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チエコ先生とキクちゃんの水平思考クイズ【10】『水泳の授業』
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【問題】
小学校3年生のP介くんは、超がつくほどの運動音痴であり、体育の授業が大嫌いでした。
P介くんには、同じ小学校に通っている5年生の姉と2年生の妹がいましたが、不思議なことに彼女たちは超がつくほどスポーツ万能でボーイッシュな物が大好きな少女たちでした。
そのことも「姉ちゃんと妹はスポーツ万能なのに、男のお前は……」という風に、周りの同級生たちにからかわれ、虐められる要因にもなっていたのです。
今日は、P介くんの大嫌いな体育の授業がある日でした。
しかも水泳の授業です。
5メートル泳ぐのがやっとのP介くんのお腹がシクシクと痛み出しました。
仮病を使って保健室で休もうか、とも思ったP介くんでしたが、しぶしぶ更衣室へと向かいました。
水着に着替えようとしたP介くんですが、着替えることができませんでした。
P介くんの様子に気付いた同級生の1人が、P介くんが水着に着替えることができない理由に気付き、囃し立てました。
ついにキレたP介くんは真っ赤な顔で彼を突き飛ばしてしまい、更衣室の床で頭を強打させました。
さて、P介くんが水着に着替えることができなかった理由は何でしょうか?
【質問と解説】
チエコ先生 : この問題の真の問題は、P介くんが水着に着替えることができなかった理由ではなく、P介くんに対する同級生からの虐めだと思うわ。
キクちゃん : ……確かにそうですね。それに後半部でP介くんは、虐めてきた相手を突き飛ばして、頭を強打させてますから、被害者であったけど加害者にもなってしまいましたね。
チエコ先生 : ……そうね。この後、保護者同士の話し合いにもなるでしょう。
キクちゃん : ……小学校の頃って、なんだかんだいって、スポーツが得意な子が周りから一目置かれてしまうのは分かります。特に男の子の場合は……P介くんは同じ小学校にスポーツ万能な姉妹も通っているから、彼女たちと比較されて虐められてもいますし……やっぱり、P介くんは水泳の授業が嫌というか、運動音痴ぶりをからかわれて虐められるのが”怖くて”、着替えることができなかったんですか?
チエコ先生 : NO。
キクちゃん : となると……「P介くんのお腹がシクシクと痛み出しました。」という描写がありますから、P介くんは仮病ではなく本当に体調が悪くなり、着替えることができなかったんでしょうか。
チエコ先生 : NO。
キクちゃん : そうなると、なぜだろう? うーん、うーん……
チエコ先生 : 今回は先生が解説するわね。やっぱりいじめに関する問題を取り扱うのは先生もつらいわ。ねえ、キクちゃん……キクちゃんが小学生の頃に使っていたプールバッグって、どんな物だったか覚えている?
キクちゃん : ……はい。覚えています。確か、透明ビニールにパステル系でアイスクリームの絵がいっぱい描かれている巾着型のプールバックだったと思います。私、可愛いものが大好きだったんで、いえ、今も大好きですけど……
チエコ先生 : そうね。全体的に、女の子は可愛いものが好きな傾向にあるわよね。でも、同じ女の子でもそうじゃない子もいるのよ。
キクちゃん : あ! まさか……P介くんの姉妹は「超がつくほどスポーツ万能でボーイッシュな物が大好きな少女たち」とありますから、彼女たち2人のプールバッグもボーイッシュな物……つまりは、全体的に男の子が選ぶ傾向にあるプールバッグだったということでしょうか? P介くんは、彼女たちのどちらかのプールバッグを間違えて持ってきてしまった。当然、プールバッグの中に入っているのは女児用のスクール水着で、だからP介くんは水着に着替えることができなかったということですか?
チエコ先生 : YES。正解よ。プールバックの中の水着を見られてしまったP介くんは、「オトコオンナ!」とか「ヘンタイ!」とか囃し立てられて、ついにキレてしまったのよ。
(完)
小学校3年生のP介くんは、超がつくほどの運動音痴であり、体育の授業が大嫌いでした。
P介くんには、同じ小学校に通っている5年生の姉と2年生の妹がいましたが、不思議なことに彼女たちは超がつくほどスポーツ万能でボーイッシュな物が大好きな少女たちでした。
そのことも「姉ちゃんと妹はスポーツ万能なのに、男のお前は……」という風に、周りの同級生たちにからかわれ、虐められる要因にもなっていたのです。
今日は、P介くんの大嫌いな体育の授業がある日でした。
しかも水泳の授業です。
5メートル泳ぐのがやっとのP介くんのお腹がシクシクと痛み出しました。
仮病を使って保健室で休もうか、とも思ったP介くんでしたが、しぶしぶ更衣室へと向かいました。
水着に着替えようとしたP介くんですが、着替えることができませんでした。
P介くんの様子に気付いた同級生の1人が、P介くんが水着に着替えることができない理由に気付き、囃し立てました。
ついにキレたP介くんは真っ赤な顔で彼を突き飛ばしてしまい、更衣室の床で頭を強打させました。
さて、P介くんが水着に着替えることができなかった理由は何でしょうか?
【質問と解説】
チエコ先生 : この問題の真の問題は、P介くんが水着に着替えることができなかった理由ではなく、P介くんに対する同級生からの虐めだと思うわ。
キクちゃん : ……確かにそうですね。それに後半部でP介くんは、虐めてきた相手を突き飛ばして、頭を強打させてますから、被害者であったけど加害者にもなってしまいましたね。
チエコ先生 : ……そうね。この後、保護者同士の話し合いにもなるでしょう。
キクちゃん : ……小学校の頃って、なんだかんだいって、スポーツが得意な子が周りから一目置かれてしまうのは分かります。特に男の子の場合は……P介くんは同じ小学校にスポーツ万能な姉妹も通っているから、彼女たちと比較されて虐められてもいますし……やっぱり、P介くんは水泳の授業が嫌というか、運動音痴ぶりをからかわれて虐められるのが”怖くて”、着替えることができなかったんですか?
チエコ先生 : NO。
キクちゃん : となると……「P介くんのお腹がシクシクと痛み出しました。」という描写がありますから、P介くんは仮病ではなく本当に体調が悪くなり、着替えることができなかったんでしょうか。
チエコ先生 : NO。
キクちゃん : そうなると、なぜだろう? うーん、うーん……
チエコ先生 : 今回は先生が解説するわね。やっぱりいじめに関する問題を取り扱うのは先生もつらいわ。ねえ、キクちゃん……キクちゃんが小学生の頃に使っていたプールバッグって、どんな物だったか覚えている?
キクちゃん : ……はい。覚えています。確か、透明ビニールにパステル系でアイスクリームの絵がいっぱい描かれている巾着型のプールバックだったと思います。私、可愛いものが大好きだったんで、いえ、今も大好きですけど……
チエコ先生 : そうね。全体的に、女の子は可愛いものが好きな傾向にあるわよね。でも、同じ女の子でもそうじゃない子もいるのよ。
キクちゃん : あ! まさか……P介くんの姉妹は「超がつくほどスポーツ万能でボーイッシュな物が大好きな少女たち」とありますから、彼女たち2人のプールバッグもボーイッシュな物……つまりは、全体的に男の子が選ぶ傾向にあるプールバッグだったということでしょうか? P介くんは、彼女たちのどちらかのプールバッグを間違えて持ってきてしまった。当然、プールバッグの中に入っているのは女児用のスクール水着で、だからP介くんは水着に着替えることができなかったということですか?
チエコ先生 : YES。正解よ。プールバックの中の水着を見られてしまったP介くんは、「オトコオンナ!」とか「ヘンタイ!」とか囃し立てられて、ついにキレてしまったのよ。
(完)
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