異世界帰りの勇者達の現代でのお話

茶坊ピエロ

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二章 北海道、異世界侵略対策委員本部騒動

事件はまだ未解決

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「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!」

「いきなり叫ぶなよクソ親父」

「お前本部をこんなめちゃくちゃにしといて何言ってんだ!」

 ザノール達が本部をボロボロにした本部を見たクソ親父は、俺にげんこつをくらわそうとする。

「はんっ!今、俺は勇者の置き土産で、あんたと同じくらいの筋力があんだ!その程度受け止められるわ!」

 ―――ゴツン!

「いってぇ!なんでそんな速いんだ!」

「テメェのステータスはとっくに元の数値に戻ってるわ!どーすんだこれ!」

 くそっ!
 これ持続しないのかよ!
 当たり前か!

「この勇者を殺したのはお前か?」

「トドメを刺したのはキャリーだ」

「ごめんなさい。光を見るあの目が許せなかった」

 まぁ別に俺は気にしてないけどな。
 あいつの絶望の顔を見れただけで満足だ。
 あぁ、思い出すだけで唆るなぁ。

「ふーん。じゃあ報酬はキャリーちゃんだけだな」

「はぁ!?なんでだよ!」

「勇者を殺したのはキャリーちゃんだ!お前らは報酬を本部の修繕費を弁償でチャラだ!」

「ふざけんな!!」

 俺は聖剣レーヴァテインを抜く。
 こうなったら強硬手段だ!
 この聖剣は俺のステータスを勇者並みにしてくれる。
 クソ親父だろうと敵じゃねぇ!

「ほぉ。これが聖剣か」

「なに!?」

 持っていた聖剣はあっさり親父に取られた。
 見えなかったぞ!

「どんなスキルを使いやがった!」

「今のはスキルじゃないぞ?技術テクニックだ」

 技術?
 それはステータスからじゃわからない、経験の勘とか熟練の剣士の剣術とかか。
 
「考えてるなぁ。いいことだぞー?まぁ今のは答え合わせをしてやる。無刀取りだ」

 無刀取りは聞いたことあるぞ。
 剣道の技らしいが、有名な剣士にも使い手がいたな。
 あの片目の剣士さんが言うには、相手の刀を取ることだけが無刀取りとは言わないらしいが、まぁ刀を取る技と見て良いだろう。

「無刀取りねぇ。まぁ要するに技術を利用すれば、ステータス差があろうと勝てると言いたいのか?」

「ステータス差はそうだな。だがスキルには対抗できないのが難点だ。それだけスキルというものは強力だと言うことだな」

 たしかに俺とキャリーの剣技や銃技、俺の影斬、青谷の拳巨大化は強力だしな。

「あぁ話がそれたな。たしかにお前達に報酬はないが、これは正式に任務として受けた。つまりお前達の三人が誰を殺そうと全員の報奨となる。勇者パーティはザノールは俺が、ヘイストは宮崎が調教・・・人として殺したが、ザノールの分は俺はお前達が殺したことにしていいと思って居る」

 ヘイストは宮崎瑠璃の奴隷と化した。
 今は宮崎瑠璃は長崎のやつを探しに行っていない。
 そしてヘイストも四つん這いで付いていったしここにはいないが、正直あれはどうかと思うけどな。

「つまり?実質俺達は三人を殺害したってところか」

「あぁそれもだが、特例でお前達のランクはCに上げようと考えている。まぁ重鎮殺した勇者を倒したんだ。誰も文句は言うまい」

 Cランクというと絶倫王子や、似非シスターと同じランクか。
 あいつらにでかい顔をさせなくできるのはありがたいな。

「そういうことか。まぁなら弁償での報酬がない件は諦めてやる」

「お義父様!ありがとうございます」

「どうもっす」

 クソ親父は珍しく良い笑顔をして立ち上がった。

「まぁよくやった!なにせあの重鎮共も道連れにしてくれたからなぁ!あの設立を提案した元国会議員だ。偉そうにAACを指揮してやがったが、総理大臣は彼らには手を出すなと言われてたんだ。いわば目の上のたんこぶだ。勇者が殺したようだし、監視カメラにも残っている。誰も咎められることはない。よかったな」

 よかったのか?
 俺、結構暴言吐いた気がするが。

「なにか心配事でものか?」

「あぁ。かなり俺は重鎮に対して酷い言葉を浴びせたと思うからな」

「ふむ。まぁ音声データはそこまではっきりと聞き取れていないし大丈夫だ。それにあの状況は見捨てられてもしょうがない状況だしな」

 まぁあれはどうしよもなかった。
 回避の号令はかけたし、俺は悪くない。
 ゴミゴミさんには悪いけどね。

「詰まり俺達はお咎め無しって事で良いのか?」

「まぁそういうことだ。でも報告書はちゃんと書いておいてくれ。へーい、それじゃ解散」

「軽いなぁ!」

 そういうと、後ろを向いて手を振りながらクソ親父は歩いていった。
 何か違和感がある。
 そうだ。あの事件。
 まだ解決していないことがあったじゃないか。
 俺はそんなクソ親父の肩を掴む。
 

「なぁ。まだ解決してないよな?」

「あぁ?解決はしただろ?勇者を殺したじゃないか」

「違う。豚野郎の自殺だ。洗脳のスキルを持ってる奴も、そんな魔法を使う奴もいなかった」

「「「!?」」」

 全員が驚いた顔をしている。
 そうだ。
 あいつらは洗脳して人を殺すような奴らじゃなかった。
 つまり洗脳の能力を持つ奴がまだ生きていると言うことだ。
 しかし豚野郎の記憶は彼が・・・。

「なぁ、一人疑わしいやつを俺は知ってるんだが」

「疑わしい奴とは誰だ?話せ光」

「秋晴臣。彼が見たという記憶そのものが嘘だとしたら辻褄が合う。そしてそれが事実だと仮定するとして、おそらく彼は記憶操作と、ステータス隠蔽は持ってるはずだ」

「決まりね。お義父様!彼は一体どこにいます?」

 クソ親父は黙り込む。
 そして目に手を当てながら、天を仰ぎ――

「本部長のところだ」

 本部長がどれくらい強いかは知らないが、こいつの表情を見る限りは――

「本部長が負ける可能性は?」

「微塵もねぇなぁ。ったく、あの馬鹿は」

 焦りじゃなくて、悲しみにの顔だ。
 
「まぁ俺の予想が間違ってる可能性もある」

「そうだな。そうであることを祈るばかりだ。あいつはここに入った時代からの可愛い後輩だからな」

 まぁそうじゃなかったら、犯人探しになるんだけどな。
 晴臣さんなのか、はたまた第三者なのか。



「晴臣」

「本部長どうしました?」

 現在、勇者の襲撃でボロボロになった本部の修繕費の予算を纏めていた私。本部長秘書の秋晴臣。
 そんな私に話しかける本部長。
 突然話しかけられたので何事かと振り向いた。

「お前、今回は肌に動いたそうじゃないか」

「はて?なんのことでしょう?」

 この様子だともう気づいておられるようだ。

「しらを切るか。まぁいい。お前は一体何者だ?」

「貴方様の秘書ですよ。一体どうしちゃったんですか?」

 正直苦しい。
 この言い訳で通るなら――

「流石に無理があるぞ?」

「ですよね。そうですね、私を主人公として小説を書くなら、元勇者は異世界から帰還し、命を落として転生したようです、でしょうかね」

 そうだ!
 私は今から40年前、異世界から帰還してすぐ殺された勇者だ。
 忘れもしない。
 栗原花一。
 私は彼に殺された。
 そして私はその16年後、つまり25年前にに転生した。
 その最悪の経験を糧にし、努力の末に一年前に記憶読み取りと記憶改竄を手に入れた。
 そして兼ねてから計画していた本部潰し。
 勇者に罪もなすりつけうまくいっていた。
 そのはずだった。

「全くいつから計画が崩れてしまったのでしょうか?」

 本部長を殺害しか、道は残ってないようだ。

「残念だよ。君には、秘書でいてほしかった」

 そして栗原も立ち上がり、戦闘態勢に入る。
 彼と闘うのはまだ時期早々だ。
 しかしなんとしてでも勝利を収めなければ。
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