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廃ホテル
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「チャンスは残り三回です」どこか楽しげに声は告げた。
廃墟内のトラップを回避してテレビゲームのようにヒントらしい数字を見つけてテンキー式のドアのボタンを押したのだが、無機質な機械の声は、とても楽しそうにそう応えた。押した数字は間違いで、残り三回数字を押し間違えたら、二度とドアは開かず、この廃ホテルに一生閉じ込められるのだろう。
「畜生、おい、観てるんだろ。お前、ここから脱出させる気なんてないだろ」
辺りに向って叫びまくるが、返事はない。この廃ホテルのあちこちに監視カメラが仕掛けてあり、こちらの行動を監視しているはずだ。すでに一緒に付いてきた社長や同僚は、仕掛けられたトラップで、死んだ。
「このホテルが潰れたのは俺たちのせいじゃない。このホテルを潰して再開発しようと決めたのは、俺じゃない。うちの会社だって、正規の手続きで、ここの再開発の権利を得たんだ。しかも、この辺りの住民を雇って雇用を生む予定だった。分かるだろ、俺は関係ない。再開発前に、社長を連れて現地の様子を見に来ただけだなんだ。俺は無関係なんだ。本当だ、信じてくれ」
必死で叫んだ。
だが、返事はなく、俺はドアを開くための数字を求めて再び廃墟をさ迷い始めた。ようやく助け出された時には俺は白骨化していて、犯人は捕まらなかった。
廃墟内のトラップを回避してテレビゲームのようにヒントらしい数字を見つけてテンキー式のドアのボタンを押したのだが、無機質な機械の声は、とても楽しそうにそう応えた。押した数字は間違いで、残り三回数字を押し間違えたら、二度とドアは開かず、この廃ホテルに一生閉じ込められるのだろう。
「畜生、おい、観てるんだろ。お前、ここから脱出させる気なんてないだろ」
辺りに向って叫びまくるが、返事はない。この廃ホテルのあちこちに監視カメラが仕掛けてあり、こちらの行動を監視しているはずだ。すでに一緒に付いてきた社長や同僚は、仕掛けられたトラップで、死んだ。
「このホテルが潰れたのは俺たちのせいじゃない。このホテルを潰して再開発しようと決めたのは、俺じゃない。うちの会社だって、正規の手続きで、ここの再開発の権利を得たんだ。しかも、この辺りの住民を雇って雇用を生む予定だった。分かるだろ、俺は関係ない。再開発前に、社長を連れて現地の様子を見に来ただけだなんだ。俺は無関係なんだ。本当だ、信じてくれ」
必死で叫んだ。
だが、返事はなく、俺はドアを開くための数字を求めて再び廃墟をさ迷い始めた。ようやく助け出された時には俺は白骨化していて、犯人は捕まらなかった。
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