上 下
1 / 1

12人の勇者、今ここに集結!

しおりを挟む
【問題】

 その魅力ゆえに、数多の男を狂わせる星の元に生まれた女。
 聖女のごとき清らかな美貌の町娘・ミレーヌも、まさにそういった星の元に生まれついていました。
 彼女の魅力は、町中の男たちばかりか魔王までをも狂わせてしまったのです。
 魔王のお城へと拉致ならび監禁されてしまったミレーヌ。
 ですが、魔王は無理矢理に彼女を我が物とする行為には及ばず、「お前はここで暮らしていくのだ。何も不自由させない。そのうちに私のことを心より愛するようにさせてやる」と、何やら自信たっぷりで余裕に満ちていました。
 ミレーヌの貞操は無事であるとはいえ、魔王がしたことは彼女の心も人権も自由をも無視した行為、何より紛れもない犯罪です。
 囚われの乙女・ミレーヌを一刻も早く救わんと、男たちは立ち上がりました。
 12人の勇者、今ここに集結!
 一時的にチームとなった彼らは見事、魔王を倒すことに成功しました。
 ですが、魔王の監禁から解き放たれたミレーヌは、自分を救い出してくれた12人の勇者たちに感謝するどころか、泣き叫びながら逃げ出しました。
 さて、ミレーヌが12人の勇者たちから逃げた理由は何でしょうか?


【質問と解答】

キクちゃん : もしかして、ミレーヌさんは、魔王の監禁下で洗脳されてしまい、魔王を愛してしまったといいますか……”ストックホルム症候群”になってしまったのでしょうか?

チエコ先生 : NO。監禁下のミレーヌさんは、極度の恐怖と孤独の中にあっても、魔王からの自己中な愛に屈することはなかったわ。それに、問題文中にも記載している通り、「魔王は無理矢理に彼女を我が物とする行為には及ばず」とあるから性暴力を含む乱暴な行為は何一つとして受けていなかったの。

キクちゃん : となりますと…………あ! まさか、この12人の勇者って、ミレーヌさんの…………!?

チエコ先生 : 続けてみて、キクちゃん。

キクちゃん : ミレーヌさんと12人の勇者には面識がありましたか?

チエコ先生 : YES。

キクちゃん : ミレーヌさんは、数多の男を狂わせる星の元に生まれついていたと言えるほど魅力的な女性だったんですよね。ということは、この12人の勇者たちもミレーヌさんにしつこく強引に言い寄っていましたか?

チエコ先生 : YES。

キクちゃん : つまり……この12人の勇者は、”ミレーヌさんのストーカー”でしたか?

チエコ先生 : YES。正解よ。

キクちゃん : うわぁ……「12人の勇者、今ここに集結!」ではなくて、「12人のストーカー、今ここに集結!」じゃないですか?! 魔王の監禁下に置かれ続けるのも嫌ですが、ストーカー1ダースにたった1人で対峙することになるなんて恐ろしいなんてもんじゃないです……その後のミレーヌさんが奴らから逃げ切れたとは到底思えませんし……

チエコ先生 : 今回の問題文はここまでだけど、その後のミレーヌさんの運命についての水平思考クイズも作者は準備中よ。

キクちゃん : え? オムニバスではなくて続編があるんですか? この水平思考クイズにおいては初めてのことですね。

チエコ先生 : そうね。2022年3月5日(土)の夜、作者の頭がフィーバーしちゃったみたいで、他にも「呪いの台車」「最強の魔術師の弱点」「勇者の種」「王女の身代わりとなった女」も準備中よ。楽しみにしていてね。


(完)
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...