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序章
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道隆は平安京の北端から外れた、大内裏の裏側に位置する桃園邸にいた。一条の北、大宮の西にあるこの屋敷には昨日から滞在している。今はその屋敷内の廊下を、真っ暗な中手元のかすかな火の灯りを頼りに自室に向かって歩いていた。皆が寝静まっているだろう夜も更けた頃である。
思うところあって、東棟門からの戻りであった。この屋敷の正門である。当主である義孝と、その北の方である千代が過ごす寝殿の北側の廊下を通り、自室としてあてがわれた部屋へと戻るところだった。
ふと、足を止める。東の透渡殿(両側に壁のない渡り廊下)に差し掛かったとき、今まで頬を優しく撫でていた夜風が急に肌を突き刺す鋭いものに変わったのだ。不穏な気配を感じ取り、道隆は手前の部屋の角の柱に身を隠してそろりと自室の様子を伺う。
「なに…」
道隆は絶句した。
自室の障子は、見るも無惨に引き裂かれ原型を留めていない。何者かの急襲があったことは明白だった。そろりとあたりを警戒しながら部屋の前に立つ。
近くで見ると、それは刃物により傷つけられたものだとわかる。何度も切りつけられた凄惨さに、豪胆な性格で知られている道隆ですら背筋に嫌な汗が伝うのを感じた。道隆はすぐに踵を返す。直衣の袖が翻った。
この屋敷の主である義孝へ事の顛末を告げなければならない。屋敷内にこの道隆の命を狙っている者がいるのかもしれないのだ。
夫婦が寝静まる寝殿(主人の居所)を目指し、再度来た道を戻るとき、北側の妻戸が開き千代が姿を表した。声をかけようとしたが、義孝の北の方は青白い顔で床をしきりに見やりながら何かを探すように屋敷の北のほうへとすぐに姿を消してしまった。彼女を追いかけるよりも先に、自身に起こった怪異に思考を奪われている道隆は、気に留めることもできずにそのまま寝殿の妻戸に手をかける。幸いにも、千代が出ていった際に戸をしかと閉めなかったようで、音をたてることもなく中の様子が伺えた。
「義孝」
抑えた声でこの屋敷の主であり、自身の従兄弟でもある親友の名を呼ぶ。しかし、返事はない。昨夜の酒宴の途中から体調が優れなく、先に床へとついているため、道隆の声に反応できないのかもしれない。そう思った道隆は、寝殿の中へと一歩踏み入れた。本来は夫婦の空間であるが、やむを得ない事態である。
「義孝、いないのか」
部屋の中には誰もいなかった。調子の優れなかったはずの義孝がなぜ寝ていないのか。そして北の方の千代の常ならぬ様子。さらに自室での怪異。
この屋敷では、なにかが起こっている。そんな気がしてならなかった。
この寝殿には南側にも妻戸があり、そこから南庭(前庭)へと降りる階段へと行くことができる。道隆は部屋を横切り南側の妻戸に手をかけた。開いた途端に生ぬるい風が不快なまでに道隆を撫でていく。目の前がひらけ、外の様子が見える。雲が途切れ、間に月が顔を出していた。
「よ、義孝…!」
道隆は膝から崩れ落ちるのをどうにかこらえた。着ていた直衣の袴を手のひらでつかみ、全力で駆け出す。南庭で倒れ伏せている男の元へと駆け寄った。
「義孝! どうしたのだ!」
先程まで今宵の美しい月を肴に、皆で酒を酌み交わしていたというのに。その美しい月明かりに照らされて、神々しいまでに人間離れした姿を見せるのは、道隆の幼い頃からの親友である義孝であった。
「そんな、義孝…。なぜだ」
彼の体は冷たく、現世のものではなくなっていた。義孝が二十一歳のことである。
義孝の父は名を伊尹といい、太政大臣(律令官制の最高官)にまで上り詰めた藤原家の最有力権者であった。しかしその栄達も長くは続かず、就任して二年で早逝してしまったのである。もともと体の弱かった義孝はその不幸もあってか、病に伏せがちになっていた。
道隆は義孝の身を案じた。このままでは義孝まで儚いものとなってしまいそうなのだ。
「たまには女のもとへ通うというのはどうだ。源保光殿の娘のもとへ何度か出かけていただろう。彼女とはいい感じではないのか?」
「まあ、どうということもないよ」
「お前、誰かと一緒になる気はないのか」
その涼やかな顔は実に整っている。その気になればすぐにでも妻を娶ることはできるはずだ。
「僕は近頃、御仏のおそばで仕えることこそが本当の使命なのではないかと考えるようになってね」
「出家を考えているというのか」
道隆は額に手を当てる。義孝はうなずいた。
「いくらなんでも早すぎる。まだこれからだってのに。伊尹様の跡を継ぐんじゃないのか」
「父上もいない今、僕には後見もない。官位も役職も父上には遠く及ばない。世間の目はそれでも僕に向いてくる。なかなか耐えられるものではないよ」
「しかしな…」
道隆はどうにかして義孝を励ましたかった。
「とりあえず今日は源保光殿の娘のもとへ向かえ! そうしたら気も晴れる!」
酒豪で豪胆な道隆は女遊びも激しい。ゆえに勢いで押し切るような励まし方しかできない不器用な男だ。対して信心深く昔からおとなしい義孝には、考えすぎるきらいがあった。義孝は必死な形相で女通いを勧めてくる親友の顔を見て、頬を緩める。この不器用な男なりに自分を案じてくれての提案であることを、聡い義孝はわかっていた。
「お! なんだ、行きたくなったか!?」
義孝の表情が少しだけ明るくなったのを見逃さない道隆は嬉しそうに声を上げた。
「ああ。そうだな。今日は彼女のもとへ行くとするよ」
「そうと決まれば俺の車で送ってやる」
道隆は上機嫌で義孝を送り出した。
義孝は灯りのほとんどない塗籠の中で、ふ、と息を漏らす。
「まあ、わたくしの前で、別の女のことでも思い出していらっしゃるのですか?」
咎める類の言葉でありながら、その声色はころころと鈴が鳴るようだ。義孝は胸元でしどけない姿で笑みを浮かべる女の肩を引き寄せた。彼女は義孝が浮気な性格ではないことを知って言っている。その上で義孝との戯れに興じているのだ。彼はそんな彼女の怜悧な性格を気に入っていた。
「失礼いたしました。ですが、決してそのようなことはございません。思い出していたのは男の姿です」
「どんな方なのですか?」
「私の幼なじみです。とても粗野で気が遣えず、酒を飲んでは歩き回っているような男です」
「まあ、妬いてしまいます」
義孝は目を瞬いた。褒めたつもりは皆無であった。
「なぜですか?」
「気のおけない仲なのですね。わたくしも義孝さまとそのような関係になりたいです」
頬をふくらませるその姿を義孝は愛おしいと思った。
そして、その刹那に初めて俗世への未練を抱いた。いつでも仏の御下へ身を捧げてもいいと思っていたし、ついさきほどまでそれは揺るぎない義孝自身の信念そのものであった。あの世で仏に仕えられるほうが幸せなのではないかとまで思い始めていた。
しかし、今目の前に横たわる小柄で華奢な女を見ていると、この世を離れることがひどく怖いものとして義孝に迫ってくる。この胸の内に経験したことのない焦燥を掻き立てた。恐怖し、その分、目の前の女を失いたくないと子どものように求めている。そんな自分があまりにもおかしかった。自分にそのような一面があることが興味深い。
「あなたは私を、この世に留めおいてくれる。どうかこの先の人生を私と一緒に過ごしてくれませんか」
この話をきいたらきっと道隆は驚くだろう。しかしそれ以上に、友の幸せを自分ごとのように喜び笑い飛ばしてくれるはずだ。
義孝は女の豊満な胸元に顔を埋める。しかと抱きつき、柔らかな体に腕を回した。頭上からくすりとした笑いが聞こえる。これを人は、幸せと呼ぶのだろうか。
君がため 惜しからざりし 命さへ
ながくもがなと 思ひけるかな
いつ死んでもいいと思っていました。あなたに出会うまでは。しかし、出会ってしまった今は、この命が長くあればいいのにと願わずにはいられません。
思うところあって、東棟門からの戻りであった。この屋敷の正門である。当主である義孝と、その北の方である千代が過ごす寝殿の北側の廊下を通り、自室としてあてがわれた部屋へと戻るところだった。
ふと、足を止める。東の透渡殿(両側に壁のない渡り廊下)に差し掛かったとき、今まで頬を優しく撫でていた夜風が急に肌を突き刺す鋭いものに変わったのだ。不穏な気配を感じ取り、道隆は手前の部屋の角の柱に身を隠してそろりと自室の様子を伺う。
「なに…」
道隆は絶句した。
自室の障子は、見るも無惨に引き裂かれ原型を留めていない。何者かの急襲があったことは明白だった。そろりとあたりを警戒しながら部屋の前に立つ。
近くで見ると、それは刃物により傷つけられたものだとわかる。何度も切りつけられた凄惨さに、豪胆な性格で知られている道隆ですら背筋に嫌な汗が伝うのを感じた。道隆はすぐに踵を返す。直衣の袖が翻った。
この屋敷の主である義孝へ事の顛末を告げなければならない。屋敷内にこの道隆の命を狙っている者がいるのかもしれないのだ。
夫婦が寝静まる寝殿(主人の居所)を目指し、再度来た道を戻るとき、北側の妻戸が開き千代が姿を表した。声をかけようとしたが、義孝の北の方は青白い顔で床をしきりに見やりながら何かを探すように屋敷の北のほうへとすぐに姿を消してしまった。彼女を追いかけるよりも先に、自身に起こった怪異に思考を奪われている道隆は、気に留めることもできずにそのまま寝殿の妻戸に手をかける。幸いにも、千代が出ていった際に戸をしかと閉めなかったようで、音をたてることもなく中の様子が伺えた。
「義孝」
抑えた声でこの屋敷の主であり、自身の従兄弟でもある親友の名を呼ぶ。しかし、返事はない。昨夜の酒宴の途中から体調が優れなく、先に床へとついているため、道隆の声に反応できないのかもしれない。そう思った道隆は、寝殿の中へと一歩踏み入れた。本来は夫婦の空間であるが、やむを得ない事態である。
「義孝、いないのか」
部屋の中には誰もいなかった。調子の優れなかったはずの義孝がなぜ寝ていないのか。そして北の方の千代の常ならぬ様子。さらに自室での怪異。
この屋敷では、なにかが起こっている。そんな気がしてならなかった。
この寝殿には南側にも妻戸があり、そこから南庭(前庭)へと降りる階段へと行くことができる。道隆は部屋を横切り南側の妻戸に手をかけた。開いた途端に生ぬるい風が不快なまでに道隆を撫でていく。目の前がひらけ、外の様子が見える。雲が途切れ、間に月が顔を出していた。
「よ、義孝…!」
道隆は膝から崩れ落ちるのをどうにかこらえた。着ていた直衣の袴を手のひらでつかみ、全力で駆け出す。南庭で倒れ伏せている男の元へと駆け寄った。
「義孝! どうしたのだ!」
先程まで今宵の美しい月を肴に、皆で酒を酌み交わしていたというのに。その美しい月明かりに照らされて、神々しいまでに人間離れした姿を見せるのは、道隆の幼い頃からの親友である義孝であった。
「そんな、義孝…。なぜだ」
彼の体は冷たく、現世のものではなくなっていた。義孝が二十一歳のことである。
義孝の父は名を伊尹といい、太政大臣(律令官制の最高官)にまで上り詰めた藤原家の最有力権者であった。しかしその栄達も長くは続かず、就任して二年で早逝してしまったのである。もともと体の弱かった義孝はその不幸もあってか、病に伏せがちになっていた。
道隆は義孝の身を案じた。このままでは義孝まで儚いものとなってしまいそうなのだ。
「たまには女のもとへ通うというのはどうだ。源保光殿の娘のもとへ何度か出かけていただろう。彼女とはいい感じではないのか?」
「まあ、どうということもないよ」
「お前、誰かと一緒になる気はないのか」
その涼やかな顔は実に整っている。その気になればすぐにでも妻を娶ることはできるはずだ。
「僕は近頃、御仏のおそばで仕えることこそが本当の使命なのではないかと考えるようになってね」
「出家を考えているというのか」
道隆は額に手を当てる。義孝はうなずいた。
「いくらなんでも早すぎる。まだこれからだってのに。伊尹様の跡を継ぐんじゃないのか」
「父上もいない今、僕には後見もない。官位も役職も父上には遠く及ばない。世間の目はそれでも僕に向いてくる。なかなか耐えられるものではないよ」
「しかしな…」
道隆はどうにかして義孝を励ましたかった。
「とりあえず今日は源保光殿の娘のもとへ向かえ! そうしたら気も晴れる!」
酒豪で豪胆な道隆は女遊びも激しい。ゆえに勢いで押し切るような励まし方しかできない不器用な男だ。対して信心深く昔からおとなしい義孝には、考えすぎるきらいがあった。義孝は必死な形相で女通いを勧めてくる親友の顔を見て、頬を緩める。この不器用な男なりに自分を案じてくれての提案であることを、聡い義孝はわかっていた。
「お! なんだ、行きたくなったか!?」
義孝の表情が少しだけ明るくなったのを見逃さない道隆は嬉しそうに声を上げた。
「ああ。そうだな。今日は彼女のもとへ行くとするよ」
「そうと決まれば俺の車で送ってやる」
道隆は上機嫌で義孝を送り出した。
義孝は灯りのほとんどない塗籠の中で、ふ、と息を漏らす。
「まあ、わたくしの前で、別の女のことでも思い出していらっしゃるのですか?」
咎める類の言葉でありながら、その声色はころころと鈴が鳴るようだ。義孝は胸元でしどけない姿で笑みを浮かべる女の肩を引き寄せた。彼女は義孝が浮気な性格ではないことを知って言っている。その上で義孝との戯れに興じているのだ。彼はそんな彼女の怜悧な性格を気に入っていた。
「失礼いたしました。ですが、決してそのようなことはございません。思い出していたのは男の姿です」
「どんな方なのですか?」
「私の幼なじみです。とても粗野で気が遣えず、酒を飲んでは歩き回っているような男です」
「まあ、妬いてしまいます」
義孝は目を瞬いた。褒めたつもりは皆無であった。
「なぜですか?」
「気のおけない仲なのですね。わたくしも義孝さまとそのような関係になりたいです」
頬をふくらませるその姿を義孝は愛おしいと思った。
そして、その刹那に初めて俗世への未練を抱いた。いつでも仏の御下へ身を捧げてもいいと思っていたし、ついさきほどまでそれは揺るぎない義孝自身の信念そのものであった。あの世で仏に仕えられるほうが幸せなのではないかとまで思い始めていた。
しかし、今目の前に横たわる小柄で華奢な女を見ていると、この世を離れることがひどく怖いものとして義孝に迫ってくる。この胸の内に経験したことのない焦燥を掻き立てた。恐怖し、その分、目の前の女を失いたくないと子どものように求めている。そんな自分があまりにもおかしかった。自分にそのような一面があることが興味深い。
「あなたは私を、この世に留めおいてくれる。どうかこの先の人生を私と一緒に過ごしてくれませんか」
この話をきいたらきっと道隆は驚くだろう。しかしそれ以上に、友の幸せを自分ごとのように喜び笑い飛ばしてくれるはずだ。
義孝は女の豊満な胸元に顔を埋める。しかと抱きつき、柔らかな体に腕を回した。頭上からくすりとした笑いが聞こえる。これを人は、幸せと呼ぶのだろうか。
君がため 惜しからざりし 命さへ
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