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死にました
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私の前歯の神経は死んでおり、歯の色は灰色に変色している。悲しいことに一度神経が死んでしまうともう元には戻らないらしい。いくら高価なホワイトニングをしても白い歯にはならない。歯を差し替えないかぎり、私は灰色の前歯とともに生きていくのである。そもそもなぜ私の前歯の神経は死んでしまったのだろうか。昔よく転んではいたが、歯を打った記憶はない。しかし神経が死ぬほどであるから強い衝撃を受けているのは明らかである。いったい何が原因なのだろうか。幼少期からの記憶をたどっていると思い当たる節がひとつあった。それは中学3年生のときのことである。体育祭の練習の休憩時間、私は麦茶を飲んでいた。炎天下の中の練習でのどがカラカラだったため、麦茶がいつもより数倍美味しく感じた。私はその時斜め前から私をめがけて猛スピードで突進してくるやつの存在に全く気づいていなかった。これが私の過ちであった。その存在に気づいていればいくらでも対処できたのに私は周りが見えていなかった。奴は私に近づくや否や、私が飲んでいた水筒の上を勢いよくたたいた。そのはずみで私は麦茶を下にこぼした。その様子を奴はにやにやしながら見ていたのがとても腹立たしかった。完全に悪意を持った犯行である。おそらく麦茶を飲んでいるときに、水筒の先の部分が前歯にあたっていたのだろう。その状態で奴が水筒をたたき、衝撃で前歯の神経が死んでしまったと私は考えている。このことを奴に報告し、治療費の請求をしたのだがのらりくらりと交わされてしまった。いつか奴から治療費をもぎ取りたい。ちなみに奴とは私の妹であり、普段から私を煽っている。
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