初恋

9. ※

9-2 準備

side 貴大

気持ちいい…将真が僕を求めてくれる。好きな人とするキスってこんなに気持ちいいんだ。将真が欲しい。僕がこんなに好きだってこと、舌から…ナカから伝わればいいのに。「もうお風呂入れるよ」「そうだな。貴大の全部、俺に見せて」「僕にも全部見せてよ」服を脱がせあって、お互いのソコが空気に晒される。どうしよう、ちゃんと僕で興奮してくれてる。「…嬉しい…」こぼれてしまった涙は優しい唇に吸い取られた。

「僕、自分で準備するから」「させて。俺がしたい。俺にさせて」…あの人は途中から準備も後始末も僕にさせるようになった。何も知らない僕は、そういうものか、ってそれをただ受け入れた。「将真が…してくれるの？それでいいの？」「あたりまえだろ。なんで自分でするなんて言うんだよ」「だって…」「…貴大は玩具でも人形でもない」将真が怒ったように言った。「許せないよ。俺が惚れた男をそんなふうに扱った奴のことなんか俺が忘れさせてやる。だから俺だけ見てて。俺のことだけ考えてて」「将真…将真が好き…僕には将真だけなんだってわからせて」あの人としてきたことなんて忘れさせて。「俺も貴大だけ」将真が僕を抱きしめた。