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12話 スキルが厳しい件
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「うかつに虫や動物に触るなよ。俺たちにとって敵か味方かわからないからな。噛まれてからじゃ遅い。毛がふさふさで可愛いと思っても撫でたりするなよ? いいな?」
「はーい」
「わかった」
「さっきのカブトムシに似たやつ、見たか?身体中に目があったぞ」
「それってゼブリアニメのあれに似てたやつ?」
「ああ、あれのうんと小さい感じだったな」
「じゃ、仲良くした方がよくない?」
「ダメです! 絶対仲良くしないように。敵対しろとは言わないが仲良くもするなよ?」
「はーい」
「ちぇっ」
俺たちは密集したまま移動を続ける。スライムを踏みつけるとスライムはぺったんこになったままボックスに張り付く。薄っぺらくなったスライムはそのままボックスの壁面にくっつき壁を移動する。
俺たちには壁が見えないのでスライムが空中を移動しているように見える。
皆にはみ出ないように注意を促した。
俺にとっては完全防御でも、ボックス内で防御されているドド達には完全ではない。ボックスをはみ出ると攻撃対象だった。
俺を中心にボックスが出現しているが腕を伸ばすとボックスより若干はみ出る。しかし感覚で何となくではあるが、はみ出た手にも防御膜はある気がした。
試しに壁にひっついたスライムを叩いてみたが俺の手が溶けることはなく、スライムを下に落とした。手に持った棒でスライムを突くと棒は溶かされる。謎スキルだ。
植物が生える大地を進んでいると、俺たちは大型の猫のような獣に囲まれてしまった。
移動しても遠巻きに囲んだままついてくる。襲ってこない理由はわからない。俺の防御が無くなるのを待っているのだろうか。
あ、俺の防御って切れる事あるの?切れたらマジやばいんだが。
ジリジリと移動する。大型の猫……猫なんて可愛いもんじゃない。立派な牙とギザギザの前歯で俺らを食おうとしているのがわかる。ヨダレをだらだら垂らしている。
「おい、絶対俺から離れるなよ。飛ばされたらボックスからはみ出るぞ?全員腕を組んどけ」
俺が言い終わる前にキバ猫の一体が飛びかかって来た。俺は弾き飛ばされないように足をしっかりと踏ん張った。
が、その時、ボックスの天井部に張り付いていたスライムがキバ猫を包み込むとあっという間に消化した。
それから立て続けにキバ猫が襲いかかって来たが次々とスライムが捕食していく。
やっぱスライム怖ぇぇぇぇぇぇ。
ボックスから離れたスライムに最後の一匹のキバ猫が飛びかかり、前のを食事中だったスライムはキバ猫を俺のボックスへと叩きつけた!
やっぱりコイツ、味方じゃなかったぁ!!!
が偶然にも俺のボックスの角に頭をぶつけたのか、キバ猫の首がへし折れた。
その一瞬に目の前にスキルが表示されて消えた。
取得してからどうやっても呼び出せなかったステータス画面。夢、幻と思っていたスキルの表示。
『完全防御(箱型1.0000002)』
「ちょっ、消えるな! 消えたぁ! 何だ? 1のコンマの後にゼロがいくつあった? 5~6個か? 最後が2。なんだ? どういうこった? 経験値が入ったのか? キバ猫がぶつかって死んだからか?」
動体視力を試されてるのか、1.000002か、1.0000002か……。
何で見えた?俺が倒した事になったのか?それで経験値が入ったとか?
パッと見たイメージが百万と2。としたら、1.0000002か。
キバ猫1匹で0.0000002の経験値、としたら、5匹倒して0.000001か。
え……500万頭倒してようやくレベル2か?いや、無理ゲーすぎるだろ。
500万頭のキバ猫…………。
レベル1のままでいいか。今のままで充分だよな?箱以外にならなくて問題ない。ナッシングーだ。
とはいえちょっと考える。俺が実は乱視で、0が3個くらいだったって事はないか?乱視でぶれてゼロが沢山に見えた?
キバ猫一頭で0.002……としたら、それでもキバ猫5千頭か。ふっ……。
箱型万歳!レベル1、サイコー!(俺はレベル上げなんてしないぞぉぉぉ)
orz状態の俺の背中をポンポンと誰かが叩いた。倉田女子だ。
「大島さん、大島さん……」
「ん? どした?」
「大島さんこそ、大丈夫? あの、私、今一瞬ね、目の前にスキルが出たの。物理攻撃(微1.0003)、消えちゃったけど、これ経験値貰ったって事?」
えっ………。
ちょっとツッコんでいいかな?
俺、1.00…ゼロいっぱい2だったけど?
倉田女子ちゃんは、何?1.0003って言った?ゼロを省いて言った?聞き違いかな?
「ん? ゼロ、いくつあった?」
「小数点以下ゼロ3つの3」
「ん~? いち点ゼロゼロゼロのさん?」
「うん。1.0003」
「小宮は?」
「俺は何も見えなかったぞ? 何で倉田がレベルアップ?」
「レベルアップはしてないわよ、微の横に数字が……でもすぐ消えたからうろ覚え」
「もしかしておっさんも?」
「キバ猫倒したのはスライムだよな? あ、でも最後のはおっさんの謎壁に当たったよな? おっさんがとどめを刺した事になるのか?」
「倉田は?」
「あ、私、飛んできた猫に思わず右ジャブ出た。壁越しに殴った感じ」
「おっさんのスキルの壁ごしに倉田の物理攻撃右ストレートが炸裂したのか」
そんな倒し方が?
「はーい」
「わかった」
「さっきのカブトムシに似たやつ、見たか?身体中に目があったぞ」
「それってゼブリアニメのあれに似てたやつ?」
「ああ、あれのうんと小さい感じだったな」
「じゃ、仲良くした方がよくない?」
「ダメです! 絶対仲良くしないように。敵対しろとは言わないが仲良くもするなよ?」
「はーい」
「ちぇっ」
俺たちは密集したまま移動を続ける。スライムを踏みつけるとスライムはぺったんこになったままボックスに張り付く。薄っぺらくなったスライムはそのままボックスの壁面にくっつき壁を移動する。
俺たちには壁が見えないのでスライムが空中を移動しているように見える。
皆にはみ出ないように注意を促した。
俺にとっては完全防御でも、ボックス内で防御されているドド達には完全ではない。ボックスをはみ出ると攻撃対象だった。
俺を中心にボックスが出現しているが腕を伸ばすとボックスより若干はみ出る。しかし感覚で何となくではあるが、はみ出た手にも防御膜はある気がした。
試しに壁にひっついたスライムを叩いてみたが俺の手が溶けることはなく、スライムを下に落とした。手に持った棒でスライムを突くと棒は溶かされる。謎スキルだ。
植物が生える大地を進んでいると、俺たちは大型の猫のような獣に囲まれてしまった。
移動しても遠巻きに囲んだままついてくる。襲ってこない理由はわからない。俺の防御が無くなるのを待っているのだろうか。
あ、俺の防御って切れる事あるの?切れたらマジやばいんだが。
ジリジリと移動する。大型の猫……猫なんて可愛いもんじゃない。立派な牙とギザギザの前歯で俺らを食おうとしているのがわかる。ヨダレをだらだら垂らしている。
「おい、絶対俺から離れるなよ。飛ばされたらボックスからはみ出るぞ?全員腕を組んどけ」
俺が言い終わる前にキバ猫の一体が飛びかかって来た。俺は弾き飛ばされないように足をしっかりと踏ん張った。
が、その時、ボックスの天井部に張り付いていたスライムがキバ猫を包み込むとあっという間に消化した。
それから立て続けにキバ猫が襲いかかって来たが次々とスライムが捕食していく。
やっぱスライム怖ぇぇぇぇぇぇ。
ボックスから離れたスライムに最後の一匹のキバ猫が飛びかかり、前のを食事中だったスライムはキバ猫を俺のボックスへと叩きつけた!
やっぱりコイツ、味方じゃなかったぁ!!!
が偶然にも俺のボックスの角に頭をぶつけたのか、キバ猫の首がへし折れた。
その一瞬に目の前にスキルが表示されて消えた。
取得してからどうやっても呼び出せなかったステータス画面。夢、幻と思っていたスキルの表示。
『完全防御(箱型1.0000002)』
「ちょっ、消えるな! 消えたぁ! 何だ? 1のコンマの後にゼロがいくつあった? 5~6個か? 最後が2。なんだ? どういうこった? 経験値が入ったのか? キバ猫がぶつかって死んだからか?」
動体視力を試されてるのか、1.000002か、1.0000002か……。
何で見えた?俺が倒した事になったのか?それで経験値が入ったとか?
パッと見たイメージが百万と2。としたら、1.0000002か。
キバ猫1匹で0.0000002の経験値、としたら、5匹倒して0.000001か。
え……500万頭倒してようやくレベル2か?いや、無理ゲーすぎるだろ。
500万頭のキバ猫…………。
レベル1のままでいいか。今のままで充分だよな?箱以外にならなくて問題ない。ナッシングーだ。
とはいえちょっと考える。俺が実は乱視で、0が3個くらいだったって事はないか?乱視でぶれてゼロが沢山に見えた?
キバ猫一頭で0.002……としたら、それでもキバ猫5千頭か。ふっ……。
箱型万歳!レベル1、サイコー!(俺はレベル上げなんてしないぞぉぉぉ)
orz状態の俺の背中をポンポンと誰かが叩いた。倉田女子だ。
「大島さん、大島さん……」
「ん? どした?」
「大島さんこそ、大丈夫? あの、私、今一瞬ね、目の前にスキルが出たの。物理攻撃(微1.0003)、消えちゃったけど、これ経験値貰ったって事?」
えっ………。
ちょっとツッコんでいいかな?
俺、1.00…ゼロいっぱい2だったけど?
倉田女子ちゃんは、何?1.0003って言った?ゼロを省いて言った?聞き違いかな?
「ん? ゼロ、いくつあった?」
「小数点以下ゼロ3つの3」
「ん~? いち点ゼロゼロゼロのさん?」
「うん。1.0003」
「小宮は?」
「俺は何も見えなかったぞ? 何で倉田がレベルアップ?」
「レベルアップはしてないわよ、微の横に数字が……でもすぐ消えたからうろ覚え」
「もしかしておっさんも?」
「キバ猫倒したのはスライムだよな? あ、でも最後のはおっさんの謎壁に当たったよな? おっさんがとどめを刺した事になるのか?」
「倉田は?」
「あ、私、飛んできた猫に思わず右ジャブ出た。壁越しに殴った感じ」
「おっさんのスキルの壁ごしに倉田の物理攻撃右ストレートが炸裂したのか」
そんな倒し方が?
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本当に、ありがとうございます。
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アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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