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『闇の世界』脱出編 ーオンブル国ー
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「ティグル王殿!!」
ユングが慌てた様子で、王室に駆け込んできた。椅子に座り、窓の外を眺めて感傷に浸っていたティグルは、あまり見せないユングの慌てように何事だと振り返った。
「どうかしたのか?珍しく取り乱しおって。」
「も、申し訳ございません。今しがた、デストリュ殿のご遺体を回収したのですが、セルヴォー殿の部屋から北側がかなり破壊されてまして…。」
「…ヨシミツの仕業か?…それで、セルヴォーやロイたちは見つかったのか?」
すると、ユングはリュックを差し出した。
「セルヴォー殿の部屋がとんでもなく破壊されておりまして、あの部屋で戦闘があったのは間違いないかと。…しかし、ロイやセルヴォー殿らの姿は見当たりませんでした。…部屋の隅にこのリュックが。」
ティグル王はそのリュックを受け取ると、ただのリュックではないことを感じ取った。
「…魔導具か。」
ユングは頷き、話を続けた。
「更にもうひとつ気になることがありまして。どうやら、何者かがあの部屋でヌワールホールを開いたようです。微かですが、闇のエネルが残っておりました。」
「ヌワールホールとな。…それならば、ブラックティアーを持つヨシミツの仕業だろうな。…ロイたちは闇の世界に飛ばされたか、またはヨシミツが闇の世界に逃げ込んだか…。ユング、もう少し調べてくれ。」
ユングは頭を下げて、王室を後にした。
その頃、闇の世界では、ロイたちが野生の闇生物との闘いを続けていた。
というより、ロイたちは必死で逃げていた。
「グルト!あれ、僕も何かの本で見たことあるよ!凄い昔に絶滅した生物でしょ!」
「あぁ、見た目はまさに『恐竜』だ。しかも肉食のな!!お嬢さんお二人大丈夫か!?」
グルトは後ろを走る女性二人を気にして、振り向きながら聞いた。
「ふん。子どもに心配される筋合いはないわよ!」
ロイたちを追い掛けているのは、体長6メートルはあろう二足歩行の肉食恐竜のような姿だが、やはり巨大な目が三つある異様な姿をしていた。ドシンドシンと地を叩くような足音は、そこまで速くないはない歩行速度でも、かなりの恐怖心を植え付けていた。
「あなたたち、何で戦わずに逃げてるのよ!」
テヒニクが前を走る三人に叫んだ。
「俺たちはもう力を使うパワーがねぇんだよ!あんな巨体、素の短刀じゃ敵うわけないだろう!…ロイ!ゼロは?」
グルトが真横を走るロイに聞くと、ロイは背中に背負ったゼロを指差しながら言った。
「…それが、ゼロさっきから寝ちゃってるんだよ!ゼロも技出すと疲れるのかなぁ。」
「…こんな時に…。」
グルトが頭を抱えると、フルールが前方を指差しながら叫んだ。
「ねぇ、あれ!洞窟じゃない?あの大きさなら恐竜は入ってこれないわよ!あの小さい入口に逃げ込みましょう!」
ロイたちもフルールが指差したその入口の場所を把握し、一気に走るスピードを上げた。
「…とりあえず助かったわね。…あれ?」
最後尾のテヒニクがある変化に気が付いた。地を揺らす程の足音が急に途絶えたのだ。テヒニクは恐る恐る後ろを振り向いた。
「…キャァァァァァァ!!」
テヒニクの悲鳴に前を走る三人も一斉に後ろを振り返った。
「…おい!恐竜が違う生き物になってんぞ!あれはあれだ!えっと、サーベルタイガー!」
「サーベルタイガーってまた絶滅した生物よね!でも、文献で呼んだサーベルタイガーって足も遅い生物だったって…でも、キャァァァァァァ!」
「フルール!!」
会話中に三つ目のサーベルタイガーのような生物が、もの凄いジャンプでテヒニクを飛び越え、フルールの眼前に着地し、フルールに狙いを定めたように振り向いた。
「ヤバい!」
ロイは、ゼロではなく腰に携えた剣を構えて、サーベルタイガーのような生物に上から斬りかかった。
ズザッ!!
「…嘘。」
確かに肉を斬った手応えがあったにも関わらず、目の前の生物には傷ひとつ出来ていなかった。
ロイが固まっていりと、その生物はロイに振り返り、すぅっと煙のように姿を消した。
「…消えた…?」
グルトとテヒニクも固まって見つめている中、フルールは何かを必死に思い出していた。
「変化(へんげ)…消える…囮?…あっ、ヤバい!皆!逃げて!!」
フルールが叫んだ瞬間、地面を激しい揺れが襲い、ゴゴゴゴゴッ!!という轟音とともに、地面に30メートル程の亀裂が生じた。
フルールの突然の叫びにどこにどう逃げれば良いのかわからない三人は、結局その場で立ち竦んでしまっていた。
すると、亀裂のから左右に50メートルほど先の地面にも亀裂が生じ、地面が徐々に斜めに浮き上がってきた。
「う、うわぁぁぁぁ。なんだこれ!」
左右の地面は中央の亀裂に向かってスピードを上げて角度を付け始めた。
「フルール!これは一体何なんだ!?」
ゴゴゴゴゴッ!!という音の中で叫んだロイの問いかけにフルールは何かを答えていたが、他の三人には聞こえなかった。
「キャァァァァァァ!」
「くそっ!ダメだ…うわぁぁぁぁ。」
左右に分かれてその地面に乗っている四人は、中央の亀裂に転がり落ちるように吸い込まれてしまった。
四人が吸い込まれると、浮き上がった地面は徐々に下がり始め、やがて角度が無くなると三つの亀裂はすぅっと消え、元の地面へと姿を変えた。
ユングが慌てた様子で、王室に駆け込んできた。椅子に座り、窓の外を眺めて感傷に浸っていたティグルは、あまり見せないユングの慌てように何事だと振り返った。
「どうかしたのか?珍しく取り乱しおって。」
「も、申し訳ございません。今しがた、デストリュ殿のご遺体を回収したのですが、セルヴォー殿の部屋から北側がかなり破壊されてまして…。」
「…ヨシミツの仕業か?…それで、セルヴォーやロイたちは見つかったのか?」
すると、ユングはリュックを差し出した。
「セルヴォー殿の部屋がとんでもなく破壊されておりまして、あの部屋で戦闘があったのは間違いないかと。…しかし、ロイやセルヴォー殿らの姿は見当たりませんでした。…部屋の隅にこのリュックが。」
ティグル王はそのリュックを受け取ると、ただのリュックではないことを感じ取った。
「…魔導具か。」
ユングは頷き、話を続けた。
「更にもうひとつ気になることがありまして。どうやら、何者かがあの部屋でヌワールホールを開いたようです。微かですが、闇のエネルが残っておりました。」
「ヌワールホールとな。…それならば、ブラックティアーを持つヨシミツの仕業だろうな。…ロイたちは闇の世界に飛ばされたか、またはヨシミツが闇の世界に逃げ込んだか…。ユング、もう少し調べてくれ。」
ユングは頭を下げて、王室を後にした。
その頃、闇の世界では、ロイたちが野生の闇生物との闘いを続けていた。
というより、ロイたちは必死で逃げていた。
「グルト!あれ、僕も何かの本で見たことあるよ!凄い昔に絶滅した生物でしょ!」
「あぁ、見た目はまさに『恐竜』だ。しかも肉食のな!!お嬢さんお二人大丈夫か!?」
グルトは後ろを走る女性二人を気にして、振り向きながら聞いた。
「ふん。子どもに心配される筋合いはないわよ!」
ロイたちを追い掛けているのは、体長6メートルはあろう二足歩行の肉食恐竜のような姿だが、やはり巨大な目が三つある異様な姿をしていた。ドシンドシンと地を叩くような足音は、そこまで速くないはない歩行速度でも、かなりの恐怖心を植え付けていた。
「あなたたち、何で戦わずに逃げてるのよ!」
テヒニクが前を走る三人に叫んだ。
「俺たちはもう力を使うパワーがねぇんだよ!あんな巨体、素の短刀じゃ敵うわけないだろう!…ロイ!ゼロは?」
グルトが真横を走るロイに聞くと、ロイは背中に背負ったゼロを指差しながら言った。
「…それが、ゼロさっきから寝ちゃってるんだよ!ゼロも技出すと疲れるのかなぁ。」
「…こんな時に…。」
グルトが頭を抱えると、フルールが前方を指差しながら叫んだ。
「ねぇ、あれ!洞窟じゃない?あの大きさなら恐竜は入ってこれないわよ!あの小さい入口に逃げ込みましょう!」
ロイたちもフルールが指差したその入口の場所を把握し、一気に走るスピードを上げた。
「…とりあえず助かったわね。…あれ?」
最後尾のテヒニクがある変化に気が付いた。地を揺らす程の足音が急に途絶えたのだ。テヒニクは恐る恐る後ろを振り向いた。
「…キャァァァァァァ!!」
テヒニクの悲鳴に前を走る三人も一斉に後ろを振り返った。
「…おい!恐竜が違う生き物になってんぞ!あれはあれだ!えっと、サーベルタイガー!」
「サーベルタイガーってまた絶滅した生物よね!でも、文献で呼んだサーベルタイガーって足も遅い生物だったって…でも、キャァァァァァァ!」
「フルール!!」
会話中に三つ目のサーベルタイガーのような生物が、もの凄いジャンプでテヒニクを飛び越え、フルールの眼前に着地し、フルールに狙いを定めたように振り向いた。
「ヤバい!」
ロイは、ゼロではなく腰に携えた剣を構えて、サーベルタイガーのような生物に上から斬りかかった。
ズザッ!!
「…嘘。」
確かに肉を斬った手応えがあったにも関わらず、目の前の生物には傷ひとつ出来ていなかった。
ロイが固まっていりと、その生物はロイに振り返り、すぅっと煙のように姿を消した。
「…消えた…?」
グルトとテヒニクも固まって見つめている中、フルールは何かを必死に思い出していた。
「変化(へんげ)…消える…囮?…あっ、ヤバい!皆!逃げて!!」
フルールが叫んだ瞬間、地面を激しい揺れが襲い、ゴゴゴゴゴッ!!という轟音とともに、地面に30メートル程の亀裂が生じた。
フルールの突然の叫びにどこにどう逃げれば良いのかわからない三人は、結局その場で立ち竦んでしまっていた。
すると、亀裂のから左右に50メートルほど先の地面にも亀裂が生じ、地面が徐々に斜めに浮き上がってきた。
「う、うわぁぁぁぁ。なんだこれ!」
左右の地面は中央の亀裂に向かってスピードを上げて角度を付け始めた。
「フルール!これは一体何なんだ!?」
ゴゴゴゴゴッ!!という音の中で叫んだロイの問いかけにフルールは何かを答えていたが、他の三人には聞こえなかった。
「キャァァァァァァ!」
「くそっ!ダメだ…うわぁぁぁぁ。」
左右に分かれてその地面に乗っている四人は、中央の亀裂に転がり落ちるように吸い込まれてしまった。
四人が吸い込まれると、浮き上がった地面は徐々に下がり始め、やがて角度が無くなると三つの亀裂はすぅっと消え、元の地面へと姿を変えた。
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