異世界帰りの勇者達の現代でのお話

茶坊ピエロ

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四章 区立千葉高等学校 文化祭編

最近の格ゲーは飛び道具も使うよね。ずるいよ!

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 先週は文化祭のメニュー作りをした。
 今週は衣装デザインの設定と採寸をする予定だったのだが、早速問題が起きた。

「和服だったら、ミニスカ付きの着物だろうが!」

「時代劇が入ってるのよ!普通の振袖に決まってるでしょ!」

 クラスの男女のリーダー格が口論になっていた。
 どうでもいいだろうそんなこと。

「明石!文化祭実行委員としてお前はどうなんだ!」

「僕はどっちでもいいかな。みんな好きなのを着ればいいんじゃない?」

「くーっ!わかってねぇな!全員統一してないとバランスが悪いんだよぉ」

 わかりたくもない。

 こいつは穴倉諒太郎。
 クラスの男子のリーダー格だ。
 
「じゃあ着る人の意見を尊重しようか」

「な!?」

「さすが明石くん!女の子の気持ちわかってるぅ」

 正直キャリー以外が何を着ようとどうでもいいし、キャリーの和服は初めて見るからミニスカ風でも振袖でもいいと思っての発言だ。
 それを理解してからキャリーはうんうんと頷いている。
 勝手に心を詠むな!

「心ナンテヨンデナイヨ!」

「どうしたのキャロラインさん!?」

 エスパーかよ。
 瞬間移動はたしかにエスパーと言えるが、そういう意味ではないぞ?

「明石ぃ!てめぇ、あとで話がある!放課後顔貸せや」

 めんどくせえ。
 脅す人間はちゃんと選べよぉ。
 まぁ能力を使うわけにもいかないし、殴られてやるか。

「ちょっと!宍倉!あんたの意見が通らなかったからって八つ当たりは良くないわよ!」

 さすが近藤夢。
 口論をしていたお前ならつっかかると思っていたよ。

「うるせぇ近藤ム!」

「貴方それセクハラよ!そんなんだからモテないのよ!」

 ぷっ。
 近藤夢には悪いが俺もそう思ってた。
 何がとは言わずもがなだ。

「ハイハイ。そういう悪口は良くないぞ宍倉。近藤だって女の子なんだからな」

 本田道明にそう言われ引き下がる宍倉。
 まぁここで引き下がらず、喧嘩を売ったとしても退学になるだけで何も意味はない。

「んじゃまぁ、時代劇喫茶の衣装は振袖な。ちなみに男子も着るからな」

「「えー!」」

 まぁ嫌がるわな。
 浴衣なんて、夏は暑いし冬は寒い。
 まぁ今は秋だし問題ないだろう。

「時代劇をするのに女子だけでどうする!」

「衣装は振袖で統一だよね。宍倉くんが統一って言ってたし」

 ぶっちゃけホワイトボードに書くのはめんどい。
 だから先に釘を刺しておく。

「ぐぬぬ」

「ハイハイ!じゃあ明日から衣装の採寸をして製作作業ね。よろしく」

「「はい!」」

 そして話は終わったとばかりに全員出て行く。
 無論俺はというと―――

「明石、ツラ貸せや!」

「あーはいはい」

 めんどくせぇ。
 どうしてこうなった。
 俺は体育館裏へと呼び出された。
 どこの不良漫画だよ!

「てめぇよくも俺たちの意見を捻じ曲げたな!」

 別に捻じ曲げてないんだが。
 まぁそう思ってしまったなら仕方ない。
 殴られてやるさ。

「おーい。どうした明石」

 良いタイミングで青谷。
 あいつは普段から暴れてるからよっぽどじゃなきゃ、疑われない。
 願ったり叶ったりだ。

「あ、青谷くん」

「げっ!?青谷か!」

 ビビってるなぁ。
 まぁ校内一の不良だしな。
 実際聖剣や拳銃を持たない時の俺では勝てないしな。

「なんだカツアゲか?」

「まぁ似たようなもんだ」

 こいつは学習したな。
 先週朝に口を滑らせそうになったが、今は英語だから滑っても早々わからない。

「てめえら!英語で話してんじゃねぇ!見てろよオラァ!」

 あれは!?
 河野薫が持っていたゲームか!?
 こいつも勇者なのか?

「こいつは俺を強くしてくれんだ!青谷もこれで怖くねぇ!」

 たしかに、もしあのゲーム機が河野薫と似たような効果を持っていたら一筋ではいかない。
 ―――ポチっ!

<Game start!What you are Name ?>

「セーブデータ展開。元気100倍サウザウンドガイアぁぁ」

 ダセェェェ!
 何その子供が考えそうな名前。

<Save Data Lording now.>

「何はともあれ、勇者の道具を使った時点で討伐対象だ。青谷!」

「状況が全く読めないけどわかった!」

 そうだぁ!
 こいつには説明してなかったんだったぁ!

<Save Data Lord 100% Game start!>

「変身!」

 あー特撮だよ。
 実際に特撮のポーズを、高校生がやっていると、恥ずかしいな。
 しかしそうも言ってらんない。

「先に言っておく!お前はここで死ぬんだ」

 風が吹いていた。
 そして風が砂と土埃を巻き上げ、見えなくなる。

「参上!アンパンドライバー!」

 こいつネーミングセンスなんとかならんか?
 ダサすぎて何も言えない。
 しかも下は特撮の衣装ぽいのに、顔面アンパンってどういうセンス。

「存在がネタな奴って扱いに困る」

「気をつけろ明石。こういうよくわからないやつに限って強いんだ」

 まぁな。
 どれどれ?
 とりあえずステータスを拝見。

――――――――――――
名前 アンパンドライバー

ジョブ ヒーロー

状態 健康

レベル 134

HP 100000/100000
SP 78000/78000
筋力 456987
俊敏 654213
技量 134697

スキル
無詠唱 ファイナルドライブフィニッシュ アンパンラリアット セーブ機能 スキルツリー スキルポイント獲得 ジョブチェンジシステム
――――――――――――

 うん。
 なんか今までの敵が強すぎて、低く感じる。
 まぁいいや。
 殺すだけだ。
 クラスメイトを殺すのは気が引け――――――ないな。
 別に接点ないしそこまで。

「まさか宍倉が勇者とはね」

「勇者?何言ってんだ?これはゲームだから主人公だろ?」

 そういや河野薫も僕の主人公の世界へようこそ?とか言ってたな。
 じゃあ勇者じゃない?
 わからない。
 でもスキルを持っていて、一般人のステータスじゃないことはたしかだ。
 つまり殺害対象であることに変わりは無い。

<Are you ready?>

「OKだぜ」

「ん?」

 前となんかアナウンスが違うな。
 どういうことだ?
 
<User Challenge Mode Lets Fight!>

 ユーザーチャレンジモード?
 なんだほんとに。

「いーっし!第1ラウンドセット!2P設定。明石光」

「な、なんだ?」

 次の瞬間には、青谷が消えていった。
 一対一!?

「やぱりサシで勝負しねぇとな!ボコボコにしてやるよ」

「なんだかよくわかんないが、青谷をどこへやった?」

「今まで気づかなかったが、そっちが本当の口調か」

 話しはする気はないようだな。
 殺してから考えるか。
 ――――――パパパン!
 早撃ち三連射で先制だ。

「飛び道具ね。格ゲーにはよくあるな」

 格ゲー?
 もしゲームの世界で闘っているとしたら、ここは格ゲーの世界か?

「シュッシュ!アンパーン!ラリアアアアアット!」

 ダンダンダン!
 弾丸をすべて撃ち落とした。
 どんな肉体してるんだ?

「意外と痛いな」

「弾丸弾いといてよく言うよ」

 影斬で切り刻むか。
 そう思ってると、ダンっ!って音がしてくるくると跳ぶ。
 空中で静止して、こちらの方に飛びかかってくる。
 
「ファイナルドライブフィニッシュゥゥゥゥゥゥゥ!」

「〇イダーキックだろそれ」

 俺は影斬で、足を掴み止める。
 残念ながらスキルを使っても、影斬を突破はできなかったようだ。

「残念」

「何だそのスキル!?聞いてないぞ!?」

 聞いてないもなにも、スキルなんて見たところで、言葉から想像するしかないわけだ。
 その事実は変わらない。

「人生はそんなに甘くないんだよ」

 脳天に弾丸を撃ち込む。

<Game over>

<You Lose>

 倒しただけで、殺せてないんだろうなぁ。

<Continue?>

 ほらっ。
 厄介過ぎるな。

<OK.Respawn now>

「格ゲーなのに、飛び道具ってズリィよな」

 ――――――パチン。
 宍倉が指を弾くと、俺の持っていた拳銃が消える。
 どこまでもアウェイ空間なのかここは!

「さぁ、第二ラウンドだ」

<Standby!>

<3>

<2>

<1>

<Ready Go!>

 武器を持たない以上俺はステータスが低い。
 素手で殴り合うには危険すぎる!
 今までで、最悪に不利な闘いが始まる。
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