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170話 親の事情①
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ナラの実家からはナラ姉ちゃん(次女)と妹(三女)が、俺たちに同行して洞窟拠点でエルフを作成する事になった。
俺らは直ぐに戻ろうとしたのだが、折角来たのだからジンギスカンを食ってけと引き止められた。
「よく肉が手に入ったなあ……」
「違うのよおw なんちゃってジンギスカンなの。お祖父ちゃんが昨日獲って川に沈めておいたのを今日捌いたの」
「そうそうw 猪ジンギスカンなのよ」
「あの貰ったお守りのおかげでウネが寄ってこないのよ、助かるわー、ありがとね」
ん?ウネ??? 北海道の動物……か何かか?
「姉ちゃん、うねって何だよ?」
「ああ、うねうねと歩いてくる木の化け物の事よ」
「ここらじゃみんな『ウネ』って呼んでるよね」
なるほど。魔物植物のあだ名か。
子供が(お姉さんの子供か?)が、ウネの真似をして両腕を広げて振りながら腰をうねうねしながら動いてみせる。
「近寄れれば私のこのナタの餌食にしてくれるのに!」
ナラ長女はデカイナタをヒュンと振り翳した。ナラの姉ちゃんはエルフよりもナイトかDE向きだ。
キヨカがアイテムボックスから剣を取り出してナラ長女に見せていた。
ちょっと、君ら。これからジンギスカンの食事タイムだぞ?狩りに行くんじゃないぞ?
キヨカがくるっとこちらを振り返りトトトとやってきた。
「あの、カオさん、余った弓を頂く事は可能でしょうか?」
「弓? 養老の爺さんの弓か?……まだ、あったはず」
俺がアイテムボックスを検索しているとキヨカは慌てたように止めた。
「いえ、普通のでいいんです。手作り暮らしや養老クラブの物は少しでも沢山の方へ配布したいですから。それでなくて他ので余っているのがあればお借り出来ればと思いまして」
「そうか。普通のショートボウならある」
そう言ってショートボウを取り出してキヨカに渡した。
「ありがとうございます。お借りします。……あの、暫くお借りしっぱなしでも大丈夫でしょうか?」
そこからキヨカは念話に切り替えた。
『これ、ゲームアイテムですよね? 先日タウさんからのお話にあったようにゲームアイテム貸し借りは禁止…ですよね? あの、これ、奈良さんのお姉さんにお貸ししたいのですが、ゲームアイテムじゃない弓はお持ちじゃないですか?』
えぇー、うぅむ。地球で物資収集した中に弓は無かった気がする。
タウさんがゲームアイテムの貸し借り禁止にしたのは、サンバのテレポートリングの借りパク事件があったからだよな?
あれは結構重要なアイテムだったけど、これはゲームの初期の狩場のモンスターからドロップする極々低レベルの弓だし、別に借りパクされても問題無いぞ?
「これなら別に、返してもらわなくていいぞ? 貸すのではなく譲るぞ? ただのショートボウだからな」
会話に耳をそば立てていたのか、突然ナラが割り込んで来た。
「待った待った、待ったああああ! それは私が預かりましょう。だってそれゲームアイテムですよね? 地球産よりずっと高性能じゃないっすか?」
「待て待て待てえい! それは清華さんが私のためにカオさんにおねだりしてくれた弓! 私が頂くに相応しい」
「何言ってんだ、姉ちゃん、俺はカオさんのハケンの一員だぞ? 俺が持つに相応しい。姉ちゃんにはこっちの弓をくれてやる!」
「お前がどこぞで買った安い弓なぞいるかっ! そっちを寄越せ」
おぉぅ……。ナラとナラ姉が、弓を掴んで睨み合いになった。兄弟喧嘩……と言うには殺気が凄くないか?
これが道産子流の兄弟喧嘩なのか?(いや違う)
マルクがビックリして泣きそうになってる!俺は急いでもう一本弓を取り出した。
「喧嘩はやめー。はい。一本ずつ、仲良くねー」
俺が言うまでもなく、ナラとナラ姉は仲良く肩を組んで弓を肩にかけ家の裏へと歩き出した。
「こらぁ!あんたら! これからジンギスカンだろが! 肉焼かんかい! 今から狩りに行ってどうするの!」
ナラの母ちゃんの雷が落ちた。ふたりはシャキンとなり振り返って戻ってきた。
優しそうな母が実は1番怖い、という家族なのか。
庭にいい匂いが漂ってくる。カスパーは敷地周りを警戒にあたってもらっている。
クマがモジモジしながら俺に近寄ってきた。気持ち悪いな。
「あの……カオさん、妻と翔平を呼んでもいいでしょうか?」
そうだった、夕飯までにはクマを戻すと奥さんには言ってあったんだ。病院でクマの帰りを待ってるだろう。
「そうだな。じゃあテレポートで迎えに行くか」
「カオさん、棚橋ドクターには今、外出許可を頂きました」
カセを見ると、カセは頭を横に振った。
「うちはいいっす」
そっか。ナラ家にクマ一家が来るとカセが寂しいかと思ったが大きなお世話だったか。
俺はふと思いついた。
最近ずっと忙しいタウさん、カンさん、ミレさんも食べに来れないかと。
忙しいからこそ、時間があったら家族と過ごしたいか……。そうも思ったが、盟主念話を入れてみた。
「バーベキューですか? 良いですねぇ」
「おっ、いいねぇ。行く行く、焼肉かぁ」
「バーベキュー、楽しそうですね、翔太も一緒にいいですか?」
タウさん、ミレさん、カンさんからは即OKを貰った。
「今日はお肉の気分じゃないから遠慮するわー。また誘ってねぇ」
「ジンギスカンじゃないのか……、すみません、僕も今回はパスで」
アネとゆうごはパスだった。
人数が増える旨をナラ母に伝えて、アイテムボックスにあったビールやジュース、果物とお菓子を出した。
そしてクマを連れて(マルクもついて来て)洞窟と病院へ飛び、タウさん、カンさん、ミレさん、クマ妻子を連れて戻った。
タウさんらは初めての場所なのでブックマークをしていた。
俺らは直ぐに戻ろうとしたのだが、折角来たのだからジンギスカンを食ってけと引き止められた。
「よく肉が手に入ったなあ……」
「違うのよおw なんちゃってジンギスカンなの。お祖父ちゃんが昨日獲って川に沈めておいたのを今日捌いたの」
「そうそうw 猪ジンギスカンなのよ」
「あの貰ったお守りのおかげでウネが寄ってこないのよ、助かるわー、ありがとね」
ん?ウネ??? 北海道の動物……か何かか?
「姉ちゃん、うねって何だよ?」
「ああ、うねうねと歩いてくる木の化け物の事よ」
「ここらじゃみんな『ウネ』って呼んでるよね」
なるほど。魔物植物のあだ名か。
子供が(お姉さんの子供か?)が、ウネの真似をして両腕を広げて振りながら腰をうねうねしながら動いてみせる。
「近寄れれば私のこのナタの餌食にしてくれるのに!」
ナラ長女はデカイナタをヒュンと振り翳した。ナラの姉ちゃんはエルフよりもナイトかDE向きだ。
キヨカがアイテムボックスから剣を取り出してナラ長女に見せていた。
ちょっと、君ら。これからジンギスカンの食事タイムだぞ?狩りに行くんじゃないぞ?
キヨカがくるっとこちらを振り返りトトトとやってきた。
「あの、カオさん、余った弓を頂く事は可能でしょうか?」
「弓? 養老の爺さんの弓か?……まだ、あったはず」
俺がアイテムボックスを検索しているとキヨカは慌てたように止めた。
「いえ、普通のでいいんです。手作り暮らしや養老クラブの物は少しでも沢山の方へ配布したいですから。それでなくて他ので余っているのがあればお借り出来ればと思いまして」
「そうか。普通のショートボウならある」
そう言ってショートボウを取り出してキヨカに渡した。
「ありがとうございます。お借りします。……あの、暫くお借りしっぱなしでも大丈夫でしょうか?」
そこからキヨカは念話に切り替えた。
『これ、ゲームアイテムですよね? 先日タウさんからのお話にあったようにゲームアイテム貸し借りは禁止…ですよね? あの、これ、奈良さんのお姉さんにお貸ししたいのですが、ゲームアイテムじゃない弓はお持ちじゃないですか?』
えぇー、うぅむ。地球で物資収集した中に弓は無かった気がする。
タウさんがゲームアイテムの貸し借り禁止にしたのは、サンバのテレポートリングの借りパク事件があったからだよな?
あれは結構重要なアイテムだったけど、これはゲームの初期の狩場のモンスターからドロップする極々低レベルの弓だし、別に借りパクされても問題無いぞ?
「これなら別に、返してもらわなくていいぞ? 貸すのではなく譲るぞ? ただのショートボウだからな」
会話に耳をそば立てていたのか、突然ナラが割り込んで来た。
「待った待った、待ったああああ! それは私が預かりましょう。だってそれゲームアイテムですよね? 地球産よりずっと高性能じゃないっすか?」
「待て待て待てえい! それは清華さんが私のためにカオさんにおねだりしてくれた弓! 私が頂くに相応しい」
「何言ってんだ、姉ちゃん、俺はカオさんのハケンの一員だぞ? 俺が持つに相応しい。姉ちゃんにはこっちの弓をくれてやる!」
「お前がどこぞで買った安い弓なぞいるかっ! そっちを寄越せ」
おぉぅ……。ナラとナラ姉が、弓を掴んで睨み合いになった。兄弟喧嘩……と言うには殺気が凄くないか?
これが道産子流の兄弟喧嘩なのか?(いや違う)
マルクがビックリして泣きそうになってる!俺は急いでもう一本弓を取り出した。
「喧嘩はやめー。はい。一本ずつ、仲良くねー」
俺が言うまでもなく、ナラとナラ姉は仲良く肩を組んで弓を肩にかけ家の裏へと歩き出した。
「こらぁ!あんたら! これからジンギスカンだろが! 肉焼かんかい! 今から狩りに行ってどうするの!」
ナラの母ちゃんの雷が落ちた。ふたりはシャキンとなり振り返って戻ってきた。
優しそうな母が実は1番怖い、という家族なのか。
庭にいい匂いが漂ってくる。カスパーは敷地周りを警戒にあたってもらっている。
クマがモジモジしながら俺に近寄ってきた。気持ち悪いな。
「あの……カオさん、妻と翔平を呼んでもいいでしょうか?」
そうだった、夕飯までにはクマを戻すと奥さんには言ってあったんだ。病院でクマの帰りを待ってるだろう。
「そうだな。じゃあテレポートで迎えに行くか」
「カオさん、棚橋ドクターには今、外出許可を頂きました」
カセを見ると、カセは頭を横に振った。
「うちはいいっす」
そっか。ナラ家にクマ一家が来るとカセが寂しいかと思ったが大きなお世話だったか。
俺はふと思いついた。
最近ずっと忙しいタウさん、カンさん、ミレさんも食べに来れないかと。
忙しいからこそ、時間があったら家族と過ごしたいか……。そうも思ったが、盟主念話を入れてみた。
「バーベキューですか? 良いですねぇ」
「おっ、いいねぇ。行く行く、焼肉かぁ」
「バーベキュー、楽しそうですね、翔太も一緒にいいですか?」
タウさん、ミレさん、カンさんからは即OKを貰った。
「今日はお肉の気分じゃないから遠慮するわー。また誘ってねぇ」
「ジンギスカンじゃないのか……、すみません、僕も今回はパスで」
アネとゆうごはパスだった。
人数が増える旨をナラ母に伝えて、アイテムボックスにあったビールやジュース、果物とお菓子を出した。
そしてクマを連れて(マルクもついて来て)洞窟と病院へ飛び、タウさん、カンさん、ミレさん、クマ妻子を連れて戻った。
タウさんらは初めての場所なのでブックマークをしていた。
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