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2.協奏曲、あるいは狂騒曲
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―――――
ああ、夫人。我が愛しき、心から愛する夫人。
どうぞ、どうぞ私めをお召し上がり下さい。この日のために知を肥やし、学を育み、貴女への愛を蓄えてまいりました。身を清め、香を炊き、このように御前に見えました。ああ、お美しい夫人。目隠しをされた今ですら、それが見えます。朱いおひと。麗しいひと。なにとぞ、なにとぞ。
ああ、夫人。痛いです。痛いです。そして嬉しいです。私めの腕を、そして足を。ああ、そうやって、我が生き血を啜ってくださるのですね。けもののように貪り、求めてくださるのですね。どうぞ、どうぞお召し上がり下さい。今、生命の危機に瀕していることがわかります。体は震え、男のものは勃ち上がり、今まさに放たれようとしております。ああ、そんな。その手で掬ってくださるのですね。啜ってくださるのですね。これほどの果報はございません。
ああ、夫人。腹が、腹が裂けるのがわかります。夫人、痛いです。苦しいです。なにより、嬉しい。愛おしいです。この日のために、食を断ち、糞尿を絞り出し、肉の臭みを消しました。どうぞお召し上がり下さい。脂と酒で肥やした肝を、幾度となく水で洗い、濯いだはらわたを。どうぞ、どうぞお召し上がりください。ああ、今きっと、頭蓋が、脳漿が。
ああ、夫人。そろそろ、そろそろ。夫人。お別れなのでしょうか。今、私めはどこにいるのでしょうか。夫人。どうか、どうか抱きしめて下さい。私めは、貴女と共にありとうございます。そのためにどうか、お召し上がり下さい。私めを、貴女にしてください。どうか、ああ。
ああ、夫人。我が愛しき人。ボドリエール夫人。
―――――
ヴィジューション地方。首都から南西に、馬車で三日ほど。
沿岸部である。波の穏やかな浜。それを沿うように、大きな街道がひとつ。その他にも、各地方へ伸びる街道や、交易のための港がある。交通と交易の地である。もう少し南に行けば、船の交易と漁業が盛んになり、また、観光で有名な孤島、ウルソレイ・ソコシュにも行ける便もある。
道中は賑やかだった。
ペルグランとスーリは、早速、仲よくなった。
名家のご嫡男と、奴隷の出。共通の話題があった。競馬である。
ペルグランは、馬の見方にも習いがあるそうで、それを教えたり、過去の名勝負について、きゃあきゃあと盛り上がっていた。スーリもスーリで、年若い坊っちゃんが気さくに話してくれるのが嬉しいのだろう。友だち感覚でいいよ、と言って、逆にペルグランをかしこまらせてしまったりもしていた。
その賑やかさの中で、いくつか鳩を送っていた。おそらく必要になるものがあったので、それを頼もうと思ったのだ。
ジスカール。先の一件で遭遇した、悪党である。
あの時こそ、間抜けなこそ泥に身をやつしていたが、本来は相当に名の知れた大悪党だった。かつて裏社会でその名を轟かせた一家の頭目。生粋以上、がっしりとした芯の通った任侠者であり、長らく敵と味方の関係にあった。
悪党の種類は数多いが、任侠とは、裏の警察だとか、司法にあたるものである。
無論、違法薬物や密造酒などを取り扱う連中もいるが、ジスカールはそういうことを一切やらなかった。法の加護を受けられないものの庇護者となり、あるいは諍いの仲介に入り、他に迷惑をかけるようなやつを叩き潰す。
裏の門番としても機能しており、裏にまつわる事案に携わるときは、ほぼ必ず相対する必要があるほどだった。
平時では信用がならないが、こちらが忙しくて、裏にまで目をやれない時には、ほんとうに頼りになる存在だった。
何年か前、首都近郊の、裏の玉座にあった男が死んだ。
警察隊の宿敵。ジスカールもその男の世話になっていて、部下ではないものの、ほとんど右腕みたいなものだった。それがいなくなって、気が抜けたのだろう。すぐに家を畳んで隠居した。
ただ、その男の部下たちが、食っていけなくなったと泣きついてきたらしく、恩義のため、なんとか食わせてやろうと立ち上がったそうだ。
結局はうまくいかず、現行犯逮捕と相成ったが、セルヴァンや国家憲兵総監に掛け合い、利用価値があることを説き伏せた。任侠は裏の警察隊。そのひと言で、納得は貰えた。
それで、自分の足に組み込んだ。
裏は現在も空位が続いていた。いつ諍いが起きてもおかしくはない。
だから、ジスカールに玉座に着かせた。もとより名の知れた大悪党だけあって、他の悪党を説き伏せ、引き寄せ、あるいは打ち払って、あっという間に玉座に昇った。
その後、あるひとつの名跡を継がせて、その権威を高めた。その名ひとつで、首都近郊どころか、この国の裏は、太平の世を迎えることができるだろう。それほどの神通力を秘めた、巨大な名跡だった。
悪入道リシュリュー。
かつてその名を轟かせた、強大な悪の権化。悪党どもの首魁にして、神域の頭脳を誇った大学者であり、宗教家。
死を迎えるまで、その漆黒の玉座を恣にした、ジスカールの恩人、その人のものである。
これで裏にまつわる面倒は、相当に少なくなるだろう。足の配置もジスカールひとつでよくなる。
謀略家ではなく任侠者なので、恩の貸し借りを裏切りはしない。
「泣き虫ヴィルピン。ウトマン課長が言っていました」
そろそろ着く。そういうところで、正面に座っていたペルグランが言い出した。
「いっつもどじばっかりして、すぐ泣いて。でも立ち上がって、びっくりするほど成長して、そしてまた転ぶ。自分とは正反対なんだって。ウトマン課長、すごく嬉しそうに話してくれました」
その言葉に、こちらも嬉しくなっていた。
ヴィジューション地方の警察隊支部長、ヴィルピン少佐。
ウトマンの同期である。ふたりとも、あのガンズビュールで出会った。そこに配属されていた、新任少尉ふたり。まったくの正反対だった。
貧民出身。痩躯で、冷静沈着、堅忍不抜。何をやらせてもそつなくこなすのがウトマン。
対してヴィルピンは地方豪族の次男坊。小太りで、勇猛果敢、猪突猛進。そして何をやっても失敗する。
そして泣く。だから皆、あいつ大丈夫かよ。そんな目で見る。
それでも立ち上がる。泣きながら立ち上がって、走り出す。
そうしてたどり着いた先は、いつだって大手柄。
そうしてまた泣く。皆のおかげだ。俺ひとりじゃ何もできないんだ。皆、貰い泣きだ。ほうっておけない。あいつのために頑張ろう。いつしか皆、一緒になって、走っては転んで、走っては転んでを繰り返す。
転んで、泣いて、立ち上がる。そうやって大きくなり、人の心を掴んできた男。
素朴なカリスマ。それが、泣き虫ヴィルピンという男。
「ウトマンはあのとおりだから、俺の側で、俺のできないことをやってもらっていた。代わりにヴィルピンを里子に出したんだ。もう五年ぐらいかな。今のところは大好評だ。沢山の人に慕われているそうだよ」
「失敗は許されない。そういう風潮が、あるとは思うのですが」
「ペルグランや」
身を乗り出した。きっと、思ったことを思ったとおりに口に出したのだろう。こういうことは窘めておかなければならない。それもつとめて優しく、穏やかに。
「風潮は風潮だ。失敗を経験して、間違いを間違いだと認識できるようになって、ようやく半人前。そうやって人間としての精度を高めていくべきだ。俺は、そう思う」
そこまで言って、一旦、スーリを見た。
「スーリは、失敗が許されない世界で生きてきただろう?」
「そうっすね。心底、大変でした。いやでいやで仕方なかった」
難しい顔だった。
やはり本心は、殺しなんてしたくなかった。はじめて会ったときから、そう感じていた。
「失敗を許さないこと。それは人を緊張させることだ。緊張すれば、頭はうまく働かんだろう?」
「はい。それは、おっしゃるとおりです」
「ならばペルグラン。どうすれば人の頭をうまく働かせ、緊張させずに仕事をさせられるかね?」
「失敗を許すこと。そして、克服の手助けすること。あるいは失敗したことを悔やませないことでしょうか」
「発想、着眼点、大いによし」
杖を鳴らした。
このあたり、この若者はちゃんと考えることができる。頭ごなしに詰め込まず、促して、発想させる。ペルグランはそれに応えることができた。
「ならばこその泣き虫ヴィルピンなんだ。上のものが失敗し、それを克服していく姿を、下のものにも見せていく。失敗することはこわいことではないことを、上のものが率先して見せていく。それで、組織の雰囲気はずっとよくなる。そういう風潮もあるということも、覚えておきなさい」
それで、ペルグランの顔も和らいだ。
もともと、ヴィジューション地方支部隊は、あまり評判がよくなかった。
前の支部長は厳粛すぎ、責任の追求に重きを置いているきらいがあった。また組織の練度を、検挙率という数字だけで評価してしまっていた。
それで、組織そのものが萎縮した。誤認逮捕、警察隊隊員による傷害事件、離職が相次いでいた。
だから、代わりにヴィルピンを置いた。
ちょっと若いとは思ったが、爆発した時のヴィルピンは、やはり強い。着任早々、馬からずっこけて怪我を負い、ひと月ほど職場に出れなくなった。病室で泣きながら謝り続けた。
それで皆、解れたのだろう。あらためて自分たちの役割を再認識し、組織として機能するよう、各々が奮起した。ヴィルピンが戻ってきたときには、皆の顔は、いきいきしていたそうだ。
ヴィルピンも元気いっぱいで、ちょうど一件、難しい殺しが残っていたのを、あっさり片付けてしまった。
それで皆、虜になった。
民衆も、あの頼りない小太りの支部長を何とかしてやりたいと、協力を惜しまないそうだ。
「ヴィルピンが困っている。それぐらい、今回の案件は難しい。俺も何度も資料を見たが、未だにわからん。実際に見てみなければ、きっとわからんだろうな」
「そうだね。あの可愛いヴィルピン君のためなら、協力は惜しまないよ」
正面から帰ってきたのは、女の声だった。
「ヴィジューションなんて何年ぶりだろう。行くなら教えてくれたまえよ。先月ぐらいがちょうどよかったんだろうけど、秋の海というのも、風情があっていいものだね」
その声と姿に、隣りにいたペルグランが絶叫して、ダンクルベールに抱きついてきた。
朱と黒のドレス。焔のように揺らめく、朱い髪。
ガンズビュールの人喰らい。人でなしのシェラドゥルーガである。
スーリの肩に手を回し、その豊満な体を押し付けながら、いつの間にかそこにいた。気付いたが、全員の座っている場所すら変わっている。ペルグランはダンクルベールの正面にいたはずだ。
こうならないよう、スーリを用意したというのに。毎度毎度、面倒な化け物である。
「訪いぐらい、入れたらどうだ」
「入れたよ?この可愛いこにね。そうだろう?」
にやにやと笑いながら、それはスーリの頬を指先でつっついた。スーリが硬い笑顔で首肯する。よく見れば、滝のような汗を流している。
「心臓と頸動脈。大腿動脈に、両腕の上腕三頭筋。その他諸々。何か、突きつけられてたんでさあ。ようやくなくなったと思ったら、隣りにいるんすよ。おいら、泣いちゃうところだった」
凄腕の暗殺者である。それが急所を抑えられ、身じろぎもできずにいたというわけだ。
ごめんね。そう告げて、それはスーリの頬にベーゼをした。どこからか名刺を取り出し、渡す。それを見たスーリが飛び上がっていた。
「長官、脱獄ですよ。刑務局に連絡しないと」
「人聞きの悪いことを言うじゃないか、ペルグラン君。私はちゃんと、あの牢獄にいるよ?そして今、ここにもいる。とてもシンプルなことだ。若いのだから柔軟な発想をしたまえよ」
シェラドゥルーガはスーリに抱きついたり、頬ずりしながら軽口を叩いた。そうした後、ペルグランに対し、その整った上体を差し出すようにして、さあどうぞ。そう言ってのけた。
ペルグランが恐る恐る、手を近づける。おそらく手妻か、何かしらのまやかしだとでも思っているのだろう。シェラドゥルーガといえば、その手をぐいと掴み、その豊かな谷間に突っ込んでしまった。やられた側は顔を真っ赤にして、またしがみついてきた。
「もう、えっちなんだから。私のこと、そういう目で見てたんだ。ペルグラン君も男の子だもんねえ」
そう言って、口元を押さえて笑っていた。
いつもの、ちょっとした“悪戯”。そのひとつだ。自分も何度もやられている。最初のうちはペルグラン同様、心底驚いたが、そのうちどうでもよくなった。
念の為、足を使って調べてみたことがあるが、ほんとうに出現場所と牢獄の両方に存在していた。
「我が忠実なるジャン=ジャック・ニコラが毎回、びんたを張られるのも可愛そうだからね。私ってば、気が利くだろう?」
からかいながら、ペルグランにちょっかいを出していた。
そろそろやかましくなってきたので、胸元に忍ばせた拳銃に手を伸ばす仕草を見せた。それでようやく、大人しくなった。
「ちゃんと種も仕掛けもあるよ。遥か東の島国、夷波唐府の信仰文化のひとつ、分霊というやつだ。神さまが、神さま本来の力を維持したまま分身できるんだってさ。別名義で夷波唐府を題材にした作品を出しててね。その中で学んだひとつだ。やってみたら、できちゃったんだよ」
「化け物の分際で、神さま気取りか」
「昔、邪教のご神体をやっていたこともある。ヴァーヌ聖教にぼこぼこにされたけどね。言ってなかったっけか?」
「初耳だな。履歴書に書けば、さぞ大受けだろう」
下手くそな冗談に、満面の笑みで返してきた。
ため息ひとつ、資料の山をシェラドゥルーガに渡してみた。流石は本業作家、てきぱきと読み進めている。
「刺殺。絞殺。撲殺。バラバラ殺人に、拷問もあるのかい?対象は無差別に見えるが、手口ごとに棄てる場所が異なっている。それにここ何件は、傾向が似ている感じも見えるね」
「多数を装っている。あるいは複数犯。しかし目的がわからん。単一の目的には見えない」
「資料だけでは、ちょっと情報が少ないなあ。証拠とかもないようだし、これだけの量なのに目撃情報のひとつもないのも、よくわからん」
「組織犯の可能性も考え、足に悪党を洗わせている。民衆を襲わせ、各領主の、国家への不安や不信を煽っているのやもしれん。あるいは、領主どもに金の貸し借りがあるとか」
「それをヴィジューションでやる意義があるのかどうかだね。交易と交通の地とはいえ、下層階級の方が多い。むしろ民衆の不信感を煽って、民衆蜂起させて、交通網遮断。それならもっと直接的なやり方でもいいしな。ただの殺しでいいんじゃないか?」
シェラドゥルーガは訝しげな表情のまま、結構な量の資料を読み込んでいっている。
何かがおかしい。ずっと、違和感があった。
スーリやウトマンと議論していても、それが何か、掴み取れなかった。これだけの事案があって、民衆からも、各領地の領主からも不満の声も上がっている様子がない。緊急捜査事案としての要請でもいいぐらいの量である。
我が愛しき人。そう言われ、考えを止めた。
シェラドゥルーガの目は、真剣だった。
「狙いは、ヴィルピン君かもしれない」
言われて、ぞっとした。
ヴィルピンに不満がある。それを、追い込もうとする勢力がある。
「現場検証報告書の質だ。ウトマン君やデッサン君の報告書に見慣れているのもあるが、どうもおかしい。現場の状況にしろ証拠にしろ。あまりに内容が足らなすぎやしないかね?」
「言われてみれば、確かに少ないですね。聞き込み調査も、あまり行っていないように思われます」
「捜査そのものに消極的だ。支部長さんの家族を人質に取られてるとか、あるいは弱みを握られているとか。そうやって、辞任なりに追い込もうっていう寸法っすかね?」
ヴィルピンを狙い撃ちにした組織犯。よもや、内部か。誰がいる。ヴィジューション。人員の名前が出てこない。
「まず、そういうことがありうるということだけ、頭に入れておいたほうがいいね。ヴィルピン君はお前のお気に入りだから、考えすぎると、どつぼにはまるよ」
「そうだな。頭にだけ、入れておく」
言われた通り、頭の片隅にそれを置いた。そういうふうに、頭の中を作り込んであった。棚と作業台、物置など。概念として、空間を用途ごとに分けておく。
「さて、そろそろ時間切れかな。もうじき着く頃だろうしね。私の方もひとつ、仕立てが終わったところだよ。今日は久々のご馳走なんだ」
そう言って、シェラドゥルーガが鼻を鳴らした。
仕立て。こいつから聞くと、いやな言葉だった。
「趣味と実益を兼ねたものとはいえ、ご苦労なことだ」
「ちゃあんと国家に貢献しているだろう?感謝してくれたまえよ、我が愛しきオーブリー・リュシアン」
その言葉に、思わず引き抜いていた。その時、それはもう、いなくなっていた。みとめてから、拳銃をしまい直した。
まったく、迷惑な存在だ。
「あの、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
おどおどした様子で、ペルグランが訪ねてきた。
「仕立てのことか?」
首肯する。
目から読めた。おそらくはもう片方も聞きたいのだろうが、ダンクルベールの機嫌がよくないことを悟って、前者に絞っている。
「第三監獄の、囚人どもだよ」
ペルグランの目に、怯えが見えた。喉が鳴っている。それだけで理解できたようだ。
第三監獄に収監されている、身分の高い政治犯や思想犯、凶悪犯罪者。これらは基本的に、自給自足を強いられている。死んだことになっているとはいえ、実家なりから援助を受けたり、残った財産を切り崩すなり、内職をするなりして日銭を稼いでいた。
それが尽きたとして、国家にそれを養う義理も義務もない。とはいえ、餓死させるまで放っておくのも、刑務官たちの心情に悪影響を及ぼす。
そこで、あのシェラドゥルーガの出番である。
人の生命を好物とする、人でなし。それも魚の仕立てや、鵞鳥の肥育のようにして、自分好みの味になるようにしてから胃袋に収めるのだ。
「あの。夫人はなぜ、人を食べるのでしょうかね?」
「本人に聞きなさい」
「美味しいからだよ」
どこかから女の声が聞こえた。それで、ペルグランの体が跳ね上がった。
ダンクルベールは、あえて周囲を見回さなかった。どうせもう、逃げ帰っている。
紙巻を取り出し、火を点けた。これがなくなるぐらいで到着するだろう。
第三監獄は、あれにとっての生簀なのだ。ガンズビュールの惨劇は未だ、あの場所で続いている。
あのシェラドゥルーガが、生きている限りは。
(つづく)
ああ、夫人。我が愛しき、心から愛する夫人。
どうぞ、どうぞ私めをお召し上がり下さい。この日のために知を肥やし、学を育み、貴女への愛を蓄えてまいりました。身を清め、香を炊き、このように御前に見えました。ああ、お美しい夫人。目隠しをされた今ですら、それが見えます。朱いおひと。麗しいひと。なにとぞ、なにとぞ。
ああ、夫人。痛いです。痛いです。そして嬉しいです。私めの腕を、そして足を。ああ、そうやって、我が生き血を啜ってくださるのですね。けもののように貪り、求めてくださるのですね。どうぞ、どうぞお召し上がり下さい。今、生命の危機に瀕していることがわかります。体は震え、男のものは勃ち上がり、今まさに放たれようとしております。ああ、そんな。その手で掬ってくださるのですね。啜ってくださるのですね。これほどの果報はございません。
ああ、夫人。腹が、腹が裂けるのがわかります。夫人、痛いです。苦しいです。なにより、嬉しい。愛おしいです。この日のために、食を断ち、糞尿を絞り出し、肉の臭みを消しました。どうぞお召し上がり下さい。脂と酒で肥やした肝を、幾度となく水で洗い、濯いだはらわたを。どうぞ、どうぞお召し上がりください。ああ、今きっと、頭蓋が、脳漿が。
ああ、夫人。そろそろ、そろそろ。夫人。お別れなのでしょうか。今、私めはどこにいるのでしょうか。夫人。どうか、どうか抱きしめて下さい。私めは、貴女と共にありとうございます。そのためにどうか、お召し上がり下さい。私めを、貴女にしてください。どうか、ああ。
ああ、夫人。我が愛しき人。ボドリエール夫人。
―――――
ヴィジューション地方。首都から南西に、馬車で三日ほど。
沿岸部である。波の穏やかな浜。それを沿うように、大きな街道がひとつ。その他にも、各地方へ伸びる街道や、交易のための港がある。交通と交易の地である。もう少し南に行けば、船の交易と漁業が盛んになり、また、観光で有名な孤島、ウルソレイ・ソコシュにも行ける便もある。
道中は賑やかだった。
ペルグランとスーリは、早速、仲よくなった。
名家のご嫡男と、奴隷の出。共通の話題があった。競馬である。
ペルグランは、馬の見方にも習いがあるそうで、それを教えたり、過去の名勝負について、きゃあきゃあと盛り上がっていた。スーリもスーリで、年若い坊っちゃんが気さくに話してくれるのが嬉しいのだろう。友だち感覚でいいよ、と言って、逆にペルグランをかしこまらせてしまったりもしていた。
その賑やかさの中で、いくつか鳩を送っていた。おそらく必要になるものがあったので、それを頼もうと思ったのだ。
ジスカール。先の一件で遭遇した、悪党である。
あの時こそ、間抜けなこそ泥に身をやつしていたが、本来は相当に名の知れた大悪党だった。かつて裏社会でその名を轟かせた一家の頭目。生粋以上、がっしりとした芯の通った任侠者であり、長らく敵と味方の関係にあった。
悪党の種類は数多いが、任侠とは、裏の警察だとか、司法にあたるものである。
無論、違法薬物や密造酒などを取り扱う連中もいるが、ジスカールはそういうことを一切やらなかった。法の加護を受けられないものの庇護者となり、あるいは諍いの仲介に入り、他に迷惑をかけるようなやつを叩き潰す。
裏の門番としても機能しており、裏にまつわる事案に携わるときは、ほぼ必ず相対する必要があるほどだった。
平時では信用がならないが、こちらが忙しくて、裏にまで目をやれない時には、ほんとうに頼りになる存在だった。
何年か前、首都近郊の、裏の玉座にあった男が死んだ。
警察隊の宿敵。ジスカールもその男の世話になっていて、部下ではないものの、ほとんど右腕みたいなものだった。それがいなくなって、気が抜けたのだろう。すぐに家を畳んで隠居した。
ただ、その男の部下たちが、食っていけなくなったと泣きついてきたらしく、恩義のため、なんとか食わせてやろうと立ち上がったそうだ。
結局はうまくいかず、現行犯逮捕と相成ったが、セルヴァンや国家憲兵総監に掛け合い、利用価値があることを説き伏せた。任侠は裏の警察隊。そのひと言で、納得は貰えた。
それで、自分の足に組み込んだ。
裏は現在も空位が続いていた。いつ諍いが起きてもおかしくはない。
だから、ジスカールに玉座に着かせた。もとより名の知れた大悪党だけあって、他の悪党を説き伏せ、引き寄せ、あるいは打ち払って、あっという間に玉座に昇った。
その後、あるひとつの名跡を継がせて、その権威を高めた。その名ひとつで、首都近郊どころか、この国の裏は、太平の世を迎えることができるだろう。それほどの神通力を秘めた、巨大な名跡だった。
悪入道リシュリュー。
かつてその名を轟かせた、強大な悪の権化。悪党どもの首魁にして、神域の頭脳を誇った大学者であり、宗教家。
死を迎えるまで、その漆黒の玉座を恣にした、ジスカールの恩人、その人のものである。
これで裏にまつわる面倒は、相当に少なくなるだろう。足の配置もジスカールひとつでよくなる。
謀略家ではなく任侠者なので、恩の貸し借りを裏切りはしない。
「泣き虫ヴィルピン。ウトマン課長が言っていました」
そろそろ着く。そういうところで、正面に座っていたペルグランが言い出した。
「いっつもどじばっかりして、すぐ泣いて。でも立ち上がって、びっくりするほど成長して、そしてまた転ぶ。自分とは正反対なんだって。ウトマン課長、すごく嬉しそうに話してくれました」
その言葉に、こちらも嬉しくなっていた。
ヴィジューション地方の警察隊支部長、ヴィルピン少佐。
ウトマンの同期である。ふたりとも、あのガンズビュールで出会った。そこに配属されていた、新任少尉ふたり。まったくの正反対だった。
貧民出身。痩躯で、冷静沈着、堅忍不抜。何をやらせてもそつなくこなすのがウトマン。
対してヴィルピンは地方豪族の次男坊。小太りで、勇猛果敢、猪突猛進。そして何をやっても失敗する。
そして泣く。だから皆、あいつ大丈夫かよ。そんな目で見る。
それでも立ち上がる。泣きながら立ち上がって、走り出す。
そうしてたどり着いた先は、いつだって大手柄。
そうしてまた泣く。皆のおかげだ。俺ひとりじゃ何もできないんだ。皆、貰い泣きだ。ほうっておけない。あいつのために頑張ろう。いつしか皆、一緒になって、走っては転んで、走っては転んでを繰り返す。
転んで、泣いて、立ち上がる。そうやって大きくなり、人の心を掴んできた男。
素朴なカリスマ。それが、泣き虫ヴィルピンという男。
「ウトマンはあのとおりだから、俺の側で、俺のできないことをやってもらっていた。代わりにヴィルピンを里子に出したんだ。もう五年ぐらいかな。今のところは大好評だ。沢山の人に慕われているそうだよ」
「失敗は許されない。そういう風潮が、あるとは思うのですが」
「ペルグランや」
身を乗り出した。きっと、思ったことを思ったとおりに口に出したのだろう。こういうことは窘めておかなければならない。それもつとめて優しく、穏やかに。
「風潮は風潮だ。失敗を経験して、間違いを間違いだと認識できるようになって、ようやく半人前。そうやって人間としての精度を高めていくべきだ。俺は、そう思う」
そこまで言って、一旦、スーリを見た。
「スーリは、失敗が許されない世界で生きてきただろう?」
「そうっすね。心底、大変でした。いやでいやで仕方なかった」
難しい顔だった。
やはり本心は、殺しなんてしたくなかった。はじめて会ったときから、そう感じていた。
「失敗を許さないこと。それは人を緊張させることだ。緊張すれば、頭はうまく働かんだろう?」
「はい。それは、おっしゃるとおりです」
「ならばペルグラン。どうすれば人の頭をうまく働かせ、緊張させずに仕事をさせられるかね?」
「失敗を許すこと。そして、克服の手助けすること。あるいは失敗したことを悔やませないことでしょうか」
「発想、着眼点、大いによし」
杖を鳴らした。
このあたり、この若者はちゃんと考えることができる。頭ごなしに詰め込まず、促して、発想させる。ペルグランはそれに応えることができた。
「ならばこその泣き虫ヴィルピンなんだ。上のものが失敗し、それを克服していく姿を、下のものにも見せていく。失敗することはこわいことではないことを、上のものが率先して見せていく。それで、組織の雰囲気はずっとよくなる。そういう風潮もあるということも、覚えておきなさい」
それで、ペルグランの顔も和らいだ。
もともと、ヴィジューション地方支部隊は、あまり評判がよくなかった。
前の支部長は厳粛すぎ、責任の追求に重きを置いているきらいがあった。また組織の練度を、検挙率という数字だけで評価してしまっていた。
それで、組織そのものが萎縮した。誤認逮捕、警察隊隊員による傷害事件、離職が相次いでいた。
だから、代わりにヴィルピンを置いた。
ちょっと若いとは思ったが、爆発した時のヴィルピンは、やはり強い。着任早々、馬からずっこけて怪我を負い、ひと月ほど職場に出れなくなった。病室で泣きながら謝り続けた。
それで皆、解れたのだろう。あらためて自分たちの役割を再認識し、組織として機能するよう、各々が奮起した。ヴィルピンが戻ってきたときには、皆の顔は、いきいきしていたそうだ。
ヴィルピンも元気いっぱいで、ちょうど一件、難しい殺しが残っていたのを、あっさり片付けてしまった。
それで皆、虜になった。
民衆も、あの頼りない小太りの支部長を何とかしてやりたいと、協力を惜しまないそうだ。
「ヴィルピンが困っている。それぐらい、今回の案件は難しい。俺も何度も資料を見たが、未だにわからん。実際に見てみなければ、きっとわからんだろうな」
「そうだね。あの可愛いヴィルピン君のためなら、協力は惜しまないよ」
正面から帰ってきたのは、女の声だった。
「ヴィジューションなんて何年ぶりだろう。行くなら教えてくれたまえよ。先月ぐらいがちょうどよかったんだろうけど、秋の海というのも、風情があっていいものだね」
その声と姿に、隣りにいたペルグランが絶叫して、ダンクルベールに抱きついてきた。
朱と黒のドレス。焔のように揺らめく、朱い髪。
ガンズビュールの人喰らい。人でなしのシェラドゥルーガである。
スーリの肩に手を回し、その豊満な体を押し付けながら、いつの間にかそこにいた。気付いたが、全員の座っている場所すら変わっている。ペルグランはダンクルベールの正面にいたはずだ。
こうならないよう、スーリを用意したというのに。毎度毎度、面倒な化け物である。
「訪いぐらい、入れたらどうだ」
「入れたよ?この可愛いこにね。そうだろう?」
にやにやと笑いながら、それはスーリの頬を指先でつっついた。スーリが硬い笑顔で首肯する。よく見れば、滝のような汗を流している。
「心臓と頸動脈。大腿動脈に、両腕の上腕三頭筋。その他諸々。何か、突きつけられてたんでさあ。ようやくなくなったと思ったら、隣りにいるんすよ。おいら、泣いちゃうところだった」
凄腕の暗殺者である。それが急所を抑えられ、身じろぎもできずにいたというわけだ。
ごめんね。そう告げて、それはスーリの頬にベーゼをした。どこからか名刺を取り出し、渡す。それを見たスーリが飛び上がっていた。
「長官、脱獄ですよ。刑務局に連絡しないと」
「人聞きの悪いことを言うじゃないか、ペルグラン君。私はちゃんと、あの牢獄にいるよ?そして今、ここにもいる。とてもシンプルなことだ。若いのだから柔軟な発想をしたまえよ」
シェラドゥルーガはスーリに抱きついたり、頬ずりしながら軽口を叩いた。そうした後、ペルグランに対し、その整った上体を差し出すようにして、さあどうぞ。そう言ってのけた。
ペルグランが恐る恐る、手を近づける。おそらく手妻か、何かしらのまやかしだとでも思っているのだろう。シェラドゥルーガといえば、その手をぐいと掴み、その豊かな谷間に突っ込んでしまった。やられた側は顔を真っ赤にして、またしがみついてきた。
「もう、えっちなんだから。私のこと、そういう目で見てたんだ。ペルグラン君も男の子だもんねえ」
そう言って、口元を押さえて笑っていた。
いつもの、ちょっとした“悪戯”。そのひとつだ。自分も何度もやられている。最初のうちはペルグラン同様、心底驚いたが、そのうちどうでもよくなった。
念の為、足を使って調べてみたことがあるが、ほんとうに出現場所と牢獄の両方に存在していた。
「我が忠実なるジャン=ジャック・ニコラが毎回、びんたを張られるのも可愛そうだからね。私ってば、気が利くだろう?」
からかいながら、ペルグランにちょっかいを出していた。
そろそろやかましくなってきたので、胸元に忍ばせた拳銃に手を伸ばす仕草を見せた。それでようやく、大人しくなった。
「ちゃんと種も仕掛けもあるよ。遥か東の島国、夷波唐府の信仰文化のひとつ、分霊というやつだ。神さまが、神さま本来の力を維持したまま分身できるんだってさ。別名義で夷波唐府を題材にした作品を出しててね。その中で学んだひとつだ。やってみたら、できちゃったんだよ」
「化け物の分際で、神さま気取りか」
「昔、邪教のご神体をやっていたこともある。ヴァーヌ聖教にぼこぼこにされたけどね。言ってなかったっけか?」
「初耳だな。履歴書に書けば、さぞ大受けだろう」
下手くそな冗談に、満面の笑みで返してきた。
ため息ひとつ、資料の山をシェラドゥルーガに渡してみた。流石は本業作家、てきぱきと読み進めている。
「刺殺。絞殺。撲殺。バラバラ殺人に、拷問もあるのかい?対象は無差別に見えるが、手口ごとに棄てる場所が異なっている。それにここ何件は、傾向が似ている感じも見えるね」
「多数を装っている。あるいは複数犯。しかし目的がわからん。単一の目的には見えない」
「資料だけでは、ちょっと情報が少ないなあ。証拠とかもないようだし、これだけの量なのに目撃情報のひとつもないのも、よくわからん」
「組織犯の可能性も考え、足に悪党を洗わせている。民衆を襲わせ、各領主の、国家への不安や不信を煽っているのやもしれん。あるいは、領主どもに金の貸し借りがあるとか」
「それをヴィジューションでやる意義があるのかどうかだね。交易と交通の地とはいえ、下層階級の方が多い。むしろ民衆の不信感を煽って、民衆蜂起させて、交通網遮断。それならもっと直接的なやり方でもいいしな。ただの殺しでいいんじゃないか?」
シェラドゥルーガは訝しげな表情のまま、結構な量の資料を読み込んでいっている。
何かがおかしい。ずっと、違和感があった。
スーリやウトマンと議論していても、それが何か、掴み取れなかった。これだけの事案があって、民衆からも、各領地の領主からも不満の声も上がっている様子がない。緊急捜査事案としての要請でもいいぐらいの量である。
我が愛しき人。そう言われ、考えを止めた。
シェラドゥルーガの目は、真剣だった。
「狙いは、ヴィルピン君かもしれない」
言われて、ぞっとした。
ヴィルピンに不満がある。それを、追い込もうとする勢力がある。
「現場検証報告書の質だ。ウトマン君やデッサン君の報告書に見慣れているのもあるが、どうもおかしい。現場の状況にしろ証拠にしろ。あまりに内容が足らなすぎやしないかね?」
「言われてみれば、確かに少ないですね。聞き込み調査も、あまり行っていないように思われます」
「捜査そのものに消極的だ。支部長さんの家族を人質に取られてるとか、あるいは弱みを握られているとか。そうやって、辞任なりに追い込もうっていう寸法っすかね?」
ヴィルピンを狙い撃ちにした組織犯。よもや、内部か。誰がいる。ヴィジューション。人員の名前が出てこない。
「まず、そういうことがありうるということだけ、頭に入れておいたほうがいいね。ヴィルピン君はお前のお気に入りだから、考えすぎると、どつぼにはまるよ」
「そうだな。頭にだけ、入れておく」
言われた通り、頭の片隅にそれを置いた。そういうふうに、頭の中を作り込んであった。棚と作業台、物置など。概念として、空間を用途ごとに分けておく。
「さて、そろそろ時間切れかな。もうじき着く頃だろうしね。私の方もひとつ、仕立てが終わったところだよ。今日は久々のご馳走なんだ」
そう言って、シェラドゥルーガが鼻を鳴らした。
仕立て。こいつから聞くと、いやな言葉だった。
「趣味と実益を兼ねたものとはいえ、ご苦労なことだ」
「ちゃあんと国家に貢献しているだろう?感謝してくれたまえよ、我が愛しきオーブリー・リュシアン」
その言葉に、思わず引き抜いていた。その時、それはもう、いなくなっていた。みとめてから、拳銃をしまい直した。
まったく、迷惑な存在だ。
「あの、お伺いしてもよろしいでしょうか?」
おどおどした様子で、ペルグランが訪ねてきた。
「仕立てのことか?」
首肯する。
目から読めた。おそらくはもう片方も聞きたいのだろうが、ダンクルベールの機嫌がよくないことを悟って、前者に絞っている。
「第三監獄の、囚人どもだよ」
ペルグランの目に、怯えが見えた。喉が鳴っている。それだけで理解できたようだ。
第三監獄に収監されている、身分の高い政治犯や思想犯、凶悪犯罪者。これらは基本的に、自給自足を強いられている。死んだことになっているとはいえ、実家なりから援助を受けたり、残った財産を切り崩すなり、内職をするなりして日銭を稼いでいた。
それが尽きたとして、国家にそれを養う義理も義務もない。とはいえ、餓死させるまで放っておくのも、刑務官たちの心情に悪影響を及ぼす。
そこで、あのシェラドゥルーガの出番である。
人の生命を好物とする、人でなし。それも魚の仕立てや、鵞鳥の肥育のようにして、自分好みの味になるようにしてから胃袋に収めるのだ。
「あの。夫人はなぜ、人を食べるのでしょうかね?」
「本人に聞きなさい」
「美味しいからだよ」
どこかから女の声が聞こえた。それで、ペルグランの体が跳ね上がった。
ダンクルベールは、あえて周囲を見回さなかった。どうせもう、逃げ帰っている。
紙巻を取り出し、火を点けた。これがなくなるぐらいで到着するだろう。
第三監獄は、あれにとっての生簀なのだ。ガンズビュールの惨劇は未だ、あの場所で続いている。
あのシェラドゥルーガが、生きている限りは。
(つづく)
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