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1【:epilogue】
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あれからずっと、何にも切り取られない場所を探している。
この場所はあのまま何も変わることはなく、いつでも俺の事を待ち構えてくれているみたいだった。ここに来る度、その事に安堵を覚えては、不甲斐ない自分の足元に視線を落とす。
それでも、この場所は特別だった。
道を一本入っただけで、ビルの波間はその気配を消し、今にも崩れそうな階段をバシャバシャと上る。鍵の壊れたドアを押し開ける瞬間だけは今でも、あの頃の感覚が蘇る気がした。
いつの頃からか、もしこの場所に誰かが来ても、そこで俺が煙草をふかしていたとしても、もう誰に咎められることもなくなっていた。そんな、大人になった証のような事は着実に積み重なってゆき、その一つずつが、ご丁寧に俺を責め立ててくるようだった。
見た目だけはもう立派な大人になっているにもかかわらず、実際は、決して戻らない時間ばかりに思いを馳せ、この場所で自分だけに都合の良い幻を創り出す。そして、一人きりでは成立しないその記憶を一生懸命手繰り寄せては、無理やりその幻を連れ立って、一緒に懐古の旅へと向かう。
この場所に来る度に繰り返しているそんな茶番を、俺以外誰も知ることはない。そんな空想の遊戯の中では不思議な事に、いつも後ろから付いてきていたはずのその姿は、いつの間にか楽しそうに俺の前を歩いていて、自分が創り出した幻想の中だというのに、俺は視線を落としたまま、ただその後を追っていた。
もし、もう一度会えたのなら、今の俺は笑われてしまうな。
いや、こんな俺は怒られてしまうか?
馬鹿げた自問自答も、あの頃から何にも変わっていなくて、思い出を辿るだけのこんな日々は、いつか。いや、そろそろ、終わりにしなければいけない事は、十分過ぎるほどわかっていた。
この場所はあのまま何も変わることはなく、いつでも俺の事を待ち構えてくれているみたいだった。ここに来る度、その事に安堵を覚えては、不甲斐ない自分の足元に視線を落とす。
それでも、この場所は特別だった。
道を一本入っただけで、ビルの波間はその気配を消し、今にも崩れそうな階段をバシャバシャと上る。鍵の壊れたドアを押し開ける瞬間だけは今でも、あの頃の感覚が蘇る気がした。
いつの頃からか、もしこの場所に誰かが来ても、そこで俺が煙草をふかしていたとしても、もう誰に咎められることもなくなっていた。そんな、大人になった証のような事は着実に積み重なってゆき、その一つずつが、ご丁寧に俺を責め立ててくるようだった。
見た目だけはもう立派な大人になっているにもかかわらず、実際は、決して戻らない時間ばかりに思いを馳せ、この場所で自分だけに都合の良い幻を創り出す。そして、一人きりでは成立しないその記憶を一生懸命手繰り寄せては、無理やりその幻を連れ立って、一緒に懐古の旅へと向かう。
この場所に来る度に繰り返しているそんな茶番を、俺以外誰も知ることはない。そんな空想の遊戯の中では不思議な事に、いつも後ろから付いてきていたはずのその姿は、いつの間にか楽しそうに俺の前を歩いていて、自分が創り出した幻想の中だというのに、俺は視線を落としたまま、ただその後を追っていた。
もし、もう一度会えたのなら、今の俺は笑われてしまうな。
いや、こんな俺は怒られてしまうか?
馬鹿げた自問自答も、あの頃から何にも変わっていなくて、思い出を辿るだけのこんな日々は、いつか。いや、そろそろ、終わりにしなければいけない事は、十分過ぎるほどわかっていた。
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