている。
炎熱の太陽が照りつける中、赤色灯を点灯しサイレンを響かせ南北に真っ直ぐ伸びるこの道を走っているのは白の車体に黒とマゼンタのラインを施したSUVの獣撃隊緊急車両。
乗車している隊員は二名。濃紺の半袖シャツの上に胸下にマゼンタのラインが入った防護ベストを身に付け、鍔に金糸の月桂樹の刺繍が入った同色のアポロキャップを被っている。
前立には鍔と同じく月桂樹と旭日章の中央に剣を立てたエンブレム。
その上に縫い綴られている文字は「Beast Strike Force MIYAGI」――「宮城県獣撃隊」
「……班長、「高野原」って、あの「高野原士長」の「高野原」ですよね」
ハンドルを握る二十代前半くらいの女性隊員が、助手席に座る五十代前半くらいの男性隊員に尋ねる。
「泉区の「高野原」だからそうだろうなぁ」
「現場――ご自宅にいるのは女性一名って、妹さんですよね?」
「だろうなぁ」
「どっちですかね?」
彼らは真斗に妹が二人いることを知っている。
「獣撃隊の勧誘蹴った「ギャル」の方じゃなくて、下の方だろうな」
「――「箱入りのお嬢様」の方ですね」
「人見知りで気が弱いって言ってたからなぁ。運動音痴らしいし、いくら能力が高くても一人で大型祓除は無理だ」
真斗は職場の人間には「三歳下と十歳下」の妹が二人いるとだけ開示している。
三歳下の妹――彗斗は高校二年生の頃に獣撃隊から勧誘を受けていた。
能力が強い血筋の者が必ずヨモツ祓除の「前線」に立つ訳ではない。
強い血筋の家の者の半分以上はヨモツ祓除とは関係がない事を生業としている。
時代の流れの中で政界や財界で、ある意味「ヨモツ祓除」よりも強い力を手に入れた家もある。
もちろん「ごく普通の会社員」として生活をしている者も多くいる。真斗と彗斗の父親もそれに近かった。
獣撃隊としては高い能力を持つ天津人を採用したいが、それを強制することは出来ない。日本国民には自ら職業を選択する「権利」がある。
強制は出来ないが「勧誘」をすることは出来る。
強い血筋の者だけでなく、見込みがありそうな天津の学生などにも獣撃隊の関係者たちは機会を見つけては積極的に声をかけていた。
当時、大学二年生だった真斗も獣撃隊の関係者からそれとなく勧誘を受けていた。
「就職先についてはまだ決めていませんが、選択肢の一つとして考えておきます」
最終的に試験を受けて入隊したが、この時はまだ決めかねていたようで真斗の返事は消極的なものだった。
関係者も「まぁ、無理だろうな」とこの時点では真斗の入隊は八割くらい諦めていた。
真斗が通っていたのは市内にある旧帝大の流れを汲む国立大学。
就職先は「地方公務員」よりも収入も待遇も良い職種を選ぶだろう。
同じ公務員なら国家公務員の「総合職」枠を狙うだろうし、地元志向なら大手地銀や電力会社など「手堅く安定した」それに見合う企業がある。
県トップの進学校を卒業し旧帝大に進学した真斗に対して、妹の彗斗は進学校とは言い難い「中の下」位の高校に通っていた。
この学校から入れるレベルの半端な私大に進学したり民間の高卒枠で就職するよりも「高卒枠の地方公務員」の方が将来的に収入も高くなる。産休や育休の制度も下手な民間企業よりもしっかりしている。
かなり下衆な考えだが、そこをアピールすれば案外あっさり入隊を考えてくれるのではと関係者は思っていた。
後日採用担当者たちの前に現れたのは黒髪を派手に巻き、メイクとネイルをがっつりキメたミニスカートのギャルのJK。
天津の青少年向けの「祓除講習」で彗斗と接していた隊員から「お嬢さんにしては少しやんちゃで派手」だとは聞いていたが、少しどころではない。ゴリゴリの「ギャル」だ。
「獣撃隊って髪巻けねぇしネイルも禁止っすよね?うち、まだまだこれ卒業するつもりねぇんで。高校出てからっしょ、ガチで好きに出来んの」
断る前提でワザとそうしているのか。
関係者からの勧誘にかなり雑な口調で答えながら、彗斗は派手なネイルを見せつけニヤリと笑った。
そんな爪痕を残したこともあり、彗斗の存在は真斗の入隊前から職場で認知されていた。
一方茉莉花に関しては、真斗は可能な限りその素性を隠すようにしていた。
自分からは年齢以外は一切口外することはないが話を振られた時は「人見知りで気が弱い」「運動音痴」と少しフェイクを入れて答えていた。
奇遇にも茉莉花が自ら演じてきたものと同じ「何も出来ない箱入り娘」設定だ。
真斗なりに茉莉花が力を出さなくても不審に思われないよう、こうして普段から予防線を張っていた。
「天津の「祓除講習」にも体が弱いから参加していないようだし、あの「弟たち」と比べたら素人だ。下手に手出しせず通報したのは正しい判断だな」
助手席の男性隊員は被っていたキャップを脱ぎ、足元に収納されているヘルメットを手に取った。
「――ヨモツの中にある雷線に気付いて報告したのも良い判断だ。お利口さんなのか運も味方に付けている。ちょうど俺たちが現場近くを巡回していた――雷線が全身に回ったら、かなりマズい」
「通報時刻から計算するとリミットまで十五分。現場到着まであと五分。何とか間に合いそうです」
運転席の女性隊員は少し間を置いて、助手席の男性隊員に尋ねる。
「高野原士長、家から通報入ったの気付いてますかね?」
「いや、まだだな」
ダッシュボードの上にある外付けモニターに映る地図には複数のアイコン、数字などが表示されている。
これはヨモツの出没箇所やその形態、警戒レベル、仙台市内及びその近隣市町を回っている隊員の現在地などを示すアイコンと識別番号。
リアルタイムで更新されており、この二人の識別番号が記されたアイコンは進路通り県道五十六号線を南下している。
現在は富谷市内。トラブルがなければ二分後に仙台市泉区に入り三分後に現場に到着。
加瀬・高野原コンビの識別番号は市の南部にあり、祓除任務中の赤いアイコンが点灯している。
「神谷沢が応援に入っているから少々手こずってるみたいだなぁ」
助手席でヘルメットを装着している男性隊員は岡田典弘獣撃司令。
運転をしている女性隊員は松森あゆみ一等獣撃士。
高野原家の敷地に出現したヨモツの祓除に向かう彼らの所属は「宮城県獣撃隊・機動祓除隊第三班」――真斗の上司と後輩だ。
両側に丘陵地を覗む片道一車線。片側は開発された住宅地。もう片側は手付かずのまま青々とした緑樹に覆われている。
炎熱の太陽が照りつける中、赤色灯を点灯しサイレンを響かせ南北に真っ直ぐ伸びるこの道を走っているのは白の車体に黒とマゼンタのラインを施したSUVの獣撃隊緊急車両。
乗車している隊員は二名。濃紺の半袖シャツの上に胸下にマゼンタのラインが入った防護ベストを身に付け、鍔に金糸の月桂樹の刺繍が入った同色のアポロキャップを被っている。
前立には鍔と同じく月桂樹と旭日章の中央に剣を立てたエンブレム。
その上に縫い綴られている文字は「Beast Strike Force MIYAGI」――「宮城県獣撃隊」
「……班長、「高野原」って、あの「高野原士長」の「高野原」ですよね」
ハンドルを握る二十代前半くらいの女性隊員が、助手席に座る五十代前半くらいの男性隊員に尋ねる。
「泉区の「高野原」だからそうだろうなぁ」
「現場――ご自宅にいるのは女性一名って、妹さんですよね?」
「だろうなぁ」
「どっちですかね?」
彼らは真斗に妹が二人いることを知っている。
「獣撃隊の勧誘蹴った「ギャル」の方じゃなくて、下の方だろうな」
「――「箱入りのお嬢様」の方ですね」
「人見知りで気が弱いって言ってたからなぁ。運動音痴らしいし、いくら能力が高くても一人で大型祓除は無理だ」
真斗は職場の人間には「三歳下と十歳下」の妹が二人いるとだけ開示している。
三歳下の妹――彗斗は高校二年生の頃に獣撃隊から勧誘を受けていた。
能力が強い血筋の者が必ずヨモツ祓除の「前線」に立つ訳ではない。
強い血筋の家の者の半分以上はヨモツ祓除とは関係がない事を生業としている。
時代の流れの中で政界や財界で、ある意味「ヨモツ祓除」よりも強い力を手に入れた家もある。
もちろん「ごく普通の会社員」として生活をしている者も多くいる。真斗と彗斗の父親もそれに近かった。
獣撃隊としては高い能力を持つ天津人を採用したいが、それを強制することは出来ない。日本国民には自ら職業を選択する「権利」がある。
強制は出来ないが「勧誘」をすることは出来る。
強い血筋の者だけでなく、見込みがありそうな天津の学生などにも獣撃隊の関係者たちは機会を見つけては積極的に声をかけていた。
当時、大学二年生だった真斗も獣撃隊の関係者からそれとなく勧誘を受けていた。
「就職先についてはまだ決めていませんが、選択肢の一つとして考えておきます」
最終的に試験を受けて入隊したが、この時はまだ決めかねていたようで真斗の返事は消極的なものだった。
関係者も「まぁ、無理だろうな」とこの時点では真斗の入隊は八割くらい諦めていた。
真斗が通っていたのは市内にある旧帝大の流れを汲む国立大学。
就職先は「地方公務員」よりも収入も待遇も良い職種を選ぶだろう。
同じ公務員なら国家公務員の「総合職」枠を狙うだろうし、地元志向なら大手地銀や電力会社など「手堅く安定した」それに見合う企業がある。
県トップの進学校を卒業し旧帝大に進学した真斗に対して、妹の彗斗は進学校とは言い難い「中の下」位の高校に通っていた。
この学校から入れるレベルの半端な私大に進学したり民間の高卒枠で就職するよりも「高卒枠の地方公務員」の方が将来的に収入も高くなる。産休や育休の制度も下手な民間企業よりもしっかりしている。
かなり下衆な考えだが、そこをアピールすれば案外あっさり入隊を考えてくれるのではと関係者は思っていた。
後日採用担当者たちの前に現れたのは黒髪を派手に巻き、メイクとネイルをがっつりキメたミニスカートのギャルのJK。
天津の青少年向けの「祓除講習」で彗斗と接していた隊員から「お嬢さんにしては少しやんちゃで派手」だとは聞いていたが、少しどころではない。ゴリゴリの「ギャル」だ。
「獣撃隊って髪巻けねぇしネイルも禁止っすよね?うち、まだまだこれ卒業するつもりねぇんで。高校出てからっしょ、ガチで好きに出来んの」
断る前提でワザとそうしているのか。
関係者からの勧誘にかなり雑な口調で答えながら、彗斗は派手なネイルを見せつけニヤリと笑った。
そんな爪痕を残したこともあり、彗斗の存在は真斗の入隊前から職場で認知されていた。
一方茉莉花に関しては、真斗は可能な限りその素性を隠すようにしていた。
自分からは年齢以外は一切口外することはないが話を振られた時は「人見知りで気が弱い」「運動音痴」と少しフェイクを入れて答えていた。
奇遇にも茉莉花が自ら演じてきたものと同じ「何も出来ない箱入り娘」設定だ。
真斗なりに茉莉花が力を出さなくても不審に思われないよう、こうして普段から予防線を張っていた。
「天津の「祓除講習」にも体が弱いから参加していないようだし、あの「弟たち」と比べたら素人だ。下手に手出しせず通報したのは正しい判断だな」
助手席の男性隊員は被っていたキャップを脱ぎ、足元に収納されているヘルメットを手に取った。
「――ヨモツの中にある雷線に気付いて報告したのも良い判断だ。お利口さんなのか運も味方に付けている。ちょうど俺たちが現場近くを巡回していた――雷線が全身に回ったら、かなりマズい」
「通報時刻から計算するとリミットまで十五分。現場到着まであと五分。何とか間に合いそうです」
運転席の女性隊員は少し間を置いて、助手席の男性隊員に尋ねる。
「高野原士長、家から通報入ったの気付いてますかね?」
「いや、まだだな」
ダッシュボードの上にある外付けモニターに映る地図には複数のアイコン、数字などが表示されている。
これはヨモツの出没箇所やその形態、警戒レベル、仙台市内及びその近隣市町を回っている隊員の現在地などを示すアイコンと識別番号。
リアルタイムで更新されており、この二人の識別番号が記されたアイコンは進路通り県道五十六号線を南下している。
現在は富谷市内。トラブルがなければ二分後に仙台市泉区に入り三分後に現場に到着。
加瀬・高野原コンビの識別番号は市の南部にあり、祓除任務中の赤いアイコンが点灯している。
「神谷沢が応援に入っているから少々手こずってるみたいだなぁ」
助手席でヘルメットを装着している男性隊員は岡田典弘獣撃司令。
運転をしている女性隊員は松森あゆみ一等獣撃士。
高野原家の敷地に出現したヨモツの祓除に向かう彼らの所属は「宮城県獣撃隊・機動祓除隊第三班」――真斗の上司と後輩だ。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる