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第171話 王妃、猫を飼う ★リオ SIDE
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今日は黒猫の姿となり、メルの腕の中で揺られながら、王妃様の診察に向かう初めての日となった。メルを味方に引き入れてから数日経つが、その間に秘密のメモを王妃様に渡してもらっていた。その内容は、『朝の電話でとある許可を出すから、そのまま話しの流れに乗って欲しい』と言うものだった。
その電話では、「オリビアは猫を飼いたいと言っていたであろう?私には月に1度しか会えず、寂しい思いをしているだろうからと、主治医から許可を貰っておいたから楽しみにしておくと良い。大人しくて可愛らしい黒猫を、昼にでも届ける様に言っておくからな」と。
王妃様は、よく分かっておられなかった様だが、「ええ、まぁ、本当に?ありがとうございます。とても楽しみですわ」と話しを合わせてくださった。さすが仲の良い夫婦だと感心したのだった。
今朝方、そんなやり取りをなさった王妃様の元へ向かう。私は部屋に頻繁に出入りするのだから、それなりに主治医にも媚びる必要があるのだが、それだけが気に食わないのよね。知らない殿方に触られたく無いじゃない?どうやって躱そうかしらね。最悪は違う色の猫になって再度チャレンジしようかしらね。
メルが扉を軽くコンコンと叩くと、「どうぞ」と王妃様の返答があった。私を抱いてる事で両手が塞がっているメルを見て、扉を守っていた騎士が扉を開けてくれた。王妃様の護衛も主人に似て優しい人が多いのかもね。
「王妃様、お待たせいたしました。こちらが陛下からの贈り物です。名前は『リリィ』と言うそうですよ」
王妃様はピンと来た様で、顔がパァッと明るくなり、猫の私に優しく微笑んでくださった。リリィは私の偽名だと知っていらっしゃったのだろう。手を伸ばし、私を優しい手つきで受け取ると、首元をわしゃわしゃとマッサージする様に撫でてくださったわ。
「可愛らしい黒猫ちゃん。リリィちゃんだったわね。今日からよろしくね。陛下が仰ってた通り、とっても大人しい良い子ね!とっても嬉しいわ。夜の電話で陛下に感謝を伝えなきゃね」
メルに「下がって良いわよ、ありがとう」と微笑んでから、主治医が退室なさるまでの間、王妃様が優しく撫で続けてくださるものだから……最近の疲れもあって、爆睡しちゃってたわ。主治医が扉を閉める時の音で目覚めた感じね。
「あれ……?あ、王妃様、おはようございます……?」
「ふふっ、良く眠れたみたいね?おはよう、リオちゃん。来てくれてありがとうね。このまま猫の姿で治療するのかしら?」
寝ぼけていた私の頭は一気に覚醒したわよ。王妃様の膝の上でのんびり昼寝なんて、どんだけ図太いのよ私……
「その方がよろしいのであれば、猫の姿で治療する事は可能ですよ。急に扉を開かれた時の事を考えると、その方が良さそうですよね?」
「ふふっ、リオちゃんでもリリィちゃんでも、どちらも可愛らしいから迷うわぁ。リスクを考えるとリリィちゃんの姿の方が安心ではあるわね。わたくしがこの部屋を出る事が許される日まで、リリィちゃんとして会いに来てくれるかしら?」
王妃様のお膝で昼寝なんて失態を犯した私を怒りもせず、優しく接してくださるなんて、さすがはカミルの御母堂様よね。穏やかな言動も雰囲気も良く似ていて安心するわ。
「勿論です、王妃様。服で隠れて見えてない場所から順番に、王妃様の体力に合わせて治療して行きます。顔と腕以外の治療が済んでからは、陛下とカミルの準備が整い、断罪出来る事が確実になってから痣を消しますね。恐らく、体の治療を進めて行けば、呪いはほぼ効力を持たない状態で、痣だけが残ると思われますので御安心くださいね」
「そうなのね、分かったわ。今日からよろしくお願いします。それにしても、猫の姿で治療しに来てくれるなんてね?ふふっ。やっぱり貴女は最高だわ!わたくしも良い姑を目指すから仲良くしてね」
王妃様が、私の手を握って軽く振り、嬉しそうに笑っている。今の私は猫の姿だから手も小さいのだけど、王妃様も猫好きなのかしら?先程から肉球をずっとプニプニなさっているのよね。これが無意識なのであれば、きっとご実家で猫を飼っていらしたのだと思うわ。今度カミルに聞いてみようかしらね。
「こちらこそ、不束な嫁……はまだですね。不束な婚約者ですが、よろしくお願いします」
「ふふっ、もうお嫁さんに来てもらうのは確定してるのだから、『嫁』で問題無いわよ。ギルもあんなに楽しそうにリオちゃんの話しをしているしね。もう覆らないわ。最近ではカミルの話しより、リオちゃんの話題の方が多いくらいよ?」
「えっと?恐れ入ります?」
「ふふっ。遠慮しながらも物怖じしないものね、リオちゃんは。ギルバートやカミルが言ってた通り、リオちゃんは王妃の器ね。安心してカミルを任せられるわ」
どうやら嫁と認めて貰えたようで良かったわ。恐らく王妃様の全身の治療が終わるまで2か月程度かかると思うから、それまでに元凶を見つけたり、呪術師達を集めた中から探したりしなければならないわね。何としても私とカミルの結婚式までに解決させて、王妃様にもお祝いして貰いたいものね。
「では王妃様、本日も治療を始めて行きますね。痛かったり気持ち悪くなられた時は、遠慮なく早めに教えて頂けると助かります」
「ええ、分かったわ。よろしくね、リオちゃん」
王妃様の体力を考慮すると、治療できる時間は2時間程度。まだ腰の痛みも少し残っている様だから、腰から痛みの強い順に治療して行こうと思っているわ。そうやってゆっくりと治療しながら、カミルの小さい時の話しなどを聞かせて貰いつつ、楽しく治療を進めて行く。今後は何度も治療に訪れる事になるわけだが、王妃様が優しく良い人で話題も尽きないから、あっという間に2ヶ月の治療は終わりそうね。カミルの御母堂様を私が治療できる事を、女神様に心から感謝するのだった。
その電話では、「オリビアは猫を飼いたいと言っていたであろう?私には月に1度しか会えず、寂しい思いをしているだろうからと、主治医から許可を貰っておいたから楽しみにしておくと良い。大人しくて可愛らしい黒猫を、昼にでも届ける様に言っておくからな」と。
王妃様は、よく分かっておられなかった様だが、「ええ、まぁ、本当に?ありがとうございます。とても楽しみですわ」と話しを合わせてくださった。さすが仲の良い夫婦だと感心したのだった。
今朝方、そんなやり取りをなさった王妃様の元へ向かう。私は部屋に頻繁に出入りするのだから、それなりに主治医にも媚びる必要があるのだが、それだけが気に食わないのよね。知らない殿方に触られたく無いじゃない?どうやって躱そうかしらね。最悪は違う色の猫になって再度チャレンジしようかしらね。
メルが扉を軽くコンコンと叩くと、「どうぞ」と王妃様の返答があった。私を抱いてる事で両手が塞がっているメルを見て、扉を守っていた騎士が扉を開けてくれた。王妃様の護衛も主人に似て優しい人が多いのかもね。
「王妃様、お待たせいたしました。こちらが陛下からの贈り物です。名前は『リリィ』と言うそうですよ」
王妃様はピンと来た様で、顔がパァッと明るくなり、猫の私に優しく微笑んでくださった。リリィは私の偽名だと知っていらっしゃったのだろう。手を伸ばし、私を優しい手つきで受け取ると、首元をわしゃわしゃとマッサージする様に撫でてくださったわ。
「可愛らしい黒猫ちゃん。リリィちゃんだったわね。今日からよろしくね。陛下が仰ってた通り、とっても大人しい良い子ね!とっても嬉しいわ。夜の電話で陛下に感謝を伝えなきゃね」
メルに「下がって良いわよ、ありがとう」と微笑んでから、主治医が退室なさるまでの間、王妃様が優しく撫で続けてくださるものだから……最近の疲れもあって、爆睡しちゃってたわ。主治医が扉を閉める時の音で目覚めた感じね。
「あれ……?あ、王妃様、おはようございます……?」
「ふふっ、良く眠れたみたいね?おはよう、リオちゃん。来てくれてありがとうね。このまま猫の姿で治療するのかしら?」
寝ぼけていた私の頭は一気に覚醒したわよ。王妃様の膝の上でのんびり昼寝なんて、どんだけ図太いのよ私……
「その方がよろしいのであれば、猫の姿で治療する事は可能ですよ。急に扉を開かれた時の事を考えると、その方が良さそうですよね?」
「ふふっ、リオちゃんでもリリィちゃんでも、どちらも可愛らしいから迷うわぁ。リスクを考えるとリリィちゃんの姿の方が安心ではあるわね。わたくしがこの部屋を出る事が許される日まで、リリィちゃんとして会いに来てくれるかしら?」
王妃様のお膝で昼寝なんて失態を犯した私を怒りもせず、優しく接してくださるなんて、さすがはカミルの御母堂様よね。穏やかな言動も雰囲気も良く似ていて安心するわ。
「勿論です、王妃様。服で隠れて見えてない場所から順番に、王妃様の体力に合わせて治療して行きます。顔と腕以外の治療が済んでからは、陛下とカミルの準備が整い、断罪出来る事が確実になってから痣を消しますね。恐らく、体の治療を進めて行けば、呪いはほぼ効力を持たない状態で、痣だけが残ると思われますので御安心くださいね」
「そうなのね、分かったわ。今日からよろしくお願いします。それにしても、猫の姿で治療しに来てくれるなんてね?ふふっ。やっぱり貴女は最高だわ!わたくしも良い姑を目指すから仲良くしてね」
王妃様が、私の手を握って軽く振り、嬉しそうに笑っている。今の私は猫の姿だから手も小さいのだけど、王妃様も猫好きなのかしら?先程から肉球をずっとプニプニなさっているのよね。これが無意識なのであれば、きっとご実家で猫を飼っていらしたのだと思うわ。今度カミルに聞いてみようかしらね。
「こちらこそ、不束な嫁……はまだですね。不束な婚約者ですが、よろしくお願いします」
「ふふっ、もうお嫁さんに来てもらうのは確定してるのだから、『嫁』で問題無いわよ。ギルもあんなに楽しそうにリオちゃんの話しをしているしね。もう覆らないわ。最近ではカミルの話しより、リオちゃんの話題の方が多いくらいよ?」
「えっと?恐れ入ります?」
「ふふっ。遠慮しながらも物怖じしないものね、リオちゃんは。ギルバートやカミルが言ってた通り、リオちゃんは王妃の器ね。安心してカミルを任せられるわ」
どうやら嫁と認めて貰えたようで良かったわ。恐らく王妃様の全身の治療が終わるまで2か月程度かかると思うから、それまでに元凶を見つけたり、呪術師達を集めた中から探したりしなければならないわね。何としても私とカミルの結婚式までに解決させて、王妃様にもお祝いして貰いたいものね。
「では王妃様、本日も治療を始めて行きますね。痛かったり気持ち悪くなられた時は、遠慮なく早めに教えて頂けると助かります」
「ええ、分かったわ。よろしくね、リオちゃん」
王妃様の体力を考慮すると、治療できる時間は2時間程度。まだ腰の痛みも少し残っている様だから、腰から痛みの強い順に治療して行こうと思っているわ。そうやってゆっくりと治療しながら、カミルの小さい時の話しなどを聞かせて貰いつつ、楽しく治療を進めて行く。今後は何度も治療に訪れる事になるわけだが、王妃様が優しく良い人で話題も尽きないから、あっという間に2ヶ月の治療は終わりそうね。カミルの御母堂様を私が治療できる事を、女神様に心から感謝するのだった。
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