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あそびあいて②

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「緑色で水かきがあって、
お皿と甲羅がのっけてるのが『河童』ってみんなおもいがちなんですけど

河童と言っても沢山種族がいるんですよぉ~。

僕みたいな蛙の姿のやつもいれば、
猿みたいに全身毛むくじゃらの奴だっているんですから!」

蛙さんは、手で顎下を触りながら語る。




「もともと河童は山や川の神が姿を変えたもの。蛙でもおかしくないだろう」



「そ、そうでしたか…すいません」

 

「いいですよぉ
それよりおふたりはどうして河原に~?」


「川魚をたかりにきた。」


(稲荷様、正直すぎませんか…)



「そうなんですねぇ~!
じゃあ、獲るのでちょっとお待ちください」


えっ!蛙さんいい人すぎない!?
いや人じゃないけどさ!


流石に蛙さんだけに労働させて
当の本人達は何もしない…なんて事したくはない。


「いやいや、私と稲荷様もとりますよ~
ねっ!


  …………って稲荷様?」



私の言葉を聞いた途端、稲荷様は人から狐に姿を変え、

四本足で木陰まで猛ダッシュした。


(この狐…!)

✴✴✴




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