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覚醒

第1話 召喚

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 目覚めるとそこには見慣れない風景が広がっていた。

どうやらクラスごと異世界に召喚されてしまったようだ

急な出来事にざわつくクラスメート達だが、僕は屈しない、なぜなら僕はこの日のために入念なイメージトレーニングをしていたからだ。(厨二病なだけ)

騒ぐクラスメートはさておき冷静沈着かつ眉目秀麗なこの僕は辺りの観察をすることにした

真っ先に目についたのは床、青白く光った線で描かれた魔法陣の様なものには所々に漢字のようなものが書かれていた

何故だ、1つ目の謎ができた

壁には石膏像やなどの装飾が施されいわば西洋の城のようなものだった

否、それよりもより細かく煌びやかな装飾であった。

正面には大きな石膏の全身像が飾られていた、ここは礼拝堂なのだろうか。

召喚されて数分が経った。

「この部屋を脱出しよう」
クラスメートの香川リュウジが大きな声で言った

どうやらこの部屋は音がよく響くみたいだ、リュウジの力強い声は鈍器のように耳に響いた、うるさい。

リュウジの一声にクラスメートは賛同する

が、僕は違う。

「僕は反対しよう」 僕はリュウジの事で反省したので声を抑え気味に言った

続けて僕は言う
「外には何があるかわからないし、今は不安要素が多すぎる」

クラスメートは僕に賛成しリュウジに対し反対的な意見が飛び交う

そこに割って入るかのようにクラスメートである学級委員の浜崎ユウが言った
「でもここが安全とも限らないし、いずれは外に出る必要があるわ、行動するなら早くした方が良いって私の父が言っていたわ」

またしてもクラスメート達は意見に賛成し「それもそうだ」「早くここを出よう」などと、こいつらには自分の意見というものが無いのか?

しかし、ユウの意見は正しい

僕は言う
「なるほど、納得した」

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