=短編集=

仙 岳美

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僕に大事な物気づかせてくれた手紙

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お題[雨]
 
 僕は砂浜に座り地平線を眺めている、今いる所はどうやら何処かの島のようだ。
サーフィンをしていて海面に浮いている瓶詰めの手紙を見つけて追いかけていたら沖潮に流されて一晩漂流して此処にいるのである。
後ろに大きく聳える山がある、おそらく死火山である地面の黒色と周りに落ちている、穴ボコだらけの茶石を見てそう思える。
火山に登って島の全体を見たいと思ったが今の僕の装備的にも体力的・経験的にも登るのは無謀だと思った。
この火山島に漂着してもう3日になる。
今着てる服は砂浜で拾った袋と紐で作った粗末な物で靴はタイヤの切れ端に穴を開けて作ったものである。
喉が渇いたが海水はとてもじゃないが飲めなかった、雨だけが頼りだ、取り合えず浜で拾った洗面器やバケツなど水が貯まるものを集めて雨が降るのを待った……なかなか降らない。

たまに遠くに船が通るけど手を振っても気づいてくれない……火も着けようとし拾った木などで色々と試したがつかなかった……

突然に訪れた島流し無期懲役の刑である。

僕がこうなるように導いた[瓶の中身の手紙]に目を通した! それは助けを求める手紙であった! 滲んで(にじんで)いたが地図も書いてあった!場所を確認した、地図の真ん中に火山が描かれいる、この島の地形と同じだ、なんと近くだ火山の裏側!この島に他に誰かいるのだ、それ字体からして女の子だ……僕はニヤリとした!
手紙の紙の劣化具合からしてだいぶ時間は経ってるように思われる!
事は急する!
相手が生存してヤレるうちにいや間違えた!とにかく助けに行かなくては!
最後まで手紙を読まずに急いで地図みながら試行錯誤し道なき道を草木を掻き分け進んだ!
火山の裏側にはなんとか夜になったが出ることができた!
う!目の前に差し込む光が……
そこにはなんと!

スナック【美帆】があった……
その先には町明かりも……手紙をジックリ見て見た!


=【緊急】助けて下さい=
「この手紙を拾った外国の方、助けてください、経営の危機です!日本に観光に来られる方は是非、下記地図を参考にお越しください。」スナック美帆♡
※ Translate Japanese to English"(日本語を英語に訳す)

字が滲んだ地図をよく見て観た・・地図の内容は半島……の真ん中に火山が書いてあった、その時に気づいた……もう言うまでもないと思うが僕は勝手に島に居ると思い込んでいて実際には半島の砂浜に居たのだ。
僕は助けに応じて店の常連になった。
美帆ママが作るナポリタンはハッキリ言って本物のママが作る物より美味かった。
神はこのナポリタンを食わすため、また世界の広さと僕の視野の狭さを教えるため僕にあえて厳しい試練を与えたのだ、神様今日もお節介有難う。
そして僕の事はもうほっぽって置いてくれ。
いつまでも神の遊びに付き合ってるほど暇では無い!
そろそろ金取るぞ。【完】
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