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そう、若菜が違うことにいち早く気が付いたのは、岳だった。しかも岳が言うにはこの世界の若菜は四年に一度、つまり若菜がこの世界で目覚める年以外はずっと、この世界にいるままらしい。そして若菜と同じく、うるう年の誕生日前夜に熱を出し、目が覚めると一年後の世界になっているのだという。若菜にとっても信じられない様な話だったが、岳はそれをすでに受け入れているかのような口ぶりで、混乱する若菜の為にわかりやすく丁寧に教えてくれた。
岳にはすでに色々と知られているらしいし、それよりも何よりも「岳に今までの自分の境遇を話してしまいたい」と強く思った若菜は、これまで経験してきた“若菜にだけ訪れる毎年違う世界”のことを、堰を切ったように何から何まで全て喋った。
岳はそれを見守るように静かに聞くと「ひとりで頑張って来たんだね」と穏やかな声で囁いた。すっかり日の暮れた公園に落ちたその言葉は、一人で全てを抱え込んでいた若菜の足元に寄り添い、そこから全身を暖かく包み込んでくれるように感じる。ひんやりとした風が頬を撫で、止めどなく伝う涙の温度をはっきりとさせる。若菜はこうして自分の想いを吐き出したかったのだと気付き、思わず両手で顔を覆った。
「若菜には十分泣く権利があると思うよ。俺だったら絶対挫けてるだろうし、そんな理不尽を振りかざされても折れなかった若菜を尊敬してる。若菜の身に起きてることがどういう原理なのか、俺も考えてみるけど……他にも、なにかできることをこの一年で一緒に探してみない?」
「岳……ありがとう」
「全然。若菜は何も気にしないで。そうだな……一先ず俺だけで考えてみるけど、きっと人数は多いに越したことはないと思うし。それに若菜は美緒とまた仲良くしたいと思ってるんでしょ?」
「そんなことまで?」
「わかるよ。ってか今の若菜の方がかなりわかりやすい性格っぽいし。進藤さんはともかく、海音まで気が付かないのがホント謎」
「海音はさ、色々と考えてるようで自分の興味にしか心が動かないから」
「そうだね……あっ、それからさ、若菜がこの世界で過ごす間、若菜のお母さんだけには特になんだけど……“いつもの若菜じゃない”ってことを悟られない様にしないと」
「うん。でも何で?」
「若菜のお母さんさ、ちょっと敏感なんだ。覚えてる?」
「そう言われてみれば……」
「若菜のお母さん、過剰に心配しちゃうことが多くて……少しでも若菜に何かあったら、しばらく家から出してくれなくなかったり……ね」
「お母さん……そんなに……」
岳にはすでに色々と知られているらしいし、それよりも何よりも「岳に今までの自分の境遇を話してしまいたい」と強く思った若菜は、これまで経験してきた“若菜にだけ訪れる毎年違う世界”のことを、堰を切ったように何から何まで全て喋った。
岳はそれを見守るように静かに聞くと「ひとりで頑張って来たんだね」と穏やかな声で囁いた。すっかり日の暮れた公園に落ちたその言葉は、一人で全てを抱え込んでいた若菜の足元に寄り添い、そこから全身を暖かく包み込んでくれるように感じる。ひんやりとした風が頬を撫で、止めどなく伝う涙の温度をはっきりとさせる。若菜はこうして自分の想いを吐き出したかったのだと気付き、思わず両手で顔を覆った。
「若菜には十分泣く権利があると思うよ。俺だったら絶対挫けてるだろうし、そんな理不尽を振りかざされても折れなかった若菜を尊敬してる。若菜の身に起きてることがどういう原理なのか、俺も考えてみるけど……他にも、なにかできることをこの一年で一緒に探してみない?」
「岳……ありがとう」
「全然。若菜は何も気にしないで。そうだな……一先ず俺だけで考えてみるけど、きっと人数は多いに越したことはないと思うし。それに若菜は美緒とまた仲良くしたいと思ってるんでしょ?」
「そんなことまで?」
「わかるよ。ってか今の若菜の方がかなりわかりやすい性格っぽいし。進藤さんはともかく、海音まで気が付かないのがホント謎」
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「そうだね……あっ、それからさ、若菜がこの世界で過ごす間、若菜のお母さんだけには特になんだけど……“いつもの若菜じゃない”ってことを悟られない様にしないと」
「うん。でも何で?」
「若菜のお母さんさ、ちょっと敏感なんだ。覚えてる?」
「そう言われてみれば……」
「若菜のお母さん、過剰に心配しちゃうことが多くて……少しでも若菜に何かあったら、しばらく家から出してくれなくなかったり……ね」
「お母さん……そんなに……」
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