俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?

くまの香

文字の大きさ
58 / 107

58話 まさかの助け手

 ----(清見視点)----

 俺と大島氏が4泊5日の旅に出て4日め。
 連続の衝撃に襲われている。

 まず第一、荒地でマック発見。もちろん、マックの空間スキル保持者も生きていた。そうでないと物資が再生されず、この空間に避難していた人々も生き残れない。

 第二に、マックの店舗の空間スキルだけでなく、何と、配達カーと配達バイクにも空間スキルの保持者がいたのだ!

 そして第三に、電気が生きている。
 いや、俺らの避難所でもキッチンの一部の電気が生きていた。それを考えると不思議でもないんだが、いや、異世界で電気、メチャクチャ不思議だがそれはおいておき、『動く車』の存在だ。

 この世界へ転移した車やバス、電車は全て動かないと思われていた。
 が、もしかしたら電気自動車は動くのかもしれない。電車って電気……だよな?運転席があれば走るのか?


「早くギルドへ報告したいね、こんな時スマホが通じないってほんと不便」

「けど、電気自動車は単体では生き残れないだろうな」

「え? 乗ってる人が?」

「いや、車が、だ。充電出来る空間が近くに無かったらアウトだろう」

「ああ、そうかぁ」

「あれから4年だ。ここみたいに充電スポットと一緒に車があれば、今も使える状態かもしれないが。難しいな」

「そうですね。充電可能なガソスタにたまたま停まっていて、そのガソスタにスキル保持者が居れば。けど、条件が幼児でしたっけ?ガソスタに幼児か……」


 シフマネさんも渋い顔だ。
 今は店内で今後についての計画を話している。


「この店舗のスキル所持が自分である事がはっきりしましたし、これで親子を先に避難させる事に問題はないですよね?」

「親子が16名、それと成人未満が15名、高齢者3名、他成人18名とマック関係者が5名か」

「子供だけだと9人か」


 俺がそう言ったのを聞いた子供が不安そうな顔をしたのに気がついた。


「親御さんと一緒だと16人……、高齢者3人と未成年15人は、重すぎて難しいなぁ。うりゆ君達5頭じゃ重くてスピードが出せないし、休み休みになる」

「わしは後でええ」
「私も。若い子を先に乗せてあげて」


 高齢者が3人とも固辞をした。それでも未成年15人は多い。


「未成年の子達は待ってもらい、まずは親子を先に届けよう。向こうに着いたらバスも出せるので次は全員で帰還が出来る」

「そうだねぇ。それが1番いいと思う。仏間に無理に詰め込んでも、スピードが落ちたら2日では戻れないし食糧が足らなくなるかも」

「それでいいですか?」


 大島氏が聞く前にシフマネさんが皆に了承を得ていた。


「ところでこの店舗はどうやって動かすのですか?」

「ニッポンからバスと一緒に、テイマーの人が大型の魔獣を連れてくると思う」

「大型の魔獣?」

「うん、あのうりゆ君達みたいな、建物を引けるやつ」


 窓の外、ウリ坊が居る方角に目を向けると、何か大型の魔獣が砂埃をあげて向かってくるのが見えた。
 駐車場手前で止まると思ったのだが、それは駐車場へ突っ込んでから急停車した。

 窓の近くに居た者達が後ろへ仰け反った。俺も椅子から転げ落ちた。

 駐車場、安全じゃねええええ!と起き上がった時、大島氏がマックのドアから外へと出ていったのが見えた。
 慌てて追いかける。もちろん、背中のリュックからポヨン君を出すの忘れない。


「やぁだぁ。こんな所にマックがあるなんて、ラッキー」


 そこに居たのは、桜さんと小菊さん、そしてミニバンから降りてきた長谷川さんだった。
 なんで、ミニバンママさんがこんな所に? いつもこんなに遠くまで走り回っているのか。




 ミニバンママさんが店内でセットを注文、とりあえず食べ終わり落ち着いてから話を聞いた。


「探したわよ。ギルドからの依頼で大島君達の1日あとにニッポンを出て追いかけたのよ。なのに予定の折り返し地点まで行っても出会わないじゃない? これは何かあってどこかで道を逸れたな、と」

「ギルドの依頼?」

「そう。実は折り返し地点の少し先にも迷宮がある事がわかってね、それでそこまで足を延ばしてほしいって。追加の食糧も預かってきたわ。仏間の再生でも間に合うだろうけど念の為って」

「そうなんですね」

「ほら、ギルドの嘘つき。サクッと行ってその辺で好きに道クサ食っていいって言ってたくせに」

「まぁまぁ。それにしてもよくここがわかりましたね」

「まぁね。荒地に入るまでは木が薙ぎ倒されているとこを追ってきた。荒地からは中間地点まで来て出会わなかったので、そこら辺をぐるぐるしてたら、ここを見つけたの」

「あ、桜さんと小菊さんにポテトあげてもいいですか?コアラってポテト食べるかな」

「食べるんじゃない? うちの子好き嫌いなく何でも食べるから」


 ぐっ、なんか、俺に刺さった。まぁいいや。ウリゆ君たちも食べたしな。今朝あげてみたんだ。


「ポテトのLを7個……10個くらい貰ってもいいですか?」


 ミニバンに積んできた食糧を仏間に移すのでママさんも着いてきた。子供達も着いてきた。
 バンの前にお利口そうに座っている桜さんと小菊さんにポテトを渡す。入れ物ごと渡したら器用に摘んで食べている。

 子供達はポテトを一本ずつ持ってうりゆ君達の口元に差し出している。もっもっ、と食べている。

 仏間に荷物を積み変え終わったママさんと大島氏はまた店内へと戻っていった。
感想 4

あなたにおすすめの小説

俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?

くまの香
ファンタジー
 いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

異世界で家をつくります~異世界転移したサラリーマン、念動力で街をつくってスローライフ~

ヘッドホン侍
ファンタジー
◆異世界転移したサラリーマンがサンドボックスゲームのような魔法を使って、家をつくったり街をつくったりしながら、マイペースなスローライフを送っていたらいつの間にか世界を救います◆ ーーブラック企業戦士のマコトは気が付くと異世界の森にいた。しかし、使える魔法といえば念動力のような魔法だけ。戦うことにはめっぽう向いてない。なんとか森でサバイバルしているうちに第一異世界人と出会う。それもちょうどモンスターに襲われているときに、女の子に助けられて。普通逆じゃないのー!と凹むマコトであったが、彼は知らない。守るにはめっぽう強い能力であったことを。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。 ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。 そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。 荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。 このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。 ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。 ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。 ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。 さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。 他サイトにも掲載

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。