【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音

文字の大きさ
207 / 211

第207話 優しい目覚め ★リオ SIDE

 私はフワフワとした、穏やかな光に包まれて休んでいた。柔らかな毛布で作ったゆりかごの様にとても心地良く、うつらうつらとしている時間が気持ち良い……あぁ、これはアレね。休日に2度寝した時の幸せな気持ち良さに似ているんだわ。

「そうね、きっとそうだわ」

 あら?声に出していたみたいね?ゆっくりと目を開けると、私の声に吃驚びっくりしたのであろうカミルと目が合ったわ。やだ、私ったら寝惚けていたのかしら?

「ふふっ、リオ、おはよう。良く眠れたみたいだね?」

「え、ええ、おはようカミル。…………もしかして私、寝言を?は、恥ずかしいわ……」

 カミルはフワッと微笑んで、私の髪を優しく何度も撫でた。撫で終わると、コテンと軽く首を倒してから少し困った顔をした。

「ごめんね、僕が寂しくて会いに来てしまったから。でも、リオが恥ずかしがる必要は全く無いよ?僕は寝言を言うリオも、真っ赤になって照れるリオも、とっても可愛いと思っているからね」

「も、もう!カミルったら……」

 真っ赤になっているのであろう顔を、両手で覆って隠しながらうつむいてうめいていると、あきれた声が頭上から聞こえて来た。
 
「ご馳走様~」

「また砂糖吐いてる~」

「良く飽きないよね~」

「このお城にいるカップルは砂糖を吐くのが日常的になりつつあるよね~」

「ん?僕達以外にもラブラブなカップルがいるの?」

 キャッキャキャッキャと楽しそうに私達を揶揄う2匹の精霊は、今日も楽しそうね。あの国で、何事も無くて良かったわ。そんな2匹の会話にカミルが質問をしている。

「カミルの両親と~」

「あぁ、それは分かるけど……」

「男気を見せたデュークと~」

「あら、あの2人上手く行ったのね!」

 リアはデュークにベタ惚れだったもんね。本当に良かったわ。時間が空いたら、リアを揶揄いに行こうかしら。きっと、リアも話したいでしょうしね。

「後はジーさん2人かな~」

「「え?」」

「リオのジーちゃんと、カミルのジーちゃんはラブラブだよね~」

「ええ…………?」

「ケンカをするほど仲が良いってバーちゃんが言ってたもんね~」

「あぁ、そう言う事ね。この世界にも腐女子が居るのかと思ったわ……」

「ふじょし?」

「カミル、何でも無いわ。この世界は平和で何よりって思っただけよ」

 視線をスゥ――っとズラして、これ以上の追及を免れようと一生懸命抵抗していると……

「ねぇ、リオ~?リオは平和って言うけど、リオが目覚めたら結婚式するって王様が言ってたよ~?」

「え?ん?あら?あれからどれくらい経ったのかしら?」

 シルビーの言い方では、あれからかなりの月日が流れたみたいね?

「ざっくりと3週間は経過したね。今回は、すっごく気持ち良さそうに寝てるから……起きないかもって心配はしなかったんだけど、逆に、皆起こすに起こせなかったと言うか……」

 カミルが苦笑いしながら説明してくれる。確かにとっても気持ち良かったと記憶しているけれど、寝ている表情をしっかり見られていたことが少し恥ずかしいのよ。変な顔じゃなさそうだから、まだ良かったのかも知れないけども。

「本当、見た目も気持ち良さそうだったよね~」

「オイラやシルビーもリオの傍で寝てたけど、とっても気持ち良かったよ~」

「ね~。不思議だよね~。リオの気持ち良さげな顔が、何故そんなにも気持ちが良いのか分かるぐらい気持ちの良い眠りにつけたんだよね~」

 へぇー?あの気持ち良さをソラやシルビーも体験したのね。そんな事が起こるのも、ソラ達が精霊だからかしらね?精霊は人間の眠りに干渉出来るからなのかしら?

「多分、精霊とリオが共鳴してるからだと思うけどね~」

 コテンと首を倒した私の疑問に気づいたソラが、サラッと説明してくれる。そうなのね。共鳴しているから……確かにザラカン王国でも精霊達の声がしっかり聞こえてたもんね。

「カミル~。ボク、王様に報告して来ようか~?」

「あ、あぁ、お願いするよシルビー」

「は~い!行って来るね~!」

 ポンッ!とシルビーが報告に向かってくれたので、私は着替えて出迎える準備しなければならないわね。

「カミル、陛下にお目通りするのであれば着替えたいから、その……」

「あぁ、そうだね。そうなんだけど……シルビーに頼んじゃったからね」

「あ…………」

 ポンッ!と再度現れたシルビーの傍らには、予想通りに陛下と王妃様、爺やと婆やがいたのだった。いつの間にか、シルビーも人間を4人も運べるようになったのね。精霊も成長するのねーなんて、現実逃避しながら呑気に考えていたのだが……

「リオちゃん!もう大丈夫なの?体は起こしていて辛くない?」

「婆達の事は気にしなくて良いからねぇ?辛くなったら横になるのよぉ?」

 相変わらず過保護な王妃様と婆やに向かって笑顔を返す。

「お義母かあ様、婆や、私はもう大丈夫よ。魔力の枯渇こかつで一時的に深い眠りについただけだからね。婆や、ほら、私は元気でしょう?泣かないで?」

 慌てる私に、婆やは涙を流しながらも微笑んでくれた。

「ええ、心配はしていなかったのよ?リオちゃんを信じていたもの。でもほら、年寄りはちょっと涙脆くなるってだけよぉ。無事に帰って来てくれて良かったわぁ」

「そうじゃのぉ。皆無事に戻って来られたし、精霊達もあの時点で生きていた者達は全員助かったらしいからのぉ。リオは凄いのぉ。よく頑張ってくれた」

「その通りだな。リオよ、ザラカン王国と精霊の事、デュルギス王国の国王として感謝する」

「感謝だなんて……私が半ば無理を言って行かせていただいたのですから、お気になさらないでください」

 陛下はゆっくりとかぶりを振り、私に優しく微笑まれた。

「先日、女神様が夢枕に立たれてな。リオをザラカンに向かわせてくれた事、それらを止めずに許可してくれた事に感謝すると言われたよ。そして、精霊達はこれで安心して過ごす事が出来ると、精霊王様からも喜びのお声を頂いた。私はリオを誇りに思うよ」

「えぇ……私は我が儘を言っただけなのに……あぁ!そのせいで、結婚式の準備が出来てなくて申し訳ありません!」

「あぁ、それこそ全く気にしなくて大丈夫だよ。精霊王が、ザラカンから戻って来た精霊達の中で、手伝いたいと自ら志願する精霊や、人間の祝い事に詳しい子達を手伝いに寄越してくださってね。あっという間に準備も終わったから、いつでも僕達の結婚式を挙げられるからね」

 さすが精霊王だわ。精霊界からちゃんと見ていて、私に足りない所をおぎなってくださったのね。なんて有難いのかしら。

「まぁ!そこまでして頂いたのね。結婚式が終わったら、お礼を言いに行かなければならないわね」

「リオ~、恐らくお礼を言うべきなのは、オイラ達精霊側だからね~?沢山の仲間を救ってくれて、ありがと~」

「そうだよね~。リオ、ありがと~!ボクの幼馴染もいたんだよ~。今度からは気を付けるように言っておいたよ~」

「ふふっ、そうなのね。ソラ達に感謝して貰えるなんて、何だか嬉しいわね」

「リオの基準がおかしいんだと思うけどね~?転んだ子供を助けてあげるぐらいの感覚で、精霊達や小動物を治癒してるでしょ~。本来なら、聖母様しか精霊は治癒出来ないんだよ~?」

 ソラがサラッと言った言葉に皆が食いつく。バッと皆が一斉にこちらを見るから驚いてしまったわ。

「「「聖母様!」」」

「リオ、スキルはどうなっておるのじゃ?」

 最初に落ち着いたのは爺やだったみたいね。スキル?鑑定しろって事かしらね?あぁ、確かに可能性はあるかしら。

「え?あぁ、スキルが増えているのでは無いかって事?ちょっと待ってね、見てみるわ」

 私は自分を鑑定した。目の前に現れたステータスボードに視線を移し、変わったところが無いか探していると……

「えぇ――――?称号『聖母』ですって……。スキルは『精霊の癒し』と『母のぬくもり』らしいわ」

「思った通りだのぉ。あれだけの数、精霊を治療した事が認められたのじゃろう」

 確かに精霊達を癒したけれど、あれは祈ろうかなーって思っていた私に、元精霊の王女であるチヨさんが祈ってってお願いして来たからやるべき事がハッキリ分かったと言うか……

「えぇ?でも、チヨさんが『聖母の祈り』をお願いって念話して来たのよ?」

「恐らく、聖母になる器は元からあったのじゃろう。そこへ、精霊達を助けられる存在がリオしかいなかったから、元精霊の王女様が最後の力で覚醒させてくれたのではないかのぉ?」

「そうなのかしらね?確かに、私の子供達をよろしくって言われたけれど……」

「ふむ。リオが聖母になった事は、敢えて発表はせずにおこう。ザラカンの者達から少しずつ噂として広まっては来ているからな。リオ本人も精霊と契約しているのだし、皆勝手に理解するだろう」

「全て陛下にお任せします。私は権力とか全く興味無いので、カミルの妃でいられるならそれだけで……」

 後半は恥ずかしくて声が小さくなってしまったけれど、これが私の本音だもの。仕方ないわよね?チラリとカミルを見たら、顔を真っ赤にしながら照れていて、とっても可愛らしかったわ。

「称号についてはその方が良さそうね。結婚式はいつ頃が良いかしら。結婚式はパレードもあるから、丸1日動き回る事になるのよね。体力がしっかり戻ってからの方が良いと思うのだけど……」

「お義母かあ様、お気遣いありがとうございます。眠った理由が魔力枯れですので、体調は全く問題ありません。体力は少し落ちていると思いますが、沢山食べて『練習装置・改』でひと暴れして、ぐっすり眠れば回復しますわ」

「ふふっ、そうでしょね。来賓の皆様には明後日に開催すると伝えて大丈夫かしら?準備の方も、2日もあれば、余裕で執り行えると思うわ」

「はい、それで大丈夫です。よろしくお願いします」

 なんだか急に現実味を帯びて来たわね?明後日には、私はカミルの妻に……『妻』であり、『王太子妃』なのよね、私は。今更ドキドキして来たわ。雑念を振り払うためにも、『練習装置・改』で汗を流して来ようと思うわ。
感想 0

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。