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第3章 王座争奪戦
43話 去年の敗北
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「いいか、今日は寝るなよ! 絶対寝るなよ!!」
翌日金曜日、今日もいつも通り授業。
ほぼ全員が寝ていた昨日の授業を受けて、鬼島先生も寝させまいと注意している。
しかし、するな、するなと言われるとついやっちゃうのが人間。俺達はすやすやと寝息を立て始めた。
…………
カチカチカチ
カップラーメンの殻が落ちている、暗い部屋。
ある男が布団をかぶってゲームをしている。
五条先輩だ。
カチカチカチ
『GANE OVER』
「はあ……」
バフンッ
コントローラーをクッションに放り投げる。
################
場面が切り替わった。
これは去年の大会の様子だろうか。
「はっ……はっ……はっ……!」
フィールドを駆け回る。
近くには味方と、敵がいる。
「うおおおお!!」
五条先輩は敵に向かって攻め込む。
ザシュッ!! パリン!!
「や、やったぞ!!」
しかし、五条先輩の割ったバッジをつけていたのは味方だった。
「え……なぜだ……どうして……!」
「ふふっ、ご苦労様!」
パリン!!!
そして、敵は五条先輩のバッジを破壊した。
傍から見れば、ただの裏切り行為。
結局それが致命傷となり、チームは敗れた。
チームメイトは皆、白い目で五条を見る。
「違うんだ!! わざとじゃない!!! …………なんだよ……あれだけ頑張ったのに!! 特訓だって、毎日血反吐を吐くくらいやったのに……!!」
################
場面が戻る。
「……頑張るだけ無駄なんだ。結局結果が悪ければ、過程なんてクソの意味もない」
五条先輩は布団にくるんで、暗い部屋で横になった。
…………
「だから寝るなってお前らァ!!!!」
バーーーン!!
鬼島が教卓を叩き、皆はパッと目を覚ます。
だが、今の夢を見る限り、五条先輩は去年の王座戦で嫌な過去があったらしい。
◇◇◇
放課後。
今日だけは風紀委員会があるので、特訓へは少し遅れていくことになる。
「おい九重。ちゃんと王座戦に向けての練習はしてるんだろうな。同じ風紀委員として一回戦負けとか許さないからな」
「そういうお前こそどうなんだよ、成瀬」
「俺は37位の能力者だぞ、そう簡単に敗れるものか。個人的には二回戦で当たるあの白髪がどこまでやるのかが見ものだな」
成瀬のチームは57、Dブロックの二回戦でフィアスと当たるらしい。
「聞き捨てならんの。わっちもDブロックの二回戦でお主と当たるんじゃが。ま、能力が全てだと思っている時点で敵ではないがの」
「ほう、沖田もDブロックだったか。手裏剣を使えないことはちゃんと知っているのか?」
「ふっ、わっちの取柄が手裏剣だけと思わんで欲しいの。ま、二回戦ではせいぜい胸を貸してやる」
「こっちのセリフだ」
二人の目に炎が灯った。
風紀委員の面々も、王座戦に向けてちゃんと練習しているらしい。
◇◇◇
「すみません、遅くなりました!」
「おお、九重。風紀委員会だったのは聞いている、よく来てくれたな。みんなはもうランニングをはじめているから、九重も準備運動が出来次第走ってこい」
「はい!」
グラウンドを見ると、小雲先輩、ジョニー先輩、菊音さん、そして三橋さんが走っていた。
準備運動を済ませ、俺もグラウンドを5周走る。
最初に比べて、だいぶ走れるようになってきた。
俺がランニングを終了してしばらく休憩し、ダッシュが始まる。全力疾走というのは、やはりきつい。しかし、三橋さんを含め、全員が往復10本をクリアした。
「はあ……はあ……、九重くんたち、こんな大変なことしてたんだね……」
「はあ……はあ……三橋さんこそ、1回目で走り切るってすごいじゃないですか……」
「頑張るって決めたからね……」
「よーし! お前たち、今日もよく頑張ったな。帰ってゆっくり休んでくれ。明日土曜日は以前言っていたように13時から始める。それじゃあ解散!」
「あの、今日も走るだけですか? そろそろ杖を使った練習も取り入れていった方がいいのではないでしょうか」
小雲先輩が一ノ瀬先輩に尋ねる。
確かに基礎体力も大切だが、ワンディングは杖を使って器用に相手のバッジを破壊する競技だ。小雲先輩の指摘する通り、杖を扱う技術も非常に重要となる。
「……まだだ。まだ足りない」
それだけ言うと、一ノ瀬先輩は帰って行った。
「まだ足りないって、体力のことかしら……?」
「なるホド! じゃあミーは走って帰ることにしマース! サラバ!」
ジョニー先輩は上半身裸でセトル・ブラッディレッドへ走って行った。
「……あの、小雲先輩。去年の王座戦のしおりってありますか?」
「去年の? うん、部屋にあるとよ。見てく?」
「はい、よろしければお願いします」
俺は再びセトル・ブルーオーシャンの小雲先輩の部屋にお邪魔させてもらうことになった。折角なので、またみんなで温泉に入らせてもらった。
心も体もさっぱりして、小雲先輩の部屋にて。
「はい。これが去年の王座戦のしおりや」
「ありがとうございます」
小雲先輩は丁寧にトーナメントで勝ち上がったところをきっちりと線でなぞっていた。俺は五条先輩のチームを探し、どこで敗退したのかを調べる。
「五条先輩が敗退したのは初戦だったのか。この試合で勝ったチームの中に能力者がいるはず……」
「あ、そのチーム、【桐山 楓】のチームやん。この子、今年の能力者ランキング8位とよ」
「小雲先輩、この方の能力をご存じですか?」
「うん。私は戦ったことないけん詳しくは分からんけど、【生命の次元】の能力者で、相手を混乱させるらしいで。去年は準決勝の中堅戦で心乃ちゃんにあっさり負けてたけど」
…………
7位(27)6-A:七道 小雲 [71 pt]【時間】
8位(19)5-A:桐山 楓 [69 pt]【生命】
…………
今年のランキングを見ると、確かにに桐山楓の名前が書かれていた。
「あっ、そういえば8位ってことは……!」
「そうやな。私らと同じBブロックの強敵、チーム19のメンバーの一人や」
俺達が決勝に上がるための最大の難関、チーム19。
その中に、五条先輩の因縁の相手がいるようだ。
翌日金曜日、今日もいつも通り授業。
ほぼ全員が寝ていた昨日の授業を受けて、鬼島先生も寝させまいと注意している。
しかし、するな、するなと言われるとついやっちゃうのが人間。俺達はすやすやと寝息を立て始めた。
…………
カチカチカチ
カップラーメンの殻が落ちている、暗い部屋。
ある男が布団をかぶってゲームをしている。
五条先輩だ。
カチカチカチ
『GANE OVER』
「はあ……」
バフンッ
コントローラーをクッションに放り投げる。
################
場面が切り替わった。
これは去年の大会の様子だろうか。
「はっ……はっ……はっ……!」
フィールドを駆け回る。
近くには味方と、敵がいる。
「うおおおお!!」
五条先輩は敵に向かって攻め込む。
ザシュッ!! パリン!!
「や、やったぞ!!」
しかし、五条先輩の割ったバッジをつけていたのは味方だった。
「え……なぜだ……どうして……!」
「ふふっ、ご苦労様!」
パリン!!!
そして、敵は五条先輩のバッジを破壊した。
傍から見れば、ただの裏切り行為。
結局それが致命傷となり、チームは敗れた。
チームメイトは皆、白い目で五条を見る。
「違うんだ!! わざとじゃない!!! …………なんだよ……あれだけ頑張ったのに!! 特訓だって、毎日血反吐を吐くくらいやったのに……!!」
################
場面が戻る。
「……頑張るだけ無駄なんだ。結局結果が悪ければ、過程なんてクソの意味もない」
五条先輩は布団にくるんで、暗い部屋で横になった。
…………
「だから寝るなってお前らァ!!!!」
バーーーン!!
鬼島が教卓を叩き、皆はパッと目を覚ます。
だが、今の夢を見る限り、五条先輩は去年の王座戦で嫌な過去があったらしい。
◇◇◇
放課後。
今日だけは風紀委員会があるので、特訓へは少し遅れていくことになる。
「おい九重。ちゃんと王座戦に向けての練習はしてるんだろうな。同じ風紀委員として一回戦負けとか許さないからな」
「そういうお前こそどうなんだよ、成瀬」
「俺は37位の能力者だぞ、そう簡単に敗れるものか。個人的には二回戦で当たるあの白髪がどこまでやるのかが見ものだな」
成瀬のチームは57、Dブロックの二回戦でフィアスと当たるらしい。
「聞き捨てならんの。わっちもDブロックの二回戦でお主と当たるんじゃが。ま、能力が全てだと思っている時点で敵ではないがの」
「ほう、沖田もDブロックだったか。手裏剣を使えないことはちゃんと知っているのか?」
「ふっ、わっちの取柄が手裏剣だけと思わんで欲しいの。ま、二回戦ではせいぜい胸を貸してやる」
「こっちのセリフだ」
二人の目に炎が灯った。
風紀委員の面々も、王座戦に向けてちゃんと練習しているらしい。
◇◇◇
「すみません、遅くなりました!」
「おお、九重。風紀委員会だったのは聞いている、よく来てくれたな。みんなはもうランニングをはじめているから、九重も準備運動が出来次第走ってこい」
「はい!」
グラウンドを見ると、小雲先輩、ジョニー先輩、菊音さん、そして三橋さんが走っていた。
準備運動を済ませ、俺もグラウンドを5周走る。
最初に比べて、だいぶ走れるようになってきた。
俺がランニングを終了してしばらく休憩し、ダッシュが始まる。全力疾走というのは、やはりきつい。しかし、三橋さんを含め、全員が往復10本をクリアした。
「はあ……はあ……、九重くんたち、こんな大変なことしてたんだね……」
「はあ……はあ……三橋さんこそ、1回目で走り切るってすごいじゃないですか……」
「頑張るって決めたからね……」
「よーし! お前たち、今日もよく頑張ったな。帰ってゆっくり休んでくれ。明日土曜日は以前言っていたように13時から始める。それじゃあ解散!」
「あの、今日も走るだけですか? そろそろ杖を使った練習も取り入れていった方がいいのではないでしょうか」
小雲先輩が一ノ瀬先輩に尋ねる。
確かに基礎体力も大切だが、ワンディングは杖を使って器用に相手のバッジを破壊する競技だ。小雲先輩の指摘する通り、杖を扱う技術も非常に重要となる。
「……まだだ。まだ足りない」
それだけ言うと、一ノ瀬先輩は帰って行った。
「まだ足りないって、体力のことかしら……?」
「なるホド! じゃあミーは走って帰ることにしマース! サラバ!」
ジョニー先輩は上半身裸でセトル・ブラッディレッドへ走って行った。
「……あの、小雲先輩。去年の王座戦のしおりってありますか?」
「去年の? うん、部屋にあるとよ。見てく?」
「はい、よろしければお願いします」
俺は再びセトル・ブルーオーシャンの小雲先輩の部屋にお邪魔させてもらうことになった。折角なので、またみんなで温泉に入らせてもらった。
心も体もさっぱりして、小雲先輩の部屋にて。
「はい。これが去年の王座戦のしおりや」
「ありがとうございます」
小雲先輩は丁寧にトーナメントで勝ち上がったところをきっちりと線でなぞっていた。俺は五条先輩のチームを探し、どこで敗退したのかを調べる。
「五条先輩が敗退したのは初戦だったのか。この試合で勝ったチームの中に能力者がいるはず……」
「あ、そのチーム、【桐山 楓】のチームやん。この子、今年の能力者ランキング8位とよ」
「小雲先輩、この方の能力をご存じですか?」
「うん。私は戦ったことないけん詳しくは分からんけど、【生命の次元】の能力者で、相手を混乱させるらしいで。去年は準決勝の中堅戦で心乃ちゃんにあっさり負けてたけど」
…………
7位(27)6-A:七道 小雲 [71 pt]【時間】
8位(19)5-A:桐山 楓 [69 pt]【生命】
…………
今年のランキングを見ると、確かにに桐山楓の名前が書かれていた。
「あっ、そういえば8位ってことは……!」
「そうやな。私らと同じBブロックの強敵、チーム19のメンバーの一人や」
俺達が決勝に上がるための最大の難関、チーム19。
その中に、五条先輩の因縁の相手がいるようだ。
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