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5-1 あの人は言わなかった
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side 貴大
石井さんとファミレスに入る。僕はドリンクバー、石井さんはピザも頼んだ。「さっき一切れだけだったからさ。ちゃんと食べたくなっちゃって」「ですね、僕もいろんなものちょっとずつ食べました。美味しかったから今度ちゃんと食べに行こうかな」僕がそう言うと石井さんが何かを言いかけて口をつぐんだ。「?どうかしましたか?」「いや、なんでもない。飲み物、取りに行こうか」
「食べてもいいよ?」「じゃ一切れいただきます」この人、食べてる時もカッコいいよね。やっぱり元がいいと何しててもカッコいいんだな。「フフッ」「?」「ごめん、ほんとに食べてる時かわいいな」「…やっぱりバカにしてるじゃないですか」「してないしてない。なんにもしてなくてもかわいいけどさ、食べてる時はもっとかわいいってこと」…えー…男の人にかわいいなんて言われたことあったかな……あの人はそんなこと言わなかった。…だめだ、忘れると決めたはずだ。
「もう一杯、コーヒー飲んで帰ろう」「そうですね。もうだいぶ遅くなっちゃったし」「中村君は実家から?」「いえ、一人暮らしです。だから別に遅くなったってかまわないんですけどね。石井さんは?」「俺も一人暮らし。親が転勤で九州にいてさ、高校の時は知里の家に居候してたんだ」
石井さんとファミレスに入る。僕はドリンクバー、石井さんはピザも頼んだ。「さっき一切れだけだったからさ。ちゃんと食べたくなっちゃって」「ですね、僕もいろんなものちょっとずつ食べました。美味しかったから今度ちゃんと食べに行こうかな」僕がそう言うと石井さんが何かを言いかけて口をつぐんだ。「?どうかしましたか?」「いや、なんでもない。飲み物、取りに行こうか」
「食べてもいいよ?」「じゃ一切れいただきます」この人、食べてる時もカッコいいよね。やっぱり元がいいと何しててもカッコいいんだな。「フフッ」「?」「ごめん、ほんとに食べてる時かわいいな」「…やっぱりバカにしてるじゃないですか」「してないしてない。なんにもしてなくてもかわいいけどさ、食べてる時はもっとかわいいってこと」…えー…男の人にかわいいなんて言われたことあったかな……あの人はそんなこと言わなかった。…だめだ、忘れると決めたはずだ。
「もう一杯、コーヒー飲んで帰ろう」「そうですね。もうだいぶ遅くなっちゃったし」「中村君は実家から?」「いえ、一人暮らしです。だから別に遅くなったってかまわないんですけどね。石井さんは?」「俺も一人暮らし。親が転勤で九州にいてさ、高校の時は知里の家に居候してたんだ」
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