美少女たちのパーティー PART6【なずみのホラー便 第91弾】

なずみ智子

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美少女たちのパーティー PART6

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 パーティーを成功させるのに一番大切なことは何だろう?
 料理のクオリティ? それとも、会場のクオリティ?
 いやいや、やっぱり一番大切なのはゲスト同士の楽しい会話だと俺は思っている。
 だから、ホスト(主催者)の俺は、皆に楽しんでもらえるようにゲスト選びには相当にこだわったんだ。
 
 これまでありとあらゆる場所を旅してきた俺は、その行った先々でそこの美少女たちと仲良くなってきた。
 俺は女の子の好みは一貫していて、美少女たちは皆、利発で明るくて、人見知りもせず、会話のテンポも良くて、その場を盛り上げてくれるような子たちばかりだった。
 だから、彼女たちをゲストにした美少女たちのパーティーは、きっとこれ以上ないほど楽しいパーティーになるに違いないと思ったんだ。
 それに……俺が初主催するこのパーティーは、”人類の歴史上においても初めて”となるに違いないだろう。
 

 パーティー当日。
 美少女たちは全員揃った。
 人見知りしない彼女たちは互いに軽く自己紹介をし、楽しい会話がすぐにでも始まるものだと思っていた。

 しかし、俺は一番大切なことを忘れていた。
 俺にとっての当たり前は、彼女たちにとっての当たり前ではなかったんだ。

 俺は、数十か国語を自由自在に操る、まさに規格外の超天才タイムトラベラーだ。
 当然、各国の歴史や文化、時代背景についての知識も、抜かりなく頭に常備している。
 けれども、彼女たちは違う。
 自分の生まれた国の言葉のみか、喋ることができても”せいぜい”数か国語程度だ。

 いやいや、何より、美少女たちの誰一人として、生きていた時代がかぶっていない。
 紀元前のプトレマイオス朝エジプトから招待した美少女と、唐の時代の中国から招待した美少女との話が合うだろうか?
 それは、彼女たち二人の間に限ったことじゃない。
 日本の平安時代から招待した美少女だって、ゲストの誰かと話を合わせることができるだろうか?
 彼女が和歌を詠んだとしても、”もののあはれ”はうまく通じるだろうか?
 ちなみに、平安時代の美的感覚については諸説あったみたいだが、俺は俺が生まれた西暦2900年代前半の美的感覚に合致した美少女を選んでいる。

 これ以上ないほど楽しいパーティーになるどころか、まるでお通夜のような雰囲気のまま、パーティーの時間はのろのろと過ぎていった。
 美少女たちは、俺が特別に取り寄せしたパーティー料理――今、世界で一番シェアされている”サプリメント”シリーズ全三十種類――をモソモソと口に運び、バリボリ、バリボリ、バリボリと噛み砕いていた。
 中には「これ、虫の卵なのよね?」と言って、一切、手をつけなかった美少女もいた。

 歴史の中から招待した美少女たちのパーティーは、大失敗に終わってしまった。
 だけれども、せっかくだから……とパーティー終了後、全員で集まって記念撮影をしたのだが、美少女たちは皆、何とも言いようのない顔で写っていた。


(完)

 リョウリモ、ダメジャン……┐(´д`)┌ヤレヤレ
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