5 / 20
201号室、男の娘シシー
しおりを挟む
今回、作中にBL(?)を連想するワードが出て来ます。
苦手な方はご注意下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夢を見た。
悲しいお別れをしたくなくて、なんとか回避しようとしたけど結局ダメで迎えてしまった結婚式の日の夢だ。
予知夢で一度経験しているセドリック様との結婚式。
せめてもの抵抗で、予知夢の中で着ていたウェディングドレスとは違うデザインにした。
大聖堂でお父様に伴われてセドリック様の元へと歩いて行く時、何故か彼がわたしを眩しそうに、そして懐かしむように見ているような気がした。
お父様の手からわたしを受け取った時、彼はこう言った。
「そのドレス、本当によく似合ってる。綺麗だ……とても綺麗だよユニカ……」
セドリック様の目にうっすらと涙が浮かんでいるのを見て、何故かたまらない気持ちになった。
そしてこう思ったの。
彼の目にわたしが映っている間は、わたしも逃げずに側に居ようと。
予知夢で見た未来が変えられないのと同じように、
セドリック様を想う気持ちも変えられない。
ならば、それならば、
例え期限付きでもこの人の側に居たい。
そして父親の居ない子になるのだとしても、お腹の子をこの眩しい世界に迎え入れてあげたいと。
そう改めて気付かされたあの日。
やはりわたしにはどうする事も出来ずお別れしてしまったけれど、セドリック様の隣で過ごした日々はかけがえのない思い出となった。
彼は今、どうしているのだろう。
あの美しい青い瞳にディアナ様を映しているのだろうか。
彼の瞳にはもう、わたしは映る事はない。
そう、ないのだ。
自ら流した涙の温かさで、ユニカは目を覚ました。
「夢を見て泣くなんて、子どもみたいね」
そう呟いて、ユニカは自身の下腹部に手を当てた。
ここに、いる。
そう確信出来る。
まだ次の月のモノの予定まで数日あるし、とくに体の変化はない。
それでもユニカにはわかった。
セドリックと夫婦だった証が、確かにここに在ると。
ユニカはゆっくり起き上がり、ベッドから出てカーテンを開けた。
カーテンに遮られていた優しい朝の陽光が部屋の中へと入り込む。
それと同時にノックの音が聞こえた。
「はいどうぞ」
ユニカが答えるとクロエがドアを開けて入って来た。
既に起きているユニカを見てこう言う。
「アラお珍しい。ご自分で起きられるなんて」
「だって今朝から畑に出たいんだもの」
「野菜の苗が届いてましたものね」
「早く植えてあげたくてウズウズしちゃう」
久々の土いじりに、はやる気持ちが抑えられないユニカ。
身支度を整え、朝食を食べてから早速裏庭の畑に向かった。
妊娠をしているはずなのでゆっくりとした動作で苗を畑へ植えてゆく。
力仕事は全て下男のロビンがしてくれるので、
ユニカは苗を植え付けてゆくのみである。
それでもやっぱり土に触れると心が落ち着く。
ついでにロビンが立ててくれた支柱に蔓を誘導する細いロープを結いでいる時に、ふいに声をかけられた。
「ねえ、もしかしてキミがアパートのオーナーさん?」
少年のような声がして、
ユニカは後ろを振り返る。
するとそこには一人の娘が立っていた。
年の頃は20代に入ったばかりか。
長い黒髪をポニーテールに結い、瞳の色と同じブルーのワンピースが印象的な、とても美しい娘だった。
でも確かにかけられた声は少年ぽかったような気が……。
ユニカはハッとしてその娘に言った。
「もしかして201号室の方?」
「そう!ボク、そこに住んでんの」
やはりそうだ。
ルナから聞いていた男の娘の店子。
ユニカは手袋を外して、手を差し出した。
「はじめまして。ユニークアパートメントオーナーのユニカです。どうぞよろしくね」
201号室の店子がユニカの手を握り返した。
そして互いに握手を交わす。
「ボクはシシー。GGL作家をやってるんだ♪」
「わぁ作家さんなのね!凄いわ!」
作家と聞き、ユニカは感嘆の声をあげる。
でもその後に、
ーーGGL作家って何かしら?と疑問符が浮かぶ。
「ユニカちゃんのワンピース、カワイイね!ねぇどこで買ったの?」
実家から持って嫁いだ作業用の着古したワンピースなのにシシーは興味を示したようだ。
「これ?これは実家がある田舎で買った既製品よ?」
「ボク、空色が好きなんだよね~。そういえばユニカちゃんの瞳の色もキレイな空色だよね~!プラチナブロンドの髪と相まってすっごくステキ!!ボクはカラスみたいな髪の毛だから羨ましいよ~」
どうやらシシーはお喋り好きなようだ。
とりとめもないお喋りが、領地にいた頃の友人を思い出させる。
「カラスの羽根色は美しいわ。黒髪はなんだかエキゾチックな感じでわたしは好きよ?」
「ありがと。ユニカちゃんって、イイ子ね」
「ふふ」
シシーは男の娘だとルナから聞いていたが、
これはもう女性と言っても良いではないだろうか?
華奢な手足。
黒くけぶる長いまつ毛に縁取られたパッチリとした瞳。
色白で、声は確かに声変わりが始まった頃のような少年ぽさがあるけど、これはもうどこからどう見ても女性そのものであった。
ーーもしかしてわたしより色気があるんじゃないかしら?
ユニカがシシーより女性らしい部位を探して挙げるとすれば、童顔とは不釣り合いなふくよかな胸くらいだろうか。
「シシーって可愛いわ。まるで砂糖菓子みたい」
ユニカが純粋な気持ちを口にすると、シシーは顔を真っ赤に染め上げて言った。
「ヤダ!ユニカちゃんってばすんごい殺し文句!!でも嬉しいありがと!!」
そしてユニカの手を取りブンブンと上下に振る。
ユニカはカックンカックンとなりながらも内心、
ーーでも力はやっぱり男の子ね、
相当強いわ。と思った。
昼食時に畑でシシーに会った事をルナとクロエに告げると、ルナがニッコリと微笑みながら言う。
「まるで女の子だったでしょう?お聞きになりました?シシーさんは有名なGGL作家なんですよ!」
丁度ユニカが気になっていたワードが出て、
それは何かとルナに尋ねたら、拳を握り締めながルナが熱く語ってくれた。
「GGLとはですね!爺✖️爺ラブの略で、その名の通り渋いイケてるお爺様(攻め)とカワイイ純朴なお爺様(受け)が主役の、人生の終焉を前にして熱く燃え上がる恋のお話を描いたものなのですっ!!関節が軋むような、腰痛が悪化するような、入れ歯が飛んでいくような熱くて激しい情交の描写がたまらないと、今巷で大人気のジャンルなんですよっ!あ!ちなみにワタシもモチロンGGL本、薄いのから分厚いのまで多数持ってます!!よろしければお貸ししましょうかっ!?」
鼻息荒く一気に捲し立てるルナに驚きつつも、ユニカはそんなジャンルの物語もあるのだと、初めて民の暮らしの奥深さを知った。
その後の補足としてルナが教えてくれたのだが、シシーは地方の男爵家の次男坊だったのだが、家出して王都に出て来たらしい。
持ち前の感受性と自己表現の豊かさを武器にGGLを書いてみたところ空前の大ヒットとなり、押しも押されもせぬ売れっ子作家になったとの事だ。
それにしても……
ーーお爺様とお爺様が……?
ちょっとドキドキするわね、後でルナにシシーの本を借りて読んでみよう。
と、意外と新しいモノ好きのユニカはそう思った。
ユニカさん、新たな扉を開ける時が来たのか……?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シシーの出世作のタイトルは、
『終の住処、グループホームの中心で愛を叫ぶ』
だそうな……☆
苦手な方はご注意下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夢を見た。
悲しいお別れをしたくなくて、なんとか回避しようとしたけど結局ダメで迎えてしまった結婚式の日の夢だ。
予知夢で一度経験しているセドリック様との結婚式。
せめてもの抵抗で、予知夢の中で着ていたウェディングドレスとは違うデザインにした。
大聖堂でお父様に伴われてセドリック様の元へと歩いて行く時、何故か彼がわたしを眩しそうに、そして懐かしむように見ているような気がした。
お父様の手からわたしを受け取った時、彼はこう言った。
「そのドレス、本当によく似合ってる。綺麗だ……とても綺麗だよユニカ……」
セドリック様の目にうっすらと涙が浮かんでいるのを見て、何故かたまらない気持ちになった。
そしてこう思ったの。
彼の目にわたしが映っている間は、わたしも逃げずに側に居ようと。
予知夢で見た未来が変えられないのと同じように、
セドリック様を想う気持ちも変えられない。
ならば、それならば、
例え期限付きでもこの人の側に居たい。
そして父親の居ない子になるのだとしても、お腹の子をこの眩しい世界に迎え入れてあげたいと。
そう改めて気付かされたあの日。
やはりわたしにはどうする事も出来ずお別れしてしまったけれど、セドリック様の隣で過ごした日々はかけがえのない思い出となった。
彼は今、どうしているのだろう。
あの美しい青い瞳にディアナ様を映しているのだろうか。
彼の瞳にはもう、わたしは映る事はない。
そう、ないのだ。
自ら流した涙の温かさで、ユニカは目を覚ました。
「夢を見て泣くなんて、子どもみたいね」
そう呟いて、ユニカは自身の下腹部に手を当てた。
ここに、いる。
そう確信出来る。
まだ次の月のモノの予定まで数日あるし、とくに体の変化はない。
それでもユニカにはわかった。
セドリックと夫婦だった証が、確かにここに在ると。
ユニカはゆっくり起き上がり、ベッドから出てカーテンを開けた。
カーテンに遮られていた優しい朝の陽光が部屋の中へと入り込む。
それと同時にノックの音が聞こえた。
「はいどうぞ」
ユニカが答えるとクロエがドアを開けて入って来た。
既に起きているユニカを見てこう言う。
「アラお珍しい。ご自分で起きられるなんて」
「だって今朝から畑に出たいんだもの」
「野菜の苗が届いてましたものね」
「早く植えてあげたくてウズウズしちゃう」
久々の土いじりに、はやる気持ちが抑えられないユニカ。
身支度を整え、朝食を食べてから早速裏庭の畑に向かった。
妊娠をしているはずなのでゆっくりとした動作で苗を畑へ植えてゆく。
力仕事は全て下男のロビンがしてくれるので、
ユニカは苗を植え付けてゆくのみである。
それでもやっぱり土に触れると心が落ち着く。
ついでにロビンが立ててくれた支柱に蔓を誘導する細いロープを結いでいる時に、ふいに声をかけられた。
「ねえ、もしかしてキミがアパートのオーナーさん?」
少年のような声がして、
ユニカは後ろを振り返る。
するとそこには一人の娘が立っていた。
年の頃は20代に入ったばかりか。
長い黒髪をポニーテールに結い、瞳の色と同じブルーのワンピースが印象的な、とても美しい娘だった。
でも確かにかけられた声は少年ぽかったような気が……。
ユニカはハッとしてその娘に言った。
「もしかして201号室の方?」
「そう!ボク、そこに住んでんの」
やはりそうだ。
ルナから聞いていた男の娘の店子。
ユニカは手袋を外して、手を差し出した。
「はじめまして。ユニークアパートメントオーナーのユニカです。どうぞよろしくね」
201号室の店子がユニカの手を握り返した。
そして互いに握手を交わす。
「ボクはシシー。GGL作家をやってるんだ♪」
「わぁ作家さんなのね!凄いわ!」
作家と聞き、ユニカは感嘆の声をあげる。
でもその後に、
ーーGGL作家って何かしら?と疑問符が浮かぶ。
「ユニカちゃんのワンピース、カワイイね!ねぇどこで買ったの?」
実家から持って嫁いだ作業用の着古したワンピースなのにシシーは興味を示したようだ。
「これ?これは実家がある田舎で買った既製品よ?」
「ボク、空色が好きなんだよね~。そういえばユニカちゃんの瞳の色もキレイな空色だよね~!プラチナブロンドの髪と相まってすっごくステキ!!ボクはカラスみたいな髪の毛だから羨ましいよ~」
どうやらシシーはお喋り好きなようだ。
とりとめもないお喋りが、領地にいた頃の友人を思い出させる。
「カラスの羽根色は美しいわ。黒髪はなんだかエキゾチックな感じでわたしは好きよ?」
「ありがと。ユニカちゃんって、イイ子ね」
「ふふ」
シシーは男の娘だとルナから聞いていたが、
これはもう女性と言っても良いではないだろうか?
華奢な手足。
黒くけぶる長いまつ毛に縁取られたパッチリとした瞳。
色白で、声は確かに声変わりが始まった頃のような少年ぽさがあるけど、これはもうどこからどう見ても女性そのものであった。
ーーもしかしてわたしより色気があるんじゃないかしら?
ユニカがシシーより女性らしい部位を探して挙げるとすれば、童顔とは不釣り合いなふくよかな胸くらいだろうか。
「シシーって可愛いわ。まるで砂糖菓子みたい」
ユニカが純粋な気持ちを口にすると、シシーは顔を真っ赤に染め上げて言った。
「ヤダ!ユニカちゃんってばすんごい殺し文句!!でも嬉しいありがと!!」
そしてユニカの手を取りブンブンと上下に振る。
ユニカはカックンカックンとなりながらも内心、
ーーでも力はやっぱり男の子ね、
相当強いわ。と思った。
昼食時に畑でシシーに会った事をルナとクロエに告げると、ルナがニッコリと微笑みながら言う。
「まるで女の子だったでしょう?お聞きになりました?シシーさんは有名なGGL作家なんですよ!」
丁度ユニカが気になっていたワードが出て、
それは何かとルナに尋ねたら、拳を握り締めながルナが熱く語ってくれた。
「GGLとはですね!爺✖️爺ラブの略で、その名の通り渋いイケてるお爺様(攻め)とカワイイ純朴なお爺様(受け)が主役の、人生の終焉を前にして熱く燃え上がる恋のお話を描いたものなのですっ!!関節が軋むような、腰痛が悪化するような、入れ歯が飛んでいくような熱くて激しい情交の描写がたまらないと、今巷で大人気のジャンルなんですよっ!あ!ちなみにワタシもモチロンGGL本、薄いのから分厚いのまで多数持ってます!!よろしければお貸ししましょうかっ!?」
鼻息荒く一気に捲し立てるルナに驚きつつも、ユニカはそんなジャンルの物語もあるのだと、初めて民の暮らしの奥深さを知った。
その後の補足としてルナが教えてくれたのだが、シシーは地方の男爵家の次男坊だったのだが、家出して王都に出て来たらしい。
持ち前の感受性と自己表現の豊かさを武器にGGLを書いてみたところ空前の大ヒットとなり、押しも押されもせぬ売れっ子作家になったとの事だ。
それにしても……
ーーお爺様とお爺様が……?
ちょっとドキドキするわね、後でルナにシシーの本を借りて読んでみよう。
と、意外と新しいモノ好きのユニカはそう思った。
ユニカさん、新たな扉を開ける時が来たのか……?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シシーの出世作のタイトルは、
『終の住処、グループホームの中心で愛を叫ぶ』
だそうな……☆
228
あなたにおすすめの小説
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
彼の過ちと彼女の選択
浅海 景
恋愛
伯爵令嬢として育てられていたアンナだが、両親の死によって伯爵家を継いだ伯父家族に虐げられる日々を送っていた。義兄となったクロードはかつて優しい従兄だったが、アンナに対して冷淡な態度を取るようになる。
そんな中16歳の誕生日を迎えたアンナには縁談の話が持ち上がると、クロードは突然アンナとの婚約を宣言する。何を考えているか分からないクロードの言動に不安を募らせるアンナは、クロードのある一言をきっかけにパニックに陥りベランダから転落。
一方、トラックに衝突したはずの杏奈が目を覚ますと見知らぬ男性が傍にいた。同じ名前の少女と中身が入れ替わってしまったと悟る。正直に話せば追い出されるか病院行きだと考えた杏奈は記憶喪失の振りをするが……。
【完結】私よりも、病気(睡眠不足)になった幼馴染のことを大事にしている旦那が、嘘をついてまで居候させたいと言い出してきた件
よどら文鳥
恋愛
※あらすじにややネタバレ含みます
「ジューリア。そろそろ我が家にも執事が必要だと思うんだが」
旦那のダルムはそのように言っているが、本当の目的は執事を雇いたいわけではなかった。
彼の幼馴染のフェンフェンを家に招き入れたかっただけだったのだ。
しかし、ダルムのズル賢い喋りによって、『幼馴染は病気にかかってしまい助けてあげたい』という意味で捉えてしまう。
フェンフェンが家にやってきた時は確かに顔色が悪くてすぐにでも倒れそうな状態だった。
だが、彼女がこのような状況になってしまっていたのは理由があって……。
私は全てを知ったので、ダメな旦那とついに離婚をしたいと思うようになってしまった。
さて……誰に相談したら良いだろうか。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…
アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者には役目がある。
例え、私との時間が取れなくても、
例え、一人で夜会に行く事になっても、
例え、貴方が彼女を愛していても、
私は貴方を愛してる。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 女性視点、男性視点があります。
❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる