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第三章
精霊と歌う
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危うく野宿になるところを宿屋の主人の計らいで楽団の団員たちと一緒にホールに泊まる事になった、ハイラント国王ご一行様。
楽団員達は快く同室……いや同ホールを
受け入れてくれた。
まさか相手が一国の王とは思いも寄らない
楽団員達は気さくに話しかけてくれたり、
異国の珍しい酒や菓子なども分けてくれた。
しかしランスロットはこの状況に
頭を抱えていた。
まさかハイラントの国王ともあろうお方が
平民たちに紛れて雑魚寝だと……?
あり得ないだろう、いやあってはならない事だろう!
なのに当の王さまはこの珍しい体験を
完全に面白がっていて、
ゲイル=ロッドにアレはなんだ?これはなんだ?と
興味深そうに聞いている。
この状況を作り出した原因のイズーも
申し訳ない気持ちを持ちつつも、
内心の高揚感を隠しきれない様子だった。
〈こいつら……〉
しかしなんだかもう色々と考えるのが面倒になってきたランスロットは、何かあったらその時に対応すればいいと、うだうだ悩むのも心配するのも早々に放棄した。
宿屋の心尽くしの料理を口にしながら、
マルセルがイズミルに言った。
「でもさ、どこの宿屋も満室な状態でイズーは
一人でどうするつもりだったのさ?」
マルセルの指摘を、
イズミルは言われてみればといった様子で答えた。
「そうですわよね、一体どうしたのかしら?」
それを聞き、グレアムが呆れ返る。
「キミは……!変なところで無鉄砲なんだな!」
そんな二人をランスロットはジト目で
睨め付けた。
「私に言わせれば、二人とも同類項ですよ」
「ははは!」
ゲイルが楽しそうに笑った。
その横でマルセルが膝をパシッと打ち、
イズミルに告げる。
「よし!こうなったらイズー、お詫びに何か
芸を披露してよ」
それを聞き、イズミルが目を丸くする。
「げ、芸ですか?」
「そ、なんか出来るでしょ?
歌とか踊りとか一発芸とか」
「えー……そ、そうですね……」
正直、歌も踊りも楽器の演奏も
後宮の妃として全て学んだ。
王を癒し、楽しませるのも妃の役目だと
ある程度の事が出来るように教え込まれたのだ。
イズミルは辺りを見回した。
すると楽団員達の楽器の中に小さな竪琴を見つける。
イズミルは楽団員の側へ行き、
竪琴を貸して貰えるか尋ねた。
楽団員は快く頷いてくれた。
その竪琴を携え、イズミルはグレアム達の元へと戻る。
「では僭越ながら、歌を歌わせて頂きますわ」
「お!いいねー!」
マルセルが手を叩いて喜んだ。
イズミルはしばし思案する。
どの歌を歌おうか。
ハイラントの歌?それともこの地イコリスの民謡?
ジルトニアの歌もいいけど……
決めた。
イズミルは置いてあった椅子を引き寄せ
そこに座り、竪琴を抱える。
そしてゆっくりと奏ではじめた。
イズミルが選んだ曲は
“精霊の歌”だ。
大昔から大陸中で歌い継がれている歌。
人が作った曲なのか
それ以外の者が作った曲なのか定かではない古い古い歌。
イズミルが歌い出した途端に、
酒盛りで大騒ぎしていた楽団員たちが
急に静かになった。
グレアム達もその歌声に目を見開く。
イズミルの歌声は……
この世の者とは思えないほど、
清く澄みきった美しい歌声だった。
そして何よりも驚かされるのが
イズミルが風の精霊と供に歌っている事だ。
精霊が歌うなど、誰が想像できようか。
竪琴の硬質でありながら深みのある音色と
精霊の声と調和するイズミルの歌声。
この場にいる誰もが
自分達が今、とても稀有なものを目にし、
耳にしてるのだと思った。
楽団員の一人が横笛を奏で出し、
イズミルの竪琴の音色に合わせる。
最初は驚いた様子で歌うイズミルだったが、
すぐに微笑みを浮かべて歌い続けた。
すると楽団員達が一人、また一人と自らの楽器を手にし出す。
そしてイズミルの竪琴と歌に合わせて皆が一斉に演奏を始めた。
ほんの軽い気持ちで、ほんの余興的な意味で芸の披露をリクエストしたマルセルだったが、想像以上の素晴らしさに瞬きも忘れて見入っていた。
グレアムはじっとイズミルを見つめる。
本当にこんな女性は初めてだ。
思えば出会った時から驚かされてばかりだ。
聡明さに目を見張り、
度胸の良さと鋼の胆力に度肝を抜かれ、
情に篤く、人の機微の聡さに驚かされる。
儚げな印象とは裏腹に快活で豪胆な性格なので、
側にいても不快に感じた事が一切ない。
それどころか
側に居ないと何やら心配になってしまう。
まさかこんな感情を抱くようになるなんて。
……考えまいとしても
どうしてもこの頃、頭を過る事がある。
既婚者だと言っていた、
彼女の夫はどんな奴なのだろうかと。
あのような妻をよく平気で放置していられるな、と。
もしかして夫婦仲は良くないのか?
彼女の夫は妻に興味がないのか、それともイズー自身がその夫と距離を取りたがっているのか。
などとどうしても考えてしまうのだ。
精霊と供に歌う彼女を……心から美しいと思った。
彼女の歌声をいつまでも聴いていたかった。
一方イズミルは、また一つ夢が叶った事を
純粋に喜んでいた。
幼い頃から練習してきた竪琴も歌も
一番聞いて欲しかった相手、
グレアムに聞いて貰える事が出来たのだ。
まさかこんな瞬間がくるなんて。
一生で一度の機会だろう。
グレアムへの様々な想いをのせて、
心を込めて歌おうとイズミルは思った。
〈グレアム様……〉
これでまたかけがえのない思い出がひとつ増えた。
ハイラントへ帰ったら、リザベルに報告せねば。
グレアムに歌を聞いて貰えて自分がどれほど嬉しかったのか、
誇らしかったのかをリザベルに聞いて貰おう。
イズミルはそう思った。
精霊の歌を歌い終わると、
ホールの皆から絶賛の拍手を貰った。
ちらりとグレアムを見ると、
彼も手を叩いてくれていた。
嬉しかった。
一緒に歌ってくれた精霊たちに感謝する。
イズミルの気持ちが反映されているのか、
精霊たちも嬉しそうに空を飛び回っていた。
ホールの皆、誰もが笑顔で、
その夜はとびきり幸せな夜となった。
グレアムやランスロット達に囲まれる形で
雑魚寝をするという貴重な経験も出来た。
後宮から一歩も表に出る事もなく過ごした日々が嘘のようだ。
イズミルは幸せな気分で瞼を閉じた。
こうしてハプニング続きの視察の締めくくりは、
イコリスの宿屋での雑魚寝という超レアな
出来事を追加して、無事に終わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
この後、
ちょっとモヤっとするような人物が現れたり、
イズミルの師匠、変人…じゃない、賢人グレガリオが出てきたりします。
作者はすこしずつラストを意識する段階に
入って来ております。
どうか最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします!
楽団員達は快く同室……いや同ホールを
受け入れてくれた。
まさか相手が一国の王とは思いも寄らない
楽団員達は気さくに話しかけてくれたり、
異国の珍しい酒や菓子なども分けてくれた。
しかしランスロットはこの状況に
頭を抱えていた。
まさかハイラントの国王ともあろうお方が
平民たちに紛れて雑魚寝だと……?
あり得ないだろう、いやあってはならない事だろう!
なのに当の王さまはこの珍しい体験を
完全に面白がっていて、
ゲイル=ロッドにアレはなんだ?これはなんだ?と
興味深そうに聞いている。
この状況を作り出した原因のイズーも
申し訳ない気持ちを持ちつつも、
内心の高揚感を隠しきれない様子だった。
〈こいつら……〉
しかしなんだかもう色々と考えるのが面倒になってきたランスロットは、何かあったらその時に対応すればいいと、うだうだ悩むのも心配するのも早々に放棄した。
宿屋の心尽くしの料理を口にしながら、
マルセルがイズミルに言った。
「でもさ、どこの宿屋も満室な状態でイズーは
一人でどうするつもりだったのさ?」
マルセルの指摘を、
イズミルは言われてみればといった様子で答えた。
「そうですわよね、一体どうしたのかしら?」
それを聞き、グレアムが呆れ返る。
「キミは……!変なところで無鉄砲なんだな!」
そんな二人をランスロットはジト目で
睨め付けた。
「私に言わせれば、二人とも同類項ですよ」
「ははは!」
ゲイルが楽しそうに笑った。
その横でマルセルが膝をパシッと打ち、
イズミルに告げる。
「よし!こうなったらイズー、お詫びに何か
芸を披露してよ」
それを聞き、イズミルが目を丸くする。
「げ、芸ですか?」
「そ、なんか出来るでしょ?
歌とか踊りとか一発芸とか」
「えー……そ、そうですね……」
正直、歌も踊りも楽器の演奏も
後宮の妃として全て学んだ。
王を癒し、楽しませるのも妃の役目だと
ある程度の事が出来るように教え込まれたのだ。
イズミルは辺りを見回した。
すると楽団員達の楽器の中に小さな竪琴を見つける。
イズミルは楽団員の側へ行き、
竪琴を貸して貰えるか尋ねた。
楽団員は快く頷いてくれた。
その竪琴を携え、イズミルはグレアム達の元へと戻る。
「では僭越ながら、歌を歌わせて頂きますわ」
「お!いいねー!」
マルセルが手を叩いて喜んだ。
イズミルはしばし思案する。
どの歌を歌おうか。
ハイラントの歌?それともこの地イコリスの民謡?
ジルトニアの歌もいいけど……
決めた。
イズミルは置いてあった椅子を引き寄せ
そこに座り、竪琴を抱える。
そしてゆっくりと奏ではじめた。
イズミルが選んだ曲は
“精霊の歌”だ。
大昔から大陸中で歌い継がれている歌。
人が作った曲なのか
それ以外の者が作った曲なのか定かではない古い古い歌。
イズミルが歌い出した途端に、
酒盛りで大騒ぎしていた楽団員たちが
急に静かになった。
グレアム達もその歌声に目を見開く。
イズミルの歌声は……
この世の者とは思えないほど、
清く澄みきった美しい歌声だった。
そして何よりも驚かされるのが
イズミルが風の精霊と供に歌っている事だ。
精霊が歌うなど、誰が想像できようか。
竪琴の硬質でありながら深みのある音色と
精霊の声と調和するイズミルの歌声。
この場にいる誰もが
自分達が今、とても稀有なものを目にし、
耳にしてるのだと思った。
楽団員の一人が横笛を奏で出し、
イズミルの竪琴の音色に合わせる。
最初は驚いた様子で歌うイズミルだったが、
すぐに微笑みを浮かべて歌い続けた。
すると楽団員達が一人、また一人と自らの楽器を手にし出す。
そしてイズミルの竪琴と歌に合わせて皆が一斉に演奏を始めた。
ほんの軽い気持ちで、ほんの余興的な意味で芸の披露をリクエストしたマルセルだったが、想像以上の素晴らしさに瞬きも忘れて見入っていた。
グレアムはじっとイズミルを見つめる。
本当にこんな女性は初めてだ。
思えば出会った時から驚かされてばかりだ。
聡明さに目を見張り、
度胸の良さと鋼の胆力に度肝を抜かれ、
情に篤く、人の機微の聡さに驚かされる。
儚げな印象とは裏腹に快活で豪胆な性格なので、
側にいても不快に感じた事が一切ない。
それどころか
側に居ないと何やら心配になってしまう。
まさかこんな感情を抱くようになるなんて。
……考えまいとしても
どうしてもこの頃、頭を過る事がある。
既婚者だと言っていた、
彼女の夫はどんな奴なのだろうかと。
あのような妻をよく平気で放置していられるな、と。
もしかして夫婦仲は良くないのか?
彼女の夫は妻に興味がないのか、それともイズー自身がその夫と距離を取りたがっているのか。
などとどうしても考えてしまうのだ。
精霊と供に歌う彼女を……心から美しいと思った。
彼女の歌声をいつまでも聴いていたかった。
一方イズミルは、また一つ夢が叶った事を
純粋に喜んでいた。
幼い頃から練習してきた竪琴も歌も
一番聞いて欲しかった相手、
グレアムに聞いて貰える事が出来たのだ。
まさかこんな瞬間がくるなんて。
一生で一度の機会だろう。
グレアムへの様々な想いをのせて、
心を込めて歌おうとイズミルは思った。
〈グレアム様……〉
これでまたかけがえのない思い出がひとつ増えた。
ハイラントへ帰ったら、リザベルに報告せねば。
グレアムに歌を聞いて貰えて自分がどれほど嬉しかったのか、
誇らしかったのかをリザベルに聞いて貰おう。
イズミルはそう思った。
精霊の歌を歌い終わると、
ホールの皆から絶賛の拍手を貰った。
ちらりとグレアムを見ると、
彼も手を叩いてくれていた。
嬉しかった。
一緒に歌ってくれた精霊たちに感謝する。
イズミルの気持ちが反映されているのか、
精霊たちも嬉しそうに空を飛び回っていた。
ホールの皆、誰もが笑顔で、
その夜はとびきり幸せな夜となった。
グレアムやランスロット達に囲まれる形で
雑魚寝をするという貴重な経験も出来た。
後宮から一歩も表に出る事もなく過ごした日々が嘘のようだ。
イズミルは幸せな気分で瞼を閉じた。
こうしてハプニング続きの視察の締めくくりは、
イコリスの宿屋での雑魚寝という超レアな
出来事を追加して、無事に終わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
この後、
ちょっとモヤっとするような人物が現れたり、
イズミルの師匠、変人…じゃない、賢人グレガリオが出てきたりします。
作者はすこしずつラストを意識する段階に
入って来ております。
どうか最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします!
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