【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

文字の大きさ
37 / 211

第37話 祝賀パーティー ★カミル SIDE

しおりを挟む
 王家主催の祝賀パーティーには、今日は国王陛下もいらっしゃる予定となっている。

「カミル殿下!無事に討伐出来た様で、なりよりです」

「あぁ、皆んなのお陰だよ。作戦が功を奏したんだ」

 和やかに終わるはずも無いのは分かっているが、面倒な者達が近くまで来ているのに気がつく。リオの手に軽く触れて気をつける様に促す。早速、ヒソヒソと僕を屠りたい者達がケチをつけにやって来たね。

「本当に殲滅出来たのですか?」

「それにしてはお早いお帰りでしたよね」

「とても数が少なかったとか?」

「何匹ぐらいだったのでしょう?」

 今は勝手に言わせておく。しっかり対策は取ってあるから、陛下の御言葉を賜るまでは発言しない予定だ。

「何も仰らないのは、肯定ですかな?」

「その程度のスタンピードなど、我々でも対処出来たのでは?」

「では、第二陣は是非、貴方方が行かれては如何でしょう?」

 リオが満面の笑顔で言う。どうせ兵を金で買って、自分達は出て来ないんだろうけどね。良い気味だ。

「はぁ?女に何が出来る?今回も、殿下に守られるだけで、ただのお荷物だったんだろう?偉そうなモノを言いやがって!」

「おい、何と言った?」

 スタンピードに関しては何も発言する気は無いが、リオに絡むのであれば容赦はしないよ。

「そ、その、今回の功労者は殿下だと……」

「はぁ、違うよ。今回の功労者は、僕の最愛の婚約者である、リオ=カミキだからね」

「そんな馬鹿な!女に何が出来る!」

「男尊女卑も甚だしいわね……この国は、そんなに男性が偉いの?」

「そんな事無いよ、リオ。何代か前の国王は女性だったんだよ。素晴らしい女王だったんだ」

「あぁ、そうでしたわね。デュルギス王国の歴史書12冊目に載ってましたわ。強い女性って憧れるわ」

 充分に強い女性であると思うとは言わないでおく。恐らく、リオの言う『強い』は、心の方だろうからね。

 適当に口さがない者達をあしらいつつ過ごしていると、宰相が声を上げているようだ。陛下がおはなしになるのだろう。会場が静かになる。

「第三王子カミル、その婚約者リオ=カミキ、前へ」

 陛下に呼ばれたので前へ出る。人が両側に避け、道ができる。

「第三王子カミル=デュルギス、馳せ参じました」

「カミル殿下の婚約者リオ=カミキ、参上致しました」

 2人で揃ってカーテシーを行う。

「良くぞ参った。この度の活躍、大義であった」

「「有難う存じます」」

「第三王子カミル、そして婚約者リオ=カミキの功績を認め、第三王子カミルを正式に王太子とする!」

 ここで発表するとは聞いていなかったが、まぁ良いか。陛下も第二王子を担がれる事を懸念していらしたし。

「謹んで、拝命させていただきます」

 これで陛下の発言は覆らない。僕の発言も同じく。

「陛下!発言の許可を!」

「構わん」

「カミル殿下が、今回のスタンピードで魔物を殲滅したと仰っておられますが、あまりの早さに皆困惑しております!大した数がいなかったか、殲滅出来ていないか。ほんの半日で終えられる程度の功績で立太子するのは如何なものかと」

「ふむ。では、どれだけの数を屠っていれば功績と言えるだろうか?」

「最低でも10万でしょう」

「カミルよ、今回のスタンピードの魔物数は如何程いかほどだった」

「目測ですが、50万はいたかと」

「50万を半日では無理がありましょう!」

「侯爵殿、半日ではありません。魔物が現れてから殲滅するまでに3時間程です。準備などに数時間掛かりましたので、城を空けたのは半日となりますが」

「50万の魔物を3時間で屠れる訳が無い!」

 無理も何も、達成したものをとやかく言われてもね?陛下が深いため息を吐かれた。

「はぁ――。このままでは押し問答だな。カミル、証拠を見せて差し上げたらどうだ」

「かしこまりました。デューク!」

「はっ!こちらです」

 こんな事もあろうかと、リオが考えた動画を撮る水晶をデュークに持たせていた。派手な魔法を放ってる場面だけで良いだろうが、ある程度長く映して黙らせよう。

「リオ、君が言ってたスクリーン?頼めるかい?」

「えぇ、任せて」

 リオは水魔法で会場の側面に大きなスクリーンを張った。リオの魔力量であれば、自然回復で魔力は賄えるらしい……それに、結界を薄く均一に張れるリオは、スクリーンも綺麗に張る事が出来るのだ。

「それでは映します」

 何が行われてるのか分からない参加者達は、固唾を飲んで見守っている。程なくして映像が映される。勿論、僕とリオが上級魔法をガンガン撃ち込んでいる場面だ。

 デュークは右の防御壁の真ん中辺りにいたので、僕とリオはしっかり真正面から映されていた。見間違えようも無い程、ハッキリと顔まで分かる。

 魔物の数も、パッと見で多いと分かるだろう。15分程見た辺りで、陛下がおはなしになられた。

「これを見てもカミルの功績とは言えないかね?」

 侯爵は「そんな馬鹿な……」と呟いているが、陛下の問いには答えられないでいた。

「よいか、王太子となる功績として不服のある者は、今この場へ参れ。無ければ、これは決定事項とする!」

 これで取り敢えずの問題は解決しただろう。陛下もご満悦のようだし、後2回来るスタンピードの対策を練るだけだ。スタンピードの脅威が去れば、晴れてリオと結婚出来るのだから頑張れる。

 陛下の元から下がると、リズとリズの父親の公爵閣下が挨拶に来た。公爵から来てくれるのは有難い。

「カミル殿下、この度の御活躍と王太子への任命、おめでとうございます!」

「カミル殿下、リオ、おめでとうございます!」

「ありがとう、公爵閣下、リズ」

「ありがとうございます、公爵閣下、リズ」

「カミキ様、リズと仲良くしてくださりありがとうございます。最近は毎日のようにカミキ様の事を嬉しそうに話してくれるのですよ」

「こちらこそ。リズには大変良くして貰っています。この世界での初めてのお友達ですの。どんなお話をお聞きになったのか……少し心配ですわ」

 リオが戯けてリズにウィンクする。本当に2人は仲良くなったね。最近もリオの部屋に遊びに来てくれているらしい。もっと早くに紹介してあげたら良かったね。

「リオ、また後でね。殿下とリオに挨拶したい人が沢山いるみたいだわ」

「えぇ、また後でね」

 他の貴族達も続々と挨拶に訪れる。リオが疲れて無いか心配だが、一通りの挨拶が終わるまでは我慢して貰うしか無い。王太子妃になるのだから、最低限は顔を合わせておく必要があるからね……

 何とか怒涛の挨拶を乗り切り、壁側へ移動して飲み物を口にする。そこへやって来たのは、第一王子とその婚約者だ。第一王子はとても顔色が悪い。第二陣は第一王子だからだろうか。

「カミル、王太子の任命、おめでとう。折り入って相談があるのだが……」

「パーティーも終盤ですし、終わったら僕の執務室で話しますか?」

「ありがとう。弟に迷惑を掛けるなんて、兄として情け無い限りだよ……」

「そんな事はありません。兄弟なのですから、助け合いましょう。僕の方でも話しは聞いています。とあるお方にも頼まれていますので、安心してください」

 出来るだけ穏やかに、不安にさせないよう心掛けながら話をする。かなり精神的に参っているのだろう、顔が青白い。
 
 もっと早くに相談してくれたらと思うが、恐らく映像を見て驚いたのだろう。あれだけの数が押し寄せて来ると分かってしまったら、助言が欲しいのは当然だと思う。リオの練習装置に助けて貰うかな……

 それだけでは厳しい気もするが。何せ、動画の上級魔法の7割はリオが放った魔法だ。無詠唱だから、全て僕が撃ってる様に見えるんだけどね。

 リオが、自分は動画上では死角になる位置からこっそりと撃った方が良いのでは?と助言して来たのだ。自分が目立つと面倒なのでは無いかと……

 早く倒してしまいたかったが、リオの魔法無しではスピードが落ちる事は理解していたからね。リオの提案によって、今回の動画は僕が活躍する事になったのだ。

 リオは先を見て行動出来る。王妃としての能力を既に持ち合わせていると陛下にも報告してあるから、今回の王太子もすんなり決定したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~

灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」 魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。 彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。 遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。 歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか? 己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。 そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。 そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。 例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。 過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る! 異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕! ――なろう・カクヨムでも連載中――

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...