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美女の秘密
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今日こそは彼女を私の腕の中に……と男は決意していた。
これ以上ないほど美しい女が、彼の思い人であった。
美しい彼女。
容貌が他に類を見ないほどに、美しいだけではない。
彼女は素晴らしい芸術の才能までをも神より授かっていたのだ。
自分同様に彼女を狙っている男たちの噂によると、彼女自身は中流家庭の出身であるらしかった。
しかし、その絵画の才能によって、女の身一つならび一世代で財産を築きあげたばかりか、社交界のみならず国の端にまで届いていると思われる、とてつもない名声までをも若くして手にしていたのだ。
夜。
美の女神であると同時に、芸術の神としても世間で崇められている彼女が、ただ一人で不用心に暮らす大きな屋敷の一室。
男は血のように赤い薔薇の花束を手に、彼女へと頭を下げていた。
今日は、男にとっては勝負の夜だ。
「今夜こそは私の思いを受け入れてくださいませんか?」
「いえ、何度も申し上げましたが、それはできません。お帰りくださいませ」
「なぜでございますか。私のどこが不服と言うのです? 私は一生、あなたを大切にし、お守り申し上げます」
男は今夜もあきらめなかった。
自分は、芸術的才能はないものの、”それなりに”容姿も地位も財産も持っている。
今夜こそ、この片恋に決着をつけるつもりだ。
彼女は浮いた噂などは一切なく、また女性を愛する女性というわけでもないはずである。
身分ある男の自分がこれほどまでに頭を下げているのだ、ここまで来て諦めてたまるものか!
男が一歩踏み出す。
彼女は一歩後ずさる。
赤い薔薇の花束が宙へと舞った。
彼女は悲鳴をあげた。
そう、男は「一生、あなたを大切にし、お守り申し上げます」と先ほどその口で言ったにもかかわらず、強引に彼女を抱き寄せ、隣室のベッドの上へと連れていき、自身の男性器によって危害を加えようと――
豪奢なベッドへと押し倒された彼女は悲鳴をあげながら必死で抵抗し、男は彼女の細腕を押さえつけた。
「見ないで! 私の体を見ないで!!」
「?!」
彼女の両手首を掴み、そのか弱い抵抗を制した男であったが、彼女の口から発せられた悲鳴に違和感を感じずにはいられなかった。
「やめて」や「助けて」や「誰か来て」ではなく、”私の体を見ないで”とは……?
そう言えば……と男は考える。
彼女はいかなる時も、長袖のドレスを身に付けていた。
ほっそりとしていて、どこまでも美しいに違いない白い両腕を彼女が見せている姿を見たことは一度もない。
さらに彼女が、豊かな乳房を持っていることは、ドレスの上からの膨らみでもありありと分かるのに、他の女性たちのようにその美しい谷間を強調するドレスを身に付けていたことだって一度たりとしてなかった。
艶のある華やかな美貌に似合わず、彼女のその心は奥ゆかしい”たち”であるのだと男は思っていた。
だが、そうではなく、もしや――
「……もし、あなたの体に傷跡や火傷の痕があったとしても、私の思いは変わりません。むしろ、その傷痕すら愛しくなるでしょう。さあ、今宵こそ私に全てをさらけ出してください」
「違……そういうことではなくて……」
涙目の彼女の今にも消え入りそうな声。
でも、もう、この単なる強姦魔でしかない男にどれだけ抵抗しても無駄だと思ったのか、彼女はフッと抵抗するのをやめた。
男はそれを”受け入れOK"の合図ととったらしく、まずは彼女の上半身をさらけ出しにかかった。
乱暴にドレスの前を開く。
上半身には傷跡など一切見当たらなかった。
熟れた果実のごとく色づいた頂きがツンと上を向いた豊満な白い乳房が、男の目にと飛び込んでくる。
それは彼女の女神のごとき麗しき顔(かんばせ)と同じく、女神のごとき麗しき乳房であった。
その乳房へと顔をうずめようとした男であったが――
「!!!!!」
手が止まった。
そして、”手の止まり”は、彼の男性器へと阿吽の呼吸で伝わっていった。
男性の性欲は視覚によるものが大きいというが、ズボンの中で膨れ上がっていた男の男性器は、瞬く間にしぼんでいってしまった。
「だから見ないでと申し上げましたのに……」
顔を両手で覆っている女は、美しい瞳よりハラハラと涙を流していた。
男が見たもの。
そして、女が見られてしまったもの。
それは――
女のしなやかな白い腕の両付け根に、ボヴァァァ!といった勢いで生い茂っている漆黒の腋毛であった。
彼女自身の髪よりも数段、艶を持っているその腋毛は、生い茂っているだけではなくグネグネと波打ちながら伸びていた。
その長さは恐らく、彼女の腰にまで到達するほどであろうと推測されるほどに……
処理しないのか?
なぜ、そんなになるまで伸ばしているんだ?
そもそも、それほどまでに伸びるものなのか?
彼女に向かって手を伸ばした体勢のまま、石像のごとく固まってしまった男。
彼女は、豊かな乳房と”豊かな腋毛”を男にさらけ出したまま、涙声で伝えた。
「これが私があなただけでなく、他の殿方の愛をも受け入れられなかった理由なのです。私は美貌・成功・名声・財産と引き換えに、人外の者と契約をいたしました。その者が交換条件として望んだ代償は、私の貞操や魂ではありませんでした。ただ……どれだけ処理しても腰の長さまで一瞬のうちに伸びる腋毛か、膝のあたりまで垂れ下がったラビア(小陰唇)のどちらかを保有することを選べと……ラビアの場合は歩くだけでもいろいろとこすれて痛いでしょうし、用を足す際にも大変な邪魔になることは間違いありません。ですから、私は……本当に苦渋の決断で腋毛の方を選択するしかなく……」
―――fin―――
これ以上ないほど美しい女が、彼の思い人であった。
美しい彼女。
容貌が他に類を見ないほどに、美しいだけではない。
彼女は素晴らしい芸術の才能までをも神より授かっていたのだ。
自分同様に彼女を狙っている男たちの噂によると、彼女自身は中流家庭の出身であるらしかった。
しかし、その絵画の才能によって、女の身一つならび一世代で財産を築きあげたばかりか、社交界のみならず国の端にまで届いていると思われる、とてつもない名声までをも若くして手にしていたのだ。
夜。
美の女神であると同時に、芸術の神としても世間で崇められている彼女が、ただ一人で不用心に暮らす大きな屋敷の一室。
男は血のように赤い薔薇の花束を手に、彼女へと頭を下げていた。
今日は、男にとっては勝負の夜だ。
「今夜こそは私の思いを受け入れてくださいませんか?」
「いえ、何度も申し上げましたが、それはできません。お帰りくださいませ」
「なぜでございますか。私のどこが不服と言うのです? 私は一生、あなたを大切にし、お守り申し上げます」
男は今夜もあきらめなかった。
自分は、芸術的才能はないものの、”それなりに”容姿も地位も財産も持っている。
今夜こそ、この片恋に決着をつけるつもりだ。
彼女は浮いた噂などは一切なく、また女性を愛する女性というわけでもないはずである。
身分ある男の自分がこれほどまでに頭を下げているのだ、ここまで来て諦めてたまるものか!
男が一歩踏み出す。
彼女は一歩後ずさる。
赤い薔薇の花束が宙へと舞った。
彼女は悲鳴をあげた。
そう、男は「一生、あなたを大切にし、お守り申し上げます」と先ほどその口で言ったにもかかわらず、強引に彼女を抱き寄せ、隣室のベッドの上へと連れていき、自身の男性器によって危害を加えようと――
豪奢なベッドへと押し倒された彼女は悲鳴をあげながら必死で抵抗し、男は彼女の細腕を押さえつけた。
「見ないで! 私の体を見ないで!!」
「?!」
彼女の両手首を掴み、そのか弱い抵抗を制した男であったが、彼女の口から発せられた悲鳴に違和感を感じずにはいられなかった。
「やめて」や「助けて」や「誰か来て」ではなく、”私の体を見ないで”とは……?
そう言えば……と男は考える。
彼女はいかなる時も、長袖のドレスを身に付けていた。
ほっそりとしていて、どこまでも美しいに違いない白い両腕を彼女が見せている姿を見たことは一度もない。
さらに彼女が、豊かな乳房を持っていることは、ドレスの上からの膨らみでもありありと分かるのに、他の女性たちのようにその美しい谷間を強調するドレスを身に付けていたことだって一度たりとしてなかった。
艶のある華やかな美貌に似合わず、彼女のその心は奥ゆかしい”たち”であるのだと男は思っていた。
だが、そうではなく、もしや――
「……もし、あなたの体に傷跡や火傷の痕があったとしても、私の思いは変わりません。むしろ、その傷痕すら愛しくなるでしょう。さあ、今宵こそ私に全てをさらけ出してください」
「違……そういうことではなくて……」
涙目の彼女の今にも消え入りそうな声。
でも、もう、この単なる強姦魔でしかない男にどれだけ抵抗しても無駄だと思ったのか、彼女はフッと抵抗するのをやめた。
男はそれを”受け入れOK"の合図ととったらしく、まずは彼女の上半身をさらけ出しにかかった。
乱暴にドレスの前を開く。
上半身には傷跡など一切見当たらなかった。
熟れた果実のごとく色づいた頂きがツンと上を向いた豊満な白い乳房が、男の目にと飛び込んでくる。
それは彼女の女神のごとき麗しき顔(かんばせ)と同じく、女神のごとき麗しき乳房であった。
その乳房へと顔をうずめようとした男であったが――
「!!!!!」
手が止まった。
そして、”手の止まり”は、彼の男性器へと阿吽の呼吸で伝わっていった。
男性の性欲は視覚によるものが大きいというが、ズボンの中で膨れ上がっていた男の男性器は、瞬く間にしぼんでいってしまった。
「だから見ないでと申し上げましたのに……」
顔を両手で覆っている女は、美しい瞳よりハラハラと涙を流していた。
男が見たもの。
そして、女が見られてしまったもの。
それは――
女のしなやかな白い腕の両付け根に、ボヴァァァ!といった勢いで生い茂っている漆黒の腋毛であった。
彼女自身の髪よりも数段、艶を持っているその腋毛は、生い茂っているだけではなくグネグネと波打ちながら伸びていた。
その長さは恐らく、彼女の腰にまで到達するほどであろうと推測されるほどに……
処理しないのか?
なぜ、そんなになるまで伸ばしているんだ?
そもそも、それほどまでに伸びるものなのか?
彼女に向かって手を伸ばした体勢のまま、石像のごとく固まってしまった男。
彼女は、豊かな乳房と”豊かな腋毛”を男にさらけ出したまま、涙声で伝えた。
「これが私があなただけでなく、他の殿方の愛をも受け入れられなかった理由なのです。私は美貌・成功・名声・財産と引き換えに、人外の者と契約をいたしました。その者が交換条件として望んだ代償は、私の貞操や魂ではありませんでした。ただ……どれだけ処理しても腰の長さまで一瞬のうちに伸びる腋毛か、膝のあたりまで垂れ下がったラビア(小陰唇)のどちらかを保有することを選べと……ラビアの場合は歩くだけでもいろいろとこすれて痛いでしょうし、用を足す際にも大変な邪魔になることは間違いありません。ですから、私は……本当に苦渋の決断で腋毛の方を選択するしかなく……」
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