勇者の師匠はやる気なしのD級冒険者?!~僕の師匠は最強ですっ!~

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4章 精霊と勇者とやる気なし

75話 絶対裏があるだろう

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「思い出した? 君はその後ねぇ食糧庫にある食べ物で生命を繋ぎ、なんと母親の施した封印をやぶったんだ。
 覚えてるー?」

「はい。そこまでは…………」

 レオンハルトが震えながら頷く。

「そこでね、あの憎ったらしい教会の幹部に見つかって連れてかれたわけ。あとは知らなーい」

「そんな……レオンに……?」

 グスカンが驚きに目を見開いた。

「辛かったな」

「まー、でも洗脳の形跡が見られるから、よく思い出せてなかったんでしょ? 実の所」

「はい。今……これまでにないくらい頭がはっきりしています」

「だろうね。“守護者の愛”で、洗脳は殆ど効いてなかったんだけど、今の話で暗示レベルのがなくなったよぉ」

「そうだったんですか」

「一つ質問をいいか?」

 それまで、一度も口を開かなかったセオドアが手を上げた。

「なに?」

「何故、レオンハルトの母親は精霊王お前はをよばなかった? 口ぶりからして、かなり親しかったのだろう?」

「あのねー、資格が無かったの。レオンハルト君に半分あったからねー。
 殺しちゃえば自分に資格が戻ったのにね」

「レオンハルトを恨むのは違うぞ」

「わかってるてぇ~」

 セオドアが尚も続ける。

「フィーダから聞いた。精霊王に親しい人間が居るとな。その時は聞き流していたが、それがレオンハルトの母親なんじゃないか?」

「だから何?」

 精霊王が機嫌悪そうに言う。

「それについては言及しないが、レオンハルトは終わらせるべき仕事・・・・・・・・・があるんじゃないか?」

「ふーん」

「終わらせる、仕事?」

 レオンハルトが首を傾げる。

「過去のフィーダからの話から推測しただけだ。お前もそのつもりだったんたろう? 精霊王」

「あの面倒な能力が無くてもここまで推測すんのかー。面倒くさいよね。そ、あるよ。終わらせるべき仕事」

 ため息をつきながら精霊王が霧を蹴った。

「気まぐれのようなフリをして必要な事をするからな、お前は……そうか、やはりあったのか」

「そ、それは何ですか?」

「精霊の執を終わらせる。歪んだ無駄な空間を無くしてーね。
 簡単に言うと、全部なくしてよってこと。
 最後の精霊の執のレオンハルト・リペクトラー君。
 君にしかできないんだよねー。困った事に」

 にこり、と精霊王が笑う。

「やり方が分かんなくっても大丈夫だよ」










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