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巾着切り
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アユリは、若くして亡くなった親戚のお姉さんの形見分けに巾着型リュックを貰った。いつも素敵な物を身につけていたお姉さん自らが、リュックの”後継者”にアユリを指名したとのことであった。
そのリュックを背負ったアユリが友達のミチカと遊んでいた時、ミチカのピアス――彼氏からの誕生日プレゼント――が、彼女の両の耳朶からいつの間にか消えていた。泣きながら探すミチカにアユリも付き合ったが、結局、ピアスは見つからなかった。
だが、帰宅したアユリのリュックの中から”それ”が出てきた。さらに、町ですれ違っただけの名も知らぬ女性たちが身に着けていたネックレスや時計までもが。
これらを盗んだ覚えはない。そもそも、指先すら触れていないのに盗めるわけなどない。
ただ、これらを目にした時「素敵だな。私も欲しいな」と思っただけだ。
アユリは巾着型リュックの力を悟った。そして、生前のお姉さんの素敵な”私物”の秘密をも知った。
そして、ミチカには気の毒であるも彼女のピアスだけは、トイレへと流した。
「これからは気をつけなきゃ」と決意したアユリは、”相棒”となるリュックとその他の戦利品をクローゼットへとしまった。
――fin――
そのリュックを背負ったアユリが友達のミチカと遊んでいた時、ミチカのピアス――彼氏からの誕生日プレゼント――が、彼女の両の耳朶からいつの間にか消えていた。泣きながら探すミチカにアユリも付き合ったが、結局、ピアスは見つからなかった。
だが、帰宅したアユリのリュックの中から”それ”が出てきた。さらに、町ですれ違っただけの名も知らぬ女性たちが身に着けていたネックレスや時計までもが。
これらを盗んだ覚えはない。そもそも、指先すら触れていないのに盗めるわけなどない。
ただ、これらを目にした時「素敵だな。私も欲しいな」と思っただけだ。
アユリは巾着型リュックの力を悟った。そして、生前のお姉さんの素敵な”私物”の秘密をも知った。
そして、ミチカには気の毒であるも彼女のピアスだけは、トイレへと流した。
「これからは気をつけなきゃ」と決意したアユリは、”相棒”となるリュックとその他の戦利品をクローゼットへとしまった。
――fin――
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