春を売るなら、俺だけに

みやした鈴

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【第一話】

★紫煙に巻かれる俺たちは.VII

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 仲間の合図とともに、彼は俺の性器の根元を握った。
 しっかりと上向きに固定した後、自らの窄まった奥に俺の亀頭を当て、腰を落としていく。

 ヤバい、こんなの、経験したことがない。

 本当に性器が入るのかと心配していたのはついさっきの出来事。
 けれどいまこうして、少しずつ仲間のナカは、ぬちゅっ、ぬちゅっと俺の屹立を飲み込んでいく。
 自慰では絶対に味わう事の出来ない締め付けと熱い感触に、少しでも動かれただけで達しそうになってしまう。

「ンンッ、はっ、ァっ、なか、まっ……、それ、ヘンッ……!」
「大丈夫だよ。ン、ァっ……ほら、肩の力、ふっ、抜いていて……?」
「仲間のナカ、あっついッ……! ンぅっ!?」
「可愛いね。彼方くん。ふッ……奥まで、挿れるね?」
「奥までって、そん、な……あぁッ?!」

 じわじわと仲間の奥へと侵入していくのと同時に、俺の射精感は見る見るうちに高まっていく。
 信じられないことに、あれだけ狭かった仲間の秘められた蕾はぱっくりと俺の事を吞み込んだ。
 ずりゅ、ずりゅ、と仲間の内壁と俺の昂ぶりが擦れあい、より二人の距離は近くなる。

「あぁッ、ダメ、だ……ッ、ヘン、だからッ……んぁッ!」
「ふふ。本当に、彼方くんって人を煽るのが上手だね? そんな事言われたら、もっと激しくしたくなっちゃうよ」

 とうとう根元まで繋がってしまうのか。そう思っていたら、俺の性器の半分ほどのところで、仲間は自らの腰を持ち上げ、一度俺のそれを抜いてみせた。
 カリ首が仲間の事を離したくないという様に引っかかるが、それすらも快感に変わる。
 ずぼっ、と音が立ち、仲間との繋がりが失われたと思えば、すぐにずんっ、と彼は俺の昂ぶりを再度自らの内壁へと受け入れた。

「やぁ! 抜くの、ダメ、だっ……!」
「どうして? ……そっか、気持ちよくなっちゃうのが怖いんだ。それならもっと、夢中にさせてあげないと、ね……ッ」
「あっ、はぁっ、ふぁ、アッ、ンンッ!」

 俺の静止の声も聴かず、仲間は器用に腰を揺らし、身体全体で俺の性器を扱き上げてくる。

「んッ、彼方くんの……ふふっ、大きいん、だね? ッ」
「から、かう、なッ、ンンッ!」
「あはは。もっと大きくなった。勿体ないな、こんなにいいものを持ってるのに、使わないなんて」
「アッ、や、ンゥッ、ンーッ!」

 最初はスローペースだったのに、仲間はどんどん腰を動かすスピードを速める。
 次第に俺の先走りと仲間のローションが絡み合い、部屋中にいやらしい水音が響いた。
 最初は余裕に見えていた仲間も、眉間に皺を寄せ、顔全体がぽっと赤く染まっている。

 その姿が煽情的で、俺のそこは更に膨張した。
 こんなのはしたないと思うのに、仲間の前ではその恥じらいすらもすべてさらけ出してしまっていた。

「ァっ、ふっ……、あはっ、ンンッ、彼方くん。イきたい?」

 そんな俺を見抜いたように、仲間はこんなことを聞いてくる。
 最初は確かに恐怖もあったはずだ。それなのに今は快楽に支配されている。

 俺の根元と仲間の尻たぶがぶつかり合う音と、結合部から二人が混ざり合う音。
 それらは俺を耳からも犯してくるようだ。

「仲、間ッ……!」

 だから俺は思わず彼の名前を呼んでしまった。
 それを肯定と受け取ったのだろう。仲間はこれ以上ない極上で淫靡な笑みで俺を見下ろす。

「いいよ、そのまま出して」

 まるで搾り取るかのように、仲間は自らの内側をギュッと締めた。
 もうだめだ。与えられる快楽が強すぎて、視界に靄が掛かっているようだ。

 イきたい。その事で頭がいっぱいになって、それ以外のことは考えられなかった。
 俺の下半身に跨りながら腰を振る仲間の汗が彼の頬を伝う。
 俺はその雫を拭ってあげたかったけれど、そんな余裕はない。
 とうとう自らの性器の先端まで精液がせりあがって来たら、もう後はすぐそこにある絶頂を待つだけだ。

「も、俺、無理っ……! ンァっ、アッ、ンゥ~~~~!」

 ホワイトアウトされる視界の中、最後に瞳に映ったのは、いたずらに口角を上げる、仲間の満足そうな表情だった。

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