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case1:武田慎吾様
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その音で我に返ると、彼はまだよく眠っていた。
施術の流れのまま、再び額に両手を預け……名残を惜しむようにゆっくりとその手を離す。
「お疲れ様でした」
……
…
「うわあ、めっちゃ寝ましたね?俺……」
微睡みからも覚めたようで、起き上がった彼は少し興奮している様子だった。
「はい。良くお眠りになられていたので、だいぶ楽になってると思いますよ?……あっ、今デトックスのハーブティーをお持ちしますね」
タオルを片付けながら笑顔でそう告げ、顔をあげると彼の方へと向き直る。
目の前で大きく伸びをしている彼は、健康的に日に焼けていて……あれ?肩周りとか太腿も、こんなに太かったっけ……?
「これから練習あるんで、今日はばっちりっすね!」
ご来店の時よりもだいぶハイテンションな受け答えにビクッとしてしまう。
グジグジと悩んでた印象が強いし、そんな彼の変化には違和感しかない。
(あの後悪いようにはならなかったのかな?)
ちらっと視界に入ったカルテの中で、「眼精疲労」を囲んでいた丸印が消えている事に気付く。
お悩みの種類も変わっているようだったが、私はそのカルテをそっと裏返した……
施術の流れのまま、再び額に両手を預け……名残を惜しむようにゆっくりとその手を離す。
「お疲れ様でした」
……
…
「うわあ、めっちゃ寝ましたね?俺……」
微睡みからも覚めたようで、起き上がった彼は少し興奮している様子だった。
「はい。良くお眠りになられていたので、だいぶ楽になってると思いますよ?……あっ、今デトックスのハーブティーをお持ちしますね」
タオルを片付けながら笑顔でそう告げ、顔をあげると彼の方へと向き直る。
目の前で大きく伸びをしている彼は、健康的に日に焼けていて……あれ?肩周りとか太腿も、こんなに太かったっけ……?
「これから練習あるんで、今日はばっちりっすね!」
ご来店の時よりもだいぶハイテンションな受け答えにビクッとしてしまう。
グジグジと悩んでた印象が強いし、そんな彼の変化には違和感しかない。
(あの後悪いようにはならなかったのかな?)
ちらっと視界に入ったカルテの中で、「眼精疲労」を囲んでいた丸印が消えている事に気付く。
お悩みの種類も変わっているようだったが、私はそのカルテをそっと裏返した……
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