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門外不出、禁断ラーメンレシピ殺人事件

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~🚬
 俺は学生の頃から食べに通っていたラーメン屋があった、そこの豚骨醤油がベースのラーメンの味は他店のラーメンより、何か独特の香ばしさがあり、微かに苦味もある、その苦味が癖になる中毒性を感じるラーメンだった。その味に惚れ込み、その味を引き継ぎ、のれん分けをしてもらいたいと思い、その店の店主に弟子入りを頼んだ。でも店主はその味のレシピは自分の一代を持って封印すると言って弟子は取らないと言う、俺は土下座し、レシピは教えてもらわないでいいからと言う事でなんとがバイトとして働く事に成功した、とりあえず入ってしまえば後は何とかなると思った。だが師はがんとして秘伝のレシピを教えてくれなかった。鍋で煮ている食材は野菜、豚骨、鶏ガラ、そこ迄は一般的な物だった、ただ一つ違う事は店主が毎朝、店外から持ち込んで来る茶色い粉末の粉だった。その謎の粉が味の秘密に間違いない。

俺はある日、意を決してお願いした。
「誰にも言いません、約束は守ります、味の秘密を教えてください、あの粉は何なんですか?」
「それは言えん!」
師は速攻でクビを横に振った。
「そう言わずにヒントだけでも」
「うーん、言えん! 断じて言えんぞ! あの粉は偶然により知り得た、一線を超えてしまった禁断の粉! あの粉の正体を世に知れ渡ってしまったら、それを世に出してしまったワシは、命を取られるかも知れない、いや確実に取られる」
「そ、そこまでとは」
ますます気になって、俺は夜も寝れなくなった、悪いとはわかっていた、でもこのままでは俺は寝れない、やむえなく探偵を頼む事にした、依頼を受けてくれる探偵は中々見つからなかったが、その知り得た情報で営利を目的とした行為及び外部に知れ渡る恐れがある行為それらの全てを行わない事を条件にある探偵が依頼を引き受けてくれた。
☕️
 数日後、口元を押さえた探偵は言った
「依頼された粉の原材料がわかりました……一応聞いときますが、本当にお知りになりますか?」
「当たり前だろう、そのために頼んだんだ、ヤバい違法な薬でも入ってたのか?」
「違法と言うか普通の世間一般では食べない物です、まあ昔は中国なのでは炒めて食べられてた時代もあったみたいですが、今の時代は……」
「食べれる物ならかまわないよ、言ってくれ、秘密は守る、もうただ知りたいだけなんだ」
「いやーね、ご依頼者様に、この様な事を言うのも初めてなんですが、世の中知らない事がいい事もあるんですよ」
「シツコイな工藤さんも、そのいい事を知りたいんだ!」
「わかりました、わかりましたよ、でも後で私に怒らないでくださいよ、あくまでお止めはしましたからね」
と見せられた探偵が渋々出した写真には……ミキサーと……!

 俺は探偵事務所を出て思わず叫んだ、
「アレは陸にいるエビだ! そう黒いエビなんだー!!!」俺はたまらず腕につけているGショクさえも目障りに感じ外し投げ捨てた。

「刑事さん今話した事が全てですよ、やったのは俺です」

「そうか…ラーメン…いやカツ丼でも食うか」

[終]※内容はフィクション。

※Gショックとはカシオから実際に発売されている腕時計の商標名。
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