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第37話 祝賀パーティー ★カミル SIDE
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王家主催の祝賀パーティーには、今日は国王陛下もいらっしゃる予定となっている。
「カミル殿下!無事に討伐出来た様で、なりよりです」
「あぁ、皆んなのお陰だよ。作戦が功を奏したんだ」
和やかに終わるはずも無いのは分かっているが、面倒な者達が近くまで来ているのに気がつく。リオの手に軽く触れて気をつける様に促す。早速、ヒソヒソと僕を屠りたい者達がケチをつけにやって来たね。
「本当に殲滅出来たのですか?」
「それにしてはお早いお帰りでしたよね」
「とても数が少なかったとか?」
「何匹ぐらいだったのでしょう?」
今は勝手に言わせておく。しっかり対策は取ってあるから、陛下の御言葉を賜るまでは発言しない予定だ。
「何も仰らないのは、肯定ですかな?」
「その程度のスタンピードなど、我々でも対処出来たのでは?」
「では、第二陣は是非、貴方方が行かれては如何でしょう?」
リオが満面の笑顔で言う。どうせ兵を金で買って、自分達は出て来ないんだろうけどね。良い気味だ。
「はぁ?女に何が出来る?今回も、殿下に守られるだけで、ただのお荷物だったんだろう?偉そうなモノを言いやがって!」
「おい、何と言った?」
スタンピードに関しては何も発言する気は無いが、リオに絡むのであれば容赦はしないよ。
「そ、その、今回の功労者は殿下だと……」
「はぁ、違うよ。今回の功労者は、僕の最愛の婚約者である、リオ=カミキだからね」
「そんな馬鹿な!女に何が出来る!」
「男尊女卑も甚だしいわね……この国は、そんなに男性が偉いの?」
「そんな事無いよ、リオ。何代か前の国王は女性だったんだよ。素晴らしい女王だったんだ」
「あぁ、そうでしたわね。デュルギス王国の歴史書12冊目に載ってましたわ。強い女性って憧れるわ」
充分に強い女性であると思うとは言わないでおく。恐らく、リオの言う『強い』は、心の方だろうからね。
適当に口さがない者達をあしらいつつ過ごしていると、宰相が声を上げているようだ。陛下がおはなしになるのだろう。会場が静かになる。
「第三王子カミル、その婚約者リオ=カミキ、前へ」
陛下に呼ばれたので前へ出る。人が両側に避け、道ができる。
「第三王子カミル=デュルギス、馳せ参じました」
「カミル殿下の婚約者リオ=カミキ、参上致しました」
2人で揃ってカーテシーを行う。
「良くぞ参った。この度の活躍、大義であった」
「「有難う存じます」」
「第三王子カミル、そして婚約者リオ=カミキの功績を認め、第三王子カミルを正式に王太子とする!」
ここで発表するとは聞いていなかったが、まぁ良いか。陛下も第二王子を担がれる事を懸念していらしたし。
「謹んで、拝命させていただきます」
これで陛下の発言は覆らない。僕の発言も同じく。
「陛下!発言の許可を!」
「構わん」
「カミル殿下が、今回のスタンピードで魔物を殲滅したと仰っておられますが、あまりの早さに皆困惑しております!大した数がいなかったか、殲滅出来ていないか。ほんの半日で終えられる程度の功績で立太子するのは如何なものかと」
「ふむ。では、どれだけの数を屠っていれば功績と言えるだろうか?」
「最低でも10万でしょう」
「カミルよ、今回のスタンピードの魔物数は如何程だった」
「目測ですが、50万はいたかと」
「50万を半日では無理がありましょう!」
「侯爵殿、半日ではありません。魔物が現れてから殲滅するまでに3時間程です。準備などに数時間掛かりましたので、城を空けたのは半日となりますが」
「50万の魔物を3時間で屠れる訳が無い!」
無理も何も、達成したものをとやかく言われてもね?陛下が深いため息を吐かれた。
「はぁ――。このままでは押し問答だな。カミル、証拠を見せて差し上げたらどうだ」
「かしこまりました。デューク!」
「はっ!こちらです」
こんな事もあろうかと、リオが考えた動画を撮る水晶をデュークに持たせていた。派手な魔法を放ってる場面だけで良いだろうが、ある程度長く映して黙らせよう。
「リオ、君が言ってたスクリーン?頼めるかい?」
「えぇ、任せて」
リオは水魔法で会場の側面に大きなスクリーンを張った。リオの魔力量であれば、自然回復で魔力は賄えるらしい……それに、結界を薄く均一に張れるリオは、スクリーンも綺麗に張る事が出来るのだ。
「それでは映します」
何が行われてるのか分からない参加者達は、固唾を飲んで見守っている。程なくして映像が映される。勿論、僕とリオが上級魔法をガンガン撃ち込んでいる場面だ。
デュークは右の防御壁の真ん中辺りにいたので、僕とリオはしっかり真正面から映されていた。見間違えようも無い程、ハッキリと顔まで分かる。
魔物の数も、パッと見で多いと分かるだろう。15分程見た辺りで、陛下がおはなしになられた。
「これを見てもカミルの功績とは言えないかね?」
侯爵は「そんな馬鹿な……」と呟いているが、陛下の問いには答えられないでいた。
「よいか、王太子となる功績として不服のある者は、今この場へ参れ。無ければ、これは決定事項とする!」
これで取り敢えずの問題は解決しただろう。陛下もご満悦のようだし、後2回来るスタンピードの対策を練るだけだ。スタンピードの脅威が去れば、晴れてリオと結婚出来るのだから頑張れる。
陛下の元から下がると、リズとリズの父親の公爵閣下が挨拶に来た。公爵から来てくれるのは有難い。
「カミル殿下、この度の御活躍と王太子への任命、おめでとうございます!」
「カミル殿下、リオ、おめでとうございます!」
「ありがとう、公爵閣下、リズ」
「ありがとうございます、公爵閣下、リズ」
「カミキ様、リズと仲良くしてくださりありがとうございます。最近は毎日のようにカミキ様の事を嬉しそうに話してくれるのですよ」
「こちらこそ。リズには大変良くして貰っています。この世界での初めてのお友達ですの。どんなお話をお聞きになったのか……少し心配ですわ」
リオが戯けてリズにウィンクする。本当に2人は仲良くなったね。最近もリオの部屋に遊びに来てくれているらしい。もっと早くに紹介してあげたら良かったね。
「リオ、また後でね。殿下とリオに挨拶したい人が沢山いるみたいだわ」
「えぇ、また後でね」
他の貴族達も続々と挨拶に訪れる。リオが疲れて無いか心配だが、一通りの挨拶が終わるまでは我慢して貰うしか無い。王太子妃になるのだから、最低限は顔を合わせておく必要があるからね……
何とか怒涛の挨拶を乗り切り、壁側へ移動して飲み物を口にする。そこへやって来たのは、第一王子とその婚約者だ。第一王子はとても顔色が悪い。第二陣は第一王子だからだろうか。
「カミル、王太子の任命、おめでとう。折り入って相談があるのだが……」
「パーティーも終盤ですし、終わったら僕の執務室で話しますか?」
「ありがとう。弟に迷惑を掛けるなんて、兄として情け無い限りだよ……」
「そんな事はありません。兄弟なのですから、助け合いましょう。僕の方でも話しは聞いています。とあるお方にも頼まれていますので、安心してください」
出来るだけ穏やかに、不安にさせないよう心掛けながら話をする。かなり精神的に参っているのだろう、顔が青白い。
もっと早くに相談してくれたらと思うが、恐らく映像を見て驚いたのだろう。あれだけの数が押し寄せて来ると分かってしまったら、助言が欲しいのは当然だと思う。リオの練習装置に助けて貰うかな……
それだけでは厳しい気もするが。何せ、動画の上級魔法の7割はリオが放った魔法だ。無詠唱だから、全て僕が撃ってる様に見えるんだけどね。
リオが、自分は動画上では死角になる位置からこっそりと撃った方が良いのでは?と助言して来たのだ。自分が目立つと面倒なのでは無いかと……
早く倒してしまいたかったが、リオの魔法無しではスピードが落ちる事は理解していたからね。リオの提案によって、今回の動画は僕が活躍する事になったのだ。
リオは先を見て行動出来る。王妃としての能力を既に持ち合わせていると陛下にも報告してあるから、今回の王太子もすんなり決定したのだった。
「カミル殿下!無事に討伐出来た様で、なりよりです」
「あぁ、皆んなのお陰だよ。作戦が功を奏したんだ」
和やかに終わるはずも無いのは分かっているが、面倒な者達が近くまで来ているのに気がつく。リオの手に軽く触れて気をつける様に促す。早速、ヒソヒソと僕を屠りたい者達がケチをつけにやって来たね。
「本当に殲滅出来たのですか?」
「それにしてはお早いお帰りでしたよね」
「とても数が少なかったとか?」
「何匹ぐらいだったのでしょう?」
今は勝手に言わせておく。しっかり対策は取ってあるから、陛下の御言葉を賜るまでは発言しない予定だ。
「何も仰らないのは、肯定ですかな?」
「その程度のスタンピードなど、我々でも対処出来たのでは?」
「では、第二陣は是非、貴方方が行かれては如何でしょう?」
リオが満面の笑顔で言う。どうせ兵を金で買って、自分達は出て来ないんだろうけどね。良い気味だ。
「はぁ?女に何が出来る?今回も、殿下に守られるだけで、ただのお荷物だったんだろう?偉そうなモノを言いやがって!」
「おい、何と言った?」
スタンピードに関しては何も発言する気は無いが、リオに絡むのであれば容赦はしないよ。
「そ、その、今回の功労者は殿下だと……」
「はぁ、違うよ。今回の功労者は、僕の最愛の婚約者である、リオ=カミキだからね」
「そんな馬鹿な!女に何が出来る!」
「男尊女卑も甚だしいわね……この国は、そんなに男性が偉いの?」
「そんな事無いよ、リオ。何代か前の国王は女性だったんだよ。素晴らしい女王だったんだ」
「あぁ、そうでしたわね。デュルギス王国の歴史書12冊目に載ってましたわ。強い女性って憧れるわ」
充分に強い女性であると思うとは言わないでおく。恐らく、リオの言う『強い』は、心の方だろうからね。
適当に口さがない者達をあしらいつつ過ごしていると、宰相が声を上げているようだ。陛下がおはなしになるのだろう。会場が静かになる。
「第三王子カミル、その婚約者リオ=カミキ、前へ」
陛下に呼ばれたので前へ出る。人が両側に避け、道ができる。
「第三王子カミル=デュルギス、馳せ参じました」
「カミル殿下の婚約者リオ=カミキ、参上致しました」
2人で揃ってカーテシーを行う。
「良くぞ参った。この度の活躍、大義であった」
「「有難う存じます」」
「第三王子カミル、そして婚約者リオ=カミキの功績を認め、第三王子カミルを正式に王太子とする!」
ここで発表するとは聞いていなかったが、まぁ良いか。陛下も第二王子を担がれる事を懸念していらしたし。
「謹んで、拝命させていただきます」
これで陛下の発言は覆らない。僕の発言も同じく。
「陛下!発言の許可を!」
「構わん」
「カミル殿下が、今回のスタンピードで魔物を殲滅したと仰っておられますが、あまりの早さに皆困惑しております!大した数がいなかったか、殲滅出来ていないか。ほんの半日で終えられる程度の功績で立太子するのは如何なものかと」
「ふむ。では、どれだけの数を屠っていれば功績と言えるだろうか?」
「最低でも10万でしょう」
「カミルよ、今回のスタンピードの魔物数は如何程だった」
「目測ですが、50万はいたかと」
「50万を半日では無理がありましょう!」
「侯爵殿、半日ではありません。魔物が現れてから殲滅するまでに3時間程です。準備などに数時間掛かりましたので、城を空けたのは半日となりますが」
「50万の魔物を3時間で屠れる訳が無い!」
無理も何も、達成したものをとやかく言われてもね?陛下が深いため息を吐かれた。
「はぁ――。このままでは押し問答だな。カミル、証拠を見せて差し上げたらどうだ」
「かしこまりました。デューク!」
「はっ!こちらです」
こんな事もあろうかと、リオが考えた動画を撮る水晶をデュークに持たせていた。派手な魔法を放ってる場面だけで良いだろうが、ある程度長く映して黙らせよう。
「リオ、君が言ってたスクリーン?頼めるかい?」
「えぇ、任せて」
リオは水魔法で会場の側面に大きなスクリーンを張った。リオの魔力量であれば、自然回復で魔力は賄えるらしい……それに、結界を薄く均一に張れるリオは、スクリーンも綺麗に張る事が出来るのだ。
「それでは映します」
何が行われてるのか分からない参加者達は、固唾を飲んで見守っている。程なくして映像が映される。勿論、僕とリオが上級魔法をガンガン撃ち込んでいる場面だ。
デュークは右の防御壁の真ん中辺りにいたので、僕とリオはしっかり真正面から映されていた。見間違えようも無い程、ハッキリと顔まで分かる。
魔物の数も、パッと見で多いと分かるだろう。15分程見た辺りで、陛下がおはなしになられた。
「これを見てもカミルの功績とは言えないかね?」
侯爵は「そんな馬鹿な……」と呟いているが、陛下の問いには答えられないでいた。
「よいか、王太子となる功績として不服のある者は、今この場へ参れ。無ければ、これは決定事項とする!」
これで取り敢えずの問題は解決しただろう。陛下もご満悦のようだし、後2回来るスタンピードの対策を練るだけだ。スタンピードの脅威が去れば、晴れてリオと結婚出来るのだから頑張れる。
陛下の元から下がると、リズとリズの父親の公爵閣下が挨拶に来た。公爵から来てくれるのは有難い。
「カミル殿下、この度の御活躍と王太子への任命、おめでとうございます!」
「カミル殿下、リオ、おめでとうございます!」
「ありがとう、公爵閣下、リズ」
「ありがとうございます、公爵閣下、リズ」
「カミキ様、リズと仲良くしてくださりありがとうございます。最近は毎日のようにカミキ様の事を嬉しそうに話してくれるのですよ」
「こちらこそ。リズには大変良くして貰っています。この世界での初めてのお友達ですの。どんなお話をお聞きになったのか……少し心配ですわ」
リオが戯けてリズにウィンクする。本当に2人は仲良くなったね。最近もリオの部屋に遊びに来てくれているらしい。もっと早くに紹介してあげたら良かったね。
「リオ、また後でね。殿下とリオに挨拶したい人が沢山いるみたいだわ」
「えぇ、また後でね」
他の貴族達も続々と挨拶に訪れる。リオが疲れて無いか心配だが、一通りの挨拶が終わるまでは我慢して貰うしか無い。王太子妃になるのだから、最低限は顔を合わせておく必要があるからね……
何とか怒涛の挨拶を乗り切り、壁側へ移動して飲み物を口にする。そこへやって来たのは、第一王子とその婚約者だ。第一王子はとても顔色が悪い。第二陣は第一王子だからだろうか。
「カミル、王太子の任命、おめでとう。折り入って相談があるのだが……」
「パーティーも終盤ですし、終わったら僕の執務室で話しますか?」
「ありがとう。弟に迷惑を掛けるなんて、兄として情け無い限りだよ……」
「そんな事はありません。兄弟なのですから、助け合いましょう。僕の方でも話しは聞いています。とあるお方にも頼まれていますので、安心してください」
出来るだけ穏やかに、不安にさせないよう心掛けながら話をする。かなり精神的に参っているのだろう、顔が青白い。
もっと早くに相談してくれたらと思うが、恐らく映像を見て驚いたのだろう。あれだけの数が押し寄せて来ると分かってしまったら、助言が欲しいのは当然だと思う。リオの練習装置に助けて貰うかな……
それだけでは厳しい気もするが。何せ、動画の上級魔法の7割はリオが放った魔法だ。無詠唱だから、全て僕が撃ってる様に見えるんだけどね。
リオが、自分は動画上では死角になる位置からこっそりと撃った方が良いのでは?と助言して来たのだ。自分が目立つと面倒なのでは無いかと……
早く倒してしまいたかったが、リオの魔法無しではスピードが落ちる事は理解していたからね。リオの提案によって、今回の動画は僕が活躍する事になったのだ。
リオは先を見て行動出来る。王妃としての能力を既に持ち合わせていると陛下にも報告してあるから、今回の王太子もすんなり決定したのだった。
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