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2【:introduction】
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しおりを挟む「あのさ、まっつんていたじゃん?」
「いつも半袖短パンだった?」
「そうそう!髪型だってずっと坊主でさ?」
「ふふっ、冬に近づくと寒そうにしてたよね?」
「なあ?なのにまっつん、中学入って髪伸ばしたらさ、めっちゃイケメンって言われるようになりやがって。それで調子に乗っちゃったのか……この間、二股してたのがバレたらしい。っつかさ、二股とか、しかもまっつんが。マジありえんくない?」
帰り道に俺の隣でコロコロと笑うソラが懐かしくて、俺は思い出の答え合わせをするように喋り続けていた。
教室では見る事の出来なかったソラの笑顔はあの頃のまんま、目尻が情けなく垂れ下がり、大きく開けた口の端にくっついてしまうんじゃないかと思った。
ソラの笑い声につられて、話をしている俺までつい大きな笑い声を出し、その声の大きさに自分でも驚く。
そういや、こんな風に笑ったのって、いつ以来だろう?
ソラのいない中学でも友達と呼べる奴らは沢山いたし、別に寂しいなんて思った事も無い。それは高校に入ってからも変わらずで、それぞれの場所で気の合う奴らを上手に見つけては、程よい距離感を保ったままの毎日を過ごしていた。
「ねえ、シンは覚えてる?ライバーマンが流行ってた時のこと?」
「あれだろ?小五にもなって、毎日戦隊ヒーローごっこで遊んでたよな?」
「そうそう。レッド役を誰がやるかでもめて……」
あの時、日曜の朝に放送されていた『ライバーマン』は何故か俺達の心を鷲掴みにし、対象年齢よりもだいぶ大きかった俺らも、毎日戦隊ヒーローごっこに明け暮れていた。
そんなヒーローごっこの中で、どう考えても主役はレッドだった。だから、小五になっても主役を譲れない俺達は、じゃんけんで勝った順に役割を決めて戦う。そんな幼い遊びに夢中になっていたのだった。
「僕はじゃんけん弱くて、いつも敵の、さらに子分とかだった。でもさ、シンはそんな僕のコト気にしてくれて、ヒーローを譲ってくれてたよね?」
「そうだっけ……よく覚えてねーよ」
「ふふっ、そっか……」
そうだ。ソラは超が付くほどじゃんけんが弱くて、いつも一番負けてしまうから、敵の子分という役回りばっかだった。でも、ソラはどんな役の時もニコニコしてて、楽しそうで、誰よりも一生懸命だった。
俺なんか、じゃんけんに負け続けると、涙目になりそうなのがバレないように誤魔化していた位だし、更にはヒーローなのにへなちょこだったグリーン役をやる位なら、敵の方がまだましだと思う程には、そのヒーローごっこに必死だった。
だから別に「ソラにヒーローをやらしてあげよう」と譲ったわけでも無く、俺が負け組に残っている時、結果的にソラがグリーン役をやる事になる。
ただそれだけだったのだけど、ソラだってヒーロー側にいる時は嬉しそうにしていて、それだけは何だか、俺も嬉しかったことを少し思い出した。
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