5 / 67
第1章 入学前
5話 クラス振り分け試験
しおりを挟む
どんよりとした曇り空の下、聳え立つ建物を横目に広大なキャンパスを歩いてゆく。
建物の内部は全て繋がっているらしいが、迷うから外から行けと地図に書かれているのだ。迷宮かな?
「あった、この建物だ」
大きな扉を開けて、地図に書かれていた建物の中へ入る。
廊下が広くて、本当にお城みたい。
午前10時半、試験が始まる。
最初は英語、数学、国語、社会。これらの試験時間は4つまとめて1時間半。
必死に勉強を教えてくれた爺やさんに申し訳ないが、どれもさっぱり分からなかった。
正午、爺やさんが持たせてくれたお弁当を食べて、昼休憩。
午後からは理科のテスト。
今度は理科だけで1時間半というように、科目のバランスが極端に偏っている。
残念ながら、一番力を入れて勉強した理科も全然分からなかった。
理科の試験が終了し、20分の休憩を挟んだ後に始まったのは、不思議なアンケート。
『以下から好きな模様を選んでください』とか、『これらの動物はなんと言っているでしょうか』など、まるで心理テストだった。
さらに40分の長い休憩を挟み、最後は面接。
教室で自分が呼ばれるのを待つ。
「次、受験番号0810、九重糸さん」
「はい」
別室へ連れて行かれる。
面接官は、凄そうなオーラをまとった男性だった。
「君は……」
「えっ?」
面接官は一瞬驚いたような表情を見せ、何かを企むように口元が緩んだ。
「お疲れ様。以上で面接、および全ての試験は終わりです」
「えっ、まだ何もしていませんが……」
「十分です。こちらをどうぞ」
赤いカードが渡された。
「学生証兼、寮の部屋のカードキーです。九重くんの寮は、南区域にある赤砂寮です」
「ありがとうございます」
「入学式まではお休みです。また後日、寮に日程等の詳細を張り出しますので随時ご確認ください」
「分かりました」
俺は荷物を持ち、待ち合わせの正門へ向かった。
正門には、すでにフィアスと雪夜がいた。
「ごめん、待った?」
「いえ、気にしないでください。糸の受験していた西区域が最もここから遠いですし」
「糸はどこの宿舎だった? 私と雪夜は南区域の青月館だったよ」
「俺も南区域だけど、赤砂寮ってとこだったよ。二人とは違う寮みたい」
「残念ですわ。ですが、同じ南区域ですのですぐに会えますわね」
「そうだね。そういえばお腹すいたな。いったん荷物を置いて、どこか食べに行こうよ」
「いいですわね」
「だんだんマシにはなってきたけど、まだちょっとしんどいんだ~。ねえ糸、私の部屋まで荷物持ってくれない?」
フィアスが目を線にしてお願いしてくる。
でも、電車のときよりは少し顔色が良くなってきている気がする。
「うん、もちろん。雪夜のも」
「え、いいんですの?」
「いいよ。悲しいことに俺は高次元世界に何も感じないし」
「ありがとう、糸。ではよろしくお願いします」
それに、俺はもともと雪夜のためにここに通うんだから、これくらいは当然だ。
南区域へ歩いていくと、最初に大きな青い建物が見えてきた。その建物の前には石碑があり、『青月館』と書かれている。
「ここが雪夜とフィアスの宿舎か」
入り口は自動扉のようだ。
「ここにカードをかざせばいいんでしょうか」
雪夜が自動扉横のセンサーに青色のカードをかざすと、入り口の自動ドアが開いた。
中にはシャンデリアにひまわりの絵が飾られた、ゴージャスなロビー。
「ここ、学生用の宿舎だよな……?」
まさに高級ホテル。
赤砂寮もこんな感じなのだろうか。夢のようだ。
「えっと……私は205号室だ」
「私は309号室ですわ」
先に雪夜の部屋から行くことにした。
エレベーターに乗り、3階へ上がる。
廊下にはパッヘルベルのカノンが流れている。
「ここですわね」
309と書かれた扉の取っ手についているセンサーに、再び青いカードキーをかざす。
カチャ、という音とともに鍵が開いた。
開けて見ると……
「わあ……」
雪夜の豪邸にあった部屋と同じくらい広い。
ベッドも大きい。三人は寝れるぞ。
シャワー室には大きな浴槽がついており、洗面器もピカピカ。キッチンもついている。勉強机もとても立派なものだ。
「すごすぎるだろ……。こんなところに一人で住めるなんて……」
「私もびっくりした……」
雪夜がベッドをさする。
お嬢様の雪夜にはこういった部屋がとても似合う。
「さ、荷物も置きましたし、次はフィアスの部屋に行きますわよ」
2階へ行き、205号室に到着。
その扉の先にも、ちゃんと豪華な部屋があった。
ボンッ!!
フィアスは仰向けにベッドへ飛び込んだ。
「わあ、ふかふかだぁ……。児童販売所の岩みたいなガチガチベッドとは全然違うよ。雪夜、ありがとう!」
「いいえ、私の方こそ、一緒にここへ来てくれてありがとうございます。感謝しておりますわ」
青月館に荷物を置き、外へ出てさらに南へ進む。
すると、次は黄色い建物が見えてきた。
「あ、宿舎みたいだよ! えーっと、『黄泉荘』……。赤砂寮じゃないね」
ただ、少し青月館と比べると見劣りするというか、普通な印象だった。
「もう少し南でしょうか。進みましょう」
黄泉荘からさらに南へ進むと、今度はたくさんのお店がある食事街へ出た。
「あれ、赤砂寮の前にお店に着いちゃったよ。先にご飯食べちゃおっか」
「いいんですの? 糸の荷物がまだ残っておりますが……」
「いいよ、そんな邪魔じゃないし。どこ行こう?」
和食、洋食、中華、イタリアン……。
たくさんのお店が並んでいる中、俺たちは和食屋を選んだ。
「お待ち! 刺身定食、3名分でい!!」
刺身が山のように盛られている。
うんうん、赤いマグロに白いタイ。青いアジに…………あれ?
「……あの、なんか緑色の刺身が混じってるんですが。これ、腐ってません?」
「ふふ! それはうちの名物、ホウレンソウフィッシュのトロでっせ! 体にとってもいいんでっせ!」
ほうれん草!? しょ……食欲がそそられん……。
微妙な沈黙の中、フィアスがホウレンソウフィッシュを口にした。
「ん、シメサバのような酸味がありながら大トロのような甘味……美味しい~!」
「あら、本当ですわ。このようなお刺身は初めて食べました」
雪夜も続く。
「でしょう、でしょう! 高次元世界では生物が異様に発達、進化するから、現実世界では考えられないような生命体がたくさんいるんでさ!」
そうだとしても、これ絶対コケ生えてるだろ……パク。
「あ、美味しい」
美味しかった。
◇◇◇
「じゃあ、青月館へ戻るか」
「いいえ、お見送りは大丈夫ですわ。むしろ、本当に赤砂寮についていかなくても良いんですの?」
「もちろん。二人とも疲れてるみたいだし、今日はゆっくり休んで」
「分かりました。お言葉に甘えさせてもらいますわ」
雪夜とフィアスは青月館へ戻って行った。
俺は食事街からさらに南へ進む。
食事街の南は自然豊かな散歩道。店の気配はなく、草原が広がっている。
その田舎道をずっと進んでいくと、道は木に囲まれた行き止まりであった。
そしてそこにあったのは……
「……え?」
ボロボロの宿舎と、赤砂寮と書かれた木の看板だった。
建物の内部は全て繋がっているらしいが、迷うから外から行けと地図に書かれているのだ。迷宮かな?
「あった、この建物だ」
大きな扉を開けて、地図に書かれていた建物の中へ入る。
廊下が広くて、本当にお城みたい。
午前10時半、試験が始まる。
最初は英語、数学、国語、社会。これらの試験時間は4つまとめて1時間半。
必死に勉強を教えてくれた爺やさんに申し訳ないが、どれもさっぱり分からなかった。
正午、爺やさんが持たせてくれたお弁当を食べて、昼休憩。
午後からは理科のテスト。
今度は理科だけで1時間半というように、科目のバランスが極端に偏っている。
残念ながら、一番力を入れて勉強した理科も全然分からなかった。
理科の試験が終了し、20分の休憩を挟んだ後に始まったのは、不思議なアンケート。
『以下から好きな模様を選んでください』とか、『これらの動物はなんと言っているでしょうか』など、まるで心理テストだった。
さらに40分の長い休憩を挟み、最後は面接。
教室で自分が呼ばれるのを待つ。
「次、受験番号0810、九重糸さん」
「はい」
別室へ連れて行かれる。
面接官は、凄そうなオーラをまとった男性だった。
「君は……」
「えっ?」
面接官は一瞬驚いたような表情を見せ、何かを企むように口元が緩んだ。
「お疲れ様。以上で面接、および全ての試験は終わりです」
「えっ、まだ何もしていませんが……」
「十分です。こちらをどうぞ」
赤いカードが渡された。
「学生証兼、寮の部屋のカードキーです。九重くんの寮は、南区域にある赤砂寮です」
「ありがとうございます」
「入学式まではお休みです。また後日、寮に日程等の詳細を張り出しますので随時ご確認ください」
「分かりました」
俺は荷物を持ち、待ち合わせの正門へ向かった。
正門には、すでにフィアスと雪夜がいた。
「ごめん、待った?」
「いえ、気にしないでください。糸の受験していた西区域が最もここから遠いですし」
「糸はどこの宿舎だった? 私と雪夜は南区域の青月館だったよ」
「俺も南区域だけど、赤砂寮ってとこだったよ。二人とは違う寮みたい」
「残念ですわ。ですが、同じ南区域ですのですぐに会えますわね」
「そうだね。そういえばお腹すいたな。いったん荷物を置いて、どこか食べに行こうよ」
「いいですわね」
「だんだんマシにはなってきたけど、まだちょっとしんどいんだ~。ねえ糸、私の部屋まで荷物持ってくれない?」
フィアスが目を線にしてお願いしてくる。
でも、電車のときよりは少し顔色が良くなってきている気がする。
「うん、もちろん。雪夜のも」
「え、いいんですの?」
「いいよ。悲しいことに俺は高次元世界に何も感じないし」
「ありがとう、糸。ではよろしくお願いします」
それに、俺はもともと雪夜のためにここに通うんだから、これくらいは当然だ。
南区域へ歩いていくと、最初に大きな青い建物が見えてきた。その建物の前には石碑があり、『青月館』と書かれている。
「ここが雪夜とフィアスの宿舎か」
入り口は自動扉のようだ。
「ここにカードをかざせばいいんでしょうか」
雪夜が自動扉横のセンサーに青色のカードをかざすと、入り口の自動ドアが開いた。
中にはシャンデリアにひまわりの絵が飾られた、ゴージャスなロビー。
「ここ、学生用の宿舎だよな……?」
まさに高級ホテル。
赤砂寮もこんな感じなのだろうか。夢のようだ。
「えっと……私は205号室だ」
「私は309号室ですわ」
先に雪夜の部屋から行くことにした。
エレベーターに乗り、3階へ上がる。
廊下にはパッヘルベルのカノンが流れている。
「ここですわね」
309と書かれた扉の取っ手についているセンサーに、再び青いカードキーをかざす。
カチャ、という音とともに鍵が開いた。
開けて見ると……
「わあ……」
雪夜の豪邸にあった部屋と同じくらい広い。
ベッドも大きい。三人は寝れるぞ。
シャワー室には大きな浴槽がついており、洗面器もピカピカ。キッチンもついている。勉強机もとても立派なものだ。
「すごすぎるだろ……。こんなところに一人で住めるなんて……」
「私もびっくりした……」
雪夜がベッドをさする。
お嬢様の雪夜にはこういった部屋がとても似合う。
「さ、荷物も置きましたし、次はフィアスの部屋に行きますわよ」
2階へ行き、205号室に到着。
その扉の先にも、ちゃんと豪華な部屋があった。
ボンッ!!
フィアスは仰向けにベッドへ飛び込んだ。
「わあ、ふかふかだぁ……。児童販売所の岩みたいなガチガチベッドとは全然違うよ。雪夜、ありがとう!」
「いいえ、私の方こそ、一緒にここへ来てくれてありがとうございます。感謝しておりますわ」
青月館に荷物を置き、外へ出てさらに南へ進む。
すると、次は黄色い建物が見えてきた。
「あ、宿舎みたいだよ! えーっと、『黄泉荘』……。赤砂寮じゃないね」
ただ、少し青月館と比べると見劣りするというか、普通な印象だった。
「もう少し南でしょうか。進みましょう」
黄泉荘からさらに南へ進むと、今度はたくさんのお店がある食事街へ出た。
「あれ、赤砂寮の前にお店に着いちゃったよ。先にご飯食べちゃおっか」
「いいんですの? 糸の荷物がまだ残っておりますが……」
「いいよ、そんな邪魔じゃないし。どこ行こう?」
和食、洋食、中華、イタリアン……。
たくさんのお店が並んでいる中、俺たちは和食屋を選んだ。
「お待ち! 刺身定食、3名分でい!!」
刺身が山のように盛られている。
うんうん、赤いマグロに白いタイ。青いアジに…………あれ?
「……あの、なんか緑色の刺身が混じってるんですが。これ、腐ってません?」
「ふふ! それはうちの名物、ホウレンソウフィッシュのトロでっせ! 体にとってもいいんでっせ!」
ほうれん草!? しょ……食欲がそそられん……。
微妙な沈黙の中、フィアスがホウレンソウフィッシュを口にした。
「ん、シメサバのような酸味がありながら大トロのような甘味……美味しい~!」
「あら、本当ですわ。このようなお刺身は初めて食べました」
雪夜も続く。
「でしょう、でしょう! 高次元世界では生物が異様に発達、進化するから、現実世界では考えられないような生命体がたくさんいるんでさ!」
そうだとしても、これ絶対コケ生えてるだろ……パク。
「あ、美味しい」
美味しかった。
◇◇◇
「じゃあ、青月館へ戻るか」
「いいえ、お見送りは大丈夫ですわ。むしろ、本当に赤砂寮についていかなくても良いんですの?」
「もちろん。二人とも疲れてるみたいだし、今日はゆっくり休んで」
「分かりました。お言葉に甘えさせてもらいますわ」
雪夜とフィアスは青月館へ戻って行った。
俺は食事街からさらに南へ進む。
食事街の南は自然豊かな散歩道。店の気配はなく、草原が広がっている。
その田舎道をずっと進んでいくと、道は木に囲まれた行き止まりであった。
そしてそこにあったのは……
「……え?」
ボロボロの宿舎と、赤砂寮と書かれた木の看板だった。
0
あなたにおすすめの小説
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~
月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」
猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。
彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。
チート能力? 攻撃魔法?
いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。
「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」
ゴブリン相手に正座で茶を勧め、
戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、
牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。
そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……?
「野暮な振る舞いは許しません」
これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる