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エピローグ そして揺るぎない愛情へと変わっていく
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「アユっ……ハァハァッ……た、大切な話があるって……ハァハァッ……コルト先輩が教えてくれて夜番も交代してくれてっ……ハァハァッ……い、急いで来たんだけどっ……!」
セィラとラペルが毒妹の謝罪に来たその日の夜。
惣菜屋の営業終了と共にハイゼルが店に飛び込んで来た。
もう店の戸締りをしようとしたそのタイミングに現れたハイゼルに、アユリカは驚いた。
「大丈夫?すごい汗じゃない」
額に汗を滲ませ肩で息をするハイゼルにアユリカは歩み寄る。
ハイゼルは顎を伝う汗を拭いながらアユリカに言った。
「支部から全速力で走ってきたっ……ハァハァ……」
「ええっ?支部からここまで?どうして……」
「大切な話があると聞いたら居ても立ってもいられなくてっ……気が付けば全速力で走ってた……」
「そうなんだ……」
「ア、アユ……大切な話って……」
まだ微妙に息が調わないハイゼルにそう促され、アユリカの鼓動がふいに早くなる。
セィラとラペルのおかげで自分の中で答えは出たものの、それを本人に打ち明ける心積りはまだ出来ていなかった。
「う、うん……でも、店では何だし……に、二階に上がろうか」
その間に心を落ち着かせ、覚悟を決めようと思ったアユリカにハイゼルが言う。
「で、出来ればすぐに話して欲しいっ……内容を知るまで落ち着かないっ……」
「え、い、今ここで?」
「う、うんっ……良い事も悪い事も受け止めるからっ……」
余裕のない様子でそう告げながらも意思を示すハイゼルに、アユリカも覚悟を決める。
「……っわ、わかったわ……じゃあここで……」
「うんっ……」
アユリカとハイゼル。
二人、微妙な距離を空け向かい合う。
神妙な面持ちでアユリカを見下ろすハイゼルと、緊張した面持ちでハイゼルを見上げるアユリカ。
出会った頃はアユリカの方が背が高かったのに。今では頭ひとつ分以上の差があり、流れた年月の長さを感じる。
アユリカがひとつ、小さく深呼吸をしてハイゼルの名を呼んだ。
「……ハイゼル、あのね……」
が、それもすぐに僅かに取り乱すハイゼルによって遮られた。
「やっ、やっぱりちょっと待ってくれっ……!結果を受け止める覚悟が足りねぇっ……余裕をぶちかませる自信もねぇっ……!」
器用に力強くも情けない声を出すハイゼルに、アユリカは尋ねる。
「結果を受け止める覚悟?……どんな結果になると思ってるの?」
「だ、だって……俺、ヘタレが過ぎで過去にアユを傷付けてそれで見限られてさ……もう一度好きになって貰える気がしねぇんだよ……で、でも俺、それでもアユの側に居たいんだっ……また離れるくらいなら……いっそ、いっそ……ゴニョゴニョ」
いっそ閉じ込めてしまおうか。
なんてゴニョニョと不穏な小声が聞こえた気がした。
だがかつてはあんなに尊大だったハイゼルが、自分の返事ひとつに怯えて右往左往する姿に驚きつつも可愛いと感じてしまう。
やっぱり好きなんだなぁ。
初恋を諦めて、もう乗り越えたつもりだったけど。やっぱり変わらず、ずっと彼のことが好きだったんだと改めてわかった。
本当は今も十分ヘタレで情けないハイゼル。
そんな彼を知るのは自分だけだと思うと嬉しくなる。
アユリカは一歩前に足を踏み出して、ハイゼルに近付いた。
そして真っ直ぐに、彼の紫紺の瞳に映る自分を見つめる。
ハイゼルもアユリカの瞳に映る自分の姿を見た。
「ハイゼル……私のこと、好き?」
ふいにそう尋ねられ、ハイゼルはこくんと頷いた。
「私も、ハイゼルのことが好き」
「えっ……」
「ずっと、ずっと好き。諦めたと思っていたけど、そうじゃなかったみたい……ううん、あのまま離れて暮らしていたらいずれは本当にそうなったんだと思う。……だけど、」
「だけど……?」
「だけど、私が諦めたと思っていた恋を、ハイゼルが抱えて私に会いに来てくれた。きっと、その時に無意識に恋心を取り戻していたんだと思うの」
「アユ……アユリカ、それってつまり……」
不安から瞳を翳らしていたハイゼルの表情が見る間に変わっていく。
そんなハイゼルにアユリカは告げる。
「あの時の言葉をもう一度言うね。……ハイゼル、私は幼馴染のままじゃ嫌なの。ずっと幼馴染のままでいて、あなたを他の女性に取られるのを黙って見ているなんて嫌。だから、もし、ハイゼルも同じ気持ちでいてくれるなら……特別な存在として、ずっと側に居させてください」
アユリカは思いの丈を一心にハイゼルへとぶつけた。
それを黙って聞いているハイゼルの瞳から、一瞬たりとも目を逸らさずに。
かつては俯いてばかりである意味、彼ときちんと向き合っていなかった。
そんな子どもじみた自分と決別する思いで、アユリカは言葉を紡ぎ眼差しを向ける。
すると、
「ハイゼル……あなた……」
ハイゼルの瞳から大量の涙が溢れ出た。
無言のまま、瞬きもせずにアユリカを見つめてハイゼルへ涙を流す。
「ハイゼル……?」
その様子が心配になったアユリカがハイゼルの頬に手を伸ばした。
頬を伝う涙に触れそうになったアユリカの手を、ハイゼルの大きな手が掴んだ。
そしてそれと同時にアユリカを抱き寄せる。
性急なようでそうでもない。
緩慢なようでそうでもない。
だけど瞬きする間もなくアユリカはハイゼルの腕の中にすっぽりと閉じ込められた。
そして力強く、でも優しく抱きしめられる。
「ハイゼル?」
ハイゼルの腕の中から、アユリカは彼の名を呼んだ。
小刻みに震える体から、彼が泣き続けているのがわかる。
ハイゼルは嗚咽も漏らさずに、ただ黙って涙を流していた。
そしてようやく掠れた声がアユリカよりも高い位置から下りてくる。
「アユっ……アユ……!俺の方こそっ……もう幼馴染のままじゃ嫌だ……!かつての俺は別れの恐怖にばかり怯えていたけど、ポム小母さんに言われて気付いたんだ。何があっても俺がアユを離さなければ別れることはない。一生、ずっと一緒に居られると……!」
その言葉に、アユリカはハイゼルの腕の中で小さく頷く。
「うん……」
アユリカだって、彼を離すつもりはない。
「俺もアユリカも、自分の親たちとは違う。俺たちは……俺たちだ……」
「うん」
「アユ、好きだ。大好きだ」
「うん。私も……ハイゼルが好き……大好き」
アユリカがそう返すと、ハイゼルはより一層抱きしめる手に力を込めた。
そして先程までの情けない声が嘘のように大きな声でハッキリとアユリカに告げる。
「アユ……!結婚しよう!今すぐ入籍しよう!」
「えっ?今すぐっ?」
「俺はもう一日だってアユと離れたくない!またアユとひとつ屋根の下で暮らしたい!家族になりたいんだ!」
それならまず、イリナさんみたいに同棲からで良いのでは……?
と言いかけて、アユリカは直ぐさまそれを打ち消した。
自分だってそんな回りくどいことをする必要はないと思ったからだ。
アユリカは抱きしめられたまま顔を上げ、ハイゼルに言う。
「うんわかった。すぐに結婚しましょう。お互い回り道をしたけど、気持ちはすでに固まっているんだもの」
「やった……!ありがとう!ありがとうアユリカ!大好きだ!愛してる!」
「でも、それでも先ずはポム小母さんに報告してからよね。ポム小母さんに黙って結婚なんて出来ないわ。婚姻届の証人も必要だし」
アユリカが冷静にそう言うと、ハイゼルは尤もだと言わんばかりに大きく頷いた。
「その通りだ。よし!じゃあ善は急げだなっ」
とそう言って、店に置いてあった魔女の林檎の木の林檎をふたつ手にした。
そしてひとつをアユリカに手渡す。
林檎を受け取ったアユリカだが、何をする気かと小首を傾げるとハイゼルがニヤリと笑った。
「今すぐポム小母さんに会いに行こう」
「えっ?……えっ…………
と思ったと同時に、どこかへと引っ張られる感覚がした。
一瞬恐怖を感じるも、抱きしめてくれるハイゼルの体が温かくてすぐに怖くはなくなった。
そして次に目に飛び込んできた光景は……
キッチンでお玉杓子片手に鍋の中のスープ(玉ねぎとマッシュルームのスープ)を掻き混ぜるポム小母さんだった。
ハイゼルは魔女の林檎の力を借り、転移魔法を用いた。
アユリカを連れて、懐かしいポム小母さんの家にふたりで飛んだのだ。
「あ、あ、あんた達っ!?」
当然、いきなり目の前に現れたアユリカとハイゼルに驚くポム小母さんに、ハイゼルが元気よく告げた。
「ただいまポム小母さん!喜んでくれっ、俺たち結婚して夫婦になるんだ!」
「お、おかえり……?そしておめでとう……?」
瞠目したままでも、ちゃんとそう答えてくれるポム小母さんに、ハイゼルもアユリカも思わず笑みを浮かべた。
その後ハイゼルはポム小母さんに
「あんたは何でもいきなり過ぎるんだよ!相変わらずせっかちな子だね!」
とお叱りを受けていたが、それされもふたり共嬉しそうにしていたのだった。
◇◇◇
「それで?ということは既にアユリカちゃんは人妻?」
いつものように店を訪れていてイリナが目を丸くしながらそう言った。
「驚くわよねぇ?ふたりできちんと話し合いなさいとお膳立てをしたけれど、まさかその日の内に結婚を決めて、次の日には王都の役所に婚姻届を出したなんて」
そのセィラの言葉にイリナの目がさらに丸くなる
「次の日って、早っ!でもまぁ今までの経緯を考えると、そうでもないのかもね。ふたりして随分遠回りをしたみたいだから」
イリナがそう言うと、わざわざ昼食を買いに店を訪れていたザウル・カーマインが白い歯を輝かせた。
今日も護衛としてハイゼルを伴っている。
「若いっていいですねぇ。思うままに行動ができるのも、若さの特権ですよ。何はともあれ、いやはや、おめでとうございます」
「ありがとうございますカーマインさん。でも結婚してもそのまま惣菜屋を切り盛りしていくつもりですので、今後ともよろしくお願いしますね」
「それはありがたい。貴女が作る美味しい惣菜がモルトひとりの物になるのは勿体ないですからね。なら住まいもそのまま惣菜屋の上ですか?」
ザウルがそう尋ねると、アユリカは頷いた。
「ハイゼルが住んでいたアパートより広いですし、私は料理の仕込みで朝が早いですから。効率も考えてその方がいいと彼と決めました。オーナーさんも快諾してくれましたし」
それらの会話を聞いていたイリナがニヤリと笑う。
「そのうち、旦那さんがこの近くに家を買ってくれるわよ。ねぇそうでしょ?副司教様。だから聖騎士としての彼のお給料を上げてやってくださいね」
話の途中からイリナはザウルに向けてそう言うと、ザウルは笑みを深めて答えた。
「それは私の一存では……。そういうのは事務方が決めることですからねぇ。でもイリナさん、貴女は若いのにしっかりしてますねぇ」
「だってお金は大切だもん。こんなんいくらあってもいいですからね……って、え?……え?」
ザウルにそう言ったイリナだが、話の最後の方で何かに気付き、意識が散漫した。
「イリナさん?」
唖然とした様子で窓の外に視線を向けるイリナ。
それを不審に思ったアユリカが声を掛けた途端に、イリナは声を荒らげながら店を飛び出した。
「あンのっクズ男がぁぉっ……!待てコラっ現行犯逮捕じゃあっ!!」
「イリナさんっ!?」
突然の事に店に取り残されたアユリカたちは呆気に取られるも、窓越しにイリナが向かった方向を眺めた。
イリナはとある男女二人連れの方へと全速力で駆け寄って行く。
そして後ろから全身全霊の力を込めて男の頭を叩き落した。
痛みで頭を押さえながら振り向いた男の顔色が一瞬で悪くなる。
そのまま男女三人、何やら口論になった。
口論というか、一方的にイリナが怒り散らしているようだが。
そしてその言い争いの末……
イリナの回し蹴りが男に炸裂したのであった。
「なんて美しい蹴りのフォルム!お見事ですっ……!」
イリナの回し蹴りを目の当たりにしたザウルが感嘆の声を上げる。
イリナにより沈められた男を放置して、連れの女が阿鼻叫喚で逃げ去って行くのが見えた。
そしてイリナは気絶したまま動かない男を放置して店に戻ってきたのであった。
ふいにザウルが小声でハイゼルに耳打ちする。
「あの男を回収してとりあえず教会支部にでも連れて行ってください。あんな所で寝ていたのでは通行人の邪魔ですし、何かあってイリナさんが責に問われるのは忍びないですからね」
とザウルにそう言われ、ハイゼルが早々に動いた。
アユリカとセィラは店に戻ってきたイリナの元へと駆け寄る。
「イリナさんっ……どうしたのっ?何があったの?」
「大丈夫だったんですか?」
アユリカとセィラが次々にそう尋ねると、イリナが忌々しげに答えた。
「アイツ……!心を入れ替えたと思っていたらそうじゃなかった!私に隠れて浮気してやがったんだ!しかも!この前アトリエに連れ込んだ女と密かに続いてたなんてっ!」
「えっ?それじゃあ……あそこに倒れているのがイリナさんの同棲中の恋人……」
アユリカはそうつぶやいて窓の外に視線を向ける。
外ではハイゼルがイリナの恋人ペーター・ペインターを担いでその場を去って行くところであった。
それを尻目に、イリナが唾棄するように言った。
「今、この瞬間から元恋人よっ!一度は多目に見てやったけど二度はないわっ!!もう絶対に別れてやる!!っていうかこれまで騙され続けた私の日々を返して貰いたいわっ!!」
怒りを露わにするイリナ。
このままでは営業妨害になると思ったセィラがとりあえずイリナを自宅に連れ帰り、慰めたのであった。
そして宣言通り、イリナは今度こそヒモ男を自宅から追い出した。
気絶したままその日の夜を国教会の支部の一室で過ごしたペーター・ペインターは翌朝慌ててイリナの自宅へ駆け戻るも、自分の私物が全部外に放り出されているのを見て号泣したそうだ。
そして玄関のドアをドンドンと叩き、必死になって許しを乞うたらしい。
しかし当然、そのドアが彼のために開くことは二度とない。
それでもしつこく泣き喚き散らすペーター・ペインター。
近所の人が通報した自警団の騎士に連行されるまで、それは続いたという。
そしてその連行された自警団での取り調べ中に、なんと最近起きた空き巣の犯人がペーター・ペインターであると判明。
彼はそのまま刑務所行きとなったのであった。
「もう暫く男はいい。ていうか男なんて信用できないからもう要らない!」
と言っていたイリナだが、彼女の華麗な回し蹴りに惚れたザウルに猛烈に求愛されて、彼の妻になるのはまた別のお話である……。
(国教会の司教は妻帯を認められている)
そうしてやがて年月は流れ、
セィラが女の子を無事に出産した頃に今度はアユリカの妊娠が判明した。
ギリギリまで仕事を続けたいアユリカと、心配のあまり超過保護になったハイゼルの、初の夫婦喧嘩が勃発したりと賑やかで幸せな日々が続いていく。
長い結婚生活の中、アユリカとハイゼルは幾度となく喧嘩をした。
それでも、どれだけ言い争いをしても、ふたりはすぐに仲直りをしてずっと仲睦まじい夫婦であったそうだ。
やがて年老いたアユリカが天に召される間際に愛する夫にこう告げたという。
「あなたへの恋心を大切に抱えたまま、先に神様の元へと向かうわね……」
「もし、忘れていったとしても大丈夫だ。かつてのように俺が大切に携えてまたお前に会いに行くから……天国で待っていてくれ……」
ハイゼルがそう伝えると、アユリカは最後に幸せそうに笑みを浮かべた。
二人の子どもたちと孫たちがそれを温かく見守る。
その側には、魔女の林檎の木が変わらぬ姿で、赤く熟れた林檎をたわわに実らせ佇んでいた。
了.
────────────────────◇
補足です。ラペルの毒妹サーニャは後に変な男に騙されてかなり苦労したそうな。
でもそこで彼女も人間として成長したらしく、その後は自分の力で逞しく生きていき、それなりに幸せな人生を送ったそうな……。
これにて完結です。
途中、私事で連載を中断して申し訳ございませんでした。
そして一気に最終話まで公開という形になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
また、休載や再開を近況ボードにてお知らせした際には、労りやお見舞いのお言葉を賜りありがとうございました。
本当に、本当に皆さまの優しいお言葉が嬉しくて励まされました。
重ね重ね、お礼を申し上げます。ありがとうございました!
この後、投稿を予定の物語は時期がずれてしまいますが順番に投稿したいと思います。
次回作は12月に入ってすぐくらいに投稿するつもりですので、その際はよろしくお願いいたします。
今作もお気に入り登録、感想、エールをありがとうございました!
読者さま皆さまに心からの感謝を!
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ...*゜
セィラとラペルが毒妹の謝罪に来たその日の夜。
惣菜屋の営業終了と共にハイゼルが店に飛び込んで来た。
もう店の戸締りをしようとしたそのタイミングに現れたハイゼルに、アユリカは驚いた。
「大丈夫?すごい汗じゃない」
額に汗を滲ませ肩で息をするハイゼルにアユリカは歩み寄る。
ハイゼルは顎を伝う汗を拭いながらアユリカに言った。
「支部から全速力で走ってきたっ……ハァハァ……」
「ええっ?支部からここまで?どうして……」
「大切な話があると聞いたら居ても立ってもいられなくてっ……気が付けば全速力で走ってた……」
「そうなんだ……」
「ア、アユ……大切な話って……」
まだ微妙に息が調わないハイゼルにそう促され、アユリカの鼓動がふいに早くなる。
セィラとラペルのおかげで自分の中で答えは出たものの、それを本人に打ち明ける心積りはまだ出来ていなかった。
「う、うん……でも、店では何だし……に、二階に上がろうか」
その間に心を落ち着かせ、覚悟を決めようと思ったアユリカにハイゼルが言う。
「で、出来ればすぐに話して欲しいっ……内容を知るまで落ち着かないっ……」
「え、い、今ここで?」
「う、うんっ……良い事も悪い事も受け止めるからっ……」
余裕のない様子でそう告げながらも意思を示すハイゼルに、アユリカも覚悟を決める。
「……っわ、わかったわ……じゃあここで……」
「うんっ……」
アユリカとハイゼル。
二人、微妙な距離を空け向かい合う。
神妙な面持ちでアユリカを見下ろすハイゼルと、緊張した面持ちでハイゼルを見上げるアユリカ。
出会った頃はアユリカの方が背が高かったのに。今では頭ひとつ分以上の差があり、流れた年月の長さを感じる。
アユリカがひとつ、小さく深呼吸をしてハイゼルの名を呼んだ。
「……ハイゼル、あのね……」
が、それもすぐに僅かに取り乱すハイゼルによって遮られた。
「やっ、やっぱりちょっと待ってくれっ……!結果を受け止める覚悟が足りねぇっ……余裕をぶちかませる自信もねぇっ……!」
器用に力強くも情けない声を出すハイゼルに、アユリカは尋ねる。
「結果を受け止める覚悟?……どんな結果になると思ってるの?」
「だ、だって……俺、ヘタレが過ぎで過去にアユを傷付けてそれで見限られてさ……もう一度好きになって貰える気がしねぇんだよ……で、でも俺、それでもアユの側に居たいんだっ……また離れるくらいなら……いっそ、いっそ……ゴニョゴニョ」
いっそ閉じ込めてしまおうか。
なんてゴニョニョと不穏な小声が聞こえた気がした。
だがかつてはあんなに尊大だったハイゼルが、自分の返事ひとつに怯えて右往左往する姿に驚きつつも可愛いと感じてしまう。
やっぱり好きなんだなぁ。
初恋を諦めて、もう乗り越えたつもりだったけど。やっぱり変わらず、ずっと彼のことが好きだったんだと改めてわかった。
本当は今も十分ヘタレで情けないハイゼル。
そんな彼を知るのは自分だけだと思うと嬉しくなる。
アユリカは一歩前に足を踏み出して、ハイゼルに近付いた。
そして真っ直ぐに、彼の紫紺の瞳に映る自分を見つめる。
ハイゼルもアユリカの瞳に映る自分の姿を見た。
「ハイゼル……私のこと、好き?」
ふいにそう尋ねられ、ハイゼルはこくんと頷いた。
「私も、ハイゼルのことが好き」
「えっ……」
「ずっと、ずっと好き。諦めたと思っていたけど、そうじゃなかったみたい……ううん、あのまま離れて暮らしていたらいずれは本当にそうなったんだと思う。……だけど、」
「だけど……?」
「だけど、私が諦めたと思っていた恋を、ハイゼルが抱えて私に会いに来てくれた。きっと、その時に無意識に恋心を取り戻していたんだと思うの」
「アユ……アユリカ、それってつまり……」
不安から瞳を翳らしていたハイゼルの表情が見る間に変わっていく。
そんなハイゼルにアユリカは告げる。
「あの時の言葉をもう一度言うね。……ハイゼル、私は幼馴染のままじゃ嫌なの。ずっと幼馴染のままでいて、あなたを他の女性に取られるのを黙って見ているなんて嫌。だから、もし、ハイゼルも同じ気持ちでいてくれるなら……特別な存在として、ずっと側に居させてください」
アユリカは思いの丈を一心にハイゼルへとぶつけた。
それを黙って聞いているハイゼルの瞳から、一瞬たりとも目を逸らさずに。
かつては俯いてばかりである意味、彼ときちんと向き合っていなかった。
そんな子どもじみた自分と決別する思いで、アユリカは言葉を紡ぎ眼差しを向ける。
すると、
「ハイゼル……あなた……」
ハイゼルの瞳から大量の涙が溢れ出た。
無言のまま、瞬きもせずにアユリカを見つめてハイゼルへ涙を流す。
「ハイゼル……?」
その様子が心配になったアユリカがハイゼルの頬に手を伸ばした。
頬を伝う涙に触れそうになったアユリカの手を、ハイゼルの大きな手が掴んだ。
そしてそれと同時にアユリカを抱き寄せる。
性急なようでそうでもない。
緩慢なようでそうでもない。
だけど瞬きする間もなくアユリカはハイゼルの腕の中にすっぽりと閉じ込められた。
そして力強く、でも優しく抱きしめられる。
「ハイゼル?」
ハイゼルの腕の中から、アユリカは彼の名を呼んだ。
小刻みに震える体から、彼が泣き続けているのがわかる。
ハイゼルは嗚咽も漏らさずに、ただ黙って涙を流していた。
そしてようやく掠れた声がアユリカよりも高い位置から下りてくる。
「アユっ……アユ……!俺の方こそっ……もう幼馴染のままじゃ嫌だ……!かつての俺は別れの恐怖にばかり怯えていたけど、ポム小母さんに言われて気付いたんだ。何があっても俺がアユを離さなければ別れることはない。一生、ずっと一緒に居られると……!」
その言葉に、アユリカはハイゼルの腕の中で小さく頷く。
「うん……」
アユリカだって、彼を離すつもりはない。
「俺もアユリカも、自分の親たちとは違う。俺たちは……俺たちだ……」
「うん」
「アユ、好きだ。大好きだ」
「うん。私も……ハイゼルが好き……大好き」
アユリカがそう返すと、ハイゼルはより一層抱きしめる手に力を込めた。
そして先程までの情けない声が嘘のように大きな声でハッキリとアユリカに告げる。
「アユ……!結婚しよう!今すぐ入籍しよう!」
「えっ?今すぐっ?」
「俺はもう一日だってアユと離れたくない!またアユとひとつ屋根の下で暮らしたい!家族になりたいんだ!」
それならまず、イリナさんみたいに同棲からで良いのでは……?
と言いかけて、アユリカは直ぐさまそれを打ち消した。
自分だってそんな回りくどいことをする必要はないと思ったからだ。
アユリカは抱きしめられたまま顔を上げ、ハイゼルに言う。
「うんわかった。すぐに結婚しましょう。お互い回り道をしたけど、気持ちはすでに固まっているんだもの」
「やった……!ありがとう!ありがとうアユリカ!大好きだ!愛してる!」
「でも、それでも先ずはポム小母さんに報告してからよね。ポム小母さんに黙って結婚なんて出来ないわ。婚姻届の証人も必要だし」
アユリカが冷静にそう言うと、ハイゼルは尤もだと言わんばかりに大きく頷いた。
「その通りだ。よし!じゃあ善は急げだなっ」
とそう言って、店に置いてあった魔女の林檎の木の林檎をふたつ手にした。
そしてひとつをアユリカに手渡す。
林檎を受け取ったアユリカだが、何をする気かと小首を傾げるとハイゼルがニヤリと笑った。
「今すぐポム小母さんに会いに行こう」
「えっ?……えっ…………
と思ったと同時に、どこかへと引っ張られる感覚がした。
一瞬恐怖を感じるも、抱きしめてくれるハイゼルの体が温かくてすぐに怖くはなくなった。
そして次に目に飛び込んできた光景は……
キッチンでお玉杓子片手に鍋の中のスープ(玉ねぎとマッシュルームのスープ)を掻き混ぜるポム小母さんだった。
ハイゼルは魔女の林檎の力を借り、転移魔法を用いた。
アユリカを連れて、懐かしいポム小母さんの家にふたりで飛んだのだ。
「あ、あ、あんた達っ!?」
当然、いきなり目の前に現れたアユリカとハイゼルに驚くポム小母さんに、ハイゼルが元気よく告げた。
「ただいまポム小母さん!喜んでくれっ、俺たち結婚して夫婦になるんだ!」
「お、おかえり……?そしておめでとう……?」
瞠目したままでも、ちゃんとそう答えてくれるポム小母さんに、ハイゼルもアユリカも思わず笑みを浮かべた。
その後ハイゼルはポム小母さんに
「あんたは何でもいきなり過ぎるんだよ!相変わらずせっかちな子だね!」
とお叱りを受けていたが、それされもふたり共嬉しそうにしていたのだった。
◇◇◇
「それで?ということは既にアユリカちゃんは人妻?」
いつものように店を訪れていてイリナが目を丸くしながらそう言った。
「驚くわよねぇ?ふたりできちんと話し合いなさいとお膳立てをしたけれど、まさかその日の内に結婚を決めて、次の日には王都の役所に婚姻届を出したなんて」
そのセィラの言葉にイリナの目がさらに丸くなる
「次の日って、早っ!でもまぁ今までの経緯を考えると、そうでもないのかもね。ふたりして随分遠回りをしたみたいだから」
イリナがそう言うと、わざわざ昼食を買いに店を訪れていたザウル・カーマインが白い歯を輝かせた。
今日も護衛としてハイゼルを伴っている。
「若いっていいですねぇ。思うままに行動ができるのも、若さの特権ですよ。何はともあれ、いやはや、おめでとうございます」
「ありがとうございますカーマインさん。でも結婚してもそのまま惣菜屋を切り盛りしていくつもりですので、今後ともよろしくお願いしますね」
「それはありがたい。貴女が作る美味しい惣菜がモルトひとりの物になるのは勿体ないですからね。なら住まいもそのまま惣菜屋の上ですか?」
ザウルがそう尋ねると、アユリカは頷いた。
「ハイゼルが住んでいたアパートより広いですし、私は料理の仕込みで朝が早いですから。効率も考えてその方がいいと彼と決めました。オーナーさんも快諾してくれましたし」
それらの会話を聞いていたイリナがニヤリと笑う。
「そのうち、旦那さんがこの近くに家を買ってくれるわよ。ねぇそうでしょ?副司教様。だから聖騎士としての彼のお給料を上げてやってくださいね」
話の途中からイリナはザウルに向けてそう言うと、ザウルは笑みを深めて答えた。
「それは私の一存では……。そういうのは事務方が決めることですからねぇ。でもイリナさん、貴女は若いのにしっかりしてますねぇ」
「だってお金は大切だもん。こんなんいくらあってもいいですからね……って、え?……え?」
ザウルにそう言ったイリナだが、話の最後の方で何かに気付き、意識が散漫した。
「イリナさん?」
唖然とした様子で窓の外に視線を向けるイリナ。
それを不審に思ったアユリカが声を掛けた途端に、イリナは声を荒らげながら店を飛び出した。
「あンのっクズ男がぁぉっ……!待てコラっ現行犯逮捕じゃあっ!!」
「イリナさんっ!?」
突然の事に店に取り残されたアユリカたちは呆気に取られるも、窓越しにイリナが向かった方向を眺めた。
イリナはとある男女二人連れの方へと全速力で駆け寄って行く。
そして後ろから全身全霊の力を込めて男の頭を叩き落した。
痛みで頭を押さえながら振り向いた男の顔色が一瞬で悪くなる。
そのまま男女三人、何やら口論になった。
口論というか、一方的にイリナが怒り散らしているようだが。
そしてその言い争いの末……
イリナの回し蹴りが男に炸裂したのであった。
「なんて美しい蹴りのフォルム!お見事ですっ……!」
イリナの回し蹴りを目の当たりにしたザウルが感嘆の声を上げる。
イリナにより沈められた男を放置して、連れの女が阿鼻叫喚で逃げ去って行くのが見えた。
そしてイリナは気絶したまま動かない男を放置して店に戻ってきたのであった。
ふいにザウルが小声でハイゼルに耳打ちする。
「あの男を回収してとりあえず教会支部にでも連れて行ってください。あんな所で寝ていたのでは通行人の邪魔ですし、何かあってイリナさんが責に問われるのは忍びないですからね」
とザウルにそう言われ、ハイゼルが早々に動いた。
アユリカとセィラは店に戻ってきたイリナの元へと駆け寄る。
「イリナさんっ……どうしたのっ?何があったの?」
「大丈夫だったんですか?」
アユリカとセィラが次々にそう尋ねると、イリナが忌々しげに答えた。
「アイツ……!心を入れ替えたと思っていたらそうじゃなかった!私に隠れて浮気してやがったんだ!しかも!この前アトリエに連れ込んだ女と密かに続いてたなんてっ!」
「えっ?それじゃあ……あそこに倒れているのがイリナさんの同棲中の恋人……」
アユリカはそうつぶやいて窓の外に視線を向ける。
外ではハイゼルがイリナの恋人ペーター・ペインターを担いでその場を去って行くところであった。
それを尻目に、イリナが唾棄するように言った。
「今、この瞬間から元恋人よっ!一度は多目に見てやったけど二度はないわっ!!もう絶対に別れてやる!!っていうかこれまで騙され続けた私の日々を返して貰いたいわっ!!」
怒りを露わにするイリナ。
このままでは営業妨害になると思ったセィラがとりあえずイリナを自宅に連れ帰り、慰めたのであった。
そして宣言通り、イリナは今度こそヒモ男を自宅から追い出した。
気絶したままその日の夜を国教会の支部の一室で過ごしたペーター・ペインターは翌朝慌ててイリナの自宅へ駆け戻るも、自分の私物が全部外に放り出されているのを見て号泣したそうだ。
そして玄関のドアをドンドンと叩き、必死になって許しを乞うたらしい。
しかし当然、そのドアが彼のために開くことは二度とない。
それでもしつこく泣き喚き散らすペーター・ペインター。
近所の人が通報した自警団の騎士に連行されるまで、それは続いたという。
そしてその連行された自警団での取り調べ中に、なんと最近起きた空き巣の犯人がペーター・ペインターであると判明。
彼はそのまま刑務所行きとなったのであった。
「もう暫く男はいい。ていうか男なんて信用できないからもう要らない!」
と言っていたイリナだが、彼女の華麗な回し蹴りに惚れたザウルに猛烈に求愛されて、彼の妻になるのはまた別のお話である……。
(国教会の司教は妻帯を認められている)
そうしてやがて年月は流れ、
セィラが女の子を無事に出産した頃に今度はアユリカの妊娠が判明した。
ギリギリまで仕事を続けたいアユリカと、心配のあまり超過保護になったハイゼルの、初の夫婦喧嘩が勃発したりと賑やかで幸せな日々が続いていく。
長い結婚生活の中、アユリカとハイゼルは幾度となく喧嘩をした。
それでも、どれだけ言い争いをしても、ふたりはすぐに仲直りをしてずっと仲睦まじい夫婦であったそうだ。
やがて年老いたアユリカが天に召される間際に愛する夫にこう告げたという。
「あなたへの恋心を大切に抱えたまま、先に神様の元へと向かうわね……」
「もし、忘れていったとしても大丈夫だ。かつてのように俺が大切に携えてまたお前に会いに行くから……天国で待っていてくれ……」
ハイゼルがそう伝えると、アユリカは最後に幸せそうに笑みを浮かべた。
二人の子どもたちと孫たちがそれを温かく見守る。
その側には、魔女の林檎の木が変わらぬ姿で、赤く熟れた林檎をたわわに実らせ佇んでいた。
了.
────────────────────◇
補足です。ラペルの毒妹サーニャは後に変な男に騙されてかなり苦労したそうな。
でもそこで彼女も人間として成長したらしく、その後は自分の力で逞しく生きていき、それなりに幸せな人生を送ったそうな……。
これにて完結です。
途中、私事で連載を中断して申し訳ございませんでした。
そして一気に最終話まで公開という形になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
また、休載や再開を近況ボードにてお知らせした際には、労りやお見舞いのお言葉を賜りありがとうございました。
本当に、本当に皆さまの優しいお言葉が嬉しくて励まされました。
重ね重ね、お礼を申し上げます。ありがとうございました!
この後、投稿を予定の物語は時期がずれてしまいますが順番に投稿したいと思います。
次回作は12月に入ってすぐくらいに投稿するつもりですので、その際はよろしくお願いいたします。
今作もお気に入り登録、感想、エールをありがとうございました!
読者さま皆さまに心からの感謝を!
(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ...*゜
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いつも素敵なお話ありがとうございます!
誤記かな?と思いましたので、コメント失礼します!
24話の
「やっぱりラペルはモテてるんですね。」
というところは、ハイゼルがモテてるの間違いかなと思いましたのでご報告です。
誤字報告ありがとうございます( •̀ω•́ゞ)ビシッ!!
✨
そしてお読みいただきありがとうございます*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*✨💕
ましゅろう先生の作品はテンポが良いのとハピエンなのが嬉しいです☆
この作品で、ましゅろう先生作品全部読み終わりましたよ♡
この後は「無関係だった私が…」の更新をワクワクしながらお待ちしてます。
いつも楽しいワクワク元サヤハピエン作品有り難うございます。お体にはお気をつけて下さいね(^◇^)
゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚
全作品読んで下さったのですか✨
ありがとうございます🥰✨
書きたいとこだね書いちゃう短編や読み切りが好きなのでつい作品が増えます🤭
これからもよろしければお付き合いくださいませ😘💕
元サヤ話が苦手な私ですが(笑)
このお話はそもそもが恋人ではないので元サヤではなくて、新たな関係へのステップアップ、だったせいか、ほぼ、心地よく読ませていただきました。
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ハッピーエンドでよかったです。
楽しく夢のあるお話をありがとうございました。
元サヤハピエンと謳っておりますが、作者の元サヤは広い概念(強いて言えばニューヒーローは出ない)で書いております🤭✨
それぞれダメンズが集まっておりましたが、お互い相手のダメンズさでヘイトが薄れていたと思います。
真のクズ男であるペーター・ペインターのおかげでもありますね😁🎶
主人公二人にとって、ポム小母さんという存在はどれだけ救いだったことでしょう。
それはきっと一生変わらないのでしょうね🥰✨
最後までお読みいただきありがとうございました✨