俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

文字の大きさ
170 / 299

170話 親の事情①

しおりを挟む
 ナラの実家からはナラ姉ちゃん(次女)と妹(三女)が、俺たちに同行して洞窟拠点でエルフを作成する事になった。

 俺らは直ぐに戻ろうとしたのだが、折角来たのだからジンギスカンを食ってけと引き止められた。


「よく肉が手に入ったなあ……」

「違うのよおw     なんちゃってジンギスカンなの。お祖父ちゃんが昨日獲って川に沈めておいたのを今日捌いたの」

「そうそうw  猪ジンギスカンなのよ」

「あの貰ったお守りのおかげでウネが寄ってこないのよ、助かるわー、ありがとね」


 ん?ウネ??? 北海道の動物……か何かか?


「姉ちゃん、うねって何だよ?」

「ああ、うねうねと歩いてくる木の化け物の事よ」

「ここらじゃみんな『ウネ』って呼んでるよね」


 なるほど。魔物植物のあだ名か。
 子供が(お姉さんの子供か?)が、ウネの真似をして両腕を広げて振りながら腰をうねうねしながら動いてみせる。


「近寄れれば私のこのナタの餌食にしてくれるのに!」


 ナラ長女はデカイナタをヒュンと振り翳した。ナラの姉ちゃんはエルフよりもナイトかDE向きだ。
 キヨカがアイテムボックスから剣を取り出してナラ長女に見せていた。

 ちょっと、君ら。これからジンギスカンの食事タイムだぞ?狩りに行くんじゃないぞ?
 キヨカがくるっとこちらを振り返りトトトとやってきた。


「あの、カオさん、余った弓を頂く事は可能でしょうか?」

「弓? 養老の爺さんの弓か?……まだ、あったはず」


 俺がアイテムボックスを検索しているとキヨカは慌てたように止めた。


「いえ、普通のでいいんです。手作り暮らしや養老クラブの物は少しでも沢山の方へ配布したいですから。それでなくて他ので余っているのがあればお借り出来ればと思いまして」

「そうか。普通のショートボウならある」


 そう言ってショートボウを取り出してキヨカに渡した。


「ありがとうございます。お借りします。……あの、暫くお借りしっぱなしでも大丈夫でしょうか?」


 そこからキヨカは念話に切り替えた。


『これ、ゲームアイテムですよね? 先日タウさんからのお話にあったようにゲームアイテム貸し借りは禁止…ですよね? あの、これ、奈良さんのお姉さんにお貸ししたいのですが、ゲームアイテムじゃない弓はお持ちじゃないですか?』


 えぇー、うぅむ。地球で物資収集した中に弓は無かった気がする。
 タウさんがゲームアイテムの貸し借り禁止にしたのは、サンバのテレポートリングの借りパク事件があったからだよな?

 あれは結構重要なアイテムだったけど、これはゲームの初期の狩場のモンスターからドロップする極々低レベルの弓だし、別に借りパクされても問題無いぞ?


「これなら別に、返してもらわなくていいぞ? 貸すのではなく譲るぞ? ただのショートボウだからな」


 会話に耳をそば立てていたのか、突然ナラが割り込んで来た。


「待った待った、待ったああああ! それは私が預かりましょう。だってそれゲームアイテムですよね? 地球産よりずっと高性能じゃないっすか?」

「待て待て待てえい! それは清華さんが私のためにカオさんにおねだりしてくれた弓! 私が頂くに相応しい」

「何言ってんだ、姉ちゃん、俺はカオさんのハケンの一員だぞ? 俺が持つに相応しい。姉ちゃんにはこっちの弓をくれてやる!」

「お前がどこぞで買った安い弓なぞいるかっ! そっちを寄越せ」


 おぉぅ……。ナラとナラ姉が、弓を掴んで睨み合いになった。兄弟喧嘩……と言うには殺気が凄くないか?
 これが道産子流の兄弟喧嘩なのか?(いや違う)

 マルクがビックリして泣きそうになってる!俺は急いでもう一本弓を取り出した。


「喧嘩はやめー。はい。一本ずつ、仲良くねー」


 俺が言うまでもなく、ナラとナラ姉は仲良く肩を組んで弓を肩にかけ家の裏へと歩き出した。


「こらぁ!あんたら! これからジンギスカンだろが! 肉焼かんかい! 今から狩りに行ってどうするの!」


 ナラの母ちゃんの雷が落ちた。ふたりはシャキンとなり振り返って戻ってきた。
 優しそうな母が実は1番怖い、という家族なのか。

 庭にいい匂いが漂ってくる。カスパーは敷地周りを警戒にあたってもらっている。
 クマがモジモジしながら俺に近寄ってきた。気持ち悪いな。


「あの……カオさん、妻と翔平を呼んでもいいでしょうか?」


 そうだった、夕飯までにはクマを戻すと奥さんには言ってあったんだ。病院でクマの帰りを待ってるだろう。


「そうだな。じゃあテレポートで迎えに行くか」

「カオさん、棚橋ドクターには今、外出許可を頂きました」


 カセを見ると、カセは頭を横に振った。


「うちはいいっす」


 そっか。ナラ家にクマ一家が来るとカセが寂しいかと思ったが大きなお世話だったか。
 俺はふと思いついた。
 最近ずっと忙しいタウさん、カンさん、ミレさんも食べに来れないかと。

 忙しいからこそ、時間があったら家族と過ごしたいか……。そうも思ったが、盟主念話を入れてみた。


「バーベキューですか? 良いですねぇ」

「おっ、いいねぇ。行く行く、焼肉かぁ」

「バーベキュー、楽しそうですね、翔太も一緒にいいですか?」


 タウさん、ミレさん、カンさんからは即OKを貰った。


「今日はお肉の気分じゃないから遠慮するわー。また誘ってねぇ」

「ジンギスカンじゃないのか……、すみません、僕も今回はパスで」


 アネとゆうごはパスだった。
 人数が増える旨をナラ母に伝えて、アイテムボックスにあったビールやジュース、果物とお菓子を出した。


 そしてクマを連れて(マルクもついて来て)洞窟と病院へ飛び、タウさん、カンさん、ミレさん、クマ妻子を連れて戻った。
 タウさんらは初めての場所なのでブックマークをしていた。
しおりを挟む
感想 212

あなたにおすすめの小説

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった

海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ガチャから始まる錬金ライフ

盾乃あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。 手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。 他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。 どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。 自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

処理中です...