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Episode8 閲覧注意! Gにまつわるオムニバス”女子”ホラー3品
【お急ぎの方へ☆サクッとネタバレ】Episode8-C 今わの際
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★ネタバレあり登場人物紹介★
・私……主人公。既婚者。おそらく二十代。旦那大好き。名字は「五木」であるも、名前は作中に登場せず。
・ゴキブリ……人間の言葉を喋るうえに、人間に”力”を授けることができる摩訶不思議なゴキブリ様。
・害虫男…本名不明。主人公の同僚。清潔感皆無。幼い頃に亡くなった自身の母親に似ている主人公に何かと絡んでくる。
・旦那……主人公の夫。作中、これといった活躍もなければ、台詞すらない。主人公とは五十年以上連れ添うことに。
★かる~く、あらすじ★
キッチンに出現したゴキブリを退治するのではなく見逃した主人公は、そのゴキブリよりお礼にと”とある力”を授けられる。
その”とある力”ならびに手順は、以下となる。
一、 標的とする者を一人決める
二、 その”標的”の視界にある物に目配せする
三、 すると、その目配せされた物は大きさはそのままに一瞬だけゴキブリとして標的の目に映すことができる
つまり”標的に一瞬だけゴキブリの幻影を見せることができる”ということ。
例えば、通勤電車の中で手元のスマホに夢中で周りのことが考えられなくなっている人(標的)のスマホに主人公が目配せすれば、そのスマホは”スマホ大のゴキブリ”として標的の目に一瞬だけ映すことができる。
標的の視覚に特化した、主人公いわく”ささやかな嫌がらせ”能力である。
ちなみに、この力の使用は一日三度までと決められていた。
三度以上の力を使用した場合、主人公も三つの報いを受けることになるのだ。
幸運にも、主人公は”日常的な人間関係”において、重大なストレスを抱え込むことはなかった。
つまりは、”ささやかな嫌がらせ”をせずにはいられないほどの虫が好かない人物は、周りにいなかったのだ。
しかし――
勤めている会社の配置転換により、主人公は害虫としか言えない同僚男(以下、害虫男)にロックオンされ、馴れ馴れしく絡まれることにとなる。
害虫男は、既婚者である主人公を未来の嫁認定しているというよりも、母親認定しているらしい……
毎日毎日、キモい絡まれ方をされた主人公はついに、害虫男にゴキブリの幻覚を見せる――奴の人生最大の不快感と嫌悪感をプレゼントする――ことを決意。
課内の全員が揃う時を待ち、課内の人間(三人まで)を人間大のゴキブリに”見せ”、皆の前で奴に醜態を晒させんと……
課長、長身男性社員、若くて可愛い女子社員と順調に三人までのゴキブリ幻覚を、害虫男に見せることに成功した主人公。
だが、あまりの悍ましさと恐ろしさに発狂状態となった奴は、主人公に「ママぁぁ!!」とグチャグチャの顔で、泣き喚きながら助けを求めて駆けてきた。
自分の身を守らんとした主人公は、近くの資料棚のガラス戸にサッと目をやり、ガラス戸に映った”自分自身に目配せ”した。
最後の砦であった”ママ”までもが、超巨大ゴキブリに変わってしまい、ますます錯乱した奴は四階の窓ガラスを突き破り、転落死。
その夜。
旦那の胸の中で主人公は、震え続けていた。
間接的にとはいえ、この力で人ひとり死に追いやってしまった。さらにそのうえ、力を使う際の約束事(一日三度まで)をも破ってしまった。
自分が受ける三つの報いとは何であるのか?!
洗面所へと足を向けた主人公を、あの例のゴキブリが待ち構えていた。
まず一つ目の報いとして、主人公は力を剥奪された。
あとはどんな目に遭わされるのか……と過呼吸を起こさんばかりの主人公に、ゴキブリはこう言った。
「……報いはすぐには来ない。ただ、きっちりと精算はさせていただきますから」と。
その通り、報いはすぐには来なかった。
第一の報いを受けた日より五十年以上過ぎ去っていた。
病院のベッドの上で、旦那と三人の子供たちに看取られて、その人生の終わりを迎えることになった主人公。
主人公は、これといって大きな災難に巻き込まれることもなく、大好きな旦那との間に三人の子供が生まれ、さらには八人の孫にも恵まれて、一般的には幸せな人生を送っていたと言えよう。
だが、ついに残る二つの報いの精算時がやって来た。
もう体も動かせず、目も見えなくなった主人公の耳に、カサカサという聞き覚えのある音が響いてくる。
そして、手足のみならず全身を無数のゴキブリたちが這いまわる……いや、無数のゴキブリたちに埋め尽くされていっている感触までもが……!!!
もちろん、これは”幻の聴覚と触覚”である。
他人の視覚に対して力を使っていた主人公は、自身の聴覚と触覚という二つの五感において、安らかに眠ることができたはずの”今わの際”に報いを受けさせられた。
・私……主人公。既婚者。おそらく二十代。旦那大好き。名字は「五木」であるも、名前は作中に登場せず。
・ゴキブリ……人間の言葉を喋るうえに、人間に”力”を授けることができる摩訶不思議なゴキブリ様。
・害虫男…本名不明。主人公の同僚。清潔感皆無。幼い頃に亡くなった自身の母親に似ている主人公に何かと絡んでくる。
・旦那……主人公の夫。作中、これといった活躍もなければ、台詞すらない。主人公とは五十年以上連れ添うことに。
★かる~く、あらすじ★
キッチンに出現したゴキブリを退治するのではなく見逃した主人公は、そのゴキブリよりお礼にと”とある力”を授けられる。
その”とある力”ならびに手順は、以下となる。
一、 標的とする者を一人決める
二、 その”標的”の視界にある物に目配せする
三、 すると、その目配せされた物は大きさはそのままに一瞬だけゴキブリとして標的の目に映すことができる
つまり”標的に一瞬だけゴキブリの幻影を見せることができる”ということ。
例えば、通勤電車の中で手元のスマホに夢中で周りのことが考えられなくなっている人(標的)のスマホに主人公が目配せすれば、そのスマホは”スマホ大のゴキブリ”として標的の目に一瞬だけ映すことができる。
標的の視覚に特化した、主人公いわく”ささやかな嫌がらせ”能力である。
ちなみに、この力の使用は一日三度までと決められていた。
三度以上の力を使用した場合、主人公も三つの報いを受けることになるのだ。
幸運にも、主人公は”日常的な人間関係”において、重大なストレスを抱え込むことはなかった。
つまりは、”ささやかな嫌がらせ”をせずにはいられないほどの虫が好かない人物は、周りにいなかったのだ。
しかし――
勤めている会社の配置転換により、主人公は害虫としか言えない同僚男(以下、害虫男)にロックオンされ、馴れ馴れしく絡まれることにとなる。
害虫男は、既婚者である主人公を未来の嫁認定しているというよりも、母親認定しているらしい……
毎日毎日、キモい絡まれ方をされた主人公はついに、害虫男にゴキブリの幻覚を見せる――奴の人生最大の不快感と嫌悪感をプレゼントする――ことを決意。
課内の全員が揃う時を待ち、課内の人間(三人まで)を人間大のゴキブリに”見せ”、皆の前で奴に醜態を晒させんと……
課長、長身男性社員、若くて可愛い女子社員と順調に三人までのゴキブリ幻覚を、害虫男に見せることに成功した主人公。
だが、あまりの悍ましさと恐ろしさに発狂状態となった奴は、主人公に「ママぁぁ!!」とグチャグチャの顔で、泣き喚きながら助けを求めて駆けてきた。
自分の身を守らんとした主人公は、近くの資料棚のガラス戸にサッと目をやり、ガラス戸に映った”自分自身に目配せ”した。
最後の砦であった”ママ”までもが、超巨大ゴキブリに変わってしまい、ますます錯乱した奴は四階の窓ガラスを突き破り、転落死。
その夜。
旦那の胸の中で主人公は、震え続けていた。
間接的にとはいえ、この力で人ひとり死に追いやってしまった。さらにそのうえ、力を使う際の約束事(一日三度まで)をも破ってしまった。
自分が受ける三つの報いとは何であるのか?!
洗面所へと足を向けた主人公を、あの例のゴキブリが待ち構えていた。
まず一つ目の報いとして、主人公は力を剥奪された。
あとはどんな目に遭わされるのか……と過呼吸を起こさんばかりの主人公に、ゴキブリはこう言った。
「……報いはすぐには来ない。ただ、きっちりと精算はさせていただきますから」と。
その通り、報いはすぐには来なかった。
第一の報いを受けた日より五十年以上過ぎ去っていた。
病院のベッドの上で、旦那と三人の子供たちに看取られて、その人生の終わりを迎えることになった主人公。
主人公は、これといって大きな災難に巻き込まれることもなく、大好きな旦那との間に三人の子供が生まれ、さらには八人の孫にも恵まれて、一般的には幸せな人生を送っていたと言えよう。
だが、ついに残る二つの報いの精算時がやって来た。
もう体も動かせず、目も見えなくなった主人公の耳に、カサカサという聞き覚えのある音が響いてくる。
そして、手足のみならず全身を無数のゴキブリたちが這いまわる……いや、無数のゴキブリたちに埋め尽くされていっている感触までもが……!!!
もちろん、これは”幻の聴覚と触覚”である。
他人の視覚に対して力を使っていた主人公は、自身の聴覚と触覚という二つの五感において、安らかに眠ることができたはずの”今わの際”に報いを受けさせられた。
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