=短編集=

仙 岳美

文字の大きさ
上 下
21 / 39

チェンジ

しおりを挟む
チェンジ お題・嘘

序章
 嘘とは?バレた時点で嘘では無くなると思う……またバレなければ嘘では無いと思う。嘘とはバレた時につかれた方ついた方の双方に瞬間的に感じる物である。ある意味、感じ方は両者が感じる嘘とは違い生者側の一歩通行ではあるが死んだ瞬間に終わる死に似ているまた夢にも似ている……ただどれらも思い出として残る事はできる……

 俺はその日は暇で某大手電気屋の2階に併設している某大手バーガーチェーンでセットメニューを食べていた、その時、俺の耳にある情報が入り込んできた、
「一階の売り場でスマホ投げ売りしてるぞ」
俺はそれ聞き食事を終えたら試しに覗いてみた内容は何何ふむふむどうやら他社からの乗り換えてスマホ本体料金1000円だそうだ、ちょうど俺はまだガラケーだった事もあり話を聞いてそのまま契約した、ハッキリ言って電話料金も安くなる断る理由はなかった。案内してくれた店員さんも可愛かった! (これがほぼ決め手、へへへ)
それから数日後、何かの縁なのか? 投稿小説サイトアプリをダウンロードした最初は見てるだけだったがそのうち自分で試しに書いて投稿して見たらすぐに音が鳴り[いいね]が付いた、それから投稿するたび[いいね]が秒速で直ぐに飛んで来る! たまに瞬速の時も! ある意味でSFである。読んではないなと思ったがその時は別に気にはならなかった、その嘘の[いいね]の音でも何か気分が乗ってくる、俺は褒められると伸びる子だった様で[いいね]に乗せられて投稿を続けた結果いつの間にか小説をすらすらと書けるようになっていた。
そのうちサイト内で交流も生まれ仲良くなる人も現れ順調にサイト生活をしていたが同時にある理由で俺の心の中にある葛藤が芽生えだした……その理由とは俺は唯の思いつきであまり深く考えずにアバターになんと! 前に付き合っていた彼女の名を元にして考えたハドルネームを登録し顔写真にはフリー写真を貼り付け、サイト内のチャットでのやり取りでは彼女の喋り方や癖も全て模写矢倉し女性のフリをし過ごしていた事だった、何故そんな事をしたのか? 最初はサイト内で人と関わる気もなかった事と小説を書く事にも直ぐに飽きてサイト自体を直ぐに辞めるだろうと思っていたのである。そんな感じで軽く考えていたが、だんだん予想に反して小説を書く事にハマり、他のユーザーさん達とも交流が深まり、サイトをもう少し続けたい気持ちも芽生え真実が明かしづらくなった、だが自分で言うのもなんだが本来俺は拾ったサイフも迷いなく届ける善良な人間なのである(たぶん)その人間性からか精神的に追い詰められた、そんな俺は悩んだ末に苦肉の策を打った、前の彼女に電話し昼間喫茶店に呼び出した、電話だけではまぁ粘れない切られたら終わりである不利な交渉は直接逢って足にスガれる状況を確保する事が基本である。謝罪もそうである土下座する状況を確保しなければいけない。
そんな訳で喫茶店で待っていたら入り口ドアのベルがカランカランとなった彼女は来てくれた、久しぶりに見た彼女は少し大人に感じた化粧の感じも変わったナチュラルから少しバッチリ系になっていた俺の顔を見てニッコリしてくれた、幸先は良さそうだ、早速、訳を話しこのアカウントを引き継ぐ様にお願いしたら彼女は笑顔から一変し呆れた顔をになり、一言。
「なんだそんな事で呼び出したのガッカリした! 私し小説なんか書けない!アンタ本当ばか」と久しぶりに特徴的な犬歯を見せて威圧して来た(やはり怖い)
「じゃ、せめて表紙用に定期的に写真撮らせて、今日はとりあえず一枚ワンピース着た姿を撮らせて、後……よければ下着姿も」
「はあーもうやめな」
「でも人の夢を壊すのも何かな~」
「人の夢を壊す?今アンタ全部壊したでしょ! サイト内でいなくなった人はそれまでだよ! 皆んななんとも思わないよ! アンタのやらなきゃいけない事は他に沢山あるでしょ! 現実の世界を見なさいよ! 相変わらず君は物事引きずるわね!」
「そう言わずに試しに一つ書いてよ、俺でも書けたんだからせっちゃんならかけるよ」と粘ったら渋々は了解してくれて書けたらメールで送ってくれる運びになった。
数日後、俺のスマホに彼女からメールが届いた、さっそくメールを開き、俺は煙草を吸いながら中に書かれている小説を確認した、教師と生徒の禁断の恋愛物か、男子の夢だな、方向性の着眼点は悪く無い、読んでみたら内容も悪くは無い。
むしろ俺より上手い。
その日のうちに彼女を晩飯に誘いファミレスで褒めちぎりそのアカウントを押し付け俺は逃げる事に成功しその危機を桶狭間の信長の如く華麗に脱した。
その後彼女も徐々に小説を書く事にハマり今だに続けている。俺としてはひと安心である。ちなみに最初に俺が手掛けた時空小説は冒頭で厄介払いの様に2つに分けられるように改良され9割は彼女に内容を書き換えられしまったがまぁそれは良い。その後は俺もたまぁに短編小説を書いて彼女に提供している。言ったら悪いが短編物は俺が担当した作品の方が彼女の書いた物より出来は良いと思う……少し俺の事を語ると普段の俺はしがない唯のゲーマーだがそろそろ新アカントで本家として参戦しようと思っている。
追記
現在の彼女と俺の関係は今回の話しから本来の内容からは大きく外れる問題なのであえて触れずに明かさないでおく……
俺は
私は
今日も1人で思い出の喫茶店でコーヒーを啜りながら黄色く黄ばんだ原稿用紙を眺めている……[終]

※内容は嘘です。
しおりを挟む

処理中です...